怪物、日向翔陽。   作:村岡8bit

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お久しぶりです。日向を魔改造しすぎてどう手を付ければいいかわかんなくなっちゃってた作者です。いや、マジでどうしようほんとに。

そして、日向の能力盛りすぎ事件に伴い、本作の『うるとらくればー、しょーよーくん!』という題名を改題させていただき『怪物、日向翔陽』とさせていただきました。ちょっと、うるとらくればーとか言ってる場合じゃないです。

今回は三人称→日向視点→三人称になってます。


一番強い

 

お願いしアース!

 

「おっ、ちょうど始まりますよ大地さんスガさん!」

「おう」

「おー、元気なの居るな〜」

 

 雪ヶ丘 対 北川第一の試合が開始した頃、ギャラリーにはとある高校のジャージを来た3人組が訪れていた。

 

 三人組の一人の坊主頭の男が、不思議そうに首を傾げて訊く。

 

「でも、なんで中坊の試合なんか……」

「王様を見に来たんだよ、コート上の王様」

 

 黒髪を短く切り揃えたガタイの良い青年が、坊主頭の問いに答えた。

 

 更に、グレージュカラーの髪をセンターパートにしている、爽やかな青年が訊く。

 

「王様?」

「ホラ、北川第一の2番……セッターの影山だよ。鋭いトス回しに加えてブロックやサーブでもガンガン点を稼ぎ、抜群の身体能力とバレーセンスでコートに君臨する王様!来年戦うことになるかもしれないだろ?」

 

 若干わざとらしすぎるくらいの説明口調で答えた後、言い足す。

 

「まぁ、王様っていう呼び名もただの噂で聴いたことで、由来もよく知らないんだけどな……」

「へぇ~、そんなやつが……それにしても……王様の相手はどこだぁ? 高校生対小学生みたいな身長差だなァ」

 

 日向が聞いたら激昂しそうな、だいぶ失礼な感想を抱く坊主頭であった。

 

 ピーッと、試合開始の合図が鳴った。試合は北川第一のサーブから始まる。

 

「おっ、始まった」

 

「コージー!」

「い゛っ……!」

 

 北川第一のサーブを雪ヶ丘の背番号五番……コージーと呼ばれた男がかろうじてレシーブする。

雪ヶ丘側のコートに残ったボールをセッターが上げる。これまた下手くそだがトスと呼ぶにはギリギリ及第点だろう。見ていてとても息苦しくなるような、ギリギリ形になっているプレーだ。

 

 しかしそれでも、高く、やまなりに上がったオープントス。日向はそれをしかと目に捉え、駆け出す。

 

 タンッ、タンッ、タタンと軽やかなステップ。そして繰り出される────

 

────ドンっ!

 

 

 常人離れした圧倒的な跳躍。

 

「「「!?」」」

 

 日向のジャンプを目の当たりにした三人組は、思わず目をむいた。

 

 だれしもが日向に驚いたが、相手は強豪北川第一だ。ブロックが三枚きっちりとついてくる。

 しかし、それは日向の想定の内だ。彼は、斜め上の方向、相手ブロッカーの指を狙ってボールを叩いた。

 

────ドパァン!

 

「「「!?!?」」」

 

 三人組はまたしても目をむいた。

 

 ブロッカーの指にあたり大きくはじかれたボールは、その後だれにも触れられず地面に落ちた。雪ヶ丘の得点になる。

 

「うおおおお!すげー!」

「めっちゃ飛んだな!」

「今のブロックアウト、多分わざとだよな?……とんでもないジャンプ力に、おそらくブロックアウトを故意的に狙うことが出来る判断力と器用さ……一体何者だ?」

「雪ヶ丘なんて名前も聞いたことないよな」

「面白い試合になりそうっすね」

「ああ……そうだな」

 

 

 

 

 

「ぐっ……!」

 

 一年の鈴木*1がスパイクを取り損ね、相手の得点。

 

「す、すみません!!!」

「どんまい!さ、切り替えて切り替えて!」

「はい!」

 

 第一セットも終盤、ブレイク*2はさっきの俺のサーブ以降なし。どちらが先にブレイク出来るかで、勝負は大きく左右する。しかし……

 

 ……やっべぇな。思ったより疲れる。

 

「フゥゥゥ……」

 

 自分で言うのも何だが、このチームは今ほとんど俺のワンマンだ。しかも相手は強豪北川第一。並の運動量じゃ対等に競える訳が無い。元々体力にはかなり自信のある方だったが、まさか第一セットの時点でここまでバテてしまうとは……鍛錬が足りね〜!

 

 ……まぁ、嘆くだけ無駄だ。今は目の前の勝負に集中しなきゃ。

 

『一本ナイッサー!』

『ウス!』

 

───ピッ!

 

 まずはしっかりボール、取ってくれよ。コージー&1年ズ。何のためにお前らにレセプション練習ばっかやらせたと思ってんだ〜?

