ガンダムビルド艦隊これくしょんビビッドアーミー 〜ビスマルクとプリンツ・オイゲンの奇妙な…〜 作:星龜
「深海…!!」
「お兄ちゃん…!!」
「にぃにっ!!」
と泣き叫ぶ、時雨、夜空、深空。
一方、撫子は倒れた深海を抱きかかえ
「オン・ビシュヌ・ソワカ」
と呪文を唱えて、右手で深海の左手首の傷を押さえる。
すると…
深海の出血が止まった。
「夕張!!
明石!!」
と夕張と明石を呼ぶ撫子。
「急いで医務室に運んでくれ。
血は止めたが、あくまで応急処置にすぎん。」
と言う撫子。
「わかりました!!
明石!!」
「はい!!」
と、夕張と明石は、深海を医務室に運んでいった。
「これで、お兄ちゃんの
と訊く夜空に
「まさか★」
と言って…
撫子は薙刀で
自分の左手首を斬った―!!
「な…何してるんだよ…!?」
と驚く夜空。
「これでは足りぬ…。」
と、痛みを顔をしかめながら言う撫子。
撫子の左手首から流れ出る血が、深海の血がたまる洗面器に注がれる。
「まったく…
ああでも言わんと、あの男…
本当に出血多量で死んでおった…。」
と言う撫子。
「何のことだよ?」
と訊く夜空に
「末期の酒
じゃ★
アレを飲ませて、失神させた
んじゃ★」
と言う撫子。
「えっ?
じゃ、お兄ちゃんが倒れたのは…?」
と驚く夜空に
「もちろん、出血多量もあるが
酔っぱらって、ブッ倒れた
んじゃ★」
と笑う撫子。
「そっか…。
ありがとう、撫子…。」
と夜空に礼を言われて、胸の奥が熱くなるのを感じる撫子…。
「よし…
これくらいでよかろう☆
オン・ビシュヌ・ソワカ」
と、傷を治す撫子。
そして…
着物を脱ぎ、全裸になる
撫子…。
「何やってんだよッ!!」
と、顔を真っ赤にして怒る夜空。
「すまぬな☆
少々卑猥じゃが
霊力を開放するためには、この姿になるのが一番
なんじゃ☆」
と笑う撫子。
「秋雨達を外に出してよかったよ…★」
と、あきれる時雨。
「では…
始めようかの!!」
と撫子が言うや…
撫子の額の角が伸び…
顔も、般若のような、おぞましい顔に変化した―!!
「ぐ…ッ!?」
と、撫子の変化に、驚愕する夜空…。
撫子は、洗面器の前に座ると
「オン・マリシェイ・ビシュヌ・ソワカ!!
オン・マリシェイ・ビシュヌ・ソワカ!!」
という呪文を連呼し始めた。
やがて、撫子の全身が汗まみれになってきた。
それと同時に、洗面器の中の血が煮えたぎってきた。
「オン・マリシェイ・ビシュヌ・ソワカ!!
オン・マリシェイ・ビシュヌ・ソワカ!!」
と、撫子は汗だくになって呪文を連呼し続ける。
そして…
「カァァァァァ…ッ!!」
という撫子の絶叫とともに…
洗面器の中にあった紙人形が飛び出し…
光とともに消えた…。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
と、元の姿に戻った撫子が、全身汗だくになって倒れていた。
「がはぁッ!!」
と、口から透明の汁を吐き出し…
股間からは、白濁した汁を垂れ流していた…。
「成功じゃ…。」
と、弱々しい声で言う撫子。
「えっ?
成功したの?」
と訊く夜空。
「あぁ…。
深海の
と言って、撫子は仰向けになった。
撫子の躰は細かく震え、股間からは、まだ白濁した汁を垂れ流していた。
「今、ここには女しかいないからといって、いつまでも裸を晒さないでください。」
と、大鳳がバスタオルを撫子にかけた。
「あの男の…
深海の血を通して…
家族に対する想いを知った…。
まこと…
家族を守ることに関しては…
恐ろしい男よ…。」
と、目を閉じる撫子。
「それが、黒野 深海という男だ。」
と、撫子を抱えあげる長門。
「すまぬな…。
まったく、体が動かぬ…。」
と、長門に礼を言う撫子。
「世話のかかる女だ…★」
と悪態をつきつつも、長門は撫子を医務室に運んでいった。
(頼んだよ、お兄ちゃん…!!)
