終末怪獣世界(短編)   作:断空我

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久しぶりの二次を書きたくなったのでやってみることにした。

ガメラリバースみた影響かな?

そして、ウルトラマンネクサスサブスク決定おめでとう!


終末怪獣世界(短編)

怪獣黙示録という本が世界に広まりつつある。

色々な事が書かれているが要約すれば、怪獣によって世界が滅びてしまうというもの。

実際、世界は怪獣によって滅びの危機を幾度も迎えた。

――はじまりの怪獣、ザ・ワン。

青い発光体が様々な生物を取り込んだその姿は悪魔そのものだった。

多くの人がザ・ワンの姿を見て恐怖した。

だが、果たしてそれは勝利だろうか?

ギリギリのところで回避運動をとり、それが辛うじて成功しているだけかもしれない。

いや、そもそも、成功ということがあるのだろうか?

もしかしたら。

 

 

 

 

「却下」

 

 

 

バシンとデスクの上に叩きつけられる原稿。

 

「比企谷、確かにお前の原稿は癖があり、毒々して素敵だが、これは却下。このご時世に怪獣黙示録の事を肯定的でも批判的でも、とにかくかき上げる事自体、厄介ごとを呼びかねない。だから却下」

 

「わかりました」

 

編集長に却下と言われた目が死んでいる青年、比企谷八幡は叩きつけられた原稿を片付けるともう一つの原稿を取り出す。

 

「じゃあ、これ、話題のアイドルについて」

 

「どれどれ」

 

用意していた原稿を読んでいく編集長。

しばらくして笑顔で原稿を受け取る。

 

「こっちは採用!そっちはアウトだからな」

 

「わかりましたよ」

 

笑顔の編集長にひらひらと手を振りながら八幡は自分の席へ戻る。

 

「お前も懲りないね」

 

袴田吉彦にそっくりな坂本剛一が声をかける。

 

「そうですか?警鐘はとりあえず鳴らしておくべきかと思いますけどね」

 

「いわんとしていることはわかるけどな」

 

「ところで、そばでハンバーガー食べないでくださいよ。前にソースが原稿についてて書き直しになったんですからね」

 

「あー、ごめん。これ手放せないから」

 

笑顔で告げる彼の言葉に八幡はため息を零す。

手品や様々なうんちくを話す彼だが、どういうわけかハンバーガーが手放せない。

一日に一回はハンバーガーを食べないと手が震えてしまう。

そんなバカみたいな持病を抱えている。

長生きしないのではないか?

八幡は心の中でそんなことを持っている。

決して口にしないが。

呆れながら愛用しているマッカンを飲む。

ソウルドリンクがあれば大抵の事は我慢できる。

高校時代に夢見た専業主婦はどこへいったのか。

気付けば、比企谷八幡は週刊誌のライターになっていた。

一定の成果を出しているので給料が安定していると言えば安定している。

だが、人のマイナスの面や、ろくでもない事を書いたり命の危機はいくつもあったことだろう。

それでもなんとかやっているのは――。

八幡は作業を止めて鞄を手に取る。

鞄の中を覗き込んで彼はため息を零す。

 

「いつになれば、目覚めるんだよ。全く」

 

「え、何か言った?」

 

「なんでもないです」

 

首を振りながら八幡はパソコンの画面に意識を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「事後処理か、こんな事、防衛軍がやればいいのに」

 

榊春生は悪態をつきながら目の前の撤去を行う。

数時間前、とある鉱山跡地に怪獣が出現した。

怪獣出現に最初は対処していた科特隊だったが、後からやってきた防衛軍の波状攻撃に怪獣は原型をとどめないくらいに撃退された。

 

「ボヤくな、ボヤくな!幸いにも犠牲者がなかったんだからな。こういう仕事くらいなら造作もないってな!」

 

近くの瓦礫を持ち上げて撤去車へ運びながら嵐が宥める。

 

「しかし、最初に怪獣を発見して戦っていたのは我々なのに」

 

