それぞれの道は延びて行き、やがて運命は廻りだす 作:タク-F
立花響の入院する病院に足繁く通う鏡香と龍樹。響の容態も1ヶ月が過ぎる頃には意識を取り戻していた。そして2人の元に優斗が接触した。
「立花響の病室はここで合ってるか?」
「はーい! あってますよ〜!」
「ッ! 響! 怪しい人間かもしれないんだから不用意に呼び込まない!」
「あ〜……まぁ響はお人好しですから……」
「失礼する。と……先に謝らせて貰う。俺が本当に会いたかったのは君のお見舞いに来たそこの2人だ。すまないが付き合って貰えないか?」
入室した優斗だが目的は龍樹と鏡香への接触。2人の存在を確認すると有無を言わせず連れ出した。
「…………で、響そっちのけで私達2人をピンポイントで連れ出した目的は何?」
「一応人払いの様子から心当りはあります。ですが確信はありませんので語って貰えますか?」
「…………そうだな。まずは相互自己紹介をしないか? 自分の名前は神風優斗で年齢は19。父親は仮面ライダーディケイドの門矢士……そして母親はフィーネこと櫻井了子だ。父さんは母さんの事を変わって尚愛しているし覚悟をしてると思える。俺自身の目的は母親であるフィーネの目を覚まさせる事。可能ならば櫻井了子の肉体に宿っている内にな」
「あ……おれの名前は黒森龍樹で転生特典はワールドトリガーのノーマルトリガーセットです。一応習熟度は非公開で良いですか?」
「…………転生者? よくわからないけどあの黒ローヴもその転生者なの?」
「……そういえば鏡香さんは転生者ですけど原作を知らないのにシンフォギア識らないんでしたね。で、転生のタイミングで俗に言うグレ響から力を貰ったんでしたっけ?」
「そうそう! まるで鏡を見たみたいにそっくりだった! 強いて言えば目つきがキツくてそこだけが残念……ってそうじゃない!」
「話を戻そう。鏡香の力はエレクライトか。そういえば気になったんだがガングニールの適正ってどうなんだ?」
「実はそのガングニールなんですが……あの戦場跡から回収されたらしいんですよ……奏さんのガングニール」
「…………………………は?」
順調に情報交換を進めていた中で優斗は龍樹の言葉に呆然とした。
「ガングニールが……現存してるだと? 絶唱は発動してたんだよな?」
「はい。間違い無く絶唱で確かに聖詠も聞こえてステージが光に包まれました。光が収まるとガングニールのギアペンダントが落ちてました」
龍樹の言葉に優斗は表情を曇らせる。そして2人が頭を抱えると鏡香が口を開いた。
「そもそもそのペンダントってあったら駄目な物なの?」
「駄目っていうか本来は消えてる筈なんです。どっちかと言うとおかしい・矛盾してるって方が近いです。奏さんが使った絶唱ってのは端的に言えば自爆です。鎧ごと自爆して核が綺麗に残ってるようなモノなので」
「大体そうだな…………待てよ? もしかして前提が違うのか?」
「前提……ですか?」
「ッ! それってもしかして自爆してないってこと?」
「多分それは無いと思います。絶唱は固有の詠がありそのフレーズは絶えませんでした。そして光に包まれてノイズを殲滅してた。状況から見て絶唱の使用は確実・しかし状況から矛盾した痕跡……」
「なぁお前等……どうしてあの場でその事を疑問に思わないんだ? 普通に考えたら違和感だらけなのに俺の指摘をするまでその表情がなかった。おかしいと思わないのか?」
「違和感………………ッ! そういえばステージで奏さんが気になる言葉を!」
優斗の指摘で龍樹と鏡香はハッとして当時の状況を思い出す。そして謎の人物の発言を伝えた。
「
「
「う〜ん……私の不意打ちが直撃して左腕を失ったのに平然としていた事、その癖に突然現れた弾丸を防ぐ為の障壁を展開したこと。あとは氷を使う事かな?」
「正直に言えば氷と障壁の能力は錬金術の可能性があるからソイツ自身の固有能力の保証ができない。ただ、痛覚を遮断出来るレベル錬金術師の可能性が高い。しかしそうなると……」
「確実なのは催眠・暗示系能力、氷系能力、痛覚遮断の技量もしくは再生能力、あとはこの時期でのアルカ・ノイズの生成能力ですね……」
「とりあえずソイツは敵で良いんじゃない? まぁ次に会ったら殺すかな?」
