お兄さま曇らせIF√   作:栗鼠

21 / 26
新生シリーズラストです。

追記)番外でちょろっと続きました。


新生アウ子ちゃんは一歩を踏み出す

 数日間、体調不良を言い訳に部屋に引きこもってゴロゴロしていた。

 

 人の不幸は蜜の味と言うけど、アウラ・イェーガーがそんな人間で…。

 兄だけじゃなく、弟やその他の人間まで虐げていた。

 

 

「無理だぁ…」

 

 

 これまでお兄さまを幸せにすることを考えていた。でも、今は無理としか思えない。

 意図せず傷つけてしまうことはあるでしょう。例えば幼少期の私の不用意な発言みたいに。

 

 しかし()()()傷つけるなら、別問題です。断頭台に引きずり出して即ギロチン成敗案件です。

 

 アウラ・フリッツは外道な性格じゃないと思いたいですけれど、結局アウラ・イェーガーだって私です。

 

 私がこれから絶対に、他人の不幸を至上に生きるモンスターにならないとは言い切れない。ふとしたきっかけで目覚めてしまうかもしれない。

 

 それに、エレンくんの様子を見てしまったら、普通の少年が憎悪をたぎらせて理性が破壊されているのを見てしまったら、怖い。

 お兄さまも……いや、お兄さまの方がもっとアウラ・イェーガーのせいで歪められて苦しんでいる。

 

 エレンくんとお兄さまを縛っているのは、アウラ・イェーガーなんだ。私のはずじゃないのに、それは私で。

 

 私は人の不幸を喜んだりしない。

 

 

 本当の“私”って何なんですか? わからない。

 

 

 そうやって考え続けても、答えは出なかった。

 

 バラバラに崩れた私の土台に残っていたのは、変わらないお兄さまへの愛情とか、ユミルちゃんが好きだなぁとか、ハンジとお出かけに行きたいなぁとか、エルヴィン先生の好きな女性のタイプは何なんだろう──とか。

 

 はじめから私にお兄さまを幸せにする気持ちなんて、全く無かったんじゃないかとさえ思う。

 

 そもそも、お兄さまの幸せの定義がわからないんですもの。

 私はアウラ・フリッツであって、ジーク・フリッツではないのです。

 

 重すぎますお兄さま。お兄さまの妹へ懐く感情が、エレンくんが向けてきたものと同じでデカすぎます。私にどうしろってんだ。

 

 その精算をすべきなのは「アウラ・イェーガー」でしょう!! 

 ────ということは、生まれ変わった私がすることになるんですよね…。

 

 このズブズブ思考スパイラルから抜け出すには、私が記憶を思い出すか、それか全部投げ捨ててしまうしかない。抱え続けるにはあまりにもアウラ・イェーガーの罪が大き過ぎた。

 

 

 

 

 

 三週間も経てば、背鏡の前に立って修道服に着替えるのも慣れた。

 

 朝食を食べて、着替えて、また一日の神使様ロールプレイングが始まる。まずはここからどうやって逃げるべきか。その方法すら思いついていない。情けない話です。

 

 ナウシカのように、都合よく身代わりになってくれる女性が現れたらいいのに。ローブのフードをかぶりさえすれば、顔はほぼ隠れ……………。

 

 

「どうして、思いつかなかったんだ……」

 

 

 食事を運んできた人を昏倒させるなりして、逃げればよかったんだ。体は華奢でも、体術で成人男性一人くらいなら意識を落とせる自信があります。

 

 いえ、逆に考えるのです。時間がある程度経ったからこそ、「相手にひ弱な印象をつけられちゃった」と。

 

 隙を見せた間に気絶させて、逃走。その後は家に帰って海外に高跳びする用意をしよう。このままだと信者たちに見つかって強制的に戻されますし。

 万が一の時の自宅の合鍵の隠し場所は知っているので、それを使って入ります。平日の今ならお兄さまは職場だ。

 

 行き先はどこでもいいです。しばらくは気ままに旅をしましょう。

 

 

 ふふ。ノープランもいいところですね。思えば私って、自分で何かをしたいと思ったことがあまりなかった。

 

 お兄さまに幸せになって欲しいのは本気ですけど、その叶える相手は私でなくてもいいだろう。

 お兄さまが私を心配していても、クサヴァー先生に連絡してセラピーをお願いしておけば大丈夫です。何せ実績があります。

 

 

 

 それから逃げ出すチャンスを探り、昼食のタイミングで相手を昏倒させて自分より一回りほど大きい服を着た。

 

 大抵の信者は、ローブや首飾りをここに持ち込んで着替えている。首飾りは目立つからトイレに置いていくことにして、ローブは建物を出てから都合を見て捨てます。

 

 今日は午後からは信者が集まって祈祷の会がある。その時にアウラちゃんはもういないがね。

 

