剣の勇者の成り代わり   作:min-can

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盾の勇者の成り上がり三期記念に、思い付きで書き始めました。
楽しみです。


王道的異物混入

「ふぁぁ...」

 

 俺は電気を消した部屋のベッドの上でひたすらにスマホをスクロールして文字を追い続ける。

 なんとなく眠気が来ないし、どうせ明日早起きしないといけない用事がある訳じゃないからと、こうしてだらだらとネット小説を読んでいるのだ。

 

 そのうち意識を失うように眠って明日になっているだろう。

 

 今、俺が読んでいるこの「盾の勇者の成り上がり」、本編は完結しており外伝も完結しているが、そこから更に外伝の続編が始まっており総話数は1000を超えている大変読み応えのある作品だ。

 

 時間を持て余している今の俺にピッタリの作品であると言えよう。

 数日前から暇があれば読んでいるので、今は外伝の続編である「真・槍の勇者のやり直し」の最新話直前まで来てしまっている。

 

「んー...いくら話数が多いとはいえ、やっぱり終わっちゃうよなぁ...もうこんな事何週したっけか?」

 

 少なくとも全編通しては4回、本編や外伝だけでの回数ならもっと多い。

 そんなに読んで内容を覚えないかと言われると正直覚えているが、流石にそれだけ長いと1年くらいスパンを開けていれば通しで楽しめるくらいには細かい部分は忘れてしまう。

 

 なんだかんだ長い付き合いの作品だ。

 

「....っ...っと」

 

 気が付くと文字が滑って内容が入ってこなくなってきていた。

 残りは明日に残してもう寝てしまおう...流石にもう目を瞑れば意識を飛ばせそうだ。

 

 俺はスマホの電源を落として入眠体勢を取る。

 ブルーライトでも誤魔化せなくなるほどの睡魔は即座に俺を夢の世界へと引きずりこんでくれた。

 

 ───────────────────────────────

 

「おぉ...」

 

 複数人の男の感嘆の声が聞こえる。

 

「ん...?」

 

 ぼやけていた視界が意識と共に鮮明になり、気が付くと俺はどこかに立って下を向いていた。

 

「んー?」

 

 顔を上げて周囲を見る。

 地面は石畳、何やら変な文様が輝いている。凝った床だなぁ...滅茶苦茶高そう。

 

 前を見ればフードを被った人間が複数人居た。さっきの声はこいつらの物だろう...

 次に横を見れば男が三人、俺の隣は如何にも楽な普段着ですと言いたげな緑のジャージを身に纏う髪ボサボサの男...なんか格好の割には顔面偏差値が高いな。そして腕にはどうやってくっつけているのか小さな盾が張り付いていた。なんだ?コスプレ?にしては服が普通過ぎるような...

 

 更に横、長い金髪を後ろでポニーテールのように纏めているチャラそうなイケメンが槍を持っていた。お前もコスプレかよ...

 

 ふぅん、盾と槍ねぇ...

 うん...つい先ほどまでベッドで見ていた物も相まってあまりにも既視感がありすぎるが、一旦捨て置こう。

 

 更に横を見る...緑がかった茶髪の癖っ毛男子だ。ブレザーらしき格好をしており、その身長も相まって横二人と比べると少し幼く見えてしまう。そして彼の右手には...薄々感じていた通り弓が握られている。

 

 そして俺、そう大問題発生中の俺だ。

 俺の右手にはやはりというべきか、一本の剣が握られている...

 

「勇者様方、どうかこの世界をお救い下さい!」

 

「「「はい?」」」

 

 はいはい。やっぱそうだよね!勇者だよね...!

 これって「盾の勇者の成り上がり」冒頭だよねぇ...!!

 なぁ元康くん!!樹くん!!尚文くぅぅん...!!!

