蛮族な結月ゆかりと弦巻マキがルビコン3で暴れるやつ 作:その辺の残骸
マキはちらりとゆかりの戦況を確かめた。
「なんか悪いね、ゆかりん。こっちだけ楽しんじゃってさ!」
ゆかりにウインクしつつマキはレオヘッドの銃撃をシールドで防いで、蛇行後退させる。
その名の通り、獅子の勇猛さでトップランカーが駆る二脚ACは突撃。マシンガンによる攻撃に臆することなく、アンダーバレルのランチャーから放ったグレネード弾の爆発さえ利用してくる。
「わっ凄い圧っ! これは手加減の具合を間違えたら負ける!」
高く飛び上がったレオヘッドはパルスブレードを斬り下ろし、ヴィクセンと再びの剣戟を演じる。
一方。軽量級ニンジャAC、陽炎は戦闘の主導権を握り、場が盛り上がるように戦っていた。
ゆかりからすれば、グッドライフは容易い相手だ。
「ああ、もう。なんでそこで甘えた動きするんですか」
苛立ちを覚えながら紫髪の蛮族少女はハンドガンでプラズマミサイルを撃ち落とす。
ミサイルでの攻撃に頼り、機体の動きが疎かになっている黄色い四脚ACとの距離を詰め、
「殺ァ――――っ」
と殺気一閃、カタナでプラズマライフルを一丁斬り落とす。
さらに一瞬だけ間を置いて、蹴りで追撃するが、グッドライフは滑るようにしてこれをどうにか回避。
ゆかりの気迫に怯えたノイアーキスのパイロットの必死さもあり、動きそのものは様になる回避機動になっていた。
「ははっいいですよ。観客の皆さんも興奮しています」
グッドライフが残った左腕でチャージしたプラズマを放つ直前に陽炎は跳び上がった。
青い装甲のニンジャ風ACは空中で身を捻り、軽やかに着地したかと思うと跳び跳ねるように動き、FCSの捕捉から逃れている。
慣性でコクピットの中が激しく揺さぶられているが、ゆかりにとっては苦にはならない。全身の力を引き出し、両脚で力強く踏ん張りながら陽炎を操縦している。
プラズマライフルは直撃こそしなかったが、ゆかりはハンドガンを握った右腕が損傷するようわざと被弾してあった。
「まっこんなところでしょうか」
頃合とみて、ゆかりは最終段階に入る。
「ゆかりん、締めは私がやるよ」
「頼みます」
微笑みを交わし合う美少女蛮族たち。
ヴィクセンと陽炎は敵機に追い込まれるように動く。アリーナの非常口を背にしてから、マキはクイックブーストでヴィクセンを前進させる。
「このキャノンにはびっくりでしょ!」
金髪の女蛮族がトリガーを引けばコアが開放され、内蔵されたプラズマキャノンが発射される。
ヴィクセンの胸部から放たれたプラズマは拡散してAC二機を襲う。
現在普及しているACにはないコア内蔵型のキャノンは場を大きく沸せた。煌びやかなプラズマを放っていることもそれを手伝っている。
『させるか!』
既に事情を察しているトップランカー、ヴィクターはわざわざ回線をオープンにして叫ぶ。
パルスアーマーを張ったレオヘッドがグッドライフを身を挺して守りつつ、リニアライフルとミサイルを発射。
ヴィクセンがシールドと厚い装甲で受けて立つ。防御力が心許ない陽炎は最低限の被弾だけしておく。ゆかりとマキは深刻な損害を負った風を装った。
「では、マキさんご一緒に」
「OK!」
二人同時にコンソールに取り付けられたボタンのカバーを開いて押した。
すると、ぼんっ!と蛮族達の乗機の各部から演出用の黒煙が出始める。
「顔はしっかり隠してっと」
「このスーツですと、私とマキさんの豊かなお胸とお尻は丸出しですけどね。まあサービスですねサービス」
コクピットを開ける前にゆかり達はナノスキンスーツのヘルメットを展開した。二人とも、ヘルメットを被る前に髪を手早く纏めてある。
こうして裸同然にボディラインを出したナノスキンスーツで頭だけを隠し、コクピットから飛び出るゆかりとマキ。
素早く滑り降りていくぴっちりスーツ姿の乱入者がモニターに大写しになり、場が騒然となる。見事なスタイルの巨乳の女と胸は平らかだが、それ以外は女性らしくかつ筋肉で見事に整った女が素早く非常口に入っていく。
去っていく二人の、紫色と赤色で包まれた肉厚な尻が揺れ弾む様はかなりの観衆の目を釘付けにしていた。