 

 そして、思った以上にスムーズに逃げることができて、自分でも驚いた。

 

 何人かとすれ違ったものの、私が「神使様」だと気づく様子はない。ビビったら怪しまれるので、悠然と歩いているのも理由だろう。

 

 問題は出てからだ。建物の場所を把握して、家までの道のりを考えなければ。今は金銭がないからタクシーは使えない。

 

「………空って、こんなに青かったっけ」

 

 久しぶりにお空へ出た。

 正面には車が行き交っている。歩きながら建物や標識などを手掛かりにして、大まかな位置を把握した。街は自分の職場と同じだ。

 

 家まではでも、結構かかりそうだ。途中で道がわからなくなったら、ハイスクールの場所を聞き、そこを目安に家までの道筋を計算する。

 

 なかなか長い戦いになりそうだった。

 

 

 

 その時の私は知る由もなかった。

 

 まさかユミル教VSデスマスクの集団(悪魔教)VSゾンビ(身バレを防ぐため変装した生徒たち)が教団で起こっていたなんて。

 

 逃げ惑う教団の人たちを追う鎌を持ったデスマスクの黒づくめと、血濡れのゾンビたち。

 しかもたまたま近くで取材をしていたTV局が乗り込んで、生放送したらしい。

 それを見た多くの人間がホラー映画の撮影だと思ったようです。

 

 まぁ渦中の(人物)は、ちゃっかり逃げ出していたんですけど。本当に間が悪かったとしか言えない。

 

 

 

 

 

 

 

 ⚪︎⚪︎⚪︎

 

 

 家に無事に到着して、着替えて渡航に必要なものを見つくろい、スーツケースの中に詰め込む。

 金銭面の心配はご心配なく。これでも一応お嬢様です。

 

 家のパソコンで当日に買えるチケットはないか探し、適当に選んでコンビニで決済を済ませた。

 

 あとはタクシーに乗り、空港まで一直線です。出発は夜遅くなので、着いたらコンビニでついでに買った数独や本で時間を潰しましょう。

 

 しかし、私が逃走を果たした今もまだユミルちゃんが現れない。どうしたのだろう。

 いつも彼女がフリーダムに動いていることもあり、そこまで心配はしていませんが…。

 

 

 タクシーの道中は疲れもあり、寝てしまった。着いた後はまず、電話機を利用してクサヴァーさんにお兄さまをセラピーをお願いした。

 

 その後はレストランで軽食をとり、お店をブラブラと物色した。

 それも飽きたら、空いているベンチで数独を黙々とやり始めた。はじめは多かった人も、時間が過ぎるにつれて減っていく。

 

 ここが、私が引き返せる最後のボーダーラインだ。

 

 ユミル教の人たちは私を探すだろう。でも極端に人口の少ない街であるとか、そんな場所に潜んだり、流浪に転々としていればそう簡単に捕まらない。容姿は化粧やウィッグでいくらでも騙せる。

 

 職をそのまま捨てる形になったのは惜しかったかな。教師を目指したのは、パツキン先生がキッカケでした。

 パツキンの先生が生徒に熱く指導する。幼い私の目にはそのパツキンが眩しかったのです。お兄さまやユミルちゃんの色でしたから。

 

 知人にはあえて連絡を入れないことにした。だいぶやられているメンタルに追い討ちをかけたくない。

 

 お兄さまの声だけでも…思ったけど、非難されるだろうから嫌だ。

「俺を弄んで楽しいか」は絶対に言われます。彼氏に浮気された女みたいな言葉は確実に出ます。つまり、お兄さまは私の彼女だった……? 

 

 

 逃げちゃダメだ、と某サードパイロットくんは言っていたけど、私に立ち向かう勇気はない。

 

 もう疲れてしまったというのが正しいのかな。あるいは、自暴自棄。

 

 私の人生にとってお兄さまの存在が大き過ぎるからこそ、切り離さなくちゃいけない。

 切り離せるとは絶対に思えないけど、そうでもしなくちゃお兄さまも私も共倒れになる。

 

 ユミルちゃんにお兄さまやエレンくんの記憶を封じてもらったところで、今更だ。

 アウラ・イェーガーが不幸餌大好き人間だったことはもう知ってしまったわけだし。彼女に歪められた姿の兄や弟のことを、見てしまったわけですし。

 

 これからもユミルが私と一緒なら大丈夫。ユミルちゃんが、いるなら。

 

 

「三週間も側にいないなんて、これまでなかったじゃん……!!」

 

 

 せいぜい長くても数日とかだったのに。君は今何をしてるの。ちょこっと目の前に現れただけで放置だ。

 

 気配を感じないの。いつも感じていた彼女の温もりがない。ずっと、ずっとだ。もうそれだけで心細かったのに。この世の全てが自分の敵になったような感覚さえしたのに。

 