「忘れたのか?俺達、科特隊は怪事件の捜査等を目的としている。そりゃ、怪獣撃退も仕事に含まれてはいるが、特別任務だ。そっちは防衛軍が本職なのさ」

 

嵐の言葉に春生はため息を零す。

 

――科学科学特捜隊。

パリに本部を持つ、国際警察機構。

一般の警察が手に負えない怪事件の捜査を主としており、各国に支部を持つ。

榊春生の所属する極東支部は多発する怪事件の調査に加えて怪獣との遭遇率も高い事から特別任務として怪獣迎撃も仕事として含まれている。

今回、出現した怪獣ゴルドンを撃退する為に地上へおびき寄せる作戦を科特隊が立案。

地上に顔を出した所で防衛軍の波状攻撃によって撃退された。

春生はその事に納得がいっていない。

科特隊が対応していたのだから最後まで撃退すべき。

自分の手で怪獣を倒す。

勿論、一人でそんなことが出来るわけではない。

 

「腐るな、腐るな。壊された後より直す方の事が大変なんだからな!」

 

「わかっていますよ」

 

嵐の言葉に春生は撤去作業へ意識を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新宿周辺で変な音がするという通報を受けた制服警官二名が路地裏へやってきていた。

時間は既に夜。

本来なら仕事を終えた社会人や夜遊びをする若者であふれかえる時間帯。

だが、彼らがいる場所は不思議な事に人の気配がまるでない。

 

「ここまで静かって珍しいな」

 

「ん?」

 

警官の一人が何かに気付いて動きを止める。

 

「どうした?」

 

「いや、何か音が」

 

「野良猫じゃないか?」

 

「いや、それにしては」

 

ガサガサという音と共に黒い影が飛び出す。

 

「うわっ!?」

 

近付こうとした制服警官が驚いて後ろに下がる。

 

「おいおい、そんなに驚く、うわぁああああああああああああああああああ!?」

 

懐中電灯を向けてその飛び出したものをみて目を見開く。

 

「な、なんだ、こりゃ!?」

 

首のない獣の体。

それが猫だったものという事を彼らはわかっていない。

 

「ヒッ!」

 

死体が飛んできた方向から音が聞こえてくる。

 

「だ、誰かいるのか!?」

 

腰の警棒を取り出しながら警官は叫ぶ。

 

「い、いるなら、出てこい!」

 

「お、おい!」

 

同僚が拳銃を取り出した事に慌てて止めようとする。

 

――赤い閃光。

 

ボトリと止めようとした警察官の手が落ちた。

 

「え、あ?」

 

手が落ちた事に呆然としていると次々と放たれた閃光が警察官の体を貫く。

グチャと瞬く間に肉塊と化した仲間の姿に腰を抜かしながらその場を逃げようとする。

だが、襲撃者は逃がさない。

ゴミ箱の近くから飛び出す小さな影。

 

「ひぃぃいいいいいいいいいいい!」

 

小さな翼竜と警察官が認識した瞬間、口を開いてそのまま彼の顔を飲み込んだ。

咀嚼する音が路地裏に響く。

その場に転がる警察官達だったもの。

連絡が途絶えた事から怪事件の可能性ありと判断した警察上層部が科特隊日本支部に連絡が入るのは、それから一時間後の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐野牧郎は走っていた。

不摂生が祟り、先を走る子供たちと比べて息切れを既に起こしている。

 

「(何で。僕は走っているんだっけ?)」

 

視界がぼやけながら桐野は少し前の事を思い出す。

嫌いな店長から一方的な首の宣告。

理由に我慢が出来ず、つい、店の金を横領していることを叫んでしまう。

青ざめている店長の顔を見て、つい、自分がやらかした事に気付いて逃げるように店を出た。

クビにされた事からその日の金ももらえていない。

自分のやらかした事にむしゃくしゃしながら彼はゲームセンターに立ち寄った。

それが不運のはじまりだったかもしれない。

ゲームセンターにやってきた外国人の集団。

彼らは近くにある基地に住む旧米軍の子ども達。

後からやってくる子供たち。

桐野はつい、自分の力を使ってしまった。

イライラしていて無意識だったのだろう。

彼らの関係についてわかった。

 

