青春の物語は風と共に   作:Bono

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イズナの尻尾を枕にしてみたい!
気持ちよさそうですよねぇ…。
そんな作者の願望です(笑)



フィナーレは花火と共に

「ダサいとは何だ!儂の名前のどこがダサいというのだ!」

 

いや、めっちゃキレますやん。

まぁ、そりゃ名前をダサいと言われたらキレるのも仕方はないけど…。それでも、あの名前は無いわ〜。

 

「おい、聞いているのか!!小僧!!」

「ん?あ、ゴメン…。聞いてなかったわ…。」

「貴様ぁ!!」

「んで、黒幕のニャン天丸さんよ。俺と何を話したいわけ?」

「ぐぬぬ…。まぁ良い。話の前に、その手に待っているスマホは預からせてもらおう。」

「あ、そこんとこはちゃっかりしてんのな?コミックの悪役みたいに間抜けではないわけか。」

「ふん。年を取ると用心深くなるのだよ。さて、これでお主が助けを呼ぶ手段は無くなった訳だ。飛んで火に入る夏の虫とはこのことだな?シャーレの部長殿?」

「はぁ…。…なぁ、何でアンタは祭りの邪魔をするんだ?少なくとも、伝統を気にしているのは事実だろうけど、他にも理由はあるんだろ?」

「ああ、そうだな。儂の目的は極めてシンプルだ。金だよ。」

「金…ねぇ?要するに、アンタは学生が祭りを仕切ってるのが気に食わないわけか?自分ならもっと稼げるってか?」

「そうだ。祭りを素敵なものになどとほざいてミレニアムに大枚はたいて機械を買うような青い考えの連中よりも儂のほうがより多くの金を稼げる。」

「くだらね。そんな理由のためにイズナ達をや魑魅一座の連中まで利用したのか?」

「イズナ?………ああ、あの自称忍者のチビっ子か。そうだな、あいつは実に使えたよ。ちょっと忍者ごっこなどというお遊びに付き合っただけで、これほどまでに良く働いてくれるとはな。」

「お遊びだと?」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺はニャン天丸に対して怒りを抱いていた。

ニャン天丸からすれば、お遊びと思えるのだろう。

だけど、ニャン天丸の言葉は真剣に忍者という夢を追っているイズナに対する侮辱だ。

 

「ああ、幼稚な子供のごっこ遊びじゃないか?あいつの言う『忍者』なんてファンタジーの産物だ。そんな魔法なんてあるわけがないだろう?正直、笑いをこらえるのに必死だったよ。フハハハ!!あんな、夢想とすら言えないバカの妄想を『夢』と語る姿は滑稽だったわ!」

「………。」

「なぁ?お主もそう思うだろう?」

「………。」

「だが、バカも使いようだな?こうやってお主をおびき寄せる餌になってくれた。」

「…そうだな。確かにまんまとアンタに釣られた俺は愚かだろうな。」

「なんだ、自己分析はできているじゃないか。」

「なぁ、アンタ…随分と夢がないんだな?」

「何?」

「イズナは真剣に忍者になりたいってそう言った。あの子の目には夢に対する願いがあった。確かに、アンタからすればイズナの夢はお遊びなんだろうさ。……だけどな、誰かが必死に追っている夢を願いを馬鹿にする資格にはアンタには無い!嘲笑う資格もな…。それにな?忍者ってのはロマンなんだ!カッコいいものはカッコいいんだよ!それに憧れることの何が悪いんだ!夢があっていいじゃないか!」

「………………。急に何を言い出してるんだ?」

「ロマンの分からないアンタには理解できないだろうさ!」

「…くっ、くはははははっ!これは傑作だな!シャーレの部長殿も所詮は子供か!大人の話を理解できない子供に話をするだけ無駄だったようだな!………やれ、魑魅一座!」

 

ニャン天丸がそう言った瞬間、魑魅一座は総出で俺に襲い掛かってくる。

俺はガントレットを装備して風を身に纏いながら構える。

その次の瞬間、天井が爆発して落ちてきた。

 

「何!?天井が落ちてきただと!?何が起こっている!?」

 

爆発の煙が晴れると、そこに1つの人影があった。

 

「キヴォトス最強を目指す忍び!真の主君の窮地を救う為、今ここに参りました!」

「待ってたぜ!イズナ!」

「何!?イズナだと!?何故、天井に!?」

「全部聞いていました。雇い主の話も………例え何があってもイズナの夢を笑わない、シン殿の気持ちも!イズナは遂に見つけました!最初からずっとイズナの夢を応援してけれたシン殿の隣でなら、イズナはこれから先もずっと夢を見続けられます!」

