スター団ひこう組のボスやってるけど質問ある?   作:かわたり

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掲示板成分は後半に
原作キャラ登場回です



3.顔出してねぇやつが笑うなっ!

ピケタウンより北。

小高い山が連なる様な大地を、鬱蒼とした雑木林が覆う一帯。

立ち並ぶ木々にはタギングルによる色鮮やかな模様が施されている。

人々はその一帯を"しるしの木立"と呼んでいた。

 

その一角に構えているアジト、スター団どく組では、多くの下っ端が姿を見せている。

良くも悪くも活気ある連中であることから、今日この日がいつもの倍騒がしくなることを想像するには容易い。

しかしその日は例外だった。

むしろ静か過ぎるという異常事態が発生していたのだ。

 

「おい、聞いたかよ?

ボス達がこのアジトに一同会するって話…!」

 

「それでこんなにも団員が多いのね…」

 

「まさかあの"暴君"が来るなんてな…」

 

「一体何が行われるんだ…」

 

何組もの下っ端がその話題で持ちきりであったが、その状況には違和感があった。

 

「だったらなんでこんなに静かなの?

普通そんな話題があったら盛り上がるし、噂好きの私が知らない訳ないよ」

 

仮設テントにもたれる3人組の下っ端。

そのうちの1人、ムギという少女の指摘に、残る2人の少年が苦い顔で反応する。

 

「それは!てめえが3日以上ひこう組にもアカデミーにも顔出してないからだろーが!

つーかせめてメールくらいチェックしろ!

スター団で知らないのてめえくらいだぞ!ムギ!」

 

「ん〜僕もそれには同意。

珍しくシンニが集会に出るからってこんなにも話題になってるのをさ、直属の下っ端たる君が知らんのは不味いっしょ。

シンニも悲しむよ?そんな雑な扱いされたら」

 

補足しておくが、この3人は数少ないひこう組に所属する下っ端である。

それ故、ボスたるシンニの動向を把握していないムギの様子に2人は呆れていたのだ。

だからなのか、下っ端の1人ヤオクォは気を利かせて彼女に事情を説明し始める。

 

今の閑散とした状況は、シンニが多くの下っ端から恐れられている構図が生み出していた。

ボスならバトルが強いのは当然だとしてもだ。

危険なプルピケ山道を縄張りに今日まで5体満足であること。

更には愚行に走る下っ端の対処を彼自らが行なっている事実は恐れられる理由として十分だった。

彼がスター団の自浄作用的な役割を果たしていたとしても、又聞きしただけの者からすれば暴君としか捉えられないのも何ら可笑しくはない。

(皮肉にも、シンニによって救われた者たちはそんな認識を一切していない)

 

「………あ!そうなんだ?」

 

「…」

 

しかし当の彼女は上の空。

近くを飛ぶ野生のミツハニーに気を取られて、話を理解してるのか定かではない様子だ。

ヤオクォはそれに激昂しかけたが何とか耐えた。もう諦めるという道を選んで。

もう知らねーこんな変人…オレには扱えん…早く帰ってこいボス…と。

 

その傍らで、ひこう組の残る下っ端ウルチが切り出す。

 

「下っ端達がビクついてる理由はわかったけどさ…結局何でシンニは呼ばれたんかね?」

 

「あ〜…ボスが何かやらかしたとか?」

 

「ん〜シンニのことだからその可能性が一番だけどさ。

掲示板でスレ立てた件も、結果論ではあるけどプラスになった訳じゃん?問題解決してさ。

他のボスもそれは喜ぶと思うし、ますます呼び出す意図がわからんくね?ってなってきたのよ僕は」

 

「…言われてみると確かに」

 

彼の最もな指摘にヤオクォは同意する。

そうであればと2人なりに動機を考察してみるが、答えは浮かびそうになくウンウン唸ることしか出来ない。

そうして時間が過ぎていく最中、ムギが口を開く。

 

 

「ただ会いたかったから…とかは?」

 

 

斜め上を行くどころかシンプル過ぎる彼女の答えに、2人は理解するまで時間を要した。

そして彼らは声を揃えて「それはない」と告げたのだった。

 

「あれー?自信あったんだけどなあ」

 

眉を顰め空を仰ぐ。

彼女の興味を惹く物は何も無かった。

シンニが戻るまで時間がかかるだろう。

退屈な気分を紛らわせようと、彼女はスマホロトムに触れた。

 

 

 

 

「まさかPoketterでこんなにも拡散されるとはね…それもまさかボクらのシンニが」

 

「確かに初めはオレも笑っちゃったけどさー、冷静に考えて結構不味いことだろコレ!

