ガンダムビルド艦隊これくしょんビビッドアーミー 〜ビスマルクとプリンツ・オイゲンの奇妙な…〜   作:星龜

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デンマーク・ストレート


 

「今日は、私の『ヒマつぶし』に参加してくれて、ありがとう☆」

と挨拶をする、ステージに登壇したメイコ。

 

続けて

「今日は

アリスの城を攻める

よ☆

ルールは

3日後の午前12時59分59秒までに、アリスの城を落とす

こと☆

じゃ、みんな、がんばってね☆」

と、『ヒマつぶし(ガンプラバトル)』のルールを説明して、メイコはステージから降りた。

 

深海は、一目散にメイコに向かって走る―。

 

 

深海が『悠久の地』に来た理由は、ビスマルクとプリンツ・オイゲンを救うだけではなかった。

 

ビスマルクとプリンツ・オイゲンに手を出した者を討伐するためでもあった―。

 

 

「待てッ!!」

と、メイコの前に出る深海。

 

「ん?

どうしたのかな?

怖い顔して?」

と言うメイコ。

 

「私の家族を無理矢理ここに連れ込んで、タダで済むと思っているの…ッ!?」

と、メイコを睨む深海。

 

「なんのこと?」

と言うメイコに

 

「とぼけるなッ!!

お前の『ヒマつぶし』とやらに、私の家族が巻き込まれたのだッ!!」

と怒鳴る深海。

 

深海は、ナイフを出そうとしたが…

 

(何…ッ!?)

 

ナイフが無い…。

 

(しまった…ッ★

今の私は式神(アバター)だったんだ…。)

と悔やむ深海…。

 

「何だか、よくわからないけど…

家族もここにいるんだったら、家族と一緒に戦ってよ☆」

と言うメイコに

 

「ふざけるなァァァ…ッ!!」

と、殴りかかる深海。

 

しかし!!

 

「自分を殴れ☆」

とメイコが言うと…

 

「ぐわッ!?」

と

自分を殴る

深海…。

 

そして…

 

「右膝で額を蹴れ☆」

とメイコが言うと…

 

「がはッ!?」

と

右膝で額を蹴る

深海…。

 

自分の膝で自分の額を蹴った衝撃で倒れ込む深海。

 

「その闘志は、私にではなく、アリスに向けてくれ☆」

と、去っていくメイコ。

 

(おのれ…ッ!!

この屈辱は必ず…ッ!!)

と、去っていくメイコの背中を睨みつけるしかない深海…。

 

 

メイコが去るのと同時に、仕切り屋気取りの参加者が

「これより、発電所の建設に向かう!!

担当者ならびに希望者、護衛任務につく者は直ちに出撃せよ!!」

と叫ぶ。

 

そして、発電所の建設に向かう者以外の参加者達は、自分達の控室に向かう。

 

 

「提督!!」

と、深海のもとに走り寄るビスマルクとプリンツ・オイゲン。

 

「すまない…。

お前達を連れて帰れなくて…。」

と謝る深海。

 

「問題ありません。

ガンプラバトルで勝たないと帰れないのであれば、勝てばいいんです。」

と言うビスマルク。

 

「そうね…。」

と微笑む深海。

 

そこに、ミモザ達も来る。

 

「何してるんですか、深さん?

いきなり、メイコ様に殴りかかるなんて…。」

と、深海を諌めるミモザ。

 

「私は、家族に危害をくわえる者を許せないのよ…!!」

と言う深海。

 

「そんなの、誰だってそうよ。

それよりも、ここで会ったのも何かの縁だし…

私達とチームを組まない?」

と言うミモザ。

 

「悪くないわね…。」

と答える深海―。

 

◇

 

控室に入ると、広いロビーの奥に、3つの扉がある。

 

「あの扉は?」

と訊くプリンツ・オイゲン。

 

「私達の寝室兼コクピットルームよ。」

と言うミモザ。

 

「さっき、男の人が言ってた発電所って、何ですか?」

と訊くプリンツ・オイゲン。

 

「プラフスキー粒子の生成施設

のことよ。

発電所で生成されたプラフスキー粒子で、私達のガンプラが強化されるの。」

と教えるミモザ。

 

「で、私達は、アリス陣営の発電所を破壊しに行くわけ。」

と言うサキ。

 

「アリスの城を攻めないんですか?」

と訊くプリンツ・オイゲンに

 

