そしてキャタピランドが思ってた二倍芋虫でした。
愛の狩人は相変わらず愛の狩人で最高でした。順調に狂っているようで安心です。
もうカース勇者共はみんなダサバカすぎて大好きです。
「お、戻ったか鋼也」
尚文が俺に手を上げて来る。尚文は片っ端から魔物を盾に吸い込ませていた...まぁドロップ美味いもんな。俺も大量にぶち込んで色々と捗った。
「あぁ...ただいま。ラフタリアちゃんは?」
「村人達を呼び戻しに行ってる。なんだ、さっさと波を抑えられたってのに随分と辛気臭いな」
「いや、ちょっとした賭けのつもりで元康達に強化方法を教えようとしたんだけど失敗しちゃってな...良く考えるとまずい状況かもしれない」
「まぁ人を犯罪者扱いして話も聞かないクズ共だしな...で、それの何がまずいんだ?」
「...強化方法を教える前段階として、フル強化の勇者の力がどんなものが実践してみせたんだけど、結局説得が失敗しちゃったからな...残ったのはあいつらの仲間に俺が他の二人の勇者よりも遥かに強いって知られた事実だけという...」
「それに何か問題でもあるか?」
「俺はただでさえ国に目を付けられてるのに、これで更に監視が強くなるかもって事だよ。勇者二人が抑止力にもならないならもう、あいつらは手段を択ばずに俺を排除しようとするかもしれない」
「なんでお前を排除する必要がある。俺はまだしも鋼也を排除してもなんの利点もないじゃないか。むしろ、積極的に取り込もうとするんじゃないのか?俺からお前が離れるように促すのが合理的だと思うんだが」
「いや、この前ちょっと王様に啖呵切ったり色々してるからな...今更俺があいつらの方に寝返って尚文を攻撃すると思うほどあいつらも楽観的じゃないと思う」
「何してんだよお前...にしても三勇教だったか?ほんともう...この国をいい加減出たくなるな」
「それこそ国を挙げての抵抗になると思う。今の所俺達はメルロマルクから出る素振りを見せてないから監視に留まってるだけだ。単純な戦力なら俺達に分があるかもしれないけど、組織力では完敗だからな。それこそ絡め手で襲い掛かって来る可能性が高い...それも、かなり質の悪い類の」
「国を出ようとしても、残っていても邪魔してくる訳か...」
「早まったなぁ。今まではもう少し慎重に行動してたはずなのに...急ぎすぎた」
「それはそうだが...仕方ないだろ。あの二人の強化が急務なのはこの前の事で分かってたことだ。焦らざるを得なかったし、俺はお前の行動がそれほど悪手だったとは思わないけどな。鋼也が実践してみせて説得しても駄目だったなら、あいつらが想定以上にバカだっただけだろ」
「そう言ってもらえると少しは気が紛れるかな...とりあえず、この後波の祝勝会があるらしいから...俺はそこに行こうと思う。いい加減この国のスタンスだけでも把握しておかないと」
「そうだな。じゃあ...ま、俺も付いていくとするかな。いくらお前が奴らにとって邪魔だって言っても、そもそもの目的である俺が着いていけばあいつらも俺に集中せざるを得ないはずだ。向こうが組織で来るなら、せめて俺達も協力して立ち向かわないとな」
「うん、ありがとう...取り敢えず、ボスの素材を入れよう。一応頭と尻尾があるけどどっちがいい?」
「ドラゴンの頭かヘビの尻尾か...こいつを殺したのは鋼也だしな。俺は尻尾にしておく」
「別にドラゴンでも良いんだぞ?」
「いや、どうせ攻撃力のある盾は出ないだろうしな...状態異常の盾があるのは分かってる。それなら蛇の方が俺に有用なスキルや専用効果がある可能性が高いと踏んだんだが...毒とかあると嬉しいし」
流石の洞察力だ。一応、今の尚文ならキメラヴァイパーが必須って訳でも無いだろうし、ドラゴンの盾がどんなのか気にはなったんだけど...まぁキメラヴァイパーが有用な盾なのは間違いない。尚文の言う通りにさせてもらおう。
「なるほど。確かにそうだな、じゃあ俺はドラゴンを貰うよ」
お互いにそれぞれの聖武器に素材を入れる。
ふむ...キメラドラゴンシミターか。
ちょっと形が独特な剣だな。装備ボーナスはスキル「竜殺剣」、ドラゴン特攻のスキルかな...なるほど。錬はこの剣の能力で親リオンを殺した訳か。専用効果も対竜攻撃補正(中)、火炎耐性(中)となかなか素晴らしい性能をしてる...まぁ、海帝の剣程じゃないから能力解放したら終わりかな。
ドラゴン対策に育てても良いかもだけど、リソースも無限じゃないしな...