規模がデカくなりすぎ!」

 

「うむ。

対象が同胞である故…単純に笑い話にしようにも出来ない事態でござるな」

 

「私もそう思う!何か色々と複雑って言うか…」

 

仮設テントの中で、組を統べるボスたちが一同に介している。

彼らの話題はもっぱらシンニがネットで拡散されていることについてだ。

初めは彼がその渦中にあることに対し、困惑しながらも笑える程度の認識で。

むしろ仲間の1人が多くの人間に注目されている事実には誇らしさすらあった。

 

しかし問題であるのは、彼を切り抜き面白画像を作る文化が流行していること。

それもパルデアに収まらない規模で。

多くの人間からいいように扱われ、笑い者にされている。

それは捉え用によっては過度なイジリやイジメであり、大切な仲間が被害に遭っていることとなる。

 

当然看過することなど出来なかった。

 

「ふっ、ふざけんな!コイツら全員ぶっ壊してやる!!」

 

「メロちゃん落ち着いて…」

 

「落ち着ける訳ないだろ!!ダチがこんな目に遭ってんだぞ!」

 

現にほのお組ボスのメロコは荒れに荒れていた。

そもそもこの集会を求めたのも彼女である。

一見不良に見える彼女であるが、根は優しく仲間思いなのだ。

シンニを気遣い何か力になれればと思っての行動だった。

ピーニャとシュウメイをきっかけにこの騒動を知ったメロコ。

彼女の提案に、オルティガとビワが賛同し、この集会が実現したのだ。

だからこそ、彼らは不安で仕方がなかった。

シンニと会った時、彼がどれ程打ちひしがれているのかと。

 

「ねぇ見てよみんな、この画像ウケるんだけど」

 

 

「……シンニくんは普通に楽しんでるみたいだけどメロちゃん…」

 

「ハァ!?」

 

まぁ、当のシンニはこの流行を誰よりも喜び楽しんでいたようだが。

メロコが激怒している傍らでは、自らコラ画像をピーニャ達に見せびらかし同意を求めている始末。

ちなみに今見せているコラ画像は「パルデアジムリーダー全員の顔がシンニの顔にすげ替えてある」というもの。

ありふれた発想であるが、無駄に手の込んだ合成に笑えるらしい。

 

「そ……そう、だネ!ハハ…」

 

「なん、と……!」

 

「」

 

 

「でしょでしょ?」

 

心配していたこともあり、ピーニャとシュウメイは誤魔化そうにも微妙な反応しか出来ない。

オルティガに至っては理解不能といった様子だ。

 

「テッ、テメーなあぁ〜…!!!」

 

「め、メロコ?ヒィッ!」

 

そこへ突然、メロコがシンニの肩を掴み割り込む。

震える顔と声に、何が起きるかは想像がつく。

 

「ちょっとは心配したオレたちの身にもなれやああああああああああ!!!」

 

しるしの木立を揺らすような彼女の剣幕に、シンニは思わず震え上がる。

一方、それを見ていたボスたちは御尤もな指摘に心底同意した。

 

「……帰ろっか」

 

「「そうだね」」

「うむ」

 

「「「「お疲れ様でスター!」」」」

 

なので、メロコによる説教タイムも見逃し解散することにした。

シンニに対し反省してくれと言わんばかりに。

 

 

 

 

 

________________________

 

スター団ひこう組ボス 待機スレ2

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36:スレ主

まぁそんなわけで怒られたのよ…

プライバシーのこともあるので色々省いた雑説明でごめんね

 

37:特性ふみんの匿名さん

…ま、なるわな

 

39:ふみんの匿名さん

イッチにプライバシーの配慮とか出来たんか

 

41:特性ふみんの匿名さん

成長したんでしょ…(適当)

 

43:特性ふみんの匿名さん

成長してたら律儀にここで報告もせんやろ

色々伏せてるとは言え

 

44:スレ主

≫43

昨日何も報告せずに寝たお詫びだよ

そういえばあの後アカデミーの人から連絡来たって話したっけ?

 

46:特性ふみんの匿名さん

何それ知らん…

 

47:特性ふみんの匿名さん

退学勧告か〜?

 

50:特性ふみんの匿名さん

≫47

そん時は俺たちで慰めるか

 

52:スレ主

退学ちゃうわ!

連絡してくれたのはアカデミー校長のクラベルって方ね

声を交わすのは初めてだけど 新しい校長らしい

 

54:特性ふみんの匿名さん

コウチョウミズカラガ⁉︎

 

55:特性ふみんの匿名さん

大物やんけ

 

56:特性ふみんの匿名さん

で、結局何用で連絡してきたの?

 

58:スレ主

自分がコラ画像の素材にされてることについて心配してくれたらしい

俺が望むなら制作者が削除するようアカデミーの立場のもと交渉してくれるみたい

もちろんネットにある全てを消せるとかでもないけどね

正直アカデミーに良い思い出なかったのもあって校長の優しさがスッと効いてく…俺ってチョロい…?

