宿儺を相棒だと思ってる虎杖   作:あべこべ

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誤字報告ありがとうな!!!!!


けんげん…?

 

「西東京英集少年院運動場上空、突如現れた特級仮想怨霊。あれを受胎として見るのであれば変態後は特級に相当すると考えられます。故に——」

 

少年院へ続く道。伊地知さんの説明は続く。

 

「相対しても絶対に逃げること。会敵した時の貴方達の選択肢は死ぬか逃げるかです」

「俺らって特級の任務受けちゃって良いの?」

 

本来は階級に合う術師が対応する任。ですが呪術業界は人死が多く常に人手不足。なので呪霊の階級が上でも対応することはザラです。今回の目的は生存者の確認救出。ですので重ねて申しますが——。

 

「確認済み次第、絶対に逃げて下さい」

 

 

ーーーーー

 

 

帳が降りる。ドロリと粘液が球状に覆う様に、陽の光は届かなくなった。夜になった少年院は前情報と相まって不気味さを醸し出す。

 

「中の奴ら。絶対助けるぞ」

 

返事はなくとも頷き、神妙な様子で中へ。

そこは二階建ての建物のはずが天井が見えないほどに広がる空間があった。

 

「…呪力による生得領域ッ! ドアは!?」

 

伏黒が気付き、振り返る。ドアは無くなっていた。

どどどどうしようとなる二人に玉犬の説明をし、とりあえず確認を済ませることになった。

 

二人は肉のボールになっていた。

一人は下半身がグチャグチャに潰されていた。

 

連れて帰るには遺体は重く、特級がどこから襲いに来るかわからない生得領域内。当然選択肢で虎杖と伏黒は揉めた。

流石に諫めようと踏み出した釘崎。

 

ドプリ

 

「釘崎!」

 

呼びかけ手を伸ばすが届かず、床に吸い込まれていった。

気付かなかった! 嘘だろ玉犬は!?

式神に目をやると壁に頭部だけねじ込まれ、式神は死んでいた。

 

「おい虎杖今すぐ逃げるぞ! 釘崎は後———」

「ッ——」

 

特級…呪霊…!?

隣に立たれたことにすら気づかず、圧に押され動けない。まずい。まずいまずい。動けねぇ!!

 

動け!

 

「うあああぁぁぁあ!!!!」

 

やぶれかぶれの振りかぶり。

ブチリと音が鳴り、屠坐魔は砕けちり虎杖は右手首から切断される。

痛い、痛い痛い。ーーそんなのどうでも良い!! 

まだある左で殴る!

 

「おい宿儺! 俺が死んだらお前どうすんだ!」

「ハッ。お前の中の俺が終わろうとまだ18本。俺は半分以上残っている。肉体の主導権をもし俺に渡すなら解決するだろうが…俺に変わったのなら隣の小僧を殺す。女の方もだ」

 

宿儺に呼びかけるも返事は残酷な提案。そりゃそう。相手は呪い。救いなんてありはしない。

だが虎杖、受け取り方がまた違った。

 

クソ、宿儺は力が戻ってなくて派手に動けないのか! 以前助けてくれたし昨日ずっとゲームの話題で夜まで話したのが祟った! 

 

「伏黒! 宿儺は疲れてっから出せねぇ! でも俺名案があんだ! 釘崎連れて外に出たら合図してくれ!」

「お前名案ってなんだ!? それにお前はどうすんだ!」

「合図が来たら無茶するが宿儺と変わる!」

 

二人の青年が死地で今後を分ける意見をぶつけ合う。

そんな会話の中宿儺はおい、疲れてるとは言ってないぞ小僧。おい小僧と小言を挟んでいた。勿論必死な青年二人の耳には届かない。

 

「伏黒!」

 

呼び止め、目を見て虎杖は呼びかける。

 

「頼む」

 

さっぱりと。心配させない様に。何にもない様に頼む。伏黒はクソッと呟いた後別の道へ走っていった。

こっからはどうにか俺が時間を稼ぐ。宿儺は動けない。俺がどうにかするしかない!

 

瞬間、目の前の呪霊を中心に衝撃が波の様に伝わる。虎杖は吹き飛ばされ、壁を貫き地に伏した。

 

痛い。

身体中が痛い。

俺はこんなに弱かったのか。

新しい環境に相棒に学校に、浮かれていないと言ったら嘘になる。俺はちょっとは強いと思ってた。器だと言われているし、宿儺は強いと聞かされていたから。

 

呪霊は第二の衝撃波を撃とうと構える。

同時、犬の遠吠えが聞こえる。

宿儺を呼べる合図だ。

 

「……なしだ」

 

ふらつく足をある方の拳で殴り、呪霊に対する様に立ち上がる。

宿儺は頼らない。アイツの疲労は俺が弱いからだ。俺がどうにかする。まずは衝撃波をいなす!

 

怒りも、後悔も、痛みも辛さも憎悪も出しきれ! 呪力に変えろ!!

 

呪力を身体に纏わせる。前面だけに集中された呪力は衝撃波の影響を多少は少なくすることに成功した。

相手の攻撃が終わったのなら…!

走り出す。逆方向へ。

 

呪霊も逃げる獲物を追いかける。だが虎杖は突然反転し呪霊に向かう。そして振りかぶった。それは砕けた屠坐魔の先端。胴の部分へ突き刺さる。

屠坐魔に呪力を流し切り裂く。

 

「ッ! ってあれ宿儺の指!」

 

切り裂いた胴からは両面宿儺の指が覗いていた。

だが無抵抗に切られるわけもなく、腹部に拳が刺さり後方へ飛ばされる。だが収穫はあった。

 

「それがお前の力の源…なら俺もある。二本もな!」

 

勝てる。

不意にそう思った。指の本数が多いからとかそんな理由ではなく、砕けた屠坐魔と咄嗟に練り上げた呪力。そしてもとよりある身体能力。相手を翻弄すればいける。

上手くやれば相手の指を奪い弱体化させられる! そしたら倒せる! 

不格好になってしまった屠坐魔を構える。

だが失念していた。勝負において油断とは一瞬でもしたら負けであり、相手は虎杖で遊んでいた。

 

故、なのだろう。反応もできず屠坐魔を握っていた左腕は前方からやってきた呪霊に容易く引きちぎられた。

 

倒れる。まずった…。油断した。

本当にごめん。宿儺。頼む。

 

「チッ、不愉快な小僧だ」

 

呪いの王、顕現。





屠坐魔活躍回でした。

てか(評価に色が)ついてんじゃ〜ん。
ありがとうございます。
感想も全部見てるんで励みになります。これから頑張りまーす。
そういえばこの二次創作のネタ、あるスレッドに影響されたんだけど知ってた?
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