と祈るような気持ちで、夜空は顔を上に向けた―。
◇
◇
◇
「ん…?」
と、目を開く深海…。
(ここは…!?
ここが『悠久の地』なの…?)
と、まわりを見回せば、そこはホテルのロビーのような場所で、しかも、百人以上の人がいたのだ。
(この中から2人を捜し出すのは、骨が折れるわね…。)
と思いつつも、それが目的で『悠久の地』に来たのだから、その目的を果たすことにする―。
しかし…
(何…?)
と、深海は
ある事
に気づく…。
「うおっ!?
かわいい♡」
「誰だ?
あの美少女?」
「天使来たァァァ♡」
…と
男達の注目の的
になっているのだ…。
(アイツら、何言ってるの?
男を見て、美少女とか天使とか…。)
と、男達からの視線を嫌悪する深海。
(ん…?)
と、何気なく、自分の右手を見た時だった。
(ゑっ!?
私の手…
こんなに細かったっけ…!?)
と驚く深海…。
そして…
(ちょっと待って…。
さっきから、何で
私
は、自分のことを
私
と言っているの…!?)
と、自分の一人称に、強烈な違和感をおぼえた。
何気なく、視線を下に向けた…
ら…
「ななななな…
なんでぇえぇ…ッ!?」
胸が…
大きくふくらんでいる―!?
(まさか…ッ!?)
と、股間に触れてみる…。
「無いぃいぃ…ッ!!」
乳房があって…
男性器が無い…。
つまり…
それって…
「女体化しているゥゥゥ…ッ!?」
と叫ぶ深海…。
(はっ!?)
と、自分の声を聞いて、驚く深海…。
今の声…
あきらかに女性…!!
(くっそぉぉぉ…ッ!!
やっぱり、撫子の術なんて、信じるんじゃなかったッ!!)
と、憤る深海。
(まずいわ…。
これじゃ、ビスマルクとプリンツを助けるどころじゃないわ…。)
と、座り込む深海。
(いや…
とりあえず、まずはビスマルクとプリンツを捜そう…。
あの2人なら、私の惨状について、ある程度は理解してくれるはず…。)
と思い、深海は立ち上がる。
その時…
突然、ファンファーレの音が鳴り響いた。
人々の視線が、ロビー奥のステージに向いた。
深海も、そちらに顔を向ける。
やがて、ステージ上に、白い頭髪に青い軍服を着た、頭に犬の耳がついた女性が登壇し
「私が、悠久の地八戦神のメイコだよ☆」
と名乗った。
(メイコ…?
アイツが、ビスマルクとプリンツを連れ去ったのか…!!)
と憤る深海。
(ん?)
と、右を向くと、見知った顔を見つけた。
(あの女は、たしか…?)
と、その見知った女性の元に向かう深海。
「ミモザ!!」
と言う深海。
「えっ?」
と、知らない美少女に声をかけられて驚くミモザ。
「えっと…
誰かな?」
と訊くミモザ。
「私よ。
こんな姿をしているけど
よ。」
と名乗る深海。
深海は、一部の人間を除き、この
という偽名を名乗る―。
「ゑっ!?」
と驚くミモザ。
さらに…
「えっ?
提督…!?」
「うそぉ…!?」
と驚くビスマルクとプリンツ・オイゲン。
「ビスマルク!!
プリンツ!!
無事だったのね!!」
とビスマルクとプリンツ・オイゲンの前に行く深海。
「あの…
これは…?」
と訊くビスマルクに
「貴女達を助けに、撫子の術でここに来たんだけれど…
どういうわけか、女になってしまったのよ★」
と言う深海。
「かわいいですよ、提督☆」
と言うプリンツ・オイゲン。
「茶化さないで、プリンツ★
さ、帰るわよ。」
と言う深海だったが
「それが…
戻れないんです…。」
と言うビスマルク。
「どうして?」
と訊く深海に
「ここから出るためには、今から始まるガンプラバトルに勝ち抜くか、負けないと出られないみたいなんです。」
と言うビスマルク。
「何ですって…!?」
と、顔をしかめる深海―。