「俺の方はまずまずだったかな。そっちはどうだ?」
「あぁ。いや、かなり良い盾だな...防御力もそれなりにあるし装備ボーナスだけでもスキルに毒耐性、ついでに解毒薬調合に補正がかかるみたいだ。そして専用効果に蛇の毒牙。間違いなく状態異常系の効果だな...フック!!」
尚文が盾をかざすと、盾の蛇の装飾が動き出して虚空を噛んで戻った。
「なるほど。この盾の装飾でフックする事で蛇の毒牙が発動すると...悪く無いな。現役の盾よりは一歩劣るがそれを補って余りある性能だ。しばらくはこいつをメインにしていこうかな」
「そりゃ良かった」
「それじゃあ、ラフタリアが戻ったら城に向かうか...」
「あぁ、それなら俺の転送剣で一気に行こう。苦戦はしなかったけど連戦に次ぐ連戦でちょっと疲れたしな」
「そうだな。それじゃあ頼む」
それから、ラフタリアちゃんと合流し村の人々に尚文共々感謝の言葉を受けながら帰還した。
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「...ったく、最初の頃は邪険に扱ってた癖に調子の良い奴らだ」
「ふふ、いいじゃないですか。皆さん尚文様にとても感謝してました...私も、波の魔物にちゃんと立ち向かって、あの村を守る事が出来ました...これで、もう私のような方が増えなくて済みます」
「あぁ。ここまで俺について来てよく頑張ったな...これからも頼りにしているぞ、ラフタリア」
「えへへ...はい!」
尚文がラフタリアちゃんの頭を撫でると、少し涙ぐみながら嬉しそうにしていた。そうだな...トラウマだった波を尚文と一緒に乗り越える事が出来たんだもんな。嬉しいよな。
けど、俺がすぐ横に居る事忘れてないかこれ?
「んんっ!一応俺もここに居るんだけどな、あんまりイチャつかないでもらえると助かるんだけど」
「目が腐ってるのか?普通に褒めてやっただけだろ」
「腐ってるのはお前だろ」
「はぁ?」
「け、剣の勇者様...!おやめください!」
ラフタリアちゃんが尻尾と頬を膨らませて俺を睨んでくる。
「はは、ごめんごめん...あんまりいい雰囲気だからちょっと出来心で」
「もう!...それで、この後はどうなさるのですか?」
「あぁ。ここに皆を一旦預けてるから様子だけ見て、城に向かうかな」
「ほんと...過保護で用心深い奴だな。まぁ、俺達の立場だとそうすべきなのかもしれないが」
「ここに、皆が居るんですか...?」
ラフタリアちゃんが若干顔を顰めながら尋ねて来る。そうか、ラフタリアちゃん的にはついこの前奴隷として売られてきた場所だもんな。尚文と出会えた運命の場所とはいえ内心色々と複雑か。
「あぁ。波の間皆を匿うのに信頼出来たのが魔物商くらいだったから...もちろん、不当な扱いはしてないはずだけど。一応ルロロナ村のニーナちゃんって子が売られてきたからその子に面倒見るように頼んだし大丈夫だと思うけど」
「ニーナちゃん...そうですか。また村の子が見つかったんですね...!」
ラフタリアちゃんがぎゅっと胸の辺りで手を握りしめる。
「ありがとうございます。剣の勇者様...本当に、ありがとうございます...!」
「気にしないで。サディナさんが頑張ってる事だから」
「また子供が増えるのか。いよいよ託児所染みて来たな...保育士の勇者に改名したらどうだ?」
「なら、お前は鍋蓋の勇者だな」
「...あのさぁ、前から言ってるが俺の飯なんて大した事無いだろ。盾の補正がかかってるだけだ」
