ガンダムビルド艦隊これくしょんビビッドアーミー 〜ビスマルクとプリンツ・オイゲンの奇妙な…〜 作:星龜
漆黒の闇の中…
「さて…
何をしようかな…?」
と、白い頭髪に青い軍服を着た、頭に犬の耳がついた女性が、思案にくれていた。
彼女の名は
メイコ
『悠久の地八戦神』と呼ばれる
神
である。
「ま、考えても、仕方がないか…☆」
と、メイコは思案することを放棄すると、両手を広げた。
すると、メイコの体が光り輝き始め…
メイコの体から放たれた光が、漆黒の闇を照らした―。
◇
◇
◇
人類と、軍艦の魂を持つ少女・艦娘が、深海棲艦と呼ばれる謎の生命体との戦争を繰り広げていた時代に
は生まれた―。
海軍提督・黒野 海と、深海棲艦・空母水鬼との間に生まれた深海は
穢れた存在
として、人間達に追われながらも、たくましく成長した…
…とはいっても、成人した深海は、右目が隠れるくらいに前髪の長い真っ白な長い髪に、身長は150センチほどの、まるで少年の様な見た目の容姿だった…。
ある日の夜、深海は、一人の傷ついた艦娘と出会う…。
彼女の名は時雨。
いわゆる
ブラック鎮守府
から脱走してきた時雨を救助した深海は、件のブラック鎮守府の提督を殺害し、新たな提督となって、その鎮守府を拠点として、深海棲艦との戦争に身を投じたのである。
しかし、人間と深海棲艦とのハーフである深海にとって、深海棲艦は同胞ともいえる存在である。
だから、深海は戦うのではなく
深海棲艦との和解
する道を選んだのである。
それは、けっして簡単な事ではなかった。
それでも、深海の血の滲むような努力の末…
2012年、人間と艦娘と深海棲艦との和解が成立し、人間と艦娘と深海棲艦との長きにわたる戦争は終結した―。
役目を終えた艦娘達は退役し、普通の少女となって、平和になった世界で暮らしていた。
そして、陸上へと移った深海棲艦達のもたらした、プラスチックに反応する新粒子『プラフスキー粒子』と、ガンダムのプラモデル・通称『ガンプラ』を用いて対戦を行う「ガンプラバトル」が特に大きな反響を呼んでいた。
もちろん、元艦娘や深海棲艦達も、このガンプラバトルを楽しんでいた。
しかし、2020年…
海軍主戦派による『強化兵士計画』で誕生した深海吹雪が起こした『深海吹雪事件』でガンプラバトルができなくなるという事態に陥ったが、3ヶ月後に復旧した。
そして…
2028年―。
◇
日本某県海原市―。
その海原市の山中に、深海の邸宅がある。
ここはかつて、深海と時雨が出会ったブラック鎮守府である。
なぜ、海ではなく、山の中に鎮守府があるのかというと、表向きの理由は、深海棲艦からの攻撃を受けにくい場所に造った…ということになっているが、実際は、前のここの鎮守府の提督は、艦娘を
性欲を発散させるだけの存在
としかみておらず、部下である艦娘を犯して肉欲の限りを尽くしていたクズ人間であり、自分の悪行が大本営にバレにくいよう、前述のようなテキトーな理由をつけて、海原市の山中に鎮守府を築いたのだ。
深海が奪取してからは、まともな鎮守府として機能し、戦後は深海の邸宅となった。
現在では、深海の家族や、深海を慕って残った艦娘を含めると、20人近い人が、ここで暮らしている―。
◇
元ビスマルク型戦艦娘のビスマルク
と
元アドミラル・ヒッパー型重巡洋艦娘のプリンツ・オイゲン
も、深海の鎮守府で暮らしている。
戦時中、2人は友軍艦隊から落後し、満身創痍の状態で深海棲艦の艦載機に襲われている所を深海に保護されたのだ。
深海に恩義を感じた2人は、戦後も深海の鎮守府で暮らすことにしたのだ―。
ある日の深夜―。
自室で激しく愛しあった
ビスマルクとプリンツ・オイゲンは
全裸のまま
シャワーを浴びに浴室に行こうとする…。
深海の鎮守府には
男は深海しかいない。
しかも、今は深夜。
みんな寝静まっているはずだから、全裸のまま、鎮守府内を歩いても大丈夫だと思い、ビスマルクとプリンツ・オイゲンは部屋から出
「ゑっ?」
て、目を疑うような光景を見た。
なんと、そこはホテルのロビーのような場所で、しかも、百人以上の人がいたのだ。
(夢を見ているのかしら…?)