 

 そうなってくるとやはり一番の問題はこの俺だ。ここに俺さえいなければこの場はただの「盾の勇者の成り上がり」だというのに、俺という異物が致命的な程に状況にかみ合わない。

 錬は一体どうしたんだよ。なんで俺みたいな一般人がここに紛れ込んでるんだよ。そんでなんで俺なんかの手に剣が収まってんだよ。さっさと本来の持ち主の所に行けよ...!!全然離れねぇ!!俺を元の世界に帰して錬を呼んで来い...!!

 

「な、なぁ...何してるんだ?」

 

 横から声をかけられた。

 

「え!?」

 

「え...いや、今から俺達王様と謁見するみたいなんだけど...さっきから百面相で持ってる剣を引っ張ったり振り回したりして自分の世界に入り込んでたぞ?」

 

 俺はぎょっとして普段よりもでかい声を出してしまう。

 いきなり不審な行動してどうするんだよ!

 

「げ...あ、アハハ!そりゃあいきなり勇者とかな!!意味わかんないってか?なんていうか!!?」

 

「ま、確かになぁ...横の二人は速攻で順応して報酬の確認とかしてたけど、やっぱ普通頭が追い付かないよな?なんか安心したよ、仲間がいたみたいでさ」

 

「ハハハ...俺も安心した」

 

 これがマイルド...いや、ニュートラル尚文のヌクモリティ...

 少しだけ頭が冷静になってきた。

 

 というかここが盾の勇者の成り上がりの世界だと断定したとして、俺が作品の世界に転移してしまったとして...だ。そもそもこれ本当に盾の勇者の成り上がりで良いのか?槍直し、もしくは真・槍直しの可能性は本当に無いか?更に言えばこの世界は書籍版なのか?ネット小説版なのか?...後で確かめる必要があるな。

 

「また考え事して...色々思う所があるのはわかるけど置いてかれるぞ?手でも引いてやろうか...?」

 

「わ、悪い悪い。もう大丈夫だから、えーっと...」

 

「尚文、岩谷尚文だ。よろしくな?」

 

「お、おう!よろしく...俺は鋼也、剣崎鋼也だ」

 

「ふぅーん、なんかぼけっとしてる割には物々しい名前だな」

 

「良く言われるよ」

 

「はは、冗談だって。ほら行くぞ?鋼也!」

 

 ナチュラルに名前呼びっすか...流石主人公様。ここは俺も負けるわけにはいかないな。いやなんで?

 

「おう...尚文!」

 

 俺は混乱する脳みそを無理矢理抑えて置いてかれないように尚文と共に先を急いだ。

 

 ──────────────────────

 

 しばらく尚文と雑談しながら歩いていると、謁見の間に着いた。

 玉座に座る老人が俺達をジロジロと観察するように見て来る。

 

「ふむ、こやつ等が古の勇者達か...ワシがこの国の王、オルトクレイ=メルロマルク32世だ。勇者共よ顔を上げい」

 

 オルトクレイこと杖の勇者ことフィロリアルクロスこと英知の賢王ことクズが偉そうに俺達を見下ろしていた。肩書多すぎぃ...!

 

「まずは事情を説明せねばなるまい。この国、更にはこの世界は滅びへと向かいつつある」

 

 そこからクズからの世界観解説が始まった。

 

 俺達が転移させられたこの世界には終末の予言が存在しており、その予言によると世界を破滅に導く波とやらが訪れるのだそうだ。

 そしてその終末の予言とやらが今年で、予言の通り龍国の砂時計という波までの刻限を教えてくれる砂時計が動き始めたらしい。所詮予言だと軽視していたが、砂が落ち切った時見事に終末の波が発生して大きな被害を受けてしまったのだそうだ。ゆえに波に対抗するために勇者を召喚して今に繋がる...と。

 

 そこから更に付け加えさせてもらえば、この勇者召喚は周辺国家との取り決めを無視した独断であるだとか、波の正体だとか色々な情報が俺の中にはあるけれど...まぁ今はそれを言ってもしょうがないな。

 

「話は分かったけどさ、それって召喚された俺達にタダ働きしろってことか?」

 

