――では、まず所属とお名前からお願いします。
「はい。対怪獣特殊戦闘制圧軍Gフォース、第2002特殊作戦試験部隊〈
――はい、よろしくお願いいたします、ヤシロ=ハルカ少佐。
「……あの、早速で悪いんだけど、タメ口にしていいかしら? こういう堅苦しいの、あんまり得意じゃなくて」
――構いませんよ、少佐。もしご希望であれば、言い回しその他はこちらで直させていただきますので。
「ありがとう……いやあ、よかった。『Gフォースの若者向け求人でインタビュー録るから、何か喋ってくれ』って、いつも世話になってるイガラシ長官*1からも頼まれちゃってさ。わたし、人前で真面目っぽく喋るのあんまり得意じゃないし。ま、誰もがそーだと思うけど……」
――そうなのですか?
「意外かしら?」
――いえ、お若い頃のヤシロ少佐は『オペレーション=エターナルライトの
「……その話、誰から聞いたの? セキネくん? それともハヤマ?」
――……情報源は明かせませんので。
「……ちっ、やっぱりハヤマか。あとでシバいてやる……ああ、ごめん、今のはオフレコね?」
――……はあ。
「えっと、それで? 何が聞きたいんだっけ? 現場の声、だったかしら?」
――はい。Gフォースへ志願する若者が減っている昨今の風潮について、G対策センター広報部の方から弊誌に企画のご相談をいただきまして、『ぜひ負のイメージを払底して志願者増に繋げたい!』と本企画が立ち上がった経緯で……。
「あー、なるほどねぇ……イガラシ長官、さては上層部から体よく押しつけられたな……まぁ、いいんじゃない? 別に減っても」
――……はい?
「だいたい軍隊なんて、来たくないなら無理して来るところじゃないし、わたしだって子供のときに無理やり入れられた
――……よろしいのですか? そのようなことを言ってしまって。
「いいのよ。負のイメージも何も、事実“そう”なんだからしょーがなくない? 3K、激務のドチャクソブラック。
――それはそう、かもしれませんが……。
「それにイチノセさん、あなたも聞いてるんじゃない? ウチ、機龍隊がGフォースの中で何て呼ばれてるか」
――あ、あー、えっと、その……。
「いいよ、別に気を遣わなくて。機龍隊といえば“Gフォースの特攻野郎、独立愚連隊”……でしょ?」
――……ええ、そういう噂も、まあ……。
「まあ、他のチームはともかく、ウチは
――は、はあ。よろしくお願いします……。
◆日頃の働き方!
――まずは日頃の仕事ぶりから伺えますか?
「仕事ぶり、ねえ。と言っても普通の部隊だしなあ、ウチ……」
――普通、ですか?
「ええ。ウチは独立愚連隊とかなんとか言われてるし、実際扱ってる物がモノだから変に身構えられがちだけど、ぶっちゃけフツーよフツー。怪獣が出てきて、命令を受けたら出張って、怪獣をやっつけて、街と人命を守る。ほら、他のチームと変わんないでしょ?」
――いわゆる“普通の部隊”は、ロボット怪獣で軌道エレベータを高度400キロメートルまでよじ登って、宇宙ステーションから落下してくる怪獣を迎撃したりはしないと思いますが……?
「軌道エレベータを高度400キロまでよじ登る? なにそれ??」
――国連がかつて設置していた宇宙ステーションの件ですが……ご記憶にありませんか?
「……ああ! パラソル*3の件ね! これまた随分デッカい尾鰭がついてるわねー」
――事実ではないのですか?
「ええ。よじ登ったりしてないわ。常識で考えてよ、高度400キロメートルよ? 軌道エレベータの強度の問題もあるし、そんな高さまで4万トンのロボット怪獣で登ってゆけるわけがないじゃない」
――! ああ、そうですよね、やっぱり!
「そうよ。やーねーもう。あっはっはっは」
――ハハハハハハ……!
「それに宇宙までは無理だけど、うちの『超合金』は一応飛べるからね。あのときは成層圏*4まで落ちてきたところで迎えに行ったのよ。モスラの糸で簀巻きにされたエビラとラドンが落ちてきてさー、あんときはヤバかったなー」
――ハハハハ……は?
