青春の物語は風と共に   作:Bono

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フィーナのキャラって色々と濃いと思うんです。
ぶっちゃけ、ブルアカを初めた頃はフィーナのキャラにびっくりしました。
あと、関係ない話ですが…美食研究会のアカリってサイゲの腹ペコ姫になんだか似てますよね。

10/4に文章の構成を修正しました。


扉を開けたら…お頭と呼ばれた件

「シズコ…人気なんだな。」

 

街の人達に百夜堂への道を聞こうと話しかけると、毎度とばかりに聞く百夜堂の評判とシズコファンの声…。

正直に言うと、とてもびっくりした。

いや、物凄い人気だな百夜堂。

今のところ、良い評判しか聞かないぞ。

というか、誰も道を教えてくれない…。

 

「ん〜?百夜堂〜?それなら、あそこを曲がった先にあるよ〜?」

 

たまたま出会った青い髪のゆるふわちゃんが親切に教えてくれたお陰でなんとか百夜堂にたどり着くことが出来た。

 

「よし、入るか…。」

 

意を決して、俺は百夜堂の扉を開ける。

 

「お頭ァァ!ようこそいらっしゃいマシタッ!!」

「…………。」

 

(パタンッ)

 

思わず、そっと扉を閉じた。

いや、いきなり任侠みたいな挨拶されたんだけど…。

というか、何だアレ…?

俺は困惑しながら、もう一度扉を開ける。

 

「わざわざシャーレ組からいらっしゃると聞いて、このフィーナ!心よりお待ちしておりマシタァッッッ!!!」

 

(パタンッ)

 

「…………………。」

 

正直、俺は宇宙猫と化していた。

 

「ヨシ!帰るかっ!」

 

俺は踵を返して歩き始める。

 

「待って!?帰らないで!?判断が早すぎるって!?」

 

百夜堂から慌てて出てきたシズコにしがみつかれて、そのまま俺は店の中に引きずり込まれた。

 

「…………ここは裏社会の店なのか?」

「そんなわけ無いでしょ!?」

「え?でも、さっきの挨拶とか…。」

「アレはフィーナが勘違いして暴走しただけだから!?いつもあんなんじゃないからっ!!」

 

シズコが目をぐるぐるさせながら必死に弁解していた。

 

「え~と…だからっ…そのっ…………………テヘペロ?」

「テヘペロで誤魔化されんぞ…。まぁ、事情は理解した。」

「理解してもらえて良かった。」

「え~と、コホン!いらっしゃいませ、シン先生!改めまして、百夜堂にようこそ!にゃんにゃん!」

「…………………………………メイド喫茶?」

「そういうのじゃない!!!」

 

シズコとフィーナとの出会いはツッコミとボケが炸裂する何ともカオスなものだった。

 

「ふ~ん、お祭り運営委員会ねぇ。んで、案の定…問題が起きてると…。」

「今朝もいきなりあちこちを荒らされまして…ほんっとに迷惑…。」

「……。なるほどね…。少なくとも、状況を聞く限りでは何かが裏でありそうだな。少なくとも、組織的な動きがある感じに見える。」

「やっぱりですか…。」

「あぁ、とりあえず…もう少し情報を集めないと判断も…。」

 

(ドッカーン!!)

 

「「「!?」」」

「あ~もう、言ってるそばからあいつらっ!ほんっとやってらんない!!」

「とりあえず、外に行くぞ。」

「了解デス!」

 

 

(ズドーーン!!)

 

「きゃんっ!?」

 

外に出ると、何故かイズナが居た。

 

「イズナ!?何でここに…。あっ…。」

 

俺は、イズナが別れる際に依頼主という単語を口にしていたことを思い出し、何故イズナがここにいるのかを察する。

 

「あれっ、シン殿!?それはこちらの台詞です!どうして、シン殿が私達の邪魔を!?はっ!もしかして、シン殿は最初からイズナを誘い出す為に近づいて来たのですか!?まさか、全ては仕組まれていた!?イズナの夢を応援するって言ってくれたのに!本当は悪い人だったんですか!?」

「いや、それは違う。そもそも、イズナ達が何をしているかなんて俺は知らなかったからな。それと、イズナの夢を応援するって言ったのは本心だし、何も悪いことしてない。それよりも、イズナは忍びとしての仕事でここにいるのか?」

「っ!はい!イズナは忍びとして命令に従っているだけです!」

 

(従っているだけ…か。ということはイズナに命令を出した依頼主が今回の事件の黒幕か…。にしても、こんな嫌がらせのような妨害行為をするとは。随分とやり方が汚いな。)

俺はシズコやイズナ達の話から今回の件について頭で整理をすると、腰のポーチからミレニアム製の閃光弾を取り出してシズコ達と戦闘を行っている魑魅一座に向けて投擲する。

 