と思った2人は、部屋に戻
「ゑっ?」
ると、そこは2人の部屋ではなかった。
そこは、壁全体が青い部屋だった。
もう一度、部屋の外に出る…。
やはり、そこはホテルのロビーのような場所だった。
「おい…★」
「マジかよ…★」
と、右の方から男の声が聞こえたので、そっちを向けば…
2人の男性が、全裸のビスマルクとプリンツ・オイゲンを見て、顔を真っ赤にしていた…。
「「いぃやぁぁぁ…ッ!!」」
と、男性2人を殴り倒すと、ビスマルクとプリンツ・オイゲンは、慌てて部屋に戻った…。
「服ッ!?
服ッ!?」
と、服を探すビスマルクとプリンツ・オイゲン。
しかし、どこにも見当たらない…。
「お姉様、ありましたわ☆」
と、クローゼットをみつけたプリンツ・オイゲンは、クローゼットを開ける。
そこには、ビスマルクとプリンツ・オイゲンの服がハンガーにかけられていた。
急いで服を着るビスマルクとプリンツ・オイゲン。
そして、三度、部屋の外に出る…。
やはり、そこはホテルのロビーのような場所だった。
「お姉様…。
ここは一体、どこなのですか?」
と、ビスマルクにしがみつくプリンツ・オイゲン。
「わからない時は、わかっている人に訊くべきね。」
と、歩き出すビスマルク。
その後ろについていくプリンツ・オイゲン。
「そこの貴女。」
と、眼の前にいる女性に話しかけるビスマルク。
「はい?」
と振り向く、ビスマルクに話しかけられた女性。
「あ…貴女…
ミモザ…!?」
と驚くビスマルク。
ビスマルクが話しかけた女性は数年前、G国のビビッ島から日本に旅行に来て、深海の家族と親交を深めたミモザ
だったのである。
「ど…どうして、ここにミモザが…?」
と訊くビスマルクに
「どうしてって…
ここは
ビビッ島
だから…。」
と答えるミモザ。
「ゑっ…!?」
と驚く、ビスマルクとプリンツ・オイゲン。
「ミモザ。
この人達は?」
と訊く、ミモザの右にいる女性。
「この前話した、日本に旅行に行った時に出会った、元艦娘のビスマルクさんとプリンツ・オイゲンさん。」
と、ビスマルクとプリンツ・オイゲンを紹介するミモザ。
「私はユイ。
よろしくね☆」
と、ミモザの右にいる女性が名乗る。
「ウチはジュラルディン。
ジュリーでえぇよ☆
よろしゅうな☆」
と、ミモザの左にいる女性が名乗る。
「私はサキ。
よろしく☆」
と、ユイの右にいる女性が名乗る。
「私は元ビスマルク型戦艦娘のビスマルクです。」
「元アドミラル・ヒッパー型重巡洋艦娘のプリンツ・オイゲンです。」
と名乗る、ビスマルクとプリンツ・オイゲン。
「それよりも…
どうして、私達はビビッ島に…?」
と、首を傾げるビスマルク。
「ビビッ島というよりも、ここは『悠久の地』にある『メイコ様の世界』ね。」
と言うミモザ。
『悠久の地』と聞いて
(『悠久の地』…
たしか、前に夜空がビビッ島に行った時の話に出てきた場所ね…。)
と思い出すビスマルク。
「なぜ、日本にいる私達が『悠久の地』に来てしまったの?」
と訊くビスマルク。
「あ〜…
それ…
たまにある
わな…。」
と言うジュリー。
「どういうこと?」
と訊くビスマルクに
「八戦神が『ヒマつぶし』をするために『悠久の地』への入口を地上に繋ぐ時
たまに外国にも繋がってしまう時がある
んや。」
と言うジュリー。
「どうすれば、日本に帰れるの?」
と訊くビスマルクに
「ここで行われるガンプラバトルに3回負けるか、優勝するしかない
わね。」
と言うサキ。
「何ですって…!?」
と、顔をしかめるビスマルク。
こっちの意思など無視して、いきなり、こんなわけのわからない世界に召喚されて、ガンプラバトルをやらされて負けて帰るなど、ビスマルクのプライドが許さなかった。
「聞いての通りよ、プリンツ。
でも、私は負けて帰るつもりはないわ!!」
と、プリンツ・オイゲンに言うビスマルク。
「もちろんです、お姉様!!
優勝目指して、がんばりましょう!!」
と意気込むプリンツ・オイゲン。
その時、突然、ファンファーレの音が鳴り響いた。
人々の視線が、ロビー奥のステージに向いた。
ビスマルクとプリンツ・オイゲンも、そちらに顔を向ける。
やがて、ステージ上に、白い頭髪に青い軍服を着た、頭に犬の耳がついた女性が登壇し
「私が、悠久の地八戦神のメイコだよ☆」
と名乗った―。