「……あっ、ごめん。パラソルの事故の話、一応まだ箝口令が敷かれてるから、これもオフレコにした方がいい奴だった。PR記事なんかにして世に出したら
――ちょ、ちょっと待ってくださいっ!
「ん、なに?」
――え、えっと、つまり、事実でないというのは……
「えっとね、『高度400キロメートルまでよじ登った』って部分かなあ。正しくは『高度11キロメートルまで落下してきたのを飛んで迎撃した』って感じ」
――ということは、宇宙ステーションから怪獣が二体同時に落下してきたのを、ロボット怪獣で迎撃したというのは……?
「ええ、そこら辺は事実よ。まったく迷惑な話よね~、宇宙ステーションなんて変な場所で怪獣を養殖した挙句、事故を起こして地球へ落下させるなんて。Gフォースや国連の上級幹部も抱き込んでた話だったみたいだから、巷じゃあ報道規制が掛かってるけどね*5」
――…………(絶句)
「……なんかまた、余計なこと言った?」
――い、いえ、大丈夫です……。
◆現場で求められる人物像とは?
――現場で求められる人物像について、少佐はどのようにお考えですか?
「そりゃもちろん、世のため人のため正義のため、身命を捧げられる熱い使命感さえあればどんな人でも大歓迎!……とでも言えれば、広報的にはウケが良いんだろうけどね。わたしだって、そんな立派な使命感なんてさらさらないし? それが仕事で、他にやれる人が誰もいないからやってるだけで」
――……具体的な人物像が決まっている、ということでしょうか?
「……物は言い様ね。あなたも苦労するわね」
――ええ、まあ……続きをお願いします。
「うーん……まず勉強でも何でも真面目にきちんと取り組んで、自分なりにでもきちんと判断できる人がいいよね。かといって、頭ガチガチの理屈っぽくて融通が効かないようなガリ勉みたいなタイプも正直困る……いや、サエジマみたいなのもいるからこれはいいか……まあケースバイケース、どんな人がどう活躍できるかなんて現場に出してみないとわからないし、一概には難しいなあ……」
――要は『即戦力が求められる』ということでしょうか?
「そりゃそーよ、現場は新人を教育するところじゃあないし。OJTなんて言うけどさ、こっちはみんな命懸けだし仕事として働いてもらう以上、そういうお勉強はちゃんと学校とか研修とかでやってきて欲しいわ」
――なかなか手厳しいですね……。
「ま、そんな『床上手の処女みたいなのを求められても困る』ってのはわかるんだけどね。経験や技術や知識はどうしようもないから目を瞑るとして、まずはやる気、それとちゃんと周りとチームワークが取れるのが大前提、それさえ出来てればあとはどうとでもなんとかなるんじゃない? それに最近は、現場へ放り込む前に研修を結構ちゃんとやってくれるみたいだし。ウチ、若い人があんまり入ってくれないからよく知らないけど」
――意欲とコミュニケーション能力、ですか……。
「だってそうじゃん。新人に意欲とコミュニケーション能力が無かったら、こっちとしては他に何を期待したらいいのよ? いくら学校のお勉強が出来たところで、経験も技術も知識も無いんじゃあ素人みたいなもんだし。コミュ障でもいいからせめてやる気、覚悟だけは見せて欲しいなあ」
――覚悟、とは?
「ええ。熱い想いがあれば何とかなる、誰も死なずにハッピーエンド!……なんてのはアニメマンガの見過ぎよ。いくら一生懸命にやってもどうにもならないことはある、むしろそういうことの方が多いんじゃない? そんな中でも『きちんと責任を持って取り組める覚悟がある』ってのは一つの天分、才能、それこそ『向いてる』ってことなんじゃあないかしら」
――なるほど……ちなみに、現場で求められる技能やスキルなどはありますか? オススメの資格とか。
「資格……あ、そうだ! メーサー関連の資格、アレ絶対とった方がいいわよ! 大特車免許と、メーサー車両関連の特技認定。アレ、巷で言うほど難しくないし、わたしアレで首の皮が繋がったこともあるから」
――そういえば、ヤシロ少佐はメーサー戦車乗りとしても一流だと伺いました。かつてオペレーション=エターナルライトでもご活躍されたそうですね。
「あー、また若い頃の話か……一流かどうかは知らないけど、まあそれなりに乗ってたわね。あ、メーサーの特技認定だけど、今のGフォースはそこらへんの資格取得支援は充実してるからその気になれば19でメーサー乗れるよ? ミリタリーオタク、戦車好きにはたまらないんじゃない?」
――少佐も19歳でメーサーに乗られてたんですか?