 もう人が少ないとはいえ、みっともなく泣きじゃくるのは嫌で、私は靴を脱いで曲げた膝に顔を押し付けるようにして泣いた。

 

 数独は結局、一問も進まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 リポーターのピークは、カメラマンのポルコを連れ実況していた。

『何やら向こうで騒ぎがあったようです!』からの、血みどろホラー展開である。

 

 

 

 事はユミル教の建物の前に黒いバンが数台止まり、そこからデスマスクの集団が奇襲をかけたところから始まる。

 ちなみに鎌はレプリカで、殺傷性はない。

 

 その時のユミル教の信者たちは、突如神使様が消えたことで騒ぎとなっていた。

 そこにデスマスクの連中が乱入してきたものだから、「お前たちが神使様を攫ったのか!!」という流れになった。

 これに対し、その神使様を攫いにきた悪魔教徒は「………ホワッツ?」と困惑したところで、さらに油がぶち込まれる。

 

 ゾンビのお出ましである。

 

 

「あ……あれはタックルゾンビです! 教徒たちを次々と押し退けていきます!!」

 

 

 白熱するピークに対し、カメラマンがぼそっと「タックルゾンビってなんだ?」とこぼす。

 

 修羅だった。ゾンビとデスマスクが教徒たちを追いかけ、「神よお助け……」と神に縋らせる間もなく消火器をぶっかけたり、ペイントボールを投げたり、三輪車で轢く。

 

 肝心のユミル()が暴走族の出立でベルを鳴らし、キャッキャと楽しんでいた。

 

 轢かれた信者はユミルの顔を見るなり、顔を青くする。

 何せ彼らが“神使様”と呼んだ女と瓜二つの子供が、次々と教徒たちを轢いていくのだ。

 

 あの女は悪魔だったのか────と、誰かが言った。

 

 

 

 そして衝撃の放送が終わった後、ゾンビ側の捜索班が奇襲犯と合流した。しかして女は見つからず、近くにいた信者を脅せども「デスマスク(ソイツら)が攫ったに違いない…!」と話すばかりだった。

 

 そうなると必然、デスマスクとゾンビの間の空気がピリつく。

 

「失礼しました。我々も彼女、アウラさんを救おうとしていたのです」

 

 そう言って前に出てきたのは、デスマスクを取ったイェレナだった。

 彼女はユミル教にスパイとして潜り込んでいた旨を語る。途中まではエレンにしたものと同じ説明である。

 

 

「犯罪を犯してまで()()()()()()()()()()()など、言語道断です。悪魔()の救済とは本来信心の是非を問わず、平等に人間たちに与えられるべきものです! ──────だからこそッ、我々はこの一件を看過できず、事を起こすことに決めたのです!!」

 

 

 イェレナの迫真の語りに、(ユミル)に轢かれた信者の中で、一部の者が心を奪われた。

 

 ゾンビたちはしかしそれに興味のない者が多く、デスマスクたちの行動に一応納得を示した。

 

「でも、だったらお姉様はどこに……?」

 

 チアガールゾンビ(ヒストリア)が呟く。

 

 考え込む彼らに、躊躇いがちに一人のデスマスクが近づく。このデスマスクはミカサとアルミンの方へ歩み寄る。

 

「えっと、あなたは?」

 

「デスマスク……羨ましい」

 

 訝しむアルミンと、かなりズレているミカサ。

 その人物がデスマスクを取ると、「「あっ!」」と二人して声を上げ、指を差した。すると他のゾンビたちの視線も向く。

 

 少年は上を向いて、下を向いて、また上を向いて────細く息を吐いた後、覚悟を決めた。ここまで大事にしたのは自分の責任である。

 

 頭を地面につけ、エレンは大きな声で叫んだ。

 

 

「すみませんでした────ッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 アウラを攫った理由について、前世の件を上げるわけにはいかず、エレンは「ユミル様が見えていたから神の使いだと思った」と話した。攫う前にユミル教には入っていたので、辻褄は合う。

 

「だからって、先生をスタンガンで気絶させて運んだのは……いや、誘拐そのものが許されないんだけど…」

 

「ふみまふぇん…」

 

「………随分とヒストリアに叩かれたね、エレン」

 

 エレンが誘拐の犯人だとわかったヒストリアは、「これはお姉様の分だぁ! これは私の分!! それにこれとこれとこれとこれも私の分だ────ァ!!!」と、少年の頬を叩きまくった。

 

 怒ったミカサは藁人形で呪う標的(ターゲット)を変更し、タックルゾンビは困惑。ユミルは大爆笑した。そして今日もまたベルトルトは不在である。

 

「カルラさんはもっと怒るだろうけどね」

 

「うっ………」

 

「ごめんね、エレン」

 