 

59:特性ふみんの匿名さん

良い人すぎて草

 

60:特性ふみんの匿名さん

校長…(トゥンク

 

61:特性ふみんの匿名さん

堕ちそうになってるお前は何も間違ってない

校長自ら連絡してくれる時点で生徒とちゃんと向き合おうとしてるのが伝わってくる

そんなん違う教員にでも任せられるのにね

 

62:特性ふみんの匿名さん

あったけぇ…

 

63:特性ふみんの匿名さん

というかそんな問題放置が普通なんだわ

 

64:スレ主

あとは軽く雑談というか情報交換してお開きって感じかな

それと就任したばかりでスター団のこと詳しくないのもあるけど

「無理して登校する必要はありませんよ。

その代わり、時々こうして私の話し相手になってくれると嬉しいです。いつでもご連絡下さい」

って言ってくれて超嬉しかった

 

66:特性ふみんの匿名さん

我アカデミーの生徒

校長の聖人ぶりが広まって鼻が高いよ

 

67:特性ふみんの匿名さん

掲示板に似合わないほっこりエピソードじゃん…

 

69:特性ふみんの匿名さん

優し過ぎる…一周回って怪しく見えてきた

 

71:特性ふみんの匿名さん

≫69

同じく というか何だろうな校長の微妙な胡散臭さは

 

73:特性ふみんの匿名さん

某アーティストとも似てるしな…

 

74:特性ふみんの匿名さん

学園ものの黒幕キャラ感が半端ない

 

77:特性ふみんの匿名さん

≪69 ≪71 ≪73 ≪74

は?何だとお前 お前はもう黙れ

校長のことを喋るな

 

78:特性ふみんの匿名さん

バチクソ切れてて草わよ

 

80:特性ふみんの匿名さん

【悲報】アカデミーの生徒さん、校長をバカにされ顔真っ赤になってしまう…

 

81:特性ふみんの匿名さん

それで怒らない方がおかしいだろ!

 

82:特性ふみんの匿名さん

えっ? は?

 

84:特性ふみんの匿名さん

どうした82

 

85:特性ふみんの匿名さん

連投してごめん

イッチのコラ画像ネットから消えてってない?

それで一瞬焦ってた

 

88:特性ふみんの匿名さん

≫85

え マジやん

 

91:特性ふみんの匿名さん

本当だ 次々と削除されとる

気に入ってブクマしてたのもああああ

 

93:スレ主

え?マジで!?

クラベル校長もう対応してくれたの?

 

95:特性ふみんの匿名さん

違うっしょ

この削除ペースは異常じゃない?

 

97:特性ふみんの匿名さん

いまのうちに保存しとけよお前ら!

 

98:特性ふみんの匿名さん

あれだよ スーパーハカーのおかげだよ

 

99:特性ふみんの匿名さん

≫98

ウルップさん チッスチッス

 

100:特性ふみんの匿名さん

≫98

そんなわけあるかなぁ

 

 

 

 

 




シンニ
心配して損したと言われんばかりのムーブで怒られた。とほほ〜。
流石に懲りて空気を読むことの大切さを覚えた。
かつてはポケモン勝負にしか興味がなかった。
今やボスたちやひこう組の下っ端から影響をもろに受けて多趣味になっている。本人曰く昔の自分はつまらない人間だったとのこと。
クラベル校長には今のアカデミーの雰囲気を尋ね、満足のいく解答を得られた様子。
内心このまま信じてもいいのか悩んでもいる。

ムギ
ひこう組下っ端その1。
一見どこにでもいそうな雰囲気の少女。
シンニが掲示板を始めたきっかけとなる存在。
噂話、恋バナ、陰謀論などあらゆる話題が好物。趣味は流離うことで定期的に音信不通になる。
シンニに並ぶトラブルメイカー。

ヤオクォ
ひこう組下っ端その2。
ザ・不良な風貌と口調の少年。
ひこう組において最年長で、体も細身ながら一際大きい。シンニのことを唯一ボスと呼んでいる。
趣味兼特技は裁縫。

ウルチ
ひこう組下っ端その3。
ふくよかな体格の少年。声がかっこいい。
冷静さが成す分析が得意で皆から頼られている。
交友関係が広く、意外にモテる為か同性の恨みを買いやすい。趣味は写真と食べること。
________________________

あれ程に言わせたいと思ってた「お疲れさまでスター!」を書き忘れてることに気づき過去話含め修正してきました()我ながら最悪なミスだ…
それに原作ポケモンなのにポケモンバトル描写が全然ないんスけど、いいんスかこれで…(危機感)
そういえば日間ランキングに入ってたらしいですね
お気に入り登録数も好調に伸びてるみたいで歓喜しております
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