相変わらず、壮大な町並みであった。
一度見たことのあるタスクの感想はそんなものだ。あとは、自分達よりも発展したこの世界の技術力に感心するくらいだろう。
ロゥリィやテュカ、レレイ────ピニャもボーゼスも、言葉が出ない様子だった。唖然としながら、周囲に広がるビルや建物の数々を見渡し、硬直するしかないのだろう。無理はない、当時のタスクも似たようなものだったのだから。
伊丹たちと同行し、進んでいくタスクたち。途中、公安の人間が伊丹と接触してきた。軽く話した後に、その一人がタスクへと顔を向ける。
「どうも、貴方が『銀の英雄』様ですか。駒門と申す者です。うちの旧友がよろしくと言っていましたよ」
「旧友…………?っ、もしかしてあの時の刑事さんのことですか?あの人、大丈夫なんですか?」
「まぁ、色々と書類を書かされたらしいですが、アンタの事を気にしてましたよ。私は伝えましたからね、それでは」
タスクが出会った刑事だが、責任は取らされなかったらしい。まぁ、銀座を救った英雄を力ずくで押さえ込む訳にもいかず、仕方ないことだとして許されたらしい。その分、仕事は増やされたらしいが、元気でやっているとのことだ。
良かった、とタスクは安堵した。
自分のせいであの刑事が責任を追求されていたとしたら、タスクはとにかく必死に弁明しようと思っていたところだ。そうならずに済んだことを、今は安心するしかない。
時間がまだあったらしく、伊丹たちに案内されて近くの牛丼屋で腹ごしらえをした。本音を言えば、十杯分は食べたかったが、伊丹が不安そうな顔をしていた為、諦めた。次は自分のお金で食べに行こう、と密かに決意しながら。
その後、少しお店を依りながら、タスクたちはピニャとボーゼスと分かれ、目的の場所────国会議事堂へと立ち入るのだった。
◇◆◇
午後の二時半近く。
同じ時間に公共放送局が義務的に放送している国会中継。真剣に取り組む政治家も半数しかいない為、好き好んで見る者も少ない。面白味に欠けると、視聴率が低い数字を保っていたこの番組だが─────ある機を境に、この日前代未聞の視聴率を叩き出していた。
一つは、某匿名に掲示板に「国会に、特地のエルフが出る」という書き込みがきっかけ。誰もが異世界の住人、物語や空想でしか見たことのないエルフを見たがっていた。
そうしてもう一つ、銀座を救った英雄 タスク・アイアスが同じ国会に出向くこと。これが最も大きな理由と言っても過言ではない。
銀座事件にて、帝国の軍勢による虐殺を止め、たった一人で半壊へと追い込んだ最強の戦士。彼の存在を知った直後、国も世界も、大きく荒れた。
まず最初に、タスク・アイアスが敵であるか味方であるか。これは国会内で白熱な議論を繰り広げることになった。ある野党議員が、こう切り出したのだ。
────あの男は数万の軍勢を単独で撃破できる存在であり、極めて危険である。だからこそ、排除しなければいけない、と。
当然、それに対する世論は反発的だった。少数は賛成すれど、大多数が不満を噴出していた。自分達の為に戦った者に対して、その扱いはなんなんだ、と。
無論、その議論はある議員の反論によって切り捨てられた。
────もし彼が危険な存在であるのなら、国民に危害を加えていた。そうしなかったのは、彼が私達に敵意のない存在だという証明。国民の皆様を守り通した彼を、自分達の都合で排除するべきと宣うなど、恥知らずの所業である、と。
そうした意見が世論の指示を受け、タスクの評価は『銀座の人々を無償で救った銀の英雄』というもので固着した。後々の話では、その場の人が撮影した映像と、彼等の話がタスクという男の英雄像を形作っていく。
曰く、大きな銃と虹色の大剣を軽々しく扱い、戦場を踏破した疾風迅雷の如く姿。
曰く、人間の何倍も大きなオークを素手で粉砕し、突進だけで数十の騎馬隊を吹き飛ばした。
