青春の物語は風と共に   作:Bono

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百鬼夜行での物語に突入します。
イズナ可愛い…


百鬼夜行 春祭り編
桜と祭りとケモミミ忍者


「お〜…マジで桜だ。てか、街並みも綺麗だな。流石は観光を中心に栄えてる自治区…。」

 

俺は百鬼夜行連合学院の自治区にやってきていた。

話は二日前ほどに遡る。

いつものように書類の整理を終えて休憩しているとシャーレの固定電話が鳴った。

その電話は知り合いのシズコからかかってきたもので、百鬼夜行で行われる『百夜ノ春ノ桜花祭』…………通称『桜花祭』への招待に関する話だった。

俺も百鬼夜行自治区に関して気になっていたこともあり、その招待を受けることにし、百鬼夜行自治区へと足を踏み入れたというのがことのあらましである。

 

ちなみに、現在俺は猛烈に感激しています。

故郷以外で桜を見れるとは思っていなかったからである。

桜は風情があって好きなんだよな…。

あまり、花見などはしてこなかったが…桜を愛でることは好きだったりする。

 

街に漂うお祭り特有の熱気溢れる雰囲気を楽しみながら歩いていると、なんか可愛い声が聴こえてきた。

 

「あっ、あっ!危ないですーーっっっ!?」

 

デジャヴを感じた瞬間、俺の腹に狐耳の少女が頭から突っ込んできた。

 

「ガハッ!?」

 

俺は狐耳の少女に馬乗りになるような形で押し倒される。

 

「いたた…。ハッ!?ああっ、すみません!えっと大丈夫ですか?お怪我はありませんか!?」

 

狐耳の少女はすぐに立ち上がると、涙目で俺にそう聞いてきた。

 

「あ~…大丈夫。どこも怪我はしてないよ。こっちもよそ見をしていたからな。ぶつかってしまってすまない。」

 

俺も頭を掻きながら立ち上がる。

というか、ガッツリと頭が入った腹が痛い。

 

「そ、そうですか。それは良かったです………!」

 

ホッとした様子で狐耳の少女は胸をなでおろしていた。

 

「待てーー!!絶対に逃さないんだからー!!」

「ハッ!もうこんなところまで!?」

 

声が聞こえた方を見ると3人の女の子が走ってきていた。

どうやら、狐耳の少女は追われていたらしい。

というか、前にもブラックマーケットで似たようなことがあったような?

俺は状況に既視感を覚えたが、それを思考の脇に置くと狐耳の少女の手を取って走り出した。

 

「こっちだ!」

「えっ!?あっ……!」

 

俺は狐耳の少女とそのまま数分ほど走り続けて、追手を巻いた。

 

「ふぅ……ここまで来れば大丈夫そうですね。」

 

少女は息をふぅっと足元に向けて吐くと、俺に顔を向ける。

 

「えっと、イズナを助けてくれてありがとうございました!ところで貴方は…?百鬼夜行の生徒じゃなさそうですし、え~とどこの学園の人ですか?」

 

狐耳の少女ことイズナは満面の笑みを浮かべてお礼を言った後、俺の姿を見て首を傾げる。

 

「初めまして、俺は暁シン。連邦捜査部シャーレの部長をやっている者だ。」

「シャーレ、部長……………?」

 

俺が自分の自己紹介も含めて軽く名乗ると、イズナはわかっていない様子で更に首を傾げる。

 

「あ、イズナ聞いたことあります!最近、色んな自治区に現れては風のように不良を鎮圧していく、シャーレの部長という同年代の少年が居るって!どこにでも現れて困った人を助ける…まるで忍者みたいです!」

「え?…忍者?」

 

俺はまさかの言葉に思わずオウム返しのように呟いてしまった。

 

「まさか噂の部長殿とお会いできるなんて…!凄い、本物なんですね!ですが、シャーレの部長殿がどうしてここに?」

「桜花祭を見に来たんだよ。あと、シンでいいよ。」

「なるほど、そういうことでしたか!せっかくの桜花祭ですし!……よろしければイズナに、このお祭りを案内させてください!」

 

イズナはそう言うと、俺の手を取って引っ張りながら、色々な屋台やお店を紹介してくれる。

他の自治区では見れないようなものもあり、色々と新鮮な気分だ。

 

「あ、そうだ!せっかくですし、アレも見に行きましょう!こっちですシン殿!」

 

イズナは何かを思いついたようにハッとした表情になると、俺の手を引きながら駆け出した。

イズナに連れられて高台に行くと、そこからは百鬼夜行の街並みととてつもない大きさをした桜の木が見えた。

 

「………おお!こりゃ凄いな…。」

 

俺はその風景に美しさに思わず感嘆する。

それほどまでに街並みと桜は美しかった。

 

「えへへっ、ですよね?丁度この時期に一番綺麗に咲く、百鬼夜行の自慢です!イズナは、ご神木と百鬼夜行の街並みとが同時に見渡せるこの場所が、大好きなんです!ここでこうしていると、イズナも夢のためにまだまだ頑張らなきゃって気持ちになるんです!」

「ん?夢?」

「はい!イズナには夢があるんです!キヴォトスで一番の忍者になるという夢が………!今日も今日とて、そのために日々…!」

「忍者…ねぇ…。」

「す、すみません、その、こんな夢を持ってる人なんて今どき居ないことは知っているのですが……で、でも………!」

「良い夢じゃんか!俺は応援してるぜ!忍者ってカッコいいもんな!」

 

俺はキヴォトス1の忍者になりたいというイズナの輝く瞳を見て思わず応援したくなった。

それに、忍者ってカッコいいものだからな。

俺は忍者は大好きです…ええ。

やっぱり、男子ってヒーローとかそういうものが何歳になっても好きじゃん?やっぱりね、ヒーローとか忍者ってロマンなんだよ。

 

「っ!?イズナの夢を応援…?キヴォトス1の忍者になりたいという…。そんな、あまり普通の生徒は言わないような夢でも、ですか?」

「だって、なりたいんだろ?立派な夢じゃないか!俺はイズナなら間違いなくなれると思うけどな?」

「………っ!」

「そ、そんなこと言ってくれたのはシン殿が初めてです!え、えへへへっ、そ、そうですか………!イズナの夢を応援してくれるなんて……!まだ、色々と失敗も多い身ではありますが、あらためて、イズナは立派な忍者になってみせます!」

「……あっ!雇い主の依頼を終えていないのを思い出しました………!すみません、イズナはお先に失礼します!では、シン殿もまた!依頼が終わった後、また一緒に桜花祭を楽しめたら嬉しいです!」

 

イズナはそう言うと、ピュッーと風のように走り去って行ってしまった。

なんだか、イズナの頬が少し赤かった気がするが気の所為だろう…。

俺は、またイズナと出会えたら良いななどと思いながら百夜堂に向かって歩き始めるのだった。

 

 

 




というわけで、イズナとシンくんとの出会いです!
シンくんにはイズナとワチャワチャと日々を過ごして欲しいものです。
さて、ここからしばらくは百鬼夜行編が続きます!
ところで、百鬼夜行の桜って綺麗だと思うんですよねぇ…。
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