「何ふぇ…アフミン、お前ふぁ謝ふんふぁよ」

 

「だって、君は神様に頼りたくなるほど追い込まれてたんでしょ? でなきゃ、絶対に神なんて信じない性格だろ」

 

「………」

 

「頼りなかったなら、僕ももっとしっかりするから。一人で抱え込まないでよ…ねっ?」

 

「私も、力になる。エレンは私たちのことを助けてくれたことがある。だから逆に、私たちもエレンのことを助けるから」

 

「……う、ううっ…」

 

 

 ぐちゃぐちゃとしていたエレンの頭は今、不思議とクリアになっていった。代わりに込み上げてくるのは申し訳なさやら、己の不甲斐なさやら、自分を恥じる感情ばかりだ。

 

 エレンはもう一度二人や、ゾンビのみんなに頭を下げる。

 

 これ以上、少年を糾弾しようとする者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 一方、衝撃的な夕方のニュースをお送りしたリポーターとカメラマンは、上司の鬼電を受け、建物を出て対応していた。

 声色は真摯に謝っているのに顔は真顔のピークに、ポルコは「()ぇぇ」と呟く。独り言の多いカメラマンである。

 

「…よし、ひとまずお叱りの続きは局に戻ってから、って話になったわ」

 

「しっかし何だったんだろうな、あのデスマスクの奴ら。前に止まってたバンのプレートは外されてたし、いつの間にか消えてたし」

 

「さぁね。宗教連中とは言ってたけど、マフィアの可能性もあるんじゃない? どの道関わらない方がいいわよ」

 

 テレビの前では笑顔を振りまいていたピークは、残業帰りのOLのようにハァー…と、嘆息する。

 

「これで私もポッコもクビになったら、ジークさんの会社に拾ってもらおうか……。給料は今の倍で」

 

「その前に高い寿司か、高い焼肉を奢ってもらうか、決まってねぇだろ」

 

「やだよ焼肉ぅ〜…臭いがキツいじゃん。断然寿司でしょ、お寿司」

 

「いや、焼肉だね」

 

「それ以上タンパク質をとってどーするのさ」

 

「バッカお前、カメラマンは結構筋肉を使うんだからな」

 

「その筋肉はもうアスリートやってます、な筋肉じゃない」

 

 ポルコの上腕二頭筋を突きながら、ピークは連絡を入れた。先日、職場でぶっ倒れて入院している男に。

 

「あっ、もしもしジークさん? 妹さんいなかったみたいですよ」

 

『──!? ────』

 

「…そう耳元で騒がないでくださいよ。目星をつけた信者の人に聞いたところ、どうやら妹さんがいた部屋に下着姿の男性が倒れていたみたいです。自力で逃げ出した可能性が高いと。ただその話が、突然“神使様”がいなくなった混乱に合わせて歪んで伝わってしまったそうで、「誘拐された!」と思い込んでいる信者がほとんどなようです」

 

 さすがリポーターである。混乱する現場でいち早く真実にたどり着いていた。

 

 通話先の男は長い沈黙の後、「どっちにするか決まったの?」と尋ねた。

 

「それはもちろんお寿──」

 

「おいコラ、抜け駆けすんな!」

 

「……………お寿っ!」

 

「ピークッ!!」

 

「…ふふ、まだ決まってません。なので、決まってからまた連絡します」

 

 電話を切ろうとしたピークは、相手から待ったがかかり、首を傾げる。

 攫った犯人はわかったか? ──と聞かれた彼女は、通話中のまま一度建物内に戻った。件の少年はゾンビたちに取り囲まれ、容赦のないビンタを食らったり、友人からのお叱りを受けて号泣している。

 

「あぁー……」と、彼女は何とも微妙な声を上げた。

 

「エレン、って子が妹さんを誘拐した犯人のようです。神が見えていたから攫った、と。ちょうど今ゾンビたちに締められてますね。………はい、ジークさんの電話番号を教えればいいんですね? わかりました」

 

 通話を終えたピークは、学生たちが落ち着いたのを見計らい、メモに書いた男の電話番号をエレンに渡す。

 一瞬首を傾げた少年だが、彼女から「アウラさんのお兄さんの電話番号です」と聞くと、目を丸くして頷いた。

 

 

「できればすぐに、人のいない場所で電話して欲しいみたいです」

 

「……わかり、ました。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 薄暗い病室の中、差し込む夕日を浴びながら男はワイシャツに腕を通していた。その折、連絡が入る。

 

 

「…久しぶりだな、エレン」

 

『………ジーク』

 

 

 今世では顔を合わしたことのない二人。前世で地鳴らしがあってから会ったのも、数えるほどしかない。

 

「記憶は戻ってるんだろ、お前」

 

『……あぁ』

 

「そうか…」

 

 エレンがなぜアウラを攫ったのか、それが「ユミル()が見えたから」ではないことはジークにもわかっている。

 

