宿儺を相棒だと思ってる虎杖   作:あべこべ

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誤字報告ありがとナス!!!!!


いいやつ…?

 

ダメだ。

 

呪霊が虎杖を地面に打ちつける

呪力を練ることをできない人間が呪霊に敵うはずもなく、そこにあるのは鏖殺。抵抗虚しく虎杖ごと指を取り込もうと持ち上げていた。

 

式神を出せ、構えろ。今やらねぇと…!

 

痛みで動きにくい身体を動かす。

 

「ようは俺にジュリョクがあれば良いんだろ!」

 

指を空に投げ上げる。自由落下により指は落ちた。

やめろと声を荒げたがもう投げられた後だ。間に合わない。

 

ゴクンッ

 

指は飲み込まれた。

ダメだ。特級呪物、人体の近くにあるだけで猛毒。それを体に取り込んだ。両面宿儺の指だぞ!? 万が一が、万が一があるなら…!

伏黒の葛藤をよそに、ブンと腕を振り上げられた音がする。派手な音と共に校舎と共に呪霊は切り刻まれた。

 

「ケヒッ、ヒヒッ」

 

ゲラゲラと大声で笑う。物腰柔らかな様子はなく様子からして受肉したのだろう。呪いの王が、天災害、両面宿儺が!

 

「女も子供も蛆のように沸いている! 素晴らしい。鏖殺だ!」

 

手を広げ今の世を眺める宿儺。その時突然腕が宿儺の首を掴む。

 

「あ?」

「なにしてんだ。身体返せ」

 

受肉直前ゆえなのか混乱してる今が、チャンスだ。責任は取る。お前がそうなったのは俺の責任だ。だから。

 

「お前はもう人間じゃない」

 

構える。今出せる式神を顕現させる。

 

「虎杖悠仁、呪術規定に基づきオマエを——呪いとして祓う」

 

「祓うって言われても…なんともねーぞ? それにコイツ? 助けてくれたじゃんか」

 

んなこと言ったってこっちはお前が呪いかお前なのか分かんねーんだよ! どうするどうしたら良い!?

 

「や。今どういう状況?」

「五条先生!?」

 

来る気なかったやら写真撮ってやらふざけた様子だが、今はありがたい。もし、があってもこの人なら大丈夫だ。

回収予定の呪物の行き先を聞かれたが。

 

「ごめん。それ俺食べちゃった」

「まじ?」

『マジ』

 

そっかと呟き顎に手を置いて考える様子の先生。

 

「宿儺と変われる? 君が食べた呪霊の名前なんだけど」

「あぁ、多分できるけど。でもたぶん宿儺…」

 

10秒だ。つぶやいた。

 

「え?」

「10秒したら帰っておいで」

「…おう」

 

納得しない様子だが、俯き、身体に黒い模様が浮かぶ。今虎杖と宿儺は入れ替わった。

瞬間、腕を上げ、振る。先ほどの呪霊を倒したように立っていた場所ごと抉り取るような削れ方をした。

 

「…チッ、いつの時代も厄介だ。呪術師」

「そりゃどうも。あと4秒ほどかな」

 

殴るためか走り込み、五条に拳を振りかぶる。が当たる直前に肉体の主導権は虎杖に戻った。

 

「んお、宿儺、あんたを殴ろうとしてた? ごめん悪い奴じゃないと思うんだけど」

「いや大丈夫。それにしっかり10秒で戻って来れたね」

「でも声が聞こえるんだよな。なんか言ってる」

「その程度で済んでいるなら奇跡だよ」

 

さてと一息おき、おでこをトンと突く。ガクンと力がなくなったように虎杖は倒れ込んだ。

 

「…何したんすか」

「気絶させたの、これで起きた時に意識を盗られていないなら彼は器の可能性がある」

「…器の可能性があっても規定に基づいてそいつは死刑です」

 

でも、と一言おく。

もしまだ助かるのなら、そいつを助けたいと思ったから

 

「死なせたくありません」

 

ーーーーー

 

 

 

「そういうわけで、君死刑ね!」

「なんだか回想と今の状況全然あってなくない?」

 

札が部屋中に貼り尽くされている不気味な場所。そこに虎杖は椅子ごと固定され目を覚ました。

 

「いやー、君が食べた特級呪物はなかなか曲者でね。上は危険だから君を殺せってうるさいのさ。」

「それじゃ俺死んじゃうの?」

「いや、死刑だけど執行猶予がついた」

 

両面宿儺は腕が4本、呪いは合計で二十本の指に分離されている。そして呪いを取り込んだ人間が死ねば呪いも死ぬ。

それで君には宿儺を抑えることのできる器の可能性がある。勿体無いだろ? だから僕は上にこう提言した。

 

「どうせなら二十本すべて取り込ませて殺そうってね」

 

なるほど。と息を呑む。死ぬまでの猶予は全ての指を取り込むまで。

 

「いつ死ぬかは君が決めなよ」

 

その言葉を後に少しの間外に出ることを許された。

 

先輩のお見舞いに行って、じいちゃんの遺灰を入れて。

…正しい死。

俺の中の宿儺は呪いだから殺されるのか? あの時俺と伏黒を殺そうと襲いかかってきた呪霊を祓ったのは宿儺だ。アイツの過去なんて知らない。今までどんなことをやって指の呪物になってるなんか知らない。けど。

 

大切なのは今だ。

 

一心同体だからこそ、俺はアイツがどんな奴かは知らないといけない。死ぬのはそれからでも遅くない。

遺灰を入れ蓋を閉める。

じいちゃん。俺がんばるよ。

 

外に出ると五条先生が来ていた。軽い様子で挨拶してくる。近くにあるベンチで話すことにした。

 

「…宿儺ってどんな奴なの?」

「んー、1000年以上生きていたらしいけど、姿が似てるから両面宿儺と名付けられてる。呪術全盛の平安時代に生まれた意思を持つ天災。そんなとこかな」

 

そっか。とつぶやいてこの話題は終了される。

 

「…宿儺がいなくなれば呪いに殺される人も減る?」

「勿論」

「…まだ指ある?」

「あるよ。」

 

二本目。全体の十分の一を取り込む。まずい。

ズズ…ッと黒い模様が浮かぶがすぐに消えた。

 

「…ゲロまずいな」

 

虎杖の様子に五条は笑みを浮かべる。

確定だね。宿儺を相手に難なく意思を保ってる。1000年生まれなかった逸材。

 

「それじゃあこれから君は荷物をまとめておいで」

「どっかいくの?」

 

東京都立呪術高等専門学校。

 

「恵と同じ学校さ。呪術師の学校だよ」

「ちなみにお前は同級生二人目」

 

いつのまにか合流した伏黒が言葉を重ねる。元気そうジャーンと声をかけたが元気じゃないらしい。

 

というか同級生少なッ!!

 

 

 

 






なんか上手くばさっと展開を進める方法ないんか? ないんか…。
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