【悲報】魔球蔓延る野球が大人気な世界に生まれた俺、魔球が打てないwww   作:門崎タッタ

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【速報】魔球が打てないワイ、夏の大会の2回戦を突破するwww

347:名無しの野球人

あああああああ聖女様ああああ

 

348:名無しの野球人

おいたわしや

 

349:名無しの野球人

聖女様のお姿を見たい。

我らの望みはただそれだけ。

 

350:名無しの野球人

ご壮健である事を願う日々が、これほど辛いものだとは……。

 

351:名無しの野球人

地大末学院野球部……許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ

 

352:名無しの野球人

怖E

 

353:名無しの野球人

やっぱり、荒らしじゃないか!

別スレでやれ!!!!!

 

354:名無しの野球人

それにしても、あの聖女ちゃんが炎上するなんてなぁ。

 

355:名無しの野球人

9回の裏、ツーアウト。

勝利が目前だった状況で相手打線に捕まるなんて、聖女ちゃんも運がない。

 

356:名無しの野球人

地大末学院の底力が勝ったな。

 

357:名無しの野球人

一気に24点も取られるなんて、運の一言で済ませていい問題じゃなくね?

あいつらは、わざと打たなかったんだよ。

そして、最後の最後で本気を出したんだ。

 

358:名無しの野球人

え、そーなの?

 

359:名無しの野球人

ありえんありえんw

 

360:名無しの野球人

漫画の世界かな?

 

361:名無しの野球人

最後の最後で本気を出して、地大末側になんのメリットがあんねんwww

負けたら終わりの大会で手加減する理由なんかないやろwww

 

362:名無しの野球人

>>357

妄想乙……って言いたいところやけど。

電波女ちゃんなら、ワンチャンありそうなのが怖い。

 

363:名無しの野球人

流石にそこまで性格悪くないやろ……。

つーか、そもそも本当に性格悪いのかすら分からないし。

 

364:名無しの野球人

判断がムズイ!

 

365:名無しの野球人

ワイにはよく分からん

電波女ちゃんが考えてる事がw

 

366:名無しの野球人

仮にやで?

電波女ちゃんが最後の最後で本気を出す指示をチームメイトに出したとして……あそこまでボッコボコにできるもんなん?

塵芥打線をほぼ封じ込めた聖女ちゃんを。

 

367:名無しの野球人

そう言われたら、確かに異常やな

 

368:名無しの野球人

きっと……いや、間違いなく、地大末の奴らは聖女様の心を読んだのだ。

そうでないと、ありえない!

奴らの思考盗聴を許すな!

 

369:名無しの凡才

心を読むwww

そんなん、非現実的やwww

漫画の読みすぎやろwww

 

370:名無しの天才

案外、馬鹿にはできないわよ

 

371:名無しの野球人

へ?

 

372:名無しの野球人

地大末の奴らが聖女ちゃんの心を読んだ……なんて説を信じるのか、天才ちゃん!!!

 

373:名無しの野球人

流れが変わってきたな

 

374:名無しの野球人

ゴリチン、見てるかーwww

 

375:名無しの天才

心を読む……というのは眉唾な話だと思うけど。

近しい事は間違いなくしているわ。

そうでもしないと、ワンアウトすら取られずに大量得点なんて出来ないもの。

聖女が有する精密なコントロールは強力な武器だけれど、投げるコースや球種が読まれたら大きな弱点になってしまう。

ストレートの球速も変化球のキレも凡庸で、バットを合わせるだけで打ててしまうから。

……恐らく、地大末の人達は聖女の心を読んだのではなく、配球を読んだのよ。

 

376:名無しの野球人

ふむふむ、なるほど。

 

377:名無しの野球人

ワイ、野球にわかなんやけど、配球ってそう簡単に読めるもんなんか?

 

378:名無しの野球人

読めるやろ、多分!

 

379:名無しの野球人

読めないと思う(野球歴無し)

 

380:名無しの野球人

天才ちゃんが読めるって言うなら、読めるんやない?

……知らんけども

 

381:名無しの野球人

だめだ、こいつらw

 

382:名無しの野球人

もっと詳しく解説してくれ、天才ちゃん!