謎の人物の正体や能力の考察を男2人が進める中鏡香は1人問答無用で殺すと決めていた。その理由は単純に愛しい妹を傷つけられた恨みである。
「じょうし〜〜〜ただ今戻りましたぁ〜〜」
「貴女がその呼び方……まず碌な事はしてないってわかるわ……」
「わぁお……左腕を千切られて脚に何かを打ち込まれて……術式展開中? 逃げ帰ってきたのかしら?」
「ふっ……ぶざ「フィーネの膝下から秘密裏に作っていたであろう兵器の情報とその使い手を回収しました。ただし件の兵器は目的撹乱の為に敢えて置いてきました」…………なのにボロボロとは不可解なワケだ」
「まずは用件を言いなさい。必要な手配をするわ」
「じゃあまずは彼女……天羽奏の新しい肉体の手配をお願いします。こちらが彼女の血液です」
育美は凍らせている天羽奏の身柄と現場で採取した血液をサンジェルマンへと引き渡す。
「で……その脚の弾丸はどうするの?」
「私の手足は培養ホムンクルスから移植するので手が空いてるなら手伝ってほしいです…………というより私そろそろ部下が欲しいです。人選は済んでるので確認後よろしければ承認お願いできますか?」
「………………選んだのは強化人間部門の研究員兼被検体の【ヴァネッサ】、ヴァンパイア【ミラアルク】、人狼【エルザ】……支部責任者・役職関係者では無いワケか。どうするサンジェルマン?」
「…………一応組織運営上は支障が無いわね。良いんじゃない? ……認めましょうよサンジェルマン?」
「…………そうね」
「ありがとうございます上司。じゃあ承認書類下さい。今から迎えに行きます」
「…………行動が早い。しかしそうなれば私もフィーネの兵器情報を確認したいから1週間は時間を貰うわよ? その間に天羽奏の治療、関係者への周知も並行しておくわ」
「助かります。それでは彼女にこう伝えて下さい。
【貴女の命を繋いだのは私達であり、貴女の家族の本当の仇を討ちたいなら私達に協力せよ。そうすれば仇討ちの邪魔はしないしその後私達は貴女の行動を関知しない】
と。それと帰り際彼女に適合する聖遺物が判明しているので、フィーネの作品【シンフォギア】のデータを参考にファウストローヴの試作品を提供してデータ採取をすることを進言します」
「…………既にこの後まで想定して準備している辺り貴女が優秀なのは確かなのよね。性格が捻くれているけど」
「褒め言葉は素直に受け取ります。では私は彼女達を迎えに行きます」
育美はそう告げて近い施設にて過ごすミラアルクの元へと向かう。
「えぇ〜っと……アンタが本部からアタシを部下にする為スカウトしに来た、しかもその部署には命令に従うならどんな人物も許容、しかも戦闘力は考慮基準から除外……どうしてここまで好条件を積まれるかわからないワケだぜ……」
育美はサンジェルマンに承認させた書類を元にミラアルクに説明を行っていた。
「そうだよ。しかも私は貴女の身体の不自由を解消しつつ過ごせる環境を提供できる。私が部下に求めるのは知識・発想・行動力・性格だからね。基本戦闘力は二の次なの。一応不自由解消の為に身体を弄るけどこのスカウト……どう?」
「…………正直美味すぎる。裏が無いとこんな提案できないんだぜ?」
「あるか無いかで言えばある。でもソレが貴女に不利益をもたらす事象では無いと確約するよ。とはいえ完全な人間には事情があって戻せない。強いて言えばソレを貴女が許容出来る事が条件……かな?」
「………………アタシは人間には戻れないのか?」
「ある事情でね。でも日常生活を支障無く行えること、今の能力を損なわないことは両立できる。だって
「……へ? ON/OFF? てことはOFFにすれば……」
「見た目ただの人間だし吸血衝動は無し。自分の意志でONにすればヴァンパイア能力は使い放題」
「乗ったぜ! アンタの部下として働かせてくれ! アンタの名前を教えてくれ!」
「結城育美……育美で良いよ。よろしくねミラアルクさん?」
育美はその後1週間でヴァネッサ・エルザをはじめ5人程集めた秘密部隊を結社内に設立した。そしてこの部隊の方針・規則が発表された。
転生者が3人対1人の構図になりました。しかし知識量と頭数が反比例してるので今はバランスが取れています。
次は育美の部隊結成とアダムとの邂逅です!
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