 もっと別の理由。アウラ・イェーガーに愛され、裏切られ、散々振り回された少年は何を思い行動に移したのか。その真意を問い詰める気は男にはない。当然、今回の件を責める気もない。

 自業自得なことを妹はしていたのだから。

 

「ハァ……お前が犯人だろうなとは思った。もう捜索願の方は取り下げたから、警察が動くことはねぇよ。だからお前が捕まるってことは、一応ないと思う」

 

『…ふぁりがとう。…………その、(ふぁる)ふぁった』

 

「おぉ? イヤに素直だな。その様子じゃ、随分とお灸を据えられたのか」

 

(ふぉお)が腫れて、ふぅまくしゃべふぇねぇ』

 

「その方が愛嬌があっていいんじゃないか?」

 

ハァア(ファア)?』

 

 電話先でもごつくエレンの喋りはかなり聞き取りにくい。

 

『……オレ、アイツに………(ふぇえ)さんに、会っふぁ』

 

「相変わらずだろ?」

 

『………』

 

「エレン?」

 

『……なぁ、お前も(ふぃ)づいふぇんだろ?』

 

「何がだ?」

 

 

 姉さんが何も、覚えてないってこと──────。

 

 

 シャツとスラックスに着替え終えた男は、ジャケットを片手にスライド式の扉を開ける。

 その表情は紅い夕陽に隠され、窺い知ることはできない。

 

 

 そしてエレンの連絡が終わったすぐ後、また一本の電話が入った。慌てた様子で男にかけてきたのは恩師である。

 

 トム・クサヴァーは『アウラちゃんから連絡があって…」から始め、伝えられた内容を語る。

 

 

『「兄さんをお願いします」って言ってたんだ…。君から家に帰ってきていないって話は聞いていたから、胸騒ぎがしてね。………もしかしてまだ、家には帰っていないのかい?』

 

 

 遠くでカラスが、カァ、と鳴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 そんなもの、わかっていた。

 

 わかっていたはずなのに。

 

 

 

 

 

 エレンよりも多くの時間を過ごしたジークが、気づかないはずがなかった。

 

 だが信じたくない。兄を救えるなら世界を滅ぼしても構わないようなイかれた可愛い妹が、散々延々と男を苦しめ続けて恍惚の表情を内心浮かべていたであろう女が、全部丸々と覚えていない。

 

 信じられるわけなかった。

 

 

 しかしジークが記憶を取り戻してからずっと、その狂気の片鱗は微塵も現れなかった。幼少期の件で本当にはじめこそ疑っていたが、ついぞ「アウラ・イェーガー」の部分は出てこない。

 

 あの狂愛を、ジークは望んでいるのか。

 いや、望んでいない。

 

 ただすでに前世でフルボッコにされて放置された心は治しようがなく、癒すにはさらに壊されるしかない。生殺与奪の権を握られている。

 ここまでは完璧にアウラ・イェーガーの計画通りだ。彼女に記憶さえあったら、であるが。

 

 

 

 

 

 病院を抜け出した男はタクシーに乗り、移動した。

 妹がどこにいるのか、ジークには見当がついている。伊達に生殺与奪の権を握られているわけではない。

 

『………』

 

 彼の隣にはいつの間にか、金髪の少女が座っていた。少女は窓に張りつき、暗闇に浮かぶ街の光景を眺めている。

 

「……何が目的なんだ」

 

「えっ?」と反応した運転手に、ジークは独り言だから気にしなくていい、と返す。

 少女の視線はそのやり取りの間に、男へと向けられた。

 

「俺の周りでここ最近、ずっとうろうろしていただろ…」

 

『………?』

 

「首を傾げて分からないフリをしても無駄だ」

 

 少女は舌打ちをこぼし、プイッと顔を逸らす。

 ジークが再度問うてもユミルは何も話さず、カンペのようなもので『きらい ひげお』とだけ返した。

 

「……そんな感じだったっけ、ユミルちゃんって?」

 

『………』

 

「本当にダンマリかよ…」

 

 ジークは考えた。妹と終わりを迎えたはずのユミル・フリッツが、今何を目的としているか。

 アウラ関連ではあるのだろう。

 

 そこでふと、彼は気づく。

 

 ジークが記憶を取り戻すきっかけとなったのは、この少女との接触だった。エレンも同じように接触し、思い出した可能性が高い。

 ならば、である。ユミルがアウラに接触すれば妹の記憶も戻るのではないかと。

 

 そこまで気づき、男はメガネの下で青い瞳を見開く。

 

 

「………ユミルちゃんでも、ダメだったのか?」

 

 

 少女は何も答えなかった。

 

 ただ、その表情は無表情ではなく、泣きそうなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 もう辺りはすっかり暗くなり、人もほとんどいない。