曰く、鎧と同じような強靭な肉体を有しており、剣は愚か鈍器すら生身で受け切り、竜の牙すら通さない。
曰く、上空に浮かぶワイバーンを銃で撃ち落とし、近くのビルの壁を大剣と棒のような武器で駆け上がっていき、一瞬で十数階も先に辿り着いた。
曰く、あれだけの数の軍勢に立ち向かったのは、子供にお菓子を貰った恩返しの為。その為にわざわざ子供に礼を示し、拘束される際も抵抗すらしなかった、と。
そんな話が広まったこともあり、多くの者がタスクという英雄を高く評価していた。四ヶ月過ぎた今でも、ニュース番組ではタスクのことを取り上げることもある。それ程までに、多くの悲劇を防いだ英雄の人気は凄まじかった。
だからこそ、今回の国会も大勢の人が目当てで見ている。彼等の興味と期待が集中した国会に四人の異世界人が参入した。
テュカ、レレイ、ロゥリィ、タスク。
普通とは違う、明らかに異世界染みた顔つきと姿の四人の男女に当初は国会内にも混乱が目立つ。
「特地の人間か?女の子ばかりだな」
「あの小さなコは何を持ってるの?」
「み、見ろ………あれがタスク・アイアスだ。鎧は脱いでるみたいだが、武器は携帯してるみたいだぞ」
「…………彼等とは友好的にありたいな。他の奴等も余計なことを言い出さないで欲しいが、多分無理だろうな」
ざわざわとした声は、三人の少女たちとタスクに向けられる好奇の視線。聡明そうな政治家が何人か、問題事にならないことを期待している様子だった。
すぐさま騒ぎを静止され、静寂と化す国会。こうして粛々と、重要とされる国会が幕を上げた。
◇◆◇
「まずは第一の議題、特地に関する参考人質問を始めます。────質問者 幸原みずき議員」
「伊丹参考人に単刀直入にお尋ねします。自衛隊の保護下にあった避難民の四分の一、約百五十人が─────通称ドラゴンの犠牲によって犠牲になったのは何故でしょうか」
わざわざプラカードまで提示して、随分と用意が周到だ。まるで最初から自衛隊の責任を追及したいという我欲が空いて見える。実際に、ドラゴン───炎龍が強かったからだと答えた伊丹に、女性の議員が感情的になりながら叫ぶ。
「私は自衛隊の方針に、政府の対応にっ、問題は無かったかと訊いているのです!現場の指揮官として犠牲が出たことをどう受けとめているのですか!?その答弁は貴方の力量不足の責任転嫁ではないのですか!!」
「────すみません。少し発言させてください」
自分勝手に捲し立てる女性議員に、タスクは我慢できなかった。スッと手を挙げ、発言を求めると進行役の議員からの承認を受け、タスクはその場で口を開く。
「貴方の言い分に、反論があります。自衛隊や政府の対応に、責められてる点はありませんでした。彼等はその場にいた生存者を守るため、全霊を尽くしていました」
「───それでも!犠牲者が出ている現状、自衛隊の対応に不備があったとは思いませんか!? 彼等の力不足で、数百人もの犠牲が出たのですよ!?」
「……………確かに、犠牲者が出たというのは事実です。自衛隊の対応も、最善なものがあったかもしれません」
「き、聞きましたか!彼が証言してくれました!自衛隊の対応に、不備があったと─────」
「────だがそれは、部外者である貴方たちには言う権利はない」
調子づいたように周りに訴え掛ける女性議員を、タスクは険しい目つきで睨んでいる。本気の怒気を向けられ、その場の全員が硬直してしまう。
怒気でこれだけだ。殺気を向けられたのなら、殺気だけで死ぬかもしれない。そんな風に錯覚させる程の気迫が、タスクから滲み出していた。
彼がそこまで激怒する理由、それはハンターとしての責任、戦場に立つ者としての覚悟を理解しているからだ。自衛隊のやり方に問題があった? 彼等が努力すれば、もっと犠牲者は減ったのではないかと言いたいのか?