「都合のいい話ですね」

 

「まぁ...助ける義理も無いよな。タダ働きさせられて平和になったらはいさようなら、とかたまったもんじゃないし...てか、そもそも帰れる手段とかあるわけ?」

 

 俺以外の三人がクズに声をあげる。

 

「ぐぬ...もちろん、働きに見合う報酬はきちんと与えるとも。それに世界の為に戦ってもらうのだ、援助金の用意もきちんとある」

 

 クズが答える。

 

「へー。まぁ、約束してくれるなら良いんだけどさ」

 

「裏切るような事があれば、相応の覚悟はしておいてください」

 

「...そうだな」

 

「もちろんだとも...では勇者達よ。それぞれの名を聞こう」

 

 クズが俺達に自己紹介を強要する。

 

「まずは俺かな?俺の名前は北村元康、年齢は21歳の大学生だ」

 

 元康の顔を見つめる...うん、特に変な様子は見られないし、語尾にぞとかですぞとかも付いて無い辺り外伝の可能性は低そう...かな?

 尚文の名前忘れの時の反応も見ておけばより安心できるかもしれない。未来の知識を知ってる事を隠すつもりの周回でも内心苛立ってた描写があった。多少は顔に出るかもしれない。

 

「次は僕ですね。僕の名前は川澄樹。年齢は17歳、高校生です」

 

 次に樹が自己紹介する。

 樹は...うん。特に警戒する所は無いな。強いて言えば今後死なないかどうかくらいだ。

 外伝ではポンポン死んでたからな...

 

 っと、並び的に次は俺の自己紹介か。

 

「俺の名前は剣崎鋼也...21歳大学生...だ、です」

 

 いくら作中クズだのなんだの言われてる奴でも、流石に王だけあってこの謁見の間の荘厳さが相まってすさまじい威圧感だ。語尾がふにゃふにゃになってしまった。というか、こんな状況で毅然として自己紹介出来る他三人がおかしくないか?流石は勇者様だ...いや、俺もそうなんだけどさ。

 

「最後は俺だな、俺の名前は岩谷尚文、年齢は20歳の大学生だ」

 

「ふむ、モトヤスにイツキにコウヤか」

 

 クズがそう言った瞬間に俺は元康の顔を観察する....うん。この調子だとやっぱりシンプルに盾の勇者の成り上がりで間違いなさそうだ。

 真・槍直しみたいに途中で愛の狩人が憑依するパターンはもうどうしようもないから無視する。

 

「王様、俺を忘れてる」

 

「おおすまんな。ナオフミ殿」

 

 クズが作り笑いを浮かべて訂正する...それでも分かってて見てしまえば、見逃せないくらいには尚文に対する侮蔑の感情が透けて見えた。

 その後、横にいた大臣だかなんだかのお偉いさんが俺達の前に来て話しかけてくる。

 

「では皆の者、己がステータスを確認し、自らを客観視してもらいたい」

 

「へ?」

 

「えっと、どのようにして見るのでしょうか?」

 

 樹が困った様子で質問する...仕方がない。ここは錬に代わって俺が皆に解説してやるしかないな...

 

「ほら、視界の端の方になんかアイコンみたいなのがあるの分からないか?」

 

 俺が口を開けた瞬間に元康が声をあげる。ぐぬ...見せ場が取られた。

 

「それに意識を集中させれば見れるはずだぜ?」

 

 皆がやっていそうなので、俺もステータスを確認する事にした。

 

 剣崎鋼也

 職業:剣の勇者 Lv1

 装備:スモールソード(伝説武器)

 異世界の服

 スキル:無し

 魔法:無し

 

 ふむ...そこからスモールソードに更に意識を集中する。

 

 スモールソード 0/5 C

 能力解放済み:装備ボーナス、攻撃力3

 専用効果:無し

 熟練度 0

 アイテムエンチャント:無し

 スピリットエンチャント:無し

 ステータスエンチャント:無し

 ○

 

 ....なんかずらっと色々な項目が現れた。

 そっか、俺は聖武器と眷属器の強化方法を認識してるからそのまま反映されてるのか...ありがたいけどいきなりやる事多すぎて強化が間に合わなそうだな...