 

383:名無しの凡才 

配球を読むなんて、机上の卓論や!

根拠を出せ、根拠を!

 

384:名無しの天才

>>383

聖アリーヴェルデナの試合は流し見したから、私の意見が正しいとは胸を張って言えないけれど。

最初から最後まで、聖女は捕手のサインに首を振ってなかった。

聖女が捕手のサインを信頼して投げているからか、或いは聖女自身が配球を考えているのか……何故、聖女が首を振らないのか、私には分からない。

でも、首を振らない理由は大事ではないわ。

今回の話で最も重要なのは、聖女か捕手か……どちらか一方の人間が一人で配球を組み立てている、という事。

人間の脳みそには限界がある。

どんなに柔軟な思考の人間でも一人で配球を組み立てると、無意識下で癖や傾向が出てしまうもの。

それ故にしっかりと研究すれば百発百中……とまではいかなくても、ある程度は読めてしまう。

だからこそ、投手と捕手は互いに意思疎通して、二人で配球を組み立てる義務がある。

意見をぶつけ合える確かな信頼関係を築かなくてはならないのよ……そう、私と彼のように。

 

385:名無しの野球人

なんやこの長文。

レシートかな?

 

386:名無しの野球人

タイピングはっや

 

387:名無しの野球人

これぞ、爆速レシートやね

 

388:名無しの野球人

理屈は納得したが……天才ちゃんがこんな長文を書くとは、珍しいこともあるもんや。

 

389:名無しの野球人

塵芥高校との練習試合で嫌がる二軍のキャッチャー相手に魔球を投げた人とは思えない発言。

これぞ、驚き桃の木山椒の木。

 

390:名無しの野球人

>……そう、私と彼のように。

浸っててワロタ

 

391:名無しの野球人

>>388

多分やけど、このスレで初めて、ゴリチンが反応してくれたから嬉しくて書いたんやない?

 

392:名無しの野球人

天才ちゃん、ウキウキってコト!?!?

 

393:名無しの野球人

めっちゃニコニコでスレ見てそう

 

394:名無しの野球人

俺はこの説を支持する

 

395:名無しの凡才

ま、まぁ?

ワイは地大末側が聖女ちゃんの配球を読んで、攻略したって分かってたけどな。

敢えて、言わなかっただけで。

……分かるか?

ワイはスレ民のみんなを「試した」んや

 

396:名無しの野球人

掌クルックルで草生える

 

397:名無しの野球人

ほんま、こいつw

 

398:名無しの野球人

光ヶ丘ガンバーズを三連覇に導いた男の姿か、これが……。

 

399:名無しの野球人

盛者必衰の理を表す

 

400:名無しの凡才

ほら……あれや。

ひとまず、この話はおいといて。

昨日の2回戦の話でもしようや!

塵芥高校が7-3で勝って!

ワイが大活躍した伝説の試合の話を……!

 

401:名無しの野球人

露骨に話を逸らしてて草

 

402:名無しの野球人

しょうがないゴリラやね、ほんま

 

403:名無しの野球人

まぁ、いい試合ではあったよな。

 

404:名無しの野球人

プリンちゃんの球、早すぎてビビったわ

それに、捕球時の音もクソデカかったしw

 

405:名無しの野球人

あんなん高校生が打てる球やないで

 

406:名無しの野球人

それでも、3失点してる模様

 

407:名無しの野球人

>>406

二者連続フォアボールから、パーカーくんのエラーで満塁。

次いで、すっぽ抜けた球を打たれてフェンス直撃。

ランナーが全員帰って、3-1。

そっからまた二者連続フォアボールで満塁……ぶっちゃけ、肝が冷えたわ。

何とか後続を抑えてくれたから、良かったけど。

 

408:名無しの野球人

プリンちゃん「楽しんでいただけたかな?」

 

409:名無しの野球人

>>408

失点してるから劇場じゃない定期

 

410:名無しの野球人

勝ったんならセーフや

 

411:名無しの凡才

おい、お前ら。

他にも語るべき所があるやろ。

 

412:名無しの野球人

他に語るべき所と言えば、和服美人ちゃんの逆転スリーランやな。

3点取られたすぐ後に、点差をひっくり返すホームランを打つなんて、カッコ良すぎて惚れたわ。

 

