黒川篤は罪を償いたい 〜令嬢に仕える青年の物語〜 作:よもぎもなか
藤原「猛省してください!私は怒ってますよ!会長のアホ‼︎不真面目!恥知らず!」
篤「………二人とも何してるんですか………」
藤原「篤君丁度良いところに!聞いてくださいよ!生徒会長ともあろう人が校歌を口パクなんて………」
【校歌!近年は蔑ろにされがちな文化であるがここ秀知院では週始め朝礼で必ず斉唱されている それに加え小等部から効果は共通の為、
御行「俺の完璧な口パク術を見破るとは……なかなかやるではないか藤原書記…………」
篤「藤原書記は一応指揮者ですからね」
藤原「こんな事続けてたらそのうち他の人も気づくと思います………面倒でも歌詞位おぼえましょうよ!」
御行「いや まて そうじゃない 歌詞は完璧に覚えてるし別に歌いたくない訳じゃない……」
篤「え?じゃあなんで………」
御行「……………ん…ち………だから……」
藤原「? うんち?」
篤「そんなわけ無いでしょう」
御行「ちょっと音痴なんだよ‼︎生徒会長がちょっと音痴とかどうよ!大きな声で歌えば歌うほど恥を晒す事になるだろうが‼︎ 考えただけでもう嫌だ そんな生き恥晒す位なら口パクの方がマシだ………」
篤「な〜んだそんなことですか」
藤原「ちょっとだけ音痴……………ちょっとなんなんですよね?ちょっとだけ音痴なだけですよね?」
御行「あぁ誓ってちょっとだけ音痴だ」
篤「ちょっとだけなら手伝ってあげましょうよ藤原書記」
藤原「ちょっとだけなら………」
【篤はこの時知らなかった 地獄に叩き落とされる事を】
〜数分後の音楽室〜
藤原「あっ…あっ…いやあぁあぁぁぁぁあっ‼︎」
篤「ワァ…………ァ………」
【篤!自身の判断を恨む!自ら地獄に入った挙句一人道連れにしてしまったことに!】
御行「どう?」
篤「………………」
藤原「嘘つき‼︎!ちょっとじゃない‼︎壊滅!致命的音痴!よくも騙してくれましたね!」
御行「いやいや大袈裟な いうてそこまでじゃないだろうに」
篤「……録音してた自分の歌声聴きます?」
御行「あぁ聴く聴く」
【人は自身の声を直接聴くことは出来ない 骨伝導により自身の認識とは異なる場合がある 即ち………】
御行「嘘だぁ………こんなゴミみたいな歌声が俺の声? なんかの間違いだよなぁ……?」
篤「現実なんで受け止めてください」
藤原「会長は今まで出会ってきた人の中でダントツで音痴です 私交際相手の条件に『音痴じゃない人』を追加したレベルの
御行「そこまで…………?俺は一体どうすれば………」
篤「まずは歌ではなく単音で正しい音を出せる様にしましょうこんな感じで ソ〜♩」
藤原「流石篤君! 会長…………出来ますか?」
御行「馬鹿にすんな……それ位できる ソ{レ}〜♩ な?」
篤「何がな?ですか!ソはこれ!レはこれ!全然違うじゃないですか!」
御行「…………うん」
藤原「篤君………わかってなさそうですよ」
篤「………じゃあ俺と藤原書記がソの音を出すんでよく聞いて同じ音程を出してください」
御行「同じ音………?」
篤「これでちょっとはマシになるはず……」
【10分後】
御行「…………を感謝する藤原書記…篤広報……俺は今日初めて『音楽』………を理解した気がする 歌える!今なら歌えるぞ!」
篤「藤原書記!」
藤原「はいっ!じゃあ行きますよ」
【数分後】
御行「どうだった?」
藤原「吐きそう」
篤「ヤバい……以前のは一周してなまこの内臓みたいな美しさがあったんですけど今のは生半可に音を拾ってる分ジャイ◯ンって感じです!の◯太が何故必死に逃げるかやっと理解できました!」
御行「容赦ないな…お前………………やっぱりおれは口パクのままでいいよ 俺が歌うと周りに迷惑だからな」
藤原「そんな事は……」
御行「あるんだよな それが 小学校の教師には『無理して歌わなくていいからね』……って言われた…中学の合唱祭ではクラスメイトに『お願いだから本番は口パクで』って……それ以来俺は口パクでやってきた 俺だって本当はうたいたい 何も気負わずみんなと一緒に歌いたい……だけどみんなに迷惑がかかるなら……」
篤「なんで……なんでそれを早く言わないんですか……ー
藤原「篤君の言う通りです 私達が会長を歌えるようにしてあげる! ママに任せて‼︎」
御行「その母性の出され方は結構抵抗ある!」
篤「じゃあパパに任せなさい!」
篤「それはそれで困るわ!」
【その後とてつもない時間をかけて特訓し……次の朝礼】
篤(おぉ神よ!頼む!…………!)
藤原(歌えてる!会長歌えてる!)
御行(届いているか〜この歌声〜♩)
藤原(うん!届いてます会長!)
篤(届いてるよ!御行!)
御行(己の弱さを識り奮励す〜♩)
藤原(気高くも〜羞恥の宿る〜ひとみ〜♩)
篤(共に撮りこえたソがレの闇〜♩)
御行(共に高みへ)
藤原(進達の日々)
篤(歩みはいずれ辿り着く)
御行(感謝の気持ち忘れない〜あぁ母よ〜育ての母よ〜♩」
藤原・篤「わぁぁぁぁぁっ!」
石上「篤先輩!?藤原先輩!?」
かぐや「藤原さん!?」
生徒1「千花ちゃん!?」
葵「おにい!?千花先輩!?」
石上「篤先輩……大丈夫ですか?」
葵「おにい?大丈夫?」
篤「頑張ったな……お父さん嬉しいぞ……」
石上「篤先輩……壊れちゃいましたね」
葵「これはヤバいかもね………」
【本日の勝敗 白銀&藤原&篤の勝利】
篤「もうやりませんから!」 続く!
【次回予告】
篤「カクカクシカジカで風邪を引いてしまったかぐや様を早坂と看病していると御行がお見舞いに来ちゃいました………このままだったらばれるよね?え?女装?早坂 冗談ですよね? 次回もお楽しみに!」