聖なる扉<ディバインゲート>は開かれた。
その扉がいつ、どこで、どの様にして生まれたのか、知るものは誰もいない。
その扉は、見ることも、触れることも、たどり着くことさえも出来ないとされていた。
だが、扉は確かに存在する。
人間が暮らす常界、妖精が暮らす天界、魔物が暮らす魔界。三つの世界が一つになり、統合世界となった事が何よりの証明である。
見ることが出来れば、想いは実る。
触れることが出来れば、願いは叶う。
いつしかそんな、子供が思い描く様な伝承となる程、時が流れて。扉を目指すものがいなくなった頃――新たに、扉を目指す少年少女が現れる。
炎の様に、道を照らす少年。
水の様に、行く末に流れていく少年。
風の様に、何よりも駆け抜ける少女。
光の様に、希望を示していく少女。
闇の様に、影の如く彷徨う少女。
無の様に、意味を求める少年。
彼等はなぜ扉へ向かうのか。
そして、扉へ何を求めるのか。
扉に触れたとき、全てが分かると信じて。
さあ行こう。
開かれた扉の、その先へ――
「――その道の中に、多くの物語がある」
1人の存在が、その道を辿る中に、知り得なかった歴史と理由と信念がある様に。願いとは、きっとそういうものだろう。
「――その物語を知ると、新しい道が開かれる」
それは自分が目指していた場所か、答えそのものか、或いは破滅か――何も無かった、か。けれど、道を辿る事自体に、意味があると信じている。
「――その未来を知ると、可能性が照し出す」
暗い闇を辿る光景に光が射すように、苛烈な光を進む光景に、優しい闇が覆う様に。
「――そしてそれは、1つだけではない」
生きる者、生きてきた者、全てに道と心がある故に、伝わり、教えられ――その者に、道が示される様に。
「――人の数だけ、多くの未来がある」
私の役目は、それを失わせない事。導き、自分の意志で辿り着ける道を作る事。――自らの手で、願いを、手にする様に。
「聖なる扉は開かれた。そして、願いはばら撒かれた。」
「願い続ける人々の側に、遥か遠くに。」
「これから私が観るのは、扉を目指す少年少女と」
「燃える魂の様に、恩を尽くす希望の様に、影に潜み見守る様に、決意を浸す雫の様に、誰よりも疾く駆ける音速の様に、瞑に想い己を見つめ続ける心の様に」
「彼等を見守る、私が信じてる人達の道筋。」
「――ねぇ、ソール」
「――私、ずっと信じてるよ。だから、見届けさせてね」
――これは、扉を目指す物語であり、願いを辿り続ける物語。
誰かにとっての奇跡が――誰かを示していく、そんな物語なのです。
「これは、「一」が紡ぐ、
というわけで始まりました。
事情を知ってる方はご存知と思われますが、前途多難な始まりでございますが、どうかよろしくお願いします…