 リソースの問題もあるしある程度絞ってやらないといけないかもしれない。

 

 それはそれとして、もしもの時のレベルリセット対策やロマンの意味も込めてスモールソードは限界まで強化しておくべきだろう...一応強化しきればこのなんの効果も無いスモールソードでも充分戦えるはずだ。

 

「Lv1ですか。これは不安ですね」

 

「そうだな、これじゃ戦えるか分からねぇな」

 

「というかなんだこれ?」

 

「勇者殿の世界には存在しないのですか?これはステータス魔法という誰でも生まれつき使える魔法ですよ」

 

「へぇ、便利な魔法があるもんだな」

 

「それで?僕達はどうすればいいんですか?」

 

「はい。勇者様方にはこれから旅をしていただき、自らを磨いて伝説の武器を鍛え上げてほしいのです」

 

「なるほど、最初から強い訳じゃないのか」

 

「自分磨きの旅って言うけど、俺達四人でパーティを組めばいいのか?」

 

「いいえ。勇者様方は別々に仲間を集い旅に出ることとなります。伝説の武器は反発する性質を持っており、勇者様方が同じ場にいると成長が阻害されると伝承には記載されております」

 

「へぇ...おっ、なんかヘルプの項目が出てるぞ」

 

 元康が声を上げる。

 俺の方にも同じくヘルプが出ていた。

 

 注意、伝説の武器を所持した者同士で共闘する場合、反作用が発生します。なるべく別々に行動しましょう。

 

 との事だ。まぁ知ってたけど...こういうのは新規情報のように表示される癖に強化方法は最初から開放されてたのはなんでだ?

 あれかな、さっき歩いてる途中で強化方法にどんなものがあったか思い出そうと全部振り返ってたのが理由かな...?

 

 というかなんでこいつらこんなに順応性高いんだよ。俺なんかここについてから自己紹介以外まともに声も発してないぞ...

 

「おぬしらの仲間はワシが逸材を用意しよう。今日はもう随分と日が傾いておる。勇者殿、今日はゆっくりと休み明日旅立つのが良いだろう」

 

「ありがとうございます」

 

「サンキュ」

 

「ざす...」

 

 クズの一言で今回の謁見は終了した。

 

 ────────────────────ー

 

 クズが用意した来客用の四人部屋で俺達は話すこともなくずらりと並ぶ武器のヘルプを読んでいた。

 

 俺も知らない記憶だとか、強化方法の細かい抜け落ちなんかがないか注意しながら読み進める。

 

 ....にしてもなんでこんな事になったんだか。

 普通に明日が来るものだと思ってたのに、気がついたらこんな世界。

 しかもラスボスはどう足掻いても勝てない神様もどきと来たもんだ。

 まじでどうしようか...変に原作から話が逸れたらラスボスで一貫の終わりの可能性が高い。

 尚文とラフタリアがラスボスと同じ土俵に立てないと勝負にもならないんだぞ?

 既に錬と俺が入れ替わってるせいで手遅れかもしれないのに...

 

 そもそもこれだけの知識を持ってしまっている俺はどうやって過ごせばいいんだ?

 大まかには二つのルートがあると思う。

 

 まずは尚文の冤罪を槍直しみたいに止めて、徹底的に尚文の味方になるルート。

 

 正直こっちを選びたい気持ちが強いが、ちょっと考えただけでも問題点はかなりある。フィーロやラフタリアなどのワイルド尚文じゃないと踏めないフラグが何個あると思ってるんだ?

 

 槍直しみたいに強くてニューゲームの愛の狩人ならその力で問題を何でも吹き飛ばせるんだろうが、今の俺はまっさらぴんのレベル1だし原作に出てきてない狩り場だのの知識は一切ないんだぞ?