 

 泣き疲れたまま寝落ちしていた女は、寝ぼけ眼で時計を見て、勢いよく立ち上がった。その拍子に膝の上にあった数独の本とシャーペンが吹っ飛ぶ。

 急いでチェックインを済ませなければならない。

 

「ペンが、本がっ!」

 

 脱いでいた靴を履き、慌ててシャーペンを拾う。数独本も拾おうとした女の手に、それが手渡された。隣に座っていた人物が親切に拾ってくれたようである。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ご旅行ですか?」

 

「自分探しの旅です! すみませんが急いでますので!!」

 

 がっしりとつかまれている手にアウラはダラダラと冷や汗をかきながら、それでも笑みを崩さない。

 

「お一人で?」

 

「そそそ、そうです! ………ぐうっ! 全然腕が取れない…ッ」

 

「そりゃあ、楽しそうだな」

 

「あの本当に間に合わなくなるのでッ!! 私がとても可愛くてナンパしたくなる気持ちもわかりますけど急いでるんです!!!」

 

「アウラ」

 

「違います私はユミルです!!!」

 

「アウラ・フリッツ」

 

「ちょっと待ってくださいカウンターと全く違う方向に進んでいるんですけど!!!!」

 

「観念しろ」

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 かくしてアウラは、兄に捕獲された。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 人気のない場所に引きずられて行ったアウラは、以前見た時よりも明らかに痩けた兄の顔を見る。

 死人とまではいかないが肌が青白く、誰が見ても体調が良くない。そんな状態で来たというのか。なぜ? 

 

「……どうして、来たんですか」

 

「兄が妹の見送りに来ちゃいけないのか?」

 

「見送るなら腕を離してください。…い、痛い」

 

「別れの挨拶がまだだ」

 

 青い瞳はメガネの下に隠されて、アウラからは見えなかった。感情の読み取れないジークの表情が、ユミルと重なった。

 

「………エレンくんが、言ってたんです。私がどんな人間だったのか──って。私は器用じゃないから、お兄さまを傷つけてしまうことがあると思ってました。でも……」

 

「そんなの、今更だろ」

 

「違います! 私は昔の……エレンくんやジークお兄さまみたいに前の人生の記憶がありません……とは、前から言っていますけど……。とにかく、故意に人を傷つけて笑うような人間じゃないんです! そんな人間に、なりたくもない。どうせ、お兄さまは………信じてくれないでしょうね」

 

「………」

 

「疲れたんです。誰かのために生きるのは。お兄さまに幸せになって欲しいけど、私にはできません。そんな資格ない」

 

 ギギ、とアウラの腕をつかむ手にさらに力が加わる。

 それでも彼女は続けた。唯一、瞳だけは合わせられないまま。

 

「重すぎます。お兄さまの感情も、エレンくんの感情も。そんな感情を抱かせる「アウラ・イェーガー」が自分なんだって思うと、気持ち悪くなる。いつか、例えば私に記憶が戻ったら、また身の回りの人を傷つけるようになるのかって考えたら、嫌だ」

 

「……アウラ」

 

「嫌。イヤだから、離して」

 

「……俺との約束、破るのか?」

 

「私に、押しつけないで」

 

 そこで、ジークの手が離れた。

 

 いきなりのことで後ろにたたらを踏んだアウラは尻餅をつく。彼女は袖で涙を拭いながら立ち上がり、スカートの汚れをはたいた。

 

 スーツケースが転がる音が静まり返ったその場に響く。アウラは振り返らなかった。

 しかし、アウラくん、と自分を呼び止める少女の声が聞こえ、咄嗟に後ろを向く。

 

 少女は男の背後でジョジョ立ちしていた。顔に影を作り両手を腰につけて、堂々と胸を反らせるようにして。

 

 ただ、アウラはまだ二部までしか読んでいなかったので、そのネタがわからなかった。

 

「ユミル、一緒に行こう?」

 

『………』

 

「……ユミル」

 

 ユミルはカンペも出さず、静かにアウラを見つめている。無表情だけれど、その顔にはいろんな感情が滲み出ている。

 

 

「────どうすれば、いい?」

 

 

 掠れた声で、ジークが呟いた。

 

 

「幸せになれば、いいと思います」

 

「……俺は」

 

「お金はすでにありますから、後は素敵な女性と結婚して、子供を作って、老後は孫たちに囲まれながら……ありきたりですけど、そんな幸せがいいんじゃないですか? それ以外に幸福に感じるものがあれば、それを目指すでもいいですし」

 

「………」

 

「私にだってわかりませんよ、実際のところ。教師の夢を叶えても感慨深さは思いの外なかったですし、幸せを見つけるのは難しいですよ」

 

「……俺と過ごした時間は、幸せじゃなかったのか?」

 