そんなわけない、ハッキリ断言する。
戦場とはそんな単純なものではない。戦場は常に、想定外の要素を含んでいる。どんなに完璧な作戦を立てようと、モンスターの動きによって容易く打ち破られることも有り得る。
当時の自衛隊の対応は最善だった。ハンターであるタスクが、保証できる程だ。彼のよく知る筆頭ハンターたちも、同じことを言うだろう。
────その上で犠牲者が出たのは、予想外が起きたからだ。彼等の武器も通じぬ炎龍の強襲に、彼等は即座に対応を行い、他の犠牲者が出ないように尽力したのだ。
だからこそ、彼等の覚悟を、意思を理解しているからこそ、タスクはそれを理解せずに好き勝手に言われることが許せなかった。殺意ではなく怒りで、彼は目の前の女性に事実を告げていく。
「対応が遅かった、あと少し早ければ────そう言っていいのは、当事者だけだ。非を責めるべきは他人ではなく、自分自身だ。決して、貴方たちのような安全地帯にいるだけ者が、彼等を責めることは許されないッ!」
「な、な………っ!?」
「彼等の行動に、問題は何一つはなかった!誰もが最善に動いていた!自国の人間ではない、異世界の人を守るために、彼等は彼等の戦力で太刀打ちできなかった『炎龍』にすら立ち向かった!犠牲が出るのは当然だ、それが戦いだ。後悔も反省も、全て彼等だけのものであり、俺や貴方たちが意見していいものではない!
もしもだ!これ以上彼等に言いたいことがあるのなら、実行してみせろ!武器を取って戦い、人々を守るために命を賭けてから物を言え!それも出来ないのなら!彼等に何も言わないでもらおうかッ!!!」
────自分の戦友たちの戦いを、侮辱させたりはしない。
そう明言するように、布で覆われた大剣で床を鳴らすタスク。その行為だけでも、普通ならば取り押さえられても可笑しくない。しかし、その威圧感の中で、誰もそんなことを言えなかった。
一方で、視聴率は急上昇だった。SNSも視聴の反応を示すものばかりだ。何が凄いとすれば、反響の殆どはタスクの行いを褒めるものばかりなことだろう。政治家の自衛隊批判に、世論は半ば懐疑的だった。だが、今回の女性議員の説明が、それを疑念へと変えた。
『───いやいや、ドラゴン相手とか無理でしょ。銃弾すら通らない敵相手から他の四百五十人を守り通しただけでも凄いじゃん』
『なんか最近ワンパターンだよなぁ。事あるごとに自衛隊の責任、政府の責任だとか言ってさ…………安全な場所でお茶飲んでる奴等が好きに言っても、って話だろ?』
『あの人、良いこと言うよな。実際に戦って、成果を出してから言えって…………お前らにも言われてるぞ、ニートども。社会人に文句を言うならまずは働けって』
『ニートの特権を奪うな。いや、マジで勘弁してクレメンス』
掲示板ですらこの調子だ。大体の人が似たような意見を思っていた。その場で冷や汗を滲ませている伊丹たちは知るよしもないが、特地から放送を聞いていた自衛隊の皆も「よく言ってくれた!」と大いに沸いていた。
女性議員はすこし大人しくなったように、レレイやテュカたちに質疑応答を続けていく。タスクに詰問され、気力を失くしたように、語気に強さはなかった。
途中、ロゥリィとは一悶着あったが、もう一つの事実が国会を凍りつかせた。ロゥリィは九百六十一歳であり、テュカも百六十五歳だと判明したのだ。
まさか、と国会の議員がタスクとレレイに視線を集める。
「………十五歳」
「二十三歳ですけど…………俺達は普通の人間ですからね?」
種族『ハンター』が何か言っている。どんな傷も薬を飲めば塞がり、どんな高所から落下しても平然としているようなヤツは普通ではないと、彼は理解しているのか。
年齢で圧倒しようとした幸原議員は、もう消えそうな程静かになっていた。口をパクパクとさせていた彼女は、そのまま質疑を終えてトボトボと戻っていく。
「それでは、第一の議題を終えまして─────第二の議題に入ります。タスク・アイアス参考人、どうぞ」
