ジャンプ転生記 in呪術   作:美野

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まだ呪術キャラ出ません
※10/8誤字修正しました。報告ありがとうございます


プロローグ

 ----2005年、5月。

 日に日に暑くなる初夏、俺はバイト先の雑居ビルにいた。

 俺は宮前千里(せんり)。高校一年生だ。

 バイトは占い師。溜息が出る。

 

 先月ここに初めてきたときは、こんなはずじゃなかった。

 バイトの募集の通り、掃除や小物のセッティング、メルマガまわりの事務雑用をするつもりでいた。

 少なくとも雇われてからの数日はその通り働いたのだが。

 

「千里くん、準備いい? そろそろお客さんくるよ」

「・・・大丈夫です」

「もっと明るく! 千里くんのおかげで、予約がいっぱいなんだから」

 

 目の前の女性、店長は機嫌よく笑っている。 

 もともとは彼女が占いをやる側だったのだ。だというのに、ついついアドバイスをしたのがいけなかった。

 

 たとえば、明日は天気が悪そうだから、傘を持ってきた方がいいですよとか。

 定期をなくしそうだから気をつけてくださいねとか。

 なくしたら、降りた駅の駅員さんに届けられるので、30分ほど待ってくださいねとか。

 

 でも仕方がないと思う。水難の相やら失せものの相やらが頻繁にでていたら、誰だって気になるだろう。

 しかも彼女は占い師。俺が占っても変な顔はしないのではないか? と心理的なハードルも低かった。

 残念ながら、結果としては感銘を受けた店長によって占い師に抜擢されてしまったわけだ。

 雨の心配くらいならまだよかったが、定期が届く時間まで言い当てたのはよくなかったらしい。

 とはいえこれを伝えないと「届いていなかった」と言って小一時間探し回る羽目になりそうだったので、伝えざるをえなかっただろう。

 ともかく、こういう事情で占い師なんてものをバイトでやっているのだ。

 

 両親は離婚していて、母に育ててもらったが、その母もこの前の冬にいなくなってしまった。 

 母は超つくほどのお人好しで、父はそれに甘えただけの残念な人間だった。母がお人好しすぎたのがかえって悪かったのか。

 父のほうはもうずっと音信不通なので、自分のお金は自分で稼ぐ必要があった。

 3月までは行政の助けも借りたが、高校に入ればふつうにバイトができる。

 入学したのは女子が極端に少ない工業高校だ。同級生に遭遇しないだろう最高のバイト先を見つけたと思ったのに。

 

 客が来るまで、手元の式盤を手慰みに回す。

 陰陽師の式占を助けるこの木製の道具は、方角や占いの日時をもとに結果を導くものだ。十二支や十二天将などが記してある。

 馴染み深いこの式盤は、その占術の方法論を飛び越えて、もはや俺に未来のビジョンを見せてくれるようになった。

 そう、現役で陰陽師をやっていたときよりずっと。

 生まれ直すほど、俺の持っている能力が強くなっている。

 

 

 ----宮前千里。それは今生(こんじょう)の名前だ。

 俺には前世の記憶があった。前世どころか、数えるのも億劫になる程度の回数生まれ、死んできた。

 はじめの記憶は陰陽師になったそのときだが、それから忍者になったりマフィアになったり、滅却師(クインシー)になったり死神になったり、波乱の多い人生経験をいくつも積んでしまった。

 おそらく世界すら越えてきた俺の、人生に求めるものは至極シンプルだ。

 

 自分に近しい人間が、そこそこ幸せに笑える毎日でありますように。

 

 まだ人生の回数が片手の指くらいのころは、もう少し欲張っていた。 

 世界が平和になりますように。みんなが笑って暮らせますように。誰も彼もを守れますように。

 だができなかった。どんなに先が見えていても、人より強くても、できることはわずかだった。

 そして、精神的には俺はただの人間だった。

 だから願いも、自然とささやかにまとまっていった。

 

 今は、客として来店した人間の先をのぞき見て、可能な限りアドバイスするだけだ。

 それがやたらと口コミで広がっているらしく、予約がどんどん増えている。

 店長はうれしそうだし、客も明るい顔で帰って行く。不本意にはじめたが、悪くない仕事だった。

 あとは高校の同級生に見つからないことを祈るのみだ。

 気休めかもしれないが、明るい金髪のウイッグと黒い布マスクをつけて、今日も客を迎え入れる。

 

 まれに客についてくる、怨霊ともあやかしとも(ホロウ)ともつかない異形のことは、まだ観察するだけだった。

 




呪術キャラは次回から

書きためてから投稿しようと思っていましたが、オリ主に使わせたかった技を原作の宿儺に使われてしまったためとにかく書いて上げることにしました。
防御が強いキャラがいたら貫通技考えるのは仕方のないこと・・・
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