「いや、わたしが乗ってたのは14か15からだったかな」
――じゅ、14歳ッ……!?
「ええ。あの頃はそんな資格がどうとか言ってる場合じゃなかったからね。機龍隊に入った頃にその話をトガシ中佐*6にしたらめちゃくちゃ怒られちゃって、後からちゃんと必要な資格は取ったよ。今でもメーサーから指揮を執ることはあるけど、自分ではもうずいぶん走らせてないなあ、そう言えば……」
――そ、そうですか……。
◆ワークライフバランスについて
――続きまして、ワークライフバランスについて。ヤシロ少佐はプライベートはどのように過ごされていますか?
「何、そんなことも聞くの? 参ったな……わたし、プライベートはサイテーな部類だし……」
――……どういうことですか?
「いやあ、ほら、Gフォースの仕事ってクソ激務じゃない? ましてやわたしは管理職だし、家庭の時間なんて全然持てないんだわ」
――しかしヤシロ少佐、たしかご家族は……。
「それはそうなんだけど……その……子育てなんかも夫に殆ど丸投げしちゃってんだよね…… 夫や息子には申し訳ないことばっかりしてると思うわ、ホント。いつだったか久しぶりに会ったとき、息子がわたしのことをよく判ってなかったっぽかったのを見せつけられた時は流石にショックだったなー。今は流石に、わたしのことをちゃんと母親だって認識はしてくれてるみたいだけど」
――あ、あー……これもオフレコにしておきますか?
「そうね、お願い。まあ、もしポジティブなことを一つ言えるとすれば、これは飽くまでもわたし:ヤシロ=ハルカの場合ってだけで、実際のところはそこら辺上手くやってる人もいるし、職場結婚してるカップルも結構いるから、ワークライフバランスもケースバイケースって感じかなあ。ウチにも趣味やりながら職場恋愛してる隊員はいるし、もし話が聞きたいんだったら今度紹介してあげるわ」
――わかりました。
◆仕事の魅力について
――この仕事の魅力について伺えますか? やりがいとか、やってて良かったって感じられることとか。
「魅力? 無いわよそんなの」
――えっ。
「わたしの場合、他に出来ることが無いからやってるだけだもの。そりゃあ、ウチのアキバやキサラギみたいな『ロボットを触れればそれだけで幸せ!!』みたいなオタクだったら楽しいかもしれないけどそんなのは例外だろうし、仮にそうでもそれ以上に『やりたくないことを山ほどやらないといけない』からね」
――やりたくないこと、ですか?
「ええ。書類だとか手続きだとか周りへの根回しだとか、ウチのバカどもがやらかしたときの始末書だとか謝罪行脚とかぶつくさぶつくさ……」
――あ、あの……。
「……あ、ごめんね、愚痴っぽくて。まーともかく、『やりたいことのために、やりたくないことを山ほど我慢する』、そういうもんでしょ? 仕事って」
――ええ、まあ、そういう側面はありますよね。
「まあ、とにかくやりがいだけは間違いなくある仕事よ。死ぬほどキツいし、下手すれば本当に命に関わる3K職場のドチャクソブラックだけど、そこだけは絶対に保証できるわ。やりがいがあり過ぎてノイローゼになれるくらい」
――…………。
「……あっ、いや、ウソウソ、冗談よ、冗談! ノイローゼになったりしないよ、大丈夫!」
――……ところで先ほど『やりたいことのために、やりたくないことを山ほど我慢する』と仰られていましたが、ではヤシロ少佐の『やりたいこと』とは?
「わたしのやりたいこと、そうねぇ……言われてみれば色々あるけど、ひとつは『出来ることを全力でやりたい』ってことかしらね」
――出来ることを、ですか?