まだ質疑応答をこれからだったらしい。タスクは質疑をする為の壇上へと立ち、新たな質疑応答が始まった。反対側に、一人の議員が立つ。
「改めまして、タスク・アイアス氏。貴方の事を教えていただいて宜しいでしょうか」
「────俺はタスク・アイアス。此方とも『
その事実を聞き─────彼等の殆どが首を傾げた。ハンターという単語には心当たりはある。しかし、本当にそうなのか、という感じが大半だ。
「素人ながら、ハンターとは何ですか?職業の一つなのでしょうか?」
「概ね、間違っていません。俺達ハンターの多くは依頼を受け、それをこなす傭兵みたいなものです。大体は変わりませんが、俺達ハンターは人々の生活に危害をもたらすモンスターを討伐するのが本来の役目です」
「モンスター………失礼ですが、そちらの世界について詳しく聞いても?」
無論、誤魔化すようなことではない。ただ一つ、竜大戦の原因となったことだけは隠しながら、彼は自分の世界の人類が体験した歴史を語った。
「────大前提として、俺の世界の人類は此方の世界とは違い、繁栄できていません。人類は数少ない生活圏で活動を続けてきました」
「その事についてですが─────そちらの世界では何が起こったのですか?」
「─────竜大戦、人類と龍の戦争です。俺達も知らないはるか昔に、人類と龍は互いを滅ぼし合う絶滅戦争を繰り返し、世界を巻き込みながら殺し合い続けました。結果として大戦は終結しましたが、人類は衰退し、モンスター………竜が繁栄し、今の俺達の世界が出来たわけです」
何人かが顔を青くさせた。自分達が目の当たりにした、生きる災害と呼べる脅威 『炎龍』のことがあり、想像が膨らんでしまう。
あれと同等クラスの龍が、人類と殺し合うなど笑えない。話によると、一体だけではなく数千を超える数もいたと聞く。そんなの想像するだけでおぞましいだろう。
「話が逸れましたね。それではもう一つ、お聞かせ願いたい──────貴方は一体、何を目的としてこの世界に、日本に訪れたのですか?」
「───俺の世界で、何らかの悪意を抱く存在が感知されました。あの竜大戦の引き金となりかねない、恐ろしいことを企む者の存在を、俺は理解しました。それを、止めるために、俺はこの世界に来ました」
「…………恐ろしいこと、とは?」
「人の手で、生命を弄ぶ行為です。機械を纏った竜と黒幕の戦いの最中、俺はこの世界へと招かれました。………当初は大人しく元の世界に帰るつもりでした。俺は黒幕となる奴等を追わなければいけなかったので。
ですが、特地で対面した─────俺達の世界のモンスターを操り、モンスターの力を自在に操れる男たちのことを知った今、考えを変えました」
『
「────俺は、特地に居るであろう奴等を追うつもりです。その為にも、自衛隊とは、皆様とは協力していきたいと思っています」
それだけ告げるタスクに、質問者の議員は「なるほど」と頭を下げ、戻っていった。どうやら日本としては、彼等としても望ましい返答だったらしい。政治家たちも安堵に近い雰囲気を漂わせる中、他の議員が「質問失礼します」と声をあげた。
「────タスク・アイアス参考人。貴方が、銀座で侵略行為を行おうとした軍団を撃退したことに間違いはないですよね?」
「………はい、その通りです」
「その事に一つ─────彼等を虐殺したことに、罪悪感はないのですか?」
その質問に、国会の空気が凍り付いた。伊丹を含めた自衛官三人は、何を言っているんだと叫びそうになる。あのロゥリィですら「………はぁ?」と呆れて言葉が出ない様子だ。
その質問を突き付けられたタスクは真剣な顔で質疑応答を行う。
「─────無いです。それが、どうしました?」
「可笑しくないのですか!敵は人外も居ましたが、その中には人間もいました!それを一方的に殺戮するなど、正気の沙汰ではありません!貴方はそれを、平然と行えると!?」
「敵が、罪のない人々を傷付けるのであれば、殺すのも当然だと考えています」