413:名無しの野球人

あれはヤバい。

イケメンすぎる。

乙女心がキュンキュンしたわ、男やけども。

 

414:名無しの野球人

パーカーくんに惚れたゴリチンと同様に、一般スレ民も心の中に乙女を住まわせてるんか……(ドン引き)

 

415:名無しの野球人

キモい奴同士は惹かれ合うんやね

 

416:名無しの野球人

最悪な巡り合わせで草生える

 

417:名無しの野球人

あのホームランのお陰で、嫌な流れは払拭できたよな。

試合の流れを変える一発って奴や。

 

418:名無しの野球人

ピンチの時は和服美人やパーカーくん、クラスメイトちゃんのクリーンナップトリオがなんとかしてくれる説が急上昇中。

 

419:名無しの野球人

クラスメイトちゃん

理想的なアベレージヒッターでチャンスメイクもでき、リリーフとしての仕事もこなせる。

今回の試合もワンアウト2.3塁で登板して、後続をピシャリと抑えた。

 

パーカーくん

野球初めて数ヶ月で、チームの4番を務める。

ホームランも狙えるし、軽打も出来る。

魔球打ちが上手いのか、今回の試合でも前回の試合でも、最も容易く魔球を捉えた。

 

和服美人

チームの精神的支柱であり、エースでもあり、貴重な長距離砲でもある。

味方がエラーしても腐らずに笑顔でフォローする。

本当に塵芥高校の番長か疑うレベルのぐう聖。

 

420:名無しの野球人

うーん、これは有能w

 

421:名無しの野球人

改めて見ると、クラスメイトちゃんと和服美人の仕事量が多すぎん?

 

422:名無しの野球人

みんなようやっとる

 

423:名無しの野球人

お前ら、上位打線が目立ってて、下位打線は地味って言ってるけど。

塵芥高校は創部2年目やから、才能がある人間に頼る面があるのはしゃーない。

言うて、ゲーミングモヒカンは足が早くてそこそこ出塁するし、なのです先輩も割と打率高いし。

他の下位打線の面々も仕事はしっかりこなしとる以上、点ではなく線の攻撃が出来ているから良いチームだし、ゴリチンもリードが上手い。

 

424:名無しの超!超!超!天才

???

どうして、アキラの公式戦ホームランにも触れてあげないの?

十分すぎるほどの活躍だったじゃない!

 

425:名無しの野球人

 

426:名無しの野球人

いや、これには深い訳が

 

427:名無しの野球人

そんな事あったっけ?

 

428:名無しの凡才

>>424

良くぞ、言ってくれた!!!

昨日の試合で一番盛り上がった見せ場はワイの高校の公式戦初ホームランやろが!!!!

相手投手のカーブを真芯で捉えて、バックスクリーンに叩き込んだ渾身の一発!!!!!

球場にいたスレ民もすごいすごいって褒めてくれた……スレでももっと褒め称えろや!!!!れ!

 

429:名無しの野球人

誤字ってて草生える

 

430:名無しの野球人

承認欲求モンスター、こわひ……

 

431:名無しの野球人

反応が面白いから仕方ないね。

やっぱり、ゴリチンを弄り倒すゴリ虐は最高なんや。

 

432:名無しの野球人

ゴリ虐とかいう概念を生み出すな(戒め)

 

433:名無しの野球人

スレ民にしか需要なさそう

 

434:名無しの野球人

そもそも、需要がある時点でおかしいやろw

 

 

 

「何度も言うが、大会期間中は居残りせずに帰れよ……それじゃ、お疲れさん」

 

「「「「ありがとうございました!」」」」

 

 試合後のミーティングが終わり、選手達は部屋から次々と退出していく。

 

「アキラ。今日、一緒に帰らない?」

 

「ごめん、久奈(ひさな)。今から監督と話があるんだ」

 

「そうなんだ。それなら、私、外で待ってるね」

 

「……いや、それは流石に申し訳ないよ。時間、結構かかる話だからさ」

 

「ううん。どんなに時間がかかっても大丈夫だから、私のことは気にしないでっ」

 