「そうよ。だって本当は出来たはずなのに全力を尽くせなかったばっかりに、それで結局上手くいかなかったら後悔するじゃない? ましてや人の命が懸かってんだし、出来ることは何でもやろうと思ってね」
――……なるほど。
「まあ、『こんなんやってられるかクソが!!』ってキレそうになることもうんざりするほどあるけどね。たははは……」
と、自虐混じりにヤシロ少佐が笑っていたちょうどそのとき、わたしたちがいるGフォースの真鶴演習場一帯で警報が鳴り響いた。
真っ先に動いたのはヤシロ少佐だった。わたし:イチノセからのインタビューに興じていたラフな様子はどこへやら、即座に席を立ったヤシロ少佐は、傍にいた通信担当の機龍隊隊員へ状況を確認した。
「アンザイ、この警報は? 状況を報告して頂戴」
「了解、いま確認中……箱根山中、怪獣出現です! 識別名:カマキラス! 進行方向は東、真鶴市街!」
続いて隣で端末を操作していた別の機龍隊隊員が、カマキラスについて分析結果を報告した。
「体長は50メートル、形態から見て生育レベルは終齢、普通のカマキリであれば成虫です。過去に観測された記録によれば、終齢のカマキラスであれば秒速170メートルで飛行した例があります」
「なるほど、“ハネツキ*7”か……街まで飛ばれたら厄介ね。それにしてもウチが訓練やってるド真ん中へ堂々と飛んでくるとは、カマキリのくせになかなかイイ度胸してるじゃないの」
そしてすぐさま通信機を手に取り、機龍隊総員へ指示を下し始めるヤシロ少佐。
「アンザイ、Gフォース極東支部に連絡、念のため街にも連絡して避難指示を。サエジマ、カマキラスについてデータを集めて、あいつをなるたけ街に近付けない手を考えましょう。アキバ、キサラギ、いつもの“超合金”を出すわよ、準備なさい……」
こうしてヤシロ少佐の指示のもと、テキパキと準備を進めてゆく機龍隊の人たち。先程までの牧歌的な雰囲気はもはや跡形もない、完全な戦時体制だ。ここも直に、本物の怪獣とドンパチ繰り広げる地獄の戦場へと変わってしまうのは間違いないだろう。
怪獣が、来る。
そんな中、建前と理性で塗り固めていたはずのわたしの“本音”が、つい零れ落ちた。
「……来るんじゃなかった」
……はい? と機龍隊の隊員たちが一斉に振り返ってきたが、もはや気にもならなかった。もう我慢の限界だ。わたしは涙を滲ませながら声を張り上げた。
「だから来たくなかったのよおっ、こんな取材! これやったらファッション誌に回してもらえるって聞いたから……っ!!」
つい出てしまったわたしの本音。
……そうなのだ。今の雑誌社に入社してからずっと怪獣絡みの事件取材に飛ばされることが多かったわたしだけれど、本当はそんな泥臭いだけの現場じゃなくてファッション誌のような楽しい企画をやるのが念願だった。
ましてや、こんなお偉方を喜ばせる提灯記事を書くだけのしょうもないプロパガンダの取材なんてやりたくなかった。おまけに話を聞けば聞くほど実情は碌でもないし、こんなブラックすぎる現場をいったいどうまとめたら肯定的に書けるのだろうと、わたしはインタビューをしながら内心で頭を抱えていたのである。
「……大変ね、あなたも」
隣から聞こえてきた声で我に返ったわたしが振り向くと、ヤシロ少佐がいささか同情の籠った苦笑いでわたしを見つめていた。
……しまった。勢いに任せてとんでもないことを口走ってしまったのに気づいたわたしは、慌ててヤシロ少佐へ頭を下げた。
「あっ、あの、す、すみませんっ……」
「いいのよ、イチノセさん。それが普通だし」
わたしの非礼をさらりと流したヤシロ少佐は、続けて力強く言った。
「それに安心して。あなたたち一般市民の安全は命に替えても守るわ」
そう豪語したヤシロ少佐は、先ほど分析を報告した隊員を呼びつけて指示した。
「サエジマ、イチノセ記者を安全なところまでお連れして。そしてあんたはそのままそこでデータ収集しつつ戦況のモニタリング、頼んだわよ?」
「了解しました! さ、イチノセ記者、こちらへ……」
わたしはすぐさま駐機していた四輪駆動ハンヴィーに乗せられ、サエジマ隊員の運転で避難先へと向かうことになった。