 

「コージー!」

「オーライ!!」 

 

 おお!キレイに上がった!

 

「コージーナイスレシーブ!イズミン!」

「オッケー……翔ちゃ──あっ」

 

 イズミンのトスが乱れた。いつものより、低くて速い。もはや並行トスだ。

 

「任せろ」

 

 幸い、ボールとネットの距離は近すぎず遠すぎでいい感じだ。

 

 ボールのスピードはいつもより速い。けど、俺のほうが速い。

 

 助走を短めに切り上げ、踏み込み、跳ぶ。

 

『一番一番!!』

『せーのっ!』

 

 あぁくっそ。いってーな、足。もう何十回飛んだのかも分かんねぇや。

 

 こういう時に実感する、己の体格がいかに恵まれていないかを。

 

 俺がもっとデカくて、筋肉のつきやすい体質だったのなら。そういう妄想をしょっちゅうする。そんで、そんなものは無意味だということ、とっくのとうに知っている。

 

 たらればの話、一切不要。自分の現状と向き合い、受け入れる。それが出来たら、前を向く。

 

 確かに、俺の体格は恵まれていない。けど、俺はコートに居る誰よりも速いし、跳べる。これは、自意識過剰なんかじゃない。

 

 確固たる自信を持って言える。

 

 今、この場に於いて一番強いのは、俺だ。

 

────パァン!

 

「っしゃあぁあぁぁ!!!!」

「翔陽ナイスゥ!!おえーい!」

「おえーい!」

 

 いいねいいねぇ!上がってきましたよぉ!

 

「次のサーブ!俺がぜってー決める!……んで、第一セット!このまま掻っ攫う!!」

「「「応!」」」

 

 

 

 

    雪ヶ丘中学校  V S  北川第一中学校

 

 

 

      23      ‐      22

 

 

 

 

 

 

「うお、また決めた。うめぇー」

「…にしても、ホントによく跳ぶなぁ。1メートル以上跳んでるべ」

「そんで、急にジャンサー打ち出すもんだから、なんかもう笑っちまうよ」

「それな〜。ホントにナニモンなんだあの1番」

 

 日向翔陽の活躍に舌を巻く三人組。先程から、試合の観戦をする彼等の話題は日向についてで持ちっきりだ。

 

「お!次のサーブ、あの1番っすよ!」

「さっきの3連続サービスエース、あれ凄かったよなぁ。2本目はラッキーだったけど、まぁ運も実力の内っていうしな」

「……この状況で、ついさっき3回連続点を取られたサーブをもう一回受けなきゃいけない北川第一は、精神的にかなりきついだろうな」

 

 エンドラインから2メートル程離れた場所に立つ日向、深呼吸をして、自分を落ち着かせているように見える。

 

───ピッ!

 

 笛が鳴ると、日向がゆっくりと動き始める。

 

 トス、助走、踏み込み、ジャンプ、ミート。流れるような一連の動作。基礎に忠実で、とてもキレイな、お手本のようなジャンプサーブ。

 

 3人組、は当初の目的であった影山のことなどとうに忘れて、日向の一挙手一投足に魅入っていた。

 

───パァン!

 

「んっあぁっしゃぁぁぁい!!!」

 

 彼のサーブが描いた弾道は最終的に、相手レシーバーとサイドラインの間へと着地し、大きく跳ねた。

 

 日向翔陽、本日二度目のノータッチエース。

 

「うおおおおお!すげー!!!」

「コースえげつねぇー……」

「……マジで笑うしかねぇな」

「って、これでセットポイントじゃないスか!?」

「おいまじかよ、まさかの一回戦から超絶大番狂わせか〜?」

 

 

 

    雪ヶ丘中学校  V S  北川第一中学校

 

 

 

      24      ‐      22

 

 

 

*1
雪ヶ丘一年ズは非ネームドキャラなので勝手に鈴木、佐藤、山田、って名前づけしました。今後出てくることはほとんど無い。

*2
連続得点のこと




なんでここまで戦えてるの?いくら日向が強くても流石におかしくないか?っていう自分でも思う疑念について、ちょっと辻褄合わせ的な感じのことをかきます。

日向(幼児)「バレーすんぞ」
コージー(幼児)&イズミン(幼児)「はい……」

↑こんな感じでイズミンとコージーは昔から日向のバレーにちょくちょく付き合ってたからある程度のプレイは自然と出来るようになっていた。

てことでおなしゃしゃす。それでも十分おかしいんだけどね。まぁそこは創作物ってことで堪忍してください。

ガチで難産でした。次回更新なるはやで頑張ります。

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ところで、ヒロインは誰がいい?

  • 皆のアイドル、潔子サン。
  • すごくかわいい、谷地ちゃん。
  • 普通に犯罪、田中冴子。
  • 意識外からの刺客、灰原アリサ。
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