「だったら俺の飯はなんで旨くならないんだよ。事実として尚文の料理の腕前が勇者級にバケモノなんだよ」
「....まぁいい。どうせ堂々巡りだ」
「確かに、この問答三回くらいしてる気がする」
「私、ニーナちゃんに会ってきます!キール君やサディナ姉さんにも波の事を報告したいですし!」
「あぁ、行ってこい」
ラフタリアちゃんがテントの方へと駆けていく。
「波の後に元気な奴だな...頼もしい限りだ」
「だな」
それから、皆と波の事を話したり自己紹介したりして楽しく過ごした。
キール君がすごく悔しがってたのが印象的だったな。次の波にはちゃんと連れて行ってあげよう。
宴に行くのは内緒にしておいた。行きたいって言うのは分かり切ってるしな...子供を置いて外食に行く親ってこんな気持ちなのか...なんか罪悪感がすごい。
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「いやあ!さすが勇者だ!前回の被害とは雲泥の差にワシも驚きを隠せんぞ!!」
久しぶりに顔を見たクズが宴の最中、高らかに宣言する。
最初は止められたりするのかと思ったが、思いのほかスムーズに宴に通されてこうして会場の端っこで尚文達と料理に舌鼓を打っていた。
「...この料理、旨いな。肉にかかってるソースは...少し味噌っぽい風味か?発酵感があるな。それに柑橘系の果汁もいいアクセントに...」
「お前はどこに向かってるんだ...」
「ん?いや、折角の機会だ。この国の一流料理がどんなもんかとな」
「もうお前料理人になれよ」
「弟みたいな事を言い出すなお前は」
「尚文様、ごちそうですよ!」
「あぁ。好きなだけ食っていいぞ、折角の機会だ...嫌がらせの為にもあのドラゴンに負けないくらい食ってやれ」
「そんなに食べません!!」
ラフタリアちゃんがぷりぷり怒りながら料理の置いてある場所へと向かっていった。
「デリカシーとかさぁ...」
「流石に今のが良くなかったのは分かってる」
そんなこんなで、アウェーとはいえそれなりに楽しんで宴を過ごしていたのだが...やはり、その時が訪れた。
「おい!尚文!!」
元康が人込みを掻き分けて俺達の方にやって来た...おや?すぐ後ろには樹も居るようだ。
これは...勇者二人と尚文をぶつけるつもりか?
元康が手袋を尚文に投げつける。
「決闘しろ!!」
「いきなり何を言い出すんだ...」
心底うんざりした顔で尚文が問いかける。
「聞いたぞ!お前と一緒にいるラフタリアちゃんは奴隷なんだってな!!」
「あぁ。だからなんだ?」
「だからなんだ...だと!?お前本気で言ってるのか!!」
「本気に決まってんだろ。で?だから、なんなんだ?」
「人は...人を隷属させるもんじゃない!ましてや俺達異世界人である勇者はそんな真似許されないんだ!!!」
「何を言うかと思えば...」
尚文が目元に手を当てて項垂れ、その後元康に指を突きつける。
「いいか!この国では奴隷が合法的に認められている!俺はその制度を利用しただけだ!...文句があるならそこの貴族や王共に言え!!あいつらの方がほっぽど酷い事してるようだがな...!亜人奴隷を痛めつけて楽しむクズ共だ!!俺は断じて不当な扱いはしていない!!」
「世迷言を...確かに、奴隷制度が存在するのは事実です。でも、それは仕方のない事ですよ。人にはそれぞれ立場がありますから。だと言うのに、ありもしない事をでっち上げて良いと思っているんですか?彼らがそのような悪事を成す訳がありません」
樹が元康の隣に来る。