「幸せでしたよ。世界一幸せでした。断言できます。お兄さまが一番なのはこれからもこれまでも、ずっと変わりませんから! あっ……もちろんユミルちゃんも一番ですよ!」

 

 凹みかけた少女に気づき、アウラは慌てて言葉をつけ足す。

 時計を見た彼女は、「本当に、そろそろ行きますね」と微笑んだ。そして、今度こそ振り返らず行こうとして、忘れ物を告げる兄の声がかかる。

 

 

 男の手には、彼女のチケットが。

 

「私が寝てる間に盗んだの!!!??」

 

 

 スーツケースを置き去りにし、走ったアウラは兄の手からチケットを引ったくろうとしたが、相手が重心を一歩後ろに傾けて避けられる。

 突っ込んだ勢いでつんのめった彼女は、兄の胸に顔をぶつけた。戦士ではない今世でも、体は最低限に鍛えられている胸筋である。

 

「固ッ!? 痛ァ! ……返してッ!!」

 

「取れたらな」

 

「意地悪しないでよぉ!!」

 

「人を苦しめ抜いたお前が言うなよ」

 

「だから前世のことは知らないって言ってるでしょ!!」

 

「わかってるよ」

 

「そうです、だから!! ………エッ?」

 

 信じられないものを見たかのような、白銅色の瞳が丸くなる。

 その瞳はさらに大きく開いた。

 

 兄妹のバックには窓越しに滑走路が見える。そこから照らす明かりを受け、彼らの姿を黒く染め上げ、影を作る。

 

 その、二つの影が重なった。

 

 

 

 

 

「…………………ふえっ?」

 

「………」

 

「お、おにっ」

 

「………帰ろう」

 

「いや、待っ…………わ、私のファースト……………???」

 

「帰ろう、アウラ」

 

 

 ジークに手を引かれ、アウラは呆然としたままついて行く。心ここに在らずといった様子で。

 男が引くスーツケースの上には金髪の少女が座り、夜空を眺めていた。

 

 タクシーの車内では一切の会話がなく、三人は帰路についた。

 

 

 眠り姫は王子のキスで目覚めると言うけれど、それは御伽話の中だけの話だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 時刻も深夜ないいところ。自室で口を開けたままベッドに転がるアウラは、ずっと思考が停止していた。

 視界にはずっとチカチカと点滅する蛍光灯が見える。

 

 ジークの方は家についてから風呂に行き、ユミルも疲れたのかタクシーに乗っていた途中で消えた。

 

「………あかり、かえよう…」

 

 タバコの味がしたなぁ…と、脚立と替えの蛍光灯を持ってきたアウラは、またそこで考えるのをやめる。

 

 目の前でタバコを吸う兄に体に悪いからと、以前からやめるように言っていた。しかし時折服からその匂いはしていた。妹の目の前で吸うのはやめても、会社などでは吸っているのだ。

 

「……………そっか私! 狐に化かされてるんだ!! なぁーんだ、そりゃあそうよね。だって兄妹だもの!」

 

 そうかそうか、と何も納得していないのを無理やり飲み込んで、蛍光灯を交換し終わったアウラは脚立から降りた。

 いや、正確には降りようとして、足を滑らせた。

 

「あっ」

 

 彼女の視界に、星が舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◻︎◻︎◻︎

 

 

 シャワーで冷水を浴びながらブツブツと呟くヤバい状態に入っていた男は、浴室にも聞こえた音に現実に引き戻され、バスタオルを巻きつつ音の出所へ向かった。

 音は固いものが倒れるような音で、ジークは「まさか」と顔を蒼白させる。

 

 高いところに乗り、そこから首を────。

 

 

「アウラァッ!!!!」

 

 

 悲鳴に近い声で妹の部屋をぶち開けたそこには、頭から血を流して倒れる妹と、彼女が交換した後に落ちて割れた蛍光灯の破片、それに脚立が転がっていた。

 

「おいっ、しっかりしろ!!」

 

()っつ………あれ、お兄さま? お風呂に入ってたんじゃ…」

 

「おまっ、……ッ……………ッ!! ビックリしちゃっただろうが!!!」

 

「…? 別に蛍光灯を替えてただけですけど……」

 

「頼めば俺がやるよ!! とりあえず病院………いや、俺も病院だったな…」

 

「え?」

 

 ジークが病院を抜け出していることを知ったアウラは、目をギュッと閉じて、小さく謝る。

 

「私がお兄さまに心労をかけたせいだ……」

 

「…とりあえず頭を冷やして、念のため病院に行くぞ」

 

「お兄さまは「行く」んじゃなくて、「戻る」んでしょ」

 

「………」

 

「いたっ!」

 

 デコピンを額……は躊躇われた末に手の甲に受けた女は、非難がましく兄を睨め付ける。帰ってくる間凍っていた空気が、わずかばかりに溶け出していた。

 

 ジークはひとまず着替えに戻ろうと立ち上がった。しかし妹が「あ゛あ゛っ!!?」と、乙女に相応しくない野太い声を上げたせいで止まる。

 

「……何だよ、今度は」

 

「お、おおお、おに、お兄しゃま……」

 

「だから何」

 

 上を向いたり下を向いたりと、忙しいアウラ。

 

 

「……あっ、ヤベッ」

 

 

 妹が首を吊ったもんだと半狂乱に急ぐあまり、巻いたタオルが落ちてしまったらしい。

 謝ろうとジークが鼻血を流している妹を見る。…鼻血? 