「いじめっ子といじめられっ子か」

 

ぽつりと口に出した事がいけなかったのだろう。

外国人の子ども達に見つかってしまい、三人組は屋上へ連れていかれる。

何故か、桐野も一緒に。

最初は抵抗していた桐野だったのだが、子供にしてはガタイが良く力も強かった事から抵抗できずに屋上に連れていかれた。

そして、アレをみた。

新宿の街中を飛び回る翼竜の群れ。

人間サイズから大型トラックくらいのサイズまで赤土色の翼竜が人を襲っていた。

誰もが目の前の光景に絶句する。

 

「怪獣……」

 

桐野の口から言葉が漏れた。

怪獣、それは日本なら知っている存在。

前にニュース速報でその光景を見た桐野は知っている。

何より、自分の力でみたあの光景が忘れられない。

新宿で再び怪獣が暴れている。

そんな彼らの頭上で編隊を組んだ戦闘機が通過する。

F-15の戦闘機編隊。

桐野達は知らないが現地で怪獣に遭遇した科特隊の要請を受けて近隣の防衛軍基地からスクランブルしていた。

戦闘機によって次々と小型翼竜怪獣は撃退されていく。

 

「やった」

 

桐野の隣で男の子、フロディと呼ばれていた子が歓喜の表情を浮かべる。

だが、次の瞬間に表情が暗くなった。

戦闘機が撃墜していた翼竜よりさらに大きなサイズが現れる。

口から光線を吐きながら次々と戦闘機を撃墜していく。

戦闘機が回避運動をとるとするが光線や鋭い爪によって瞬く間に撃墜される。

 

「嘘、だろ」

 

「やはりF-15では」

 

メガネをかけた子供の言葉にフロディが怒りで拳を握りしめて。

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あぁ、思い出した。

 

 

汗と鼻水やら唾液でぐちゃぐちゃになりながら桐野は思い出す。

屋上に現れた翼竜から必死に逃げていたのだ。

軍の子ども達はフロディを置いて逃走してしまった。

桐野も無視して逃げたかったのだが、気付いたらボコやジョーと呼ばれている子供たちと一緒に気絶したフロディを抱えている。

気絶した人間はとても重い。

鍛えていない桐野にとっても苦痛に感じる。

子ども達と一緒に逃げていた時だ。

 

「あ、あぁ!」

 

目の前に巨大な翼竜が現れる。

今までに見たことがないほどに大きい。

口を開けてこちらへ近づいてくる。

餌をみつけた目、そして桐野の力が教えてくれる。コイツは自分にとって敵だ。

迫る死。

子ども達、桐野すら絶望に膝をつきそうになった時。

ソレは現れた。

爆風と衝撃。

桐野は子供たちと一緒にごろごろと地面を転がる。

ふらふらと意識が朦朧としながら桐野はメガネをかけなおして立ち上がった。

その目で見てしまう。

翼竜の怪獣と対峙するように立っている巨大な怪獣。

その姿は桐野の知っている亀と酷似している。

大きさが60メートルくらいであることを除けば。

翼竜怪獣と対峙するカメの怪獣が雄叫びを上げる。

世界が揺れたと錯覚するほどの衝撃が桐野達に届く。

 

「な、なんだよ、あれ!?」

 

「か、カメの怪獣でしょうか?」

 

「違う」

 

「ガメラ」

 

「そうだ」

 

ボコと呼ばれた少年の言葉に桐野は頷く。

桐野の力も亀の怪獣の存在について敵ではないと訴えている。

そして、亀の怪獣の名前。

 

――あれはガメラだ。

 

雄叫びを上げる怪獣ガメラ。

対峙する翼竜怪獣と戦いを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、彼らは知らない。

これはまだはじまりですらない。

これからだ。

これからが本当のはじまりとなるのだ。

 

 

 

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