「なっ!?裏切るのかイズナ!!!」

「シン殿…いえ、主殿!」

「主殿……か。こんな俺が主でいいのか?」

「はいっ!今からイズナは、全てを真の主君たる主殿に捧げ、主殿の為に戦います!」

「そうか………。じゃ、行くとするか!イズナ!」

「はいっ!いざっ!」

 

俺はイズナと目を合わせるとガントレットで覆われた拳を打ち付けて、魑魅一座へと殴りかかった。

 

「う、ぐうっ!」

「啖呵を切った割には大したことないじゃあないか!イズナ!」

「そりゃ、それだけの数で相手にしていたら押されるだろうよ。」

「…………。何故、お主は逆にピンピンとしている!?というか、お主を相手にしていた魑魅一座が全滅しているではないか!?」

「むしろ、数を揃えても…俺相手には大した障害にはならないよ。やるんだったら、ゲヘナの風紀委員長クラスの戦力で構成した大部隊で戦うぐらいじゃないと無理ゲーだぜ?」

「ふざけた戦力だな…。このような化け物だったとは…。だが、その代わりにイズナは落とせる。」

「ところがどっこい。そうは問屋がおろさないんだよなぁ…。」

「何だと?」

 

俺は倒れそうなイズナを胸に抱えると、パチンと指を鳴らす。

 

(ドッカーン)

 

次の瞬間、俺とニャン天丸達の間の壁が消し飛んだ。

 

「「「「「義理と人情!例え、元不良であろうが!受けた恩を仇では返さない!元スケバン魂を舐めるなぁ!」」」」」

 

壁の向こう側にはバイクなどに乗った元スケバンたちが居た。

俺はシャーレに着任した後、DUシラトリ区やゲヘナ・トリニティと各地で不良達を鎮圧していた。

そうやって鎮圧した不良の中には更生した子も居て、そんな子達はシャーレに所属した後、シャーレ預かりの生徒としてミレニアムやゲヘナ・トリニティで復学できるように俺が取り計らっていた。

有事の際は召集したり、力を貸してもらったりしてもらっている。

言うなれば、俺直属の元スケバン部隊なのだ。

ていうか、数名…トリニティの正義実現委員会やゲヘナの風紀委員会の制服を着てるけど……。

 

 

「私達もいますよっ!」

 

元スケバン達の中にシズコ達も混ざっていた。

いや、合流したのは分かるけど…ど真ん中に混ざってるじゃんね。

 

「何だ!?この人数の生徒は!?それにお祭り運営委員会に修行部まで!?」

「この子達はシャーレで俺が預かってる生徒たちだよ。力を貸してくれって事前に頼んでおいたんだ。」

「小癪な真似を…………。」

「はっ!魑魅一座を従えてふんぞり返ってたアンタが言えた筋じゃないだろ?」

「ぐぬぬ………。おい!外にいる増援を呼べ!」

「増援?あ、さっきアタシ等が制圧した連中っすか?なら、全員伸びてるっすよ?」

「だってよ?呼んでも来てないから、もうここにいる連中しか残ってないんじゃないか?」

「馬鹿な………。そんなはずは…。」

「こんな雰囲気で言うのもアレなんですけど、元々来るはずだった他の魑魅一座のみんなはやっぱりパスって言ってお祭りに行ってるので………これで全員です。」

「は?え?ほんとに?嘘?え?もう、居ないの?…………………スゥーーー。」

「…さて、チェックメイトかな?ニャン天丸?」

 

俺が拳を打ち付けながらニャン天丸を見ると、ニャン天丸はつけていた眼帯外して両手を上げた。

 

「えっと、そのだな?諸君、全部水に流すというのは…………どうだろうか?」

 

ニャン天丸が冷や汗を流しながらそう提案をしてくるが、それに対し『ゴゴゴッ』と効果音が付きそうな雰囲気を放つ看板娘が1人…。

 

「んなことできるかぁぁぁっっ!!シズコ本気の看板娘パーーンチ!!」

 

シズコのストレートパンチがニャン天丸の顔面に入り、綺麗に回りながら吹っ飛んでいった。

 

 

 

 

 

「え~と、イズナ…。あれどう思う?」

「ま、まぁ良いんじゃないでしょうか?ちょっと可愛そうな気もしますが…。」

 