 流石に強化方法を共有する前の勇者に負ける事はないだろうけど、それでも思ったようには強化できない可能性の方が高い。少なくとも尚文冤罪事件までのタイムリミット一日ではメルロマルクの刺客をレベル1の尚文を守りながら逃げるような実力はつけられないだろう。てかそんな自信無いわ。こちとら一般人だぞ?

 

 一応メリットとしては尚文を確実に序盤から強化できる点、主人公の側に立っているという安心感、尚文の動向を確実に把握できる点、自由に行動しやすい点なんかが挙げられるか?

 

 次に、尚文の事を見捨てて原作通りの展開になるように行動するルート。

 

 正直あんな冤罪事件を見過ごすのはいくらなんでも良心が痛む。

 後カースシリーズなんて使うような状況にさせるのは普通に嫌だ。俺はこれでも盾の勇者の成り上がり結構好きなんだぞ?もちろん尚文の事だって好きだし、実際に顔を見て話してしまった事で猶更情が沸いてしまっている。もう絶対良い奴だもん尚文...

 そんな尚文が仲間を傷つけたり自分が血濡れの瀕死になるような事態を避ける事が出来るのに、それをしないのは流石に俺が耐えられそうにない。幸い強化方法さえ共有できればカースシリーズなんかなくたって余裕で波やら諸問題に立ち向かう事は出来るはずだ。

 

 ただ、それだと最後の神を僭称する者との戦いでのイレギュラーが怖い...

 

 後まぁ、単純に俺というイレギュラーのせいでどのみち最初から原作との乖離を起こす可能性は非常に高い点も問題だ。原作再現はあまり良い案とは言えない気がする...

 

 でもなぁ...!ラフタリアは最悪どうにかなるにしてもフィーロは生まれる条件が確定してるからなぁ。フィーロ無しは流石にまずいんじゃなかろうか。

 

 いやまぁ...聖武器の機能で神を僭称する者に殺されても命だけは助かるはずだし、その保険があるからこそ自由にやればいいんじゃないかという気もしないでもないけどさ...

 

 メリットとしてメルロマルクからの支援を受け取れるという点も捨てがたい。いくらクズやらビッチやら教皇やらの最低な奴らの巣窟とはいえ、お金や魔法の水晶なんかの支援がもらえるのと貰えないのでは流石に難易度が違いすぎる。

 

 俺はちらりと尚文の方を見る。誰がどうみても異世界に、勇者武器の仕様にワクワクしてこれからの異世界生活を思い浮かべている顔だった。

 んん...!やっぱ尚文を原作通りに見捨てるのは無理かもしれない。

 

 とはいえ、クズ達の方針に逆らいすぎると三勇教が盾の悪魔に洗脳されたとか、偽勇者とか言ってきて消されかねないしな...流石にまともに剣を振った事もない俺がステータスが上がったからってそれを乗り越えられるのかと言われると疑問しか浮かばない。

 

「はぁ...」

 

 ため息が零れる。

 本当に、なんだってこんな事になったんだか。

 明日は槍直しの更新日だって楽しみにしてたのに、俺がこの世界に来ちまってどうするよ。

 

 もういいや。こんなのどっち選んでも後悔する未来しか見えない。

 折衷案を選ぶとしよう。

 メルロマルクに、三勇教に睨まれる程尚文の味方はできない。その代わりその範囲内で出来るぎりぎりの支援を尚文にすべきだ。

 それが一番俺の精神衛生上安心出来る。

 

 具体的には裏の顔を作るか?仮面かなんかで変装して、尚文に金銭や素材を支援するんだ。

 盾教の信者とか言ってりゃ理屈は通るはずだ。

 

 うん、これが今考えうる中では一番マシな案な気がする。後は高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処するんだ。

 それがいい。もうこれ以上はここで頭使って考えてもどうしようもねぇよ。

 

 俺は剣のヘルプを閉じて柔らかいベッドに倒れ込んだ。

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