魔法少女キラキラファンタジー   作:MOPX

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Sideヒカリ4!! 手製の変身衣装!?

 

「う~ん……」

 

私、魔法少女ヒカリは迷わないことがモットーだ。

いつだって思い立ったら即行動!!

だって良いことをするなら早い方がよいし、早く良いことをしたらもっとたくさんの良いことができる!!

 

魔法少女ならばオノレの心の声に従うべきなのだ!!

 

と、思ってたんだけど。

 

「う~ん、考えてみたら私、ナユタちゃんの趣味とか知らないし……どうしよう、本人に聞いちゃう? いやいや!! 絶対ナユタちゃん気をつかうよね……」

 

宿屋のベッドの上に転がって手足をパタパタする。

教会を出た私達は次の街に着いて、こうして休息をとることにした。

ナユタちゃんも旅に慣れたのか、今は一人で必要なものを買い出しに行っている。

 

……いっしょに行こうかって言ったんだけど、休んでてって言われた。

どうやらまだ教会のことを気にしているらしい。

けっこう危なかったからなあ。

 

魔法少女たるものピンチを跳ねのけてこそ!!

……なんだけど、さすがにちょっと反省している。

 

ナユタちゃんとセイカさんが助けに来てくれなかったら危ないところだった。

小さな子供たちを守ることができなかったかもしれない。

 

 

だから考えることにした。

こうしてお留守番している間に、日ごろの感謝も込めてナユタちゃんに何かプレゼントできないかって。

 

「といっても何をあげたらいいんだろ……? 買い物に行くのは……ドングリが厳しいかなあ」

 

街から街へ移動する間でクエストは受けているしヒメちゃんからもらった分も大事にとっているから、旅を続けるくらいのドングリはある。

でもこれはナユタちゃんと二人のものであるし、勝手に使うのはどうなんだろう。

 

「道端で拾ったピカピカの石とか……ナユタちゃん、『この石がどうかしたの……?』って言いそう。うーん……」

 

何だかさっきから(うな)ってばかりだ。

いったん落ち着こう。

魔法少女は、こうした時にこそ打開のチャンスを閃くものなのだ。

 

ナユタちゃんに必要なもの……。

もっとかわいい服を着た方がいいとか……?

ナユタちゃん、水着もシンプルだったしあんまり服装にこだわりがないんだよね。

 

「……!! これだ……!!」

 

イキヨーヨーと私は荷物袋を漁る。

あったあった、布と糸!!

これならお財布のドングリも痛まない!!

でもナユタちゃんが帰ってくるまでに間に合うかな……?

 

「いいや……!! ヒカリ、何を弱気になってるの……!! こういう時に間に合わせてこその魔法少女!! うおおおおー!!」

 

善は急げ!!

はからずも私のモットーを再確認しながら作業を進めるのでした。

 

 

 

 

「ただいま」

 

「あっ……。ナユタちゃん、お帰り!!」

 

ナユタちゃんの手には買い物したものが入った袋。

頑張って買い物をしてくれたんだから、私は笑顔でお出迎えする。

 

大丈夫、いつもみたいに笑えてる。

 

「えーっと……どうだった? 街の様子」

 

「うん……この街は織物が盛んみたいだね。原料が近くで取れるのかな」

 

「え……、ええ!! そっかー!! 織物って布のことだよね!! ナルホドナルホド……」

 

「……?」

 

まずい、ナユタちゃんがこっちに疑いのマナザシを向けてる。

大丈夫、まだ気づかれてない。

 

後でこっそり捨てれば、バレはしない。

 

「ヒカリちゃん……? どうしたの? さっきから様子が……」

 

「んん!! 別に私はいつでもこんな感じだよ!! さあ魔法少女たるもの精神を落ち着かせるために深呼吸ーーーー!!」

 

「やっぱりいつもと違う……!!」

 

まずい、ナユタちゃんが気づきつつある……!!

知られたら、変に気を遣わせるかもしれない。

 

それに、今日は買い物に行って、職人さんとかが作る織物を見てきたんだ。

きっとたくさんの、キレイな、キラキラしたものを。

だから水を差したくない。

 

「ヒカリちゃん、さっきまで何かやってた……?」

 

ギクッ。

 

「な……何のことかな~」

 

「目が泳いでるし何ならさっきギクッって聞こえた気が……。その袋の中、見せて」

 

「だ……ダメ!! これだけは……その……」

 

「まあ、ヒカリちゃんがそう言うなら無理には……」

 

「え」

 

 

 

 

 

「……」「……」

 

 

 

 

 

「気になる!! やっぱり見せて……!!」

 

「ああ!? フェイント!?」

 

「何かを隠して知らないところでつらい思いをしてるのなら、私はヒカリちゃんの力になりたい!!」

 

優しさゆえの強引さ。

私のディフェンスを突破してナユタちゃんは後ろへ。

強くなったね、ナユタちゃん……。

 

「え……これは……」

 

「……」

 

ナユタちゃんの手には、へたくそな刺繍(ししゅう)が入った布。

私がさっきまで作っていた……いや、失敗したものだ。

 

結局、急いだのが良くなかった。

簡単な縫物(ぬいもの)ならできると高をくくったのも良くなかった。

結果、何を縫っているかもわからないヘンテコなものができあがってしまった。

 

こうやって後先を考えず行動するから、前もピンチになったはずなのに。

 

「本当はナユタちゃんがかぶるポンチョを作りたかったんだけど……ううん、忘れて!! それはゴミ!! 今すぐ捨ててくるね!!」

 

「ちょ、ちょっと待って……!!」

 

私の足にナユタちゃんしがみつく。

さすがに引きずるわけにもいかないので話を聞こう。

 

「普通に……良いと思う!! 私、それをかぶるから……!!」

 

「ふんだ!! じゃあこの刺繍、何が描いてあるかわかる!?」

 

「え……? それはわからないけど」

 

「やっぱり!! じゃあこんなもの……意味なんてないよ……」

 

「ヒカリちゃんが私のために作ってくれたんでしょ!?」

 

……。

 

そうだ。

これは私がナユタちゃんのために作った。

日ごろの感謝の気持ちを伝えたくて。

 

「だったら私、それだけで嬉しいよ……ぜったいに、ぜったいに、大切にする……」

 

「ナユタちゃん……」

 

こぼれそうだった涙を気づかれないようにぬぐう。

ここで泣くのはナユタちゃんに失礼だ。

 

私はあらためてナユタちゃんにお礼を言う。

でも、ポンチョだけはしっかりと回収しておいた。

 

「いつか自分の納得のいくものができたら……その時に受け取ってくれるかな? 私、時間をかけてじっくりと作るから」

 

「うん……楽しみにしてる」

 

その後は二人でまた荷物の確認をしたり、次の行先を確認した。

今度は少し、大きめの街だ。

 

私の手にはへたくそな刺繍の入ったポンチョ。

冒険の目標がひとつ増えちゃった、なんて思った。

 

 

 

 

 

「ところで……その刺繍、何が描いてあったの?」

 

「……!! それは……それだけはヒミツ!!」

 

「……?」

 

魔法少女たるもの、秘密のひとつやふたつ抱えてるものなのだ。

……たぶん。

 

 

 

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