ニャン天丸との戦いから数刻後。

元スケバン達はとっくに帰って、眼の前にはお祭り運営委員会と修行部のメンバーだけとなっていたのだが。

俺とイズナの前には十字架に貼り付けられたニャン天丸がバイクに乗ったシズコ達の上に鎮座していた。

 

「シンくん!私達は、これから街を回ってくるから!お祭り楽しんでね!」

 

黒いサングラスを掛けたシズコはそう言うと、十字架に貼り付けたニャン天丸を引き連れてバイクで去っていった。

うん、あまりにも絵面がシュールだ………。

 

 

「さてと、イズナ…。」

「はい?何でしょうか?」

「花火を見に行かないか?」

「!!!でしたら、イズナが主殿を案内します!見晴らしの良いところを知っているので!」

 

イズナはパァっと笑顔を浮かべると俺の手を引いて走りだした。

(うん、やっぱり…イズナは笑顔が似合う。)

俺はそう思いながらイズナに手を引かれながら走り出した。

 

 

「あそこがちょうど…って、ああぁっ!?すぐ人でいっぱいに!?うわぁん!どうしましょう!?4方も塞がれてしまいました!?」

 

俺は慌てるイズナを宥めながら、今いる場所から花火を見ることにした。

 

「イズナ、ここで見ようぜ?人混みの中でも見づらいしさ?」

「は、はい!えへへっ!」

 

(ヒュゥゥゥゥゥゥ)

(ドーーーーーン)

 

「あ、始まりました!」

「お、綺麗だな〜。」

 

俺は隣ではしゃぐイズナを横目に美しい花火を楽しんだのだった。

じっと見ているといつの間にか時間が経っていた。

 

「えへへっ、この景色……主殿と一緒に見られるだなんて……。…………。主殿……その、イズナ、色々とご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません。イズナは、イズナは……。」

「気にするなよ。迷惑なんてかけられてなんぼだ。一応、俺は先生でもあるんだぜ?生徒のために行動するのはまぁ、普通のことだろ。」

「シン殿………。」

 

俺がイズナの頭に手を置きながらワシャワシャとやっていると、イズナは覚悟を決めたような目をして口を開いた。

 

「えへへっ…主殿!イズナ、ここに宣言します!シン殿は、主殿は、私の夢を応援してくれる人!これから先、イズナは主殿に忠誠を誓います!」

「そうか、そりゃ嬉しいな。」

「ですので主殿!これからもイズナを、末永くよろしくお願いします!イズナはこれからも修業を続けて、主殿の為に頑張っていくので!ニンニン!えへへっ……。」

 

そう言って笑うイズナの顔はとても可愛らしかった。

 

 

(プルルルルルル)

 

「………。何だ?」

 

ポケットのスマホから着信音が鳴る。

 

「あ~、もしもし?」

「あ、シンさんですか、お久しぶりですね。カンナです。」

「お、カンナさん。どうしたの?」

「………その、ダレル先生の身元引受人をお願いできますでしょうか?」

「………今度は何やったんですか?」

「DUのパチンコ屋でパチンコ台を破壊して…逃走していたところを通りがかった公安局の生徒が発見いたしまして…………パチンコ屋側からの訴えで逮捕となりました。」

「えぇ……………。」

「えーと、ご都合はよろしいでしょうか?」

「今、百鬼夜行にいるので無理です。」

「そうでしたか。これは失礼しました。では、他の方に当たりますので。失礼します。」

 

(ガチャッ ツーツーツー)

 

「………。」

「え~と、主殿?大丈夫ですか?」

「イズナ、なんか食べたいものあるか?奢るよ。」

「良いんですか!?じゃあ...イズナ、カルメ焼きを主殿と一緒に食べたいです!」

「そうか、じゃ行くか!」

「はいっ!」

 

俺は電話の内容を聞かなかったことにしてイズナとカルメ焼きを食べに行った。

決して、後からやってくるだろう書類について現実逃避した訳では無い。うん、違う…。

 

 

 

 

それから、数日後…。

イズナからモモトークで忍術研究部という部活に入ったと写真付きで報告があった。

俺はそれを微笑ましく思いながら…眺めていた。

 

銀髪の同僚?ああ、それなら今現在進行形でアビドス自治区に出張中だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、百鬼夜行編は閉幕です!
バイクで引き回されるニャン天丸はボーボボのネタから引っ張ってきました。
そろそろ、アビドス編に入ります。
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