死後の新たなる導き手   作:レイン・ディスペア

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更新が遅くてすみません。
時間がなかったんです。


今回は殺人鬼の方が出てきます。
ほのマギの進行状況の都合上、まだ一人しか出せないんです。

では、どうぞ。


第5話 戦闘

音無(シャムス)から受け取ったトランシーバーをズボンの左ポケットに入れ、食堂へと向かう。

教師ならば俺を説教するのだろうが、おばちゃんは親切で何も言わない。

おばちゃんにマジ感謝だわ。

 

……おばちゃん、本当にNPCか?

模範的じゃねぇだろ、これは。

 

 

あの血の痕からして、殺し方はナイフでの滅多刺し、だろうな。

ひぐらしを読んでて良かったとこんなときに思うなんてな。何の皮肉だ。

 

念には念を入れて、ズボンのポケットから手を抜き、カッターの入っている上着のポケットに手を入れる。

今はSSS(スリーエス)の制服ではなく、NPCと同じ学ランを着ている。

恐らくSSS(スリーエス)の制服にもポケットはあるだろうから、着替えたら入れ替えよう。

 

 

相手は刃物を持っている。

こっちも刃物を持っている。

刃を交えた時、多分俺が負ける。

 

あくまで俺のカッターは文房具なのでな。

脅迫にはちょうどいいが。

 

俺に実戦経験はない。

というか普通は無い。

白兵戦なんてするわけがない。

ヤンキーでもやらないぞ。

 

 

まぁ睨みを利かせながら歩いているから、近寄ってくる奴は一発で魂を持った人間だとわかる。

 

ふん!どこからでもかかってこい!

近付く奴はみんな灰にしてやる!

 

 

 

「ふん、いい度胸じゃない、NPC。

 もっとも、あんたなんてまた消える存在なんだけどね」

 

「……誰だ、あんた」

 

 

目の前にいたのは茶髪でふわっふわカールをした、いかにも「お嬢様」な女生徒。

着ているのはこの学園の通常の制服だが、ところどころ赤く染まっている。

 

これでもう、わかった。

 

 

 

こいつが殺人鬼だ。

 

 

 

じっとこちらを見据えている女生徒は不敵な笑みを浮かべ、上唇を舐めた。

 

「死ぬついでに教えてあげる。

 私の名前は花園(はなぞの)時乃(ときの)

 あなたを殺す、可愛くて美しい……殺人鬼よ!」

 

そう言い放った瞬間にこちらへ一直線に走り始めた。

距離にして約50m。

普通の女子ならば8秒もかからない距離だ。

 

俺はそれに対して右ポケットからカッターを取り出し、刃を出す。

 

「あら?

 あんた、NPCじゃないの?」

 

「生憎俺も、魂を持った人間なのさ。

 あんたなんかに殺される筋合いは無いんでね」

 

俺が言い終えた瞬間に女生徒――花園時乃の短刀と俺のカッターが交差した。

俺はすかさず左ポケットに手を入れる。

 

「あら?

 片手でいいのかしら?

 ……舐めないで下さる?」

 

安い挑発だな。

 

「舐めてんのはそっちじゃないの?

 いくら俺が中学生だからと言って、正面から攻撃するなんてさ」

 

ここは挑発し返してやる。

 

俺が生きていたころによくヤンキー相手にやっていたことだ。

ヤンキーを睨みつけて喧嘩を売る。

それを買わせずに相手に売らせる。

俺はそれを買わずに逃亡、ヒャッハー!

 

最高だったね、あれは。

 

 

「はっ、そこまで言うなら、戦い方を変えてあげる」

 

そう言った女生t……だるいから女でいいや

女は俺の左側へと回ってくる。

右手でカッターを持っているからだろう。

だが…………

 

「詰めが甘いんだよ!」

 

ガキーン!

 

弾かれて飛んでいったのは短刀。

 

俺の左手には

 

 

 

 

 

 

 

 

普通のはさみが握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、俺が左手をポケットに入れたのははさみを取るため。

あえて焦らしたのははさみのキャップを外すため。

そしてカッターの後に出した理由ははさみの方が安定するから。

 

持つ部分と刃が一緒になっているはさみの方が、折れる可能性は低い。

カッターは刃を長くできる代わりに支えがなくて安定しないからな。

はさみで不意を突くべきだと考えた。

 

ここまでを女が話しかけてきた瞬間に考えた。

 

これが俺の嫌われる要因の一つである、思考力の速さ。

それに加えての豊富な知識と語彙。

圭一には悪いが、俺も『口先の魔術師』を名乗ってもいいと思う。

 

生前俺が後輩の女子生徒たちに質問攻めにあって

 

「名前は何ですか!?」

 

って聞かれた際に、あるSSの主人公の名前を答えてやった。

そして納得する後輩ww

あのときはすごかったな、俺。

 

 

「悪いけど、あんたはここで死n「ふざけんな」っ!?」

 

俺は言葉をかぶせる。

 

「ここが死んだ世界だってことは理解してるんだろ。

 だったらいくら俺を殺しても無駄だ。

 そして俺の前に殺した奴、そいつもNPCじゃない、魂を持った人間だ。

 そんな不毛な行為はやめろ」

 

「……っ」

 

女は歪んだ表情で下唇を噛む。

その目からは涙が見えるが、気にしない。

俺は殺そうとしてきた人間に情を移せるような強い人間じゃないのでね。

 

危険そうなので、なぜかそこら辺にあった縄で女を縛る。

決して、そういうプレイが好きなわけではない。

誤解をするな。

 

ついでだ。

音無(シャムス)に報告しておくか。

 

 

「あー、音無(シャムス)、聞こえるか?」

 

「こちら音無。

 今靴、どうした?」

 

「いやー、ちょっと殺人鬼と戦闘しましてね」

 

「ど、どうなったんだ!?」

 

「いや、会話してるんだからわかってるだろ。

 俺の勝ち。

 殺人鬼は女だったよ」

 

「お、女!?

 ちょっと待ってろ」

 

「わかってる」

 

 

音無(シャムス)はかなり動揺していたようだったな。

それもそうか。

だって、どれほど凶悪な殺人鬼かと思えば、その正体は女なんだもんな。

俺が音無(シャムス)と同じ立場ならば驚くだろう。

 

 

 

さて……こいつをどうするかな。

 

……………………よし。

 

 

「確か、花園時乃とか言ったか?」

 

「……そうよ。

 私なんてもう、煮るなり焼くなり好きにしなさい」

 

……何だ、こいつ。

 

「お前にそんなことをするつもりはない。

 聞きたいことがある」

 

「何よ。

 答えられることならば答えてあげるわよ」

 

こいつは縛られているのに上から目線で話すのな。

もしかいたら気付いていないのかもしれないが、まぁそこは不明だな。

 

「まぁ全ては音無(シャムス)が来てからだ。

 聞きたいことはたくさんあるから、覚悟しておけ」

 

「…………」

 

さ~て、はやく音無(シャムス)は来ないかな~?




麻知の初めての戦闘で、無事勝利です。

花園時乃については人物紹介のところに追加しておきます。

どんな風に勝たせてあげようか、と考えていたらこんな感じになりました。
カッターやはさみなんて、普通の中学生が常備しているものではありませんよね(笑)
でも一応、作者の実話です。


次回はいつかはわかりませんが、また新しいキャラが出てくる予定です。

ではまた次回。
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