 終始、笑顔を浮かべていた脇谷は一方的にそう告げて、ぱたんと扉を閉じる。

 そして、しんと静まり返るこの部屋に、俺と大川の二人が取り残された。

 

 ……強いな、あいつ。

 断られる雰囲気を即座に感知して、強引に話を切り上げやがった。

 わざわざ外で待ってまで、一緒に帰りたいのか。

 脇谷が大川に懐いているのは何となく察してはいたが、まさかここまでとは。

 最早、依存と言っても差し支えないな……。

 

「監督、話を始めてもいいですか?」

 

「お、おお。構わねぇよ」

 

 そんな事を考えていると、大川が俺の顔を覗き込んでくる。

 脇谷が外で待ってるらしいし、さっさと終わらせるか。

 今回の試合を踏まえて、今後の方針を決める話し合いを。

 

「スコアは7-3で被安打は6。4回にフォアボールや味方のエラーで3点失ったが……まぁ、これは良い。(あまね)はコントロールが悪いピッチャー、当然崩れる事は計算の内だからな。しかし……」

 

「投球内容を振り返ると、外角のストレートや高めの釣り球が多くて内角には殆ど投じていないのが、頂けない。ですよね」

 

「ああ、その通りだよ。追加で言わせてもらうと……お前、一回も内角に要求しなかっただろ」

 

「はい」

 

 今回の試合、周はスプリットと内角のストレートをほんのちょっとしか投げていない。

 スプリットはまだ良い。

 直球とほぼ同じ速度で落ちる変化球なんて、肘に負担がかかるだろうし、ポンポンと投げるもんじゃない。

 それに、一人の打者相手にスプリットを1・2球投げるだけで、十分に意識させることが出来る。

 基本的にはストレートだが、ツーストライクになるとスプリットを投げてくるので追い込まれる前に打つ……と、相手打者に思わせるだけで上々だ。

 そうなれば、後は力押しで何とかなる。

 

 ……だがしかし、肝となるストレートを外角にしか投げずに、内角に投げないのは良くない。

 どんなに早い球であっても、内角に来ないと分かっていれば怖くはない。

 外角に来ると事前に分かっているのならば、デットボールを恐れずにベース寄りに立たれて打たれてしまう。

 その程度の事をウチのチームの参謀的なポジションである大川が考えない筈がない。

 と、言う事はだ。

 

「やはり、周は……内角に投げられないのか?」

 

「はい。投げられません」

 

 練習の様子や夏大前の練習試合、愛取高校のピッチングなどを鑑みて、薄々勘付いてはいたが、やはり、そうなのか。

 周は意図して、内角に投げられない。

 制球が乱れて、たまたま内角に向かう事はあっても、狙うことは出来ないのだ。

 その理由は……大体、見当がつく。

 

 恐らく、周は不良でも何でもない……クソ雑魚メンタルの持ち主なのだ。

 

 華のある容姿もさることながら、マウンドの立ち姿も堂々としていて。

 見る者の目を惹くオーラ、独特の雰囲気があり、ガラスのハートの持ち主とは到底思えないが。

 だから、何も知らない奴が勘違いする気持ちも分かるし、チームの中でも周の正体に気がついているのは、大川ぐらいだろう。

 ……正直に言うと、俺もこうやって大川と話をするまで、勘違いをしていたし。

 

「望月と周を交互に先発させて、どちらの試合も行けるところまで行ったら脇谷に交代する……ってプランだったが、そうなると、話が変わるな」

 

「監督が仰る通り、話は変わりますが、プランは変えない方が良いと思います」

 

「…………」

 

「望月先輩と周先輩を交互に起用する目的は二人にベストな状態で投げてもらうため……というのもありますが、それ以上に高いポテンシャルを持つ二人を競わせるため、ですよね」

 

 それは、そうだけども……。

 確かにポテンシャルは望月も周もどちらとも高いが、現在の実力は望月の方が上だ。

 それに加えて、塵芥の部員連中がエースとして認めているのは、望月であり。

 もしも、望月が登板しない試合で……周が大崩れして負けたら、チーム内で不和が生じる。

 そのような状態で秋の大会に臨んで。

 強豪校と戦って、勝てる訳がない。

 ……短期的に考えても長期的に考えても、不安定な周を主戦投手として扱うのはリスクが高すぎる。

 