「手順があるんや。

城を攻めれるんは、2日目からや。」

と言うジュリー。

 

「大事なのは…

1日3回

または

期間中3回撃墜されたら『悠久の地』から追放される

から、気をつけてね。」

と言うユイ。

 

「なるほどね…。

教えてくれて、ありがたいんだけど…。」

と言う深海。

 

「どうしたの?」

と訊くミモザに

 

「ガンプラバトルをしたくても

私達、ガンプラを持っていない」

のよ…。」

と言う深海…。

 

「心配するな☆

そこのクローゼットの中にある☆」

と言うサキ。

 

「ここですか?」

と、クローゼットの扉を開けるプリンツ・オイゲン。

 

クローゼットの中には、大量のガンプラがあった。

 

その中から

ビスマルクはベギルベウ

プリンツ・オイゲンはベギルペンデ

を選んだが、深海は…

 

「何、これ?」

 

アサルトブースターを装備したHGACガンダムジェミナス01の左腕が、HGACガンダムアスクレプオスの左腕になっているガンプラがあった。

 

その異形さが、深海の心をつかんだ。

 

「私は、これでいい☆」

と、異形のガンプラを手にする深海。

 

「悪趣味なガンプラやなぁ…★」

と言うジュラルディン。

 

「でも、気に入ったわ☆

名前は…

そうね…。」

と、ガンプラにつける名前を考える深海…。

 

(海底に広がる白い大地…)

 

「よし☆

ガンダムヴァイセリアス

にするわ☆」

と言う深海。

 

「ガンダム…ヴァイセリアス…?」

と、首をかしげるユイ。

 

「何なの…

その名前…?」

と訊くミモザ。

 

「ヴァイセリアス…

それは、海底に広がる」

と深海が言ったところで

 

「女をたぶらかす神の名前だな★」

と、サキが言った。

 

「は?」

と、呆然とする深海…。

 

「私さ

アフリカ考古学

を学んでたんだけどね…。

かつて、エジプト文明が栄えていた頃、アフリカ中央部には

クロマティノス王国

という国があってね。

その、クロマティノス王国の神話に

ヴァイセリアスという、女をたぶらかす神

が出てくるのよ。

もしかして、深もアフリカ考古学学んでいたの?」

と言うサキ。

 

「えっ?

あ…はぁ…★」

と、あいまいな返事をしてしまう深海…。

 

 

ヴァイセリアス―。

 

それは

海底に広がる白い大地

を意味する

深海造語

だったのだが…。

 

 

とにもかくにも、ガンプラの問題も解決したことで、出撃できるようになったので

 

「じゃ、チーム名を決めるぞ。」

と言うサキ。

 

「え?

【リリィガーデン アスマン店】

じゃないの?」

と言うミモザ。

 

「何?

その【リリィガーデン】って?」

と訊く深海。

 

「私達が働いているお店(風俗店)の名前★」

と言うミモザ。

 

「ふ〜ん…。

何の店かは知らない

けど、チーム名が決まっているのなら、何も変えなくてもいいんじゃない?」

と言う深海だったが

 

「予定外のメンバーが加わったから、この名前はマズい

と思ってね★」

と言うサキ。

 

(?)

と、イマイチ、合点のいかない深海…。

 

「じゃ、どないな名前に変えるねん?」

と訊くジュラルディン。

 

「ん〜…

そうねぇ…。」

と、何気なく、サキとビスマルクの視線が合った。

 

「ちょうどいい具合にビスマルクさんがいるし…

ここは

【デンマーク・ストレート(デンマーク海峡)】

という名前にしますか☆」

と言うサキ。

 

「いい名前ね☆」

と、不敵に笑うビスマルク。

 

ビスマルクにつられて、プリンツ・オイゲンも微笑む。

 

□

 

デンマーク・ストレート(デンマーク海峡)―。

 

その名は、ビスマルクとプリンツ・オイゲンにとって、縁のある名前だ―。

 

 

1941年5月24日、ビスマルクとプリンツ・オイゲンの大西洋進出を阻止しようと、イギリス軍は戦艦フッドとプリンス・オブ・ウェールズをデンマーク海峡に派遣したが、フッドを撃沈され、プリンス・オブ・ウェールズも大破させられてしまった。

 

ビスマルクとプリンツ・オイゲンにとって、誇りにできる名前だ―。

 

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