なぜか開いた非常口を駆け抜けた二人の姿は見えなくなり、片膝をついた姿勢で黒煙を上げる二機のACと傷付いた姿で佇む勝利者たちとがアリーナに残る。
『二人の英雄は見事、不埒な乱入者達を撃退いたしました! 皆様、今一度レオヘッドとグッドライフに惜しみない拍手を!!』
実況者の言葉に従い、観客たちは溢れんばかりの大歓声と拍手を浴びせる。
この共闘劇が仕組まれたものだと疑う者も当然いたが、それでも素晴らしい戦いであったのは間違いない。
「全く。あいつも余計なことをしてくれる」
それを聞きながら、レオヘッドのコクピットでヴィクターは苦笑いする。
神聖なアリーナに乱入者を招いた支配人ベネディクトの行為に思うところはあるが、良い対戦相手ではあった。
「だが、あの娘達は本気ではなかった」
熟練のAC乗りとしてヴィクターはそれを実感していた。
「いずれは手加減抜きで手合わせしたいものだ」
ヴィクター・マーシャルは心からそう願った。
三日後。ゆかり達が借りている別荘。
蛮族少女達は国営アリーナからの報酬を頂き、再び悠々自適の生活を送っていた。
アリーナでの乱入騒ぎから続く、イスニア王国の動きは迅速だった。
表向きにはレオヘッドと共に戦ったグッドライフとその大本たるノイアーキスを讃えつつ、裏ではかつてないほどの優遇措置の打診を行ったのだ。
その契約の文言にはこれまでのような情報工作を封じ、ノイアーキスの動向をイスニア政府が監視する旨が含まれていたが、メリットは遥かに大きく、断るほうがおかしい内容だった。
事実としてノイアーキスはこれまで行っていた扇動を停止して、イスニア王国からの提案を検討する動きを見せ始めた。
裏の動きを含めてアリーナの支配人ベネディクト氏から聞かされた時、
「よっしゃいくで葵!」
「うん、負けないよお姉ちゃん!」
ピンク髪のお姉ちゃんと水色髪の妹は、軽やかなテニスウェアを身に着け、テニスに興じていた。この別荘にはテニスコートもあるのだ。
茜が強烈なサーブを打ち込む。裾の短いウェアが捲れ、純白のアンダースコートが露わになる。
日頃からACの整備で体を動かしている葵は体力があり、茜のサーブを上手く打ち返す。その時、葵のテニスウェアがめくれ、純白のアンダースコートが露わになる。健康的な美貌の姉妹は仲睦まじくラリーを続けた。
琴葉姉妹の隣のテニスコートでは、同じく結月ゆかりと弦巻マキが試合を始めようとしていた。同じくテニスウェア姿だ。
「ふふふ、このゆかりさんにサーブ権を譲ったことを後悔させてあげますよ、マキさん」
ラケットを対戦相手であるマキに向け、瞳に炎を燃やしながら宣言するゆかりである。
「はいはい。打ち込んできなよゆかりん」
マキはその闘志を軽く受けながしながら構えている。
「それでは行きますよ! えいっ!」
上向きで豊かなヒップに力を込めて、テニスウェア姿のゆかりがサーブを放つ。
ひらりと派手に裾が捲れ、露わになるのは、きりりと締め込まれた純白のフンドシだった。尻の間に食い込んだ縦褌が蛮族美少女の凛々しさを高めている。
ゆかりのフンドシ姿に動じることなく、猛烈な速度で飛ぶボールに追いつきマキが打ち返す。
「そりゃっ!」
かなり気合の入った掛け声でリターンするが、その時マキのウェアが盛大に捲れた。露わになったのは、きりりと締め込まれた純白のフンドシだ。
ゆかりよりやや小さいが、それでも巨尻と呼ぶしかないマキの臀部に凛々しく縦褌が食い込んでいた。
テニスとはいえ戦友兼ライバルとの真剣勝負なので、フンドシを締めて臨む時代錯誤なゆかりとマキなのであった。
二つのコートでの試合に決着がつく前に、巨大な影が空から現れて蛮族少女達を覆った。それはイスニア王国軍の航宙駆逐艦だった。
「むっなんでしょう?」
「なんだか、楽しいことが起きる気がするよゆかりん♪」
「おっお姉ちゃん……」
「大丈夫や葵。お姉ちゃんがついとるで」
険しい表情で見上げるゆかり。なんだか面白いことが起きる予感がして、楽し気なマキ。
琴葉姉妹は身を寄せ合っており、茜は優しく妹に声を掛けている。
『そちらに小型艇を下ろすので、すぐに搭乗してください! 申し訳ないのですが、あなた達の力が必要な緊急事態が起こりました!』
艦から呼び掛けられる。再びゆかり達にミッションの時間がやってきたのだ。