「監督の言いたい事は分かります。ですが、それでも周先輩と望月先輩を交互に起用して、二人を競わせるべきです」

 

「……そう思う理由を、詳しく聞かせてくれ」

 

「望月先輩を絶対的なエースとして扱ったら……周先輩は控えに甘んじることに慣れてしまいます。それは周先輩にとっても、望月先輩にとっても悪影響にしかならないですよ。何より、実力的に拮抗しているライバルがチーム内にいると、程よい緊張感をもって練習に臨めますし」

 

 大川の言い分は理解できる。

 人間は何事にも慣れる生き物。

 レギュラーの座が確約されている環境でぬるま湯に浸かっていると、その状況に適応してしまう。

 そのため、仲間内で競争がないチームに在籍している選手は精神的に脆い。

 常に緊張感があり、力関係が定期的に変わる。

 そのような過酷な環境に身を置いて、レギュラーの座を獲得するために仲間同士で切磋琢磨する事で……精神的に強い選手が生まれる。

 甲子園を優勝するために必須となる、厳しい練習に耐え抜く心構えが作られるのだ。

 

「リスクは高いですが、絶対に大丈夫です……何があっても、俺の力で周先輩を勝たせてみせるので」

 

 そう告げた大川の真剣な眼差しからは、揺るぎない自信がひしひしと伝わってくる。

 先程の遥か先を見据えた発言といい、この確固たる意志といい……こいつ、本当に高校生か?

 実は異世界転生者でした……って言われても、驚かないくらいには大人びた思考をしてるな。

 チームの今後のために、周や望月のために。

 敗北のリスクを全部自分が背負い込もうだなんて、そこらの大人ですら出来ねぇよ。

 ……そろそろ、俺も監督らしい事をしないとな。

 

「……分かった。予定通り、3回戦は望月、4回戦は周を登板させる。その後も交互に起用するって事で決定だ。この方針はあくまで、お前の意見を聞いて、俺が決めた事。負けた時の責任は俺が取るから、お前は自由に、思う通りにやれば良い……頼りにしてるからな」

 

「……ありがとうございます!」

 

「それじゃ、今日の裏ミーティングはこれで終わり。脇谷が外で待ってんだろ、さっさと行ってやれ」

 

「はいっ……失礼します!」

 

 ぺこりと一礼して、大川は部屋を後にする。

 その姿を見届けた俺は椅子に深く座って、一息ついた。

 ……先程、口にはしなかったが、このチームには致命的な欠点が一つ、残っている。

 

「どっからどう見ても、大川と望月に。特定の一個人に他の選手達が依存しちまってるんだよな……」

 

 大川と望月は、高校生とは思えないほどに人格が完成されている。

 それ故に、楠森や城之内などの二年生連中は望月に、脇谷や佐々海などの一年生連中は大川に頼り切りになっているのだ。

 この状況はあまり、良いとは言えない。

 仮に、精神的な支柱である大川や望月が崩れてしまったら……連鎖的にチームが崩れてしまうから。

 ……だけども、大川や望月以外の選手を責める事は出来ない。

 このような状態を作り出した原因は……。

 

「選手のメンタルケアは望月に、試合中の戦術などは大川に一任している……俺、だからなぁ」

 

 俺は監督として、無能としか言いようがない。

 今の俺は、選手に野球を教えている以外の役目を果たしていない木偶の坊。

 指導者がこんなんでは、一個人に依存するチームになってしまうのも無理はない。

 

「人を育てるっつーのは……難しいもんだな」

 

 だからこそ、俺も人として、指導者として、選手達と一緒に成長しなければならない。

 ……大川を始めとした部員に、頼りにされる存在になるために。





 ものすごく悩んだのですが、何度読み返しても2回戦が自分でもびっくりするぐらいつまらなかったので、カットしました。
 投稿が遅れたのはそのためです。
 また、本来なら今回は分割する予定だったのですが、掲示板回と地の文回を無理矢理つなげました。
 どうしても、次回は聖女ちゃんメインの回にしたかったので……!
 普段より、分量が多いのはそのためです。
 ……最後に、主人公が異世界転生者である事は絶対にないです。
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