「お前もか...だったら、俺も仕方の無い立場だった。クズ共に冤罪かけられてまともに仲間も作れなかったからな...!奴隷を買わなきゃバルーンすらまともに殺せなかったんだぞ俺は!!」
「この期に及んでまだ冤罪などと...いい加減自分の罪を認めてください!!そんな事ではあなたの言い分も説得力を持ちませんよ!もしや...奴隷を痛めつけて楽しんでるのはあなたの方では無いのですか?そういう思考があるから、そのような発想に至るのですよ」
「っ...!さっきから言わせておけば...!」
「ラフタリアちゃんを痛めつけて...!貴様!!」
「なぁ、証拠も無く尚文が奴隷を痛めつける奴のように吹聴するのはどうなんだ?少なくとも、俺は貴族に散々痛めつけられた奴隷の子を何人か知ってる...尚文はそれを見て証拠があるから言ってる訳だけど、尚文がそんなことをしていた証拠は無いぞ?現にほら、あそこで大量の飯を持って茫然としてるじゃないか。あの姿の何処に痛めつけられた奴隷の雰囲気があるんだ」
俺は尚文に加勢するべく樹に問いかける。
「鋼也さん...」
「言っておくけど、この国の亜人奴隷の扱いは本当に酷いもんだ。はっきり言って最悪だ!!平気で鞭打つし、叩くし、殴る...痛めつけ、食事を抜き、牢屋に閉じ込めて労働で酷使する...なぁ、本当にあの子がそう見えるか?そして、お前が断罪すべきなのは本当に尚文なのか...?」
「...っっそれとこれとは別件です!僕はあなたにも怒ってるんですよ!奴隷を複数所有しているみたいじゃないですか!!僕たち勇者がそんな事では示しがつきません!!」
「なら、奴隷制度を認めているこの国はどうなんだ!お前らが味方するような、勇者を保有してると示しをつけられるような国なのかよ!!少なくとも俺は買った奴隷は仲間として、一人の人間として尊重している!!」
「話を逸らさないで下さい!...分かりました、その件は後々僕が調べてしかるべき対処をします...!けど、今は尚文さんと鋼也さん!勇者である二人が奴隷を所有している事こそが論点となっているのです!!」
「そうだ!ラフタリアちゃんを解放しろ!!」
「お前はラフタリア目当てなだけじゃねぇか!この色ボケ!!まだ樹の方が納得出来るぞ!!」
「なんだと!!」
そうして俺達が言い争っていると...大きな破裂音が聞こえた。その方向を見るとクズが手を叩いていたようだ。
「モトヤス殿とイツキ殿の話は聞かせてもらった...勇者ともあろう者が奴隷を使っているとは...噂でしか聞いていなかったが、二人が不服だと言うのならワシが命ずる。決闘せよ!!」
「知るか!!文句があるならまずお前らが法律でもなんでも変えてから言いやがれ!!!それとも何か?勇者は奴隷を保有してはいけませんなんて条約でもこの世界にはあるのか!?」
「ぐぬ...」
「...っっこの!!!離しなさい!!!」
ドカンと大きな音が聞こえると、ラフタリアちゃんが兵士を投げ飛ばしていたようだ。しまった、つい言い合いに夢中になってラフタリアちゃんの方を見れていなかった。兵士達に取り押さえられそうになっていたようだ。
「くそっ...この亜人風情が!!」
「槍の勇者、弓の勇者...!私は、尚文様に救われました。病に侵され死にかけの私を丁寧に看病して、食事を与え、装備を与え、戦う力を与えて下さいました...一人の人間として、最大限の尊重をもって接してくれました!!」
ラフタリアちゃんが俺達に近づけまいとする兵士達をちぎっては投げて近づいてくる...た、頼もしい...