タスクは淡々と答える。ハンターとして、彼という人間の意思の証明である。罪のない人々を害するものは、モンスターでも、人間でも関係なく、殺すのみ。
「では、貴方は人ならば許すのですか?この国は、殺人を行った者を容認すると?」
「そうではありません!貴方の力でなら、彼等を殺さずに無力化することも出来たのではと言っているのです!一方的に殺すだけして、他に出来ることはなかったかと、我々は聞きたいんです?」
「────他に出来ること?」
ハッ! 、とタスクは平然と吐き捨てた。その瞬間、いつも温和な雰囲気を漂わせていたタスクが、剣呑な気迫を浮かばせたことを理解する。
「あの時の俺は、この世界の言葉も、異世界の言葉も分からなかった。その状態で、彼等を止めることなど出来るはずもない。確かに、殺さずに止めることも出来たかもしれません。他の誰かであれば。
ですけど、俺には無理でした。あの場で犠牲を増やさずに、奴等を撃退するに、殺すしかなかった。ハンターである俺には、モンスターの狩猟が専門です。敵軍を殺さないで止める方法なんて、専門外です。それを言い訳にするつもりはありません。何度でも、俺はあの時の行いは間違っていないと決心しています。再び同じことがあったとしても、大勢の人を守るためなら──────敵を殺すことに、躊躇はありません」
ゾッとする程、冷たい殺気。殺人者と言われてもいいという覚悟が、彼の瞳に宿っていた。きっと彼は、何人を殺してでも、大勢を救えるのならそうするだろう。
命の重みを理解した上での発言。まるで、彼には絶対に譲れない事実のようだった。気圧された議員が何かを言おうとしたその時、もう一人の議員が口出しした。
「───止めろ、それ以上は耳障りだ」
ダンッ! と壇上を叩き、立ち上がったのは強面の軍人のような風貌をした議員であった。彼はその場に立ちながら、卓上でタスクを非難していた議員を睨み見据えた。
「
「黙れ、彼は我が国の国民を救った偉大なる英雄だ。彼がいなければ銀座事件は、数万の犠牲を残した血の惨劇と化していただろう。その彼の選択に、我々が非難を口にする資格はない。─────礼よりも先に責め立てるなど、恥を知れ」
完全に、その議員は萎縮しきっていた。反論すら許されず、震えた議員はそそくさと急いで席へと戻っていく。代わるように卓上へと移動してきた軍城と呼ばれる男は、タスクへと対面する。
「
そう言い、深い一礼をタスクへと示した。周囲が唖然としていることに変わりはない。総理大臣でもない、一人の議員が勝手に国を代表しているのだ。普通であれば問題になるかもしれないが、この状況で口を出せる者はいなかった。
「………別に大丈夫ですよ。俺は感謝して欲しくて戦った訳じゃないんです。あの子に恩返し出来たんですし、気にしなくてもいいですから」
「────やはり、子供への恩返しの為に戦ったとは本当か。流石は、英雄と呼ばれる人だ。貴方とはいずれ、対等に話せる機会が来るでしょう。その時、色々とお話させていただこう」
そう告げ、軍城戦銅はその場から立ち去っていった。彼が元の座席に戻っていく中、蚊帳の外であった伊丹と冨田、栗林が密かに話し合う。
「隊長、軍城戦銅って………」
「───アレだろ、最近有名になった議員さんだ。日本の自立を宣言して、強気な姿勢を見せてるって…………そういや、最近次の総理の候補だったな、あの人」
「アメリカやロシア、中国にも強気だから────国内では人気だけど、ああいう大国からは嫌われてるみたいじゃないですか」
目立つことは、それだけだった。少しの話し合いや質疑応答を経て、大規模な国会は規定の時間を大きくオーバーする形で幕を下ろした。
話を聞いていたので理解できたかもしれませんが、伊丹たちのいる世界では「モンスターハンター」という作品は存在していません。理由は説明できませんので、そういう世界観だと理解のほどよろしくお願いします。