 

「お前ってやつは本ッ当に………。兄貴の下半身を見て鼻血出すんじゃねぇよ」

 

「お兄しゃま……」

 

「下見ながら言うな、それ」

 

「もう私死ぬ…」

 

「やめろ死ぬなふざけんな殴るぞ」

 

「ふぇぇぇん………ジークお兄しゃまがDV男でも全然いいでひゅ…」

 

「…………!! 待て、もしかして変なところでも打ったのか!?」

 

「え? 私はいつものお兄さま大好きアウラちゃんですけど……」

 

 血は相変わらず頭から流れていて、その部位を押さえさせていたアウラの手は離れて、今は力なく床についている。

 

 仕方なく妹の手を引き、ジークは台所まで連れて行った。彼が氷嚢を作っている間、アウラはなぜか目を瞑ったまま座禅している。悟りでも開きたいのか。

 

「コレ押し当てとけ。いいか、動くなよそのまま」

 

「はい。…あ、そうだ、ジークお兄さま。

 

 ──────遅くなりましたけど、今世もいっぱい曇らせて(愛して)差し上げますね♡」

 

 

 ゆっくり振り返った男の目には、恍惚と笑む悪魔の姿が入る。

 

 あぁ、とジークは頭を押さえた。

 

 

 

 

 

「おはようアウラ………で、いいのか?」

 

「これまでの記憶もあるので、適切ではないですね。ところで空港でお兄さまの方からちゅーしてきたってことは前の赤ちゃんの件はオッケイってことでいいん」

 

「黙れ」

 

「ふぁい……♡♡♡」

 

 

 

 

 

 ここから始まる新生アウラのお兄さま曇らせ(幸せ)計画。

 

 そこにユミルもちょっかい程度に混じり、ジークは胃を押さえる羽目になる。

 

 だがジークから、その手を離す気はなかった。

 

 たとえ愛の境界線が家族以上のものになるとしても。いや、空港の一件ですでに腹は括ったと言える。

 

 

 

 

 

 新生アウ子は今日もお兄さまを愛し、そして前よりは程度の落ちた人の不幸に歓喜し、笑うだろう。

 

 

 ~【番外編 新生√】end ~

 

 


 

 

・ユミル教

 神使様は悪魔だったと話が広がり、今後アウ子が誘拐される心配はなくなった。

 

・悪魔教

 騒ぎに紛れて撤退。のちに拷問マニアおじさんが加入する。悪魔様を招き入れるのはまだ諦めていない。イェレナが着実にトップに立ちつつある。

 

・エレン

 過去は過去で、今は今。過去に囚われ続けることはやめようと決めた。

 明日に進む一歩に迷うことはあるかもしれない。それでも大丈夫だ。

 迷っても、隣には二人がいるから。

 

・アルミン&ミカサ

 友情と恋愛パワーを炸裂させた。エレンにクリティカルダメージ。

 

・ヒストリア

 エレン()が泣くまで殴るのをやめなかった。

 

・ユミル♂

 三輪車の少女が見えて、それどころじゃなかった。

 

・タックルゾンビ

「こ、これは違うんだ……!か、母さん……ガビ………!!」

 そのタックルであっさりと正体がバレた。

 

・ベルとアニ

 タピって手を繋いで、夜にストリートでアニがギターを弾いた。途中で人が多く集まったせいで逃げて、まぁなんかとりあえず、青春している。

 

・ピークとポッコ

 付き合ってないけど誰がどう見ても付き合っている距離。視聴率が良かったのでクビにはならなかった。行ったのは焼肉。ピークがいっぱい食べてるポルコを見たくなったらしい。

 

・ユミルちゃん

 自転車には乗れないから三輪車に乗っている。一番強襲を楽しんだ。

 

・ジーク

 あぁ……な心境。もう逃げられないね。

 

・新生アウ子

 覚醒のきっかけがキスでもなく頭をぶつけるでもなく、お兄さま♂だった。ユミルの苦労はいったい何だったのか。

 今世も全力でジークを曇らせに行くし、結婚したい。でも半分ぐらいは人間性で薄まってるから、かつてほどひどくはない。変態は治ってないけど。

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