「剣の勇者様も!この国の奴隷狩りに遭って奴隷にされてしまった、私を含めたこの国の亜人の村の人達が、再び元の生活に戻れるようにと村の子達を買い戻してくださっているのです!!」
「そ...そうなのですか?」
「あ...あぁ。俺は亜人の奴隷の子達を助けるために奴隷を集めている...全員は無理だから、この国の亜人特区の村の人達に限定しているけど」
「...そうですか」
「どうかこのような不毛な争いはおやめください。私は、可哀想な奴隷なんかじゃありません...私は、尚文様の...盾の勇者様の剣です!!」
「勇者様方!!そのような戯言に耳を傾けてはなりません!!!」
甲高い、不愉快な声が聞こえて来る。
「...奴隷には奴隷紋があります。主人に不都合のある事を言うと死ぬように設定されているのでしょう!可哀想に...今モトヤス様がきっとあなたを救ってくださるわ」
ビッチがいかにも憐れむような顔でラフタリアちゃんに語り掛ける。
「そのような事実はありません!!」
「なんと...!盾の勇者はそこまで外道に堕ちたか!!そういえば盾の勇者は洗脳の力を使うとも聞いておる...剣の勇者も盾の勇者に洗脳されているのだと報告があった!!恐らくその奴隷もそうなのであろう!!不憫な事だ...不当に扱われる事を尊重などと思わされるとは...」
クズが芝居じみた動きをしながら大声をあげる。
「なっ!!」
「違います!!」
「そんな都合のいい盾があるか!!」
「どうだかな...盾の悪魔の言う事なぞ信用できんわ!!」
「き、さまぁ...!!」
「尚文さん...そんな事をしていたのですか...流石は犯罪者ですね!」
「絶対に許さんぞ尚文!!」
「ふざけた事ぬかしてんじゃねぇぞ!!そんな力があってたまるか!!」
「そうだ!俺は洗脳なんかされてない!!!」
「マインドコントロールされている方の証言に信用性はありません。王があれほど大々的に言うのですからそれなりの証拠があっての事でしょう...心底見損ないましたよ尚文さん...いえ、尚文...!」
「ふん。この場では宴の参加者に被害が出てしまう...城の庭で決着をつけるとしよう。完膚なきまでに負け、勇者に膝を屈するが良い盾の悪魔」
「...あぁいいぜやってやるよ!!お前の言う勇者共をぶっ倒して、どっちが正しいのか分からせてやるよ!!」
「ふん!ほざきおる」
「尚文!挑発に乗るな!!」
「そうです!こんな戦い必要ありません!」
「いや...この国はもうダメだ。鋼也、本気でこの世界を救いたいってんならここであいつらの目を覚まさせてやるしかない。多少荒療治でも、あのクズをぶっ殺してでもやるしかない...」
「それは...」
「もうここいらが限界だ。俺達に手を出すことがどれだけ恐ろしい事なのか、骨身に刻んでやらないと取り返しがつかなくなるぞ」
「.........」
尚文の言う事にも一理あるけど、少し急すぎる気もする。
一旦ここは逃げてしまえば良いんじゃないのか?
「お前の心配も分かる。けどな、これはチャンスだ...お前とラフタリアの言葉を聞いて、聴衆共の中にも本当に俺達が悪なのか疑念を抱いている者が増えてきている。ここであいつらをぶっ倒して、洗いざらい丁寧に説明すればこの国も少しはマシになるかもしれん...いい加減襲撃にもうんざりだしな」
「分かった...そこまで考えているなら、俺も乗る」
「剣の勇者様!?」
「もう限界なのは薄々分かってたし、いずれどこかで避けては通れない道だった。だったら、それが今この瞬間なんだ」
「もう...分かりました!どの道ナオフミ様が戦うと言うのなら私も当然戦いますから!」
「あぁ...あいつらもなりふり構わず妨害やらなんでも仕掛けてくるかもしれん。最大限注意して戦うぞ」
「あぁ」
「洗脳は終わったか?」
クズが嘲るような顔で問いかけて来る。
「違う...!まぁいい。で?決着をつけるとは言ったがどういう形でつけるんだ?よもやルール無用でやるつもりじゃないだろうな...そうなりゃどうなるか、分かってんだろ?」
「ぐぬ...この場にいる四聖勇者とその仲間達で団体戦を行う。瀕死になるか、敗北を宣言した者は退場し、最後に残っていた者が勝者じゃ」
「決闘というよりは乱闘だな...まぁいい分かった。そのルールに従ってやる...さっさとやるぞ」
「当然じゃ」
兵士たちが俺達に道を開ける。
俺と尚文とラフタリアちゃん、元康と樹の二手に分かれる。
「...必ずあなたには罪を自白してもらい、しかるべき罰を受けてもらいます」
「君の事はきっと俺が救ってみせる!後少しだけ待っててくれラフタリアちゃん!」
「言ってろクズ共...!!お前らには一度、本物の勇者の力を見せつけてやる...骨の髄まで理解した暁には鋼也の言う事をきちんと聞いて自己強化しろよ」
「本物の勇者とは大きく出たな...悪が勇者を語るな!」
「チッ...鋼也、半殺しにしてでもこいつらに格の差を理解させろよ」
「わ、分かった...」
最後に互いに一睨みして、俺達は決闘の場へと向かった。