「「「ぐわぁ!?」」」

 

閃光弾が炸裂し、何人かが気絶したらしく魑魅一座は撤退を開始する。

 

「くっ、イズナ殿!一旦戦略的撤退だ!」

「せ、戦略的撤退……?ですがイズナは……。」

「立派な忍者は引き際を弁えてるものだよ!何かの本で読んだ気がする!」

「なるほど!そういうことであれば!まさか、イズナの夢を応援してくれたシン殿がイズナの前に立ちふさがるなんて…何という運命の悪戯…!ですが、イズナは知っています!忍びの道を行くからには、こういったことも起こり得るのだと!ドラマで見ましたので!」

 

(あ、ドラマなんだ………。)

 

「望まぬ戦いに巻き込まれてしまうのもまた、忍者の宿命!シン殿、イズナは諦めません!次に相まみえる時はイズナ、今の3倍くらい強くなってるはずですので!では、ニンニン!」

「おう、楽しみにしてるぜ。」

「はいっ!」

 

イズナは魑魅一座と共に引き上げていった。

 

 

 

「さてと、どうやらこのお祭りを邪魔したい奴が居ることはハッキリした。」

「さっきの狐の子の依頼主ってやつ?」

「そういうことだ。依頼主が同じのようだからな…そいつが下手人だろう。」

「フィーナ、理解できマセン。どうして桜花祭を邪魔しようとするんデショウ?」

「………知ったこっちゃあないが、色々と気に食わないんじゃないか?」

「あっ、会長!」

 

シズコの視線の先を見ると、一匹の着流しを着た貫禄のある猫が居た。

 

「どうも、百鬼夜行の商店街の会長をしているニャン天丸という。お見知りおきをシャーレの部長殿。」

「シンで構わないよ。ニャン天丸さん。」

「そうか、ではシン殿と呼ばせてもらおう。」

 

(この人…先程から店の外でタイミングを見計らっていたな。正直、怪しいとしか言いようがない。)

 

「いったい桜花祭の何が気に食わないんでしょうか……?」

「さぁね………ただ強いて言えば、今回は1つ大きく変わったことがあるだろう。昔からこの『百夜ノ春ノ桜花祭』の最後には、伝統的に花火が打ち上げられていた。でも今回はちょっと違うんだろう?新たな試みだったとかなんとか。」

「それは、テーブルにあるミレニアム製の装置か?」

「ほう?」

「え?そうだけど…何でわかったの?」

「ミレニアム特有の加工の仕方が見れるからな…。」

「なるほど…。ええっと、それは今回のお祭りのフィナーレのためにミレニアムにお願いしたホログラムで花火を再現する装置です。」

「金のかかってそうな機械だな………。まぁ何にせよ、何かが変わるということを誰しもが簡単に受け入れられる訳じゃない。」

 

(金………?そこを気にするのか?………この人、何かが引っかかる。)

 

「それはそうですけど……それが理由で、桜花祭を邪魔するなんて……。私はただ桜花祭を今まで以上に素敵なものにしたくって……。」

「あくまでも、推測だ。それに儂だって今更、このことを蒸し返したいわけじゃあない。ただ、気に食わんと思う奴らも居るだろうなという話だよ。学生がこんなに金を使ってな………てな。」

 

(……………推測ね。にしては具体的すぎる。先程もそうだ。金、この人は金を異常に気にしている。それに、学生が…か。正直、俺はこの人を信用できない。いや、俺はこういう大人を知っている…だから、真意を確かめるしか無いか。)

 

「随分と酷い話だな。だけど、気に食わない奴が居るというのは同意だな。会長もわざわざそのようなことを確認するために足を運ぶとは…随分とお人が悪いな?」

「ふん、儂は会長だからな、腑抜けた態度で祭りを行われても困るのだ。祭りは商店街の儲けのチャンスでもある。気にするのは当然だろう?問題が起きているとすれば尚更だ。学生が運営を行っているということだけでも心配だと言うのに。」

 

(ビンゴ…やっぱり、そういうことか。)

 

「だってさ?シズコ達はどうするつもりだ?このまま放って置くわけにも行かないだろ?」

「協力などを他の団体に求めたいところですが…どこもかしこも、真っ当に手伝ってくれるのかどうか…。」

「………じゃあどうする?」

「うーん、背に腹は代えられません。心当たりもありますし、一度行ってみましょう。ただ、シンくんの力が必要。協力してくれるよね?」

「任せとけ。生徒の力になるのは俺の領分だからな。当然だろ?」

 

シズコの真面目な眼差しに俺はニヒルな笑みで応えるのだった。

 

 

 

 




はい、シンくん割と勘がいいです。
セイア並に勘が良いために悪人だとか裏での動きに敏感です。
なので、ニャン天丸の裏の顔にも当然気がついてます。
さて、次回は陰陽部に突撃です。
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