車窓から遠ざかってゆくヤシロ少佐の姿、その堂々とした機敏な立ち振る舞いはまさに往年の二つ名通り、
別れ際、ヤシロ少佐が隊員たちに向けて檄を飛ばすのが聞こえた。
「さあ行くわよ、機龍隊! あのクソカマキリを、街に一歩たりとも入れさせるな!」
「了解……っ!」
さて、移動する車中、わたしの頭上を巨大な“黒い影”がすれ違ってゆくのが見えた。
……全長は少なくとも100メートル以上、直立すれば身長はおそらく50メートル程度であろう。西洋の鎧にも似た曲線美を持つ白銀色の
かの名は機龍隊の主力機、メカゴジラ機龍。
……かつて『人類最後の希望』として建造されたという、メカゴジラ機龍。わたしもその活躍は伝聞でしか知らなかったけれど、間近にこの目で見た実物はとても頼もしくて、まさに『人類最後の希望』の呼び名に相応しいもののように感じられた。
そのとき、ふと思いつく。
「……写真、撮っとくか」
思い立ったが吉日、わたしは持参したカメラを素早く取り出し、空を運ばれてゆくメカゴジラ機龍の後ろ姿を見上げながらひたすらシャッターを切り続けた。
「……ごめんなさいね、イチノセさん。あなたはインタビュー取材で来ただけなのに、こんなドタバタにまで巻き込んでしまって」
状況終了後、再会早々に詫びてきたヤシロ少佐に、わたしはすぐさま首を振った。
「と、とんでもありません! むしろ街を守っていただき、ありがとうございます!」
「え、ああ、まあ……」
わたしが礼を言うと、ヤシロ少佐は顔を背けながら頬を掻いていた。僅かに朱の差した表情はなんだか照れ臭そうで、彼女のシャイで気取らない正直な性根が窺えるようにも思えた。
そのうち気恥ずかしさに堪えられなくなったのか、今度はヤシロ少佐の方から口を開いた。
「……また始末書を書くハメになりそうね」
そう冗談めかして、またもや苦笑するヤシロ少佐。彼女が横目で見ているのは山の上の鉄塔、その頂点に高らかに突き立てられているのは先ほど襲来した蟷螂怪獣カマキラスの死骸だ。まさに怪獣クラスの
……何がどうなればこんな結果になるのかさっぱりわからないが、機龍隊が“ Gフォースの独立愚連隊”などと呼ばれているその由縁の片鱗を垣間見た気がした。
とはいえ、機龍隊の実力が確かなものであることもまた間違いの無い事実である。ヤシロ少佐が『街には一歩たりとも入れさせるな』と指示していたとおり、突然の怪獣出現だったにも関わらず機龍隊は怪獣カマキラスを一歩たりとも街に踏み入らせず、当然本件での民間死傷者もゼロであった……まぁ、山の鉄塔はかなり気の毒なことになってはいるけれど。
Gフォースの特殊清掃班や救護班が後片付けで行き来するのを背に、ヤシロ少佐はわたしへ振り返って告げた。
「ま、我々Gフォースの仕事はざっとこんなもんよ。PRに使えるかどうかはわかんないけど、取材するなら存分にしてもらって構わないわ」
気さくに笑いかけるヤシロ少佐。
その表情を見てわたしは、彼女のことを『とても素敵な笑顔だな』と思った。
◆最後に……
――さて、ヤシロ少佐。最後に、若い皆さんに向けてメッセージをお願いします。
「あんまりエラソーなこと言うのも性分じゃあないんだけど……ま、ろくでもない世の中かもしれないけど、気楽にやんなさいよ、ってところかなあ。若い人たちが少しでも楽ができるように、わたしたちも頑張るからさ」
――つまり少佐たちGフォースの皆さんは、子供たちの未来のために戦っていると?
「……ホント、物は言い様ね」
――それがわたしの仕事ですので。
「それもそうね……ともかく、我ながら“クサイこと言ってる”とは思うけどね、でもこれは嘘偽りのない本音よ。Gフォースで働いてる人で、『怪獣黙示録』から生き延びてるような世代はだいたい皆“そう“なんじゃない?……オフレコだらけであんまり役に立てた気がしないんだけど、こんなので良かったのかしら?」
――はい、ありがとうございました。
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