それぞれの道は延びて行き、やがて運命は廻りだす 作:タク-F
「ん……」
戦いの後からキャロルは時間があれば育美との接触は当たり前。下手をすればキスを求める事すらも珍しくはない。ソレは戦いから1年が過ぎても変わらない。
「キャロル……流石に育美さんの作業に支障が出ます。手伝わないなら離れ「黙れエルフナイン♥」ひぃ!」
「こらキャロル! エルフナインちゃんを睨まない! でも本当に離れて……作りたいモノがあって……」
「むぅ……オレも作る!」
現在育美は2つの新兵器を製作していた。1つは過去ライブ会場でも使用したアルカ・ノイズだが現在は
「アルカ・ノイズに専用武装を施すなんて……最初は不要だと思っていましたが育美さんのノイズは凄いですね。例えばこの剣使いのノイズ……明らかに良い動きですね」
「まぁ……私の識る剣使いの動きを模倣しただけだよ? ていうか……ごめん。やっぱこのノイズシリーズは外見を変えるよ? 正直あの人達の姿じゃないとしっくりこないから……」
育美はそう告げてアルカ・ノイズの見た目を
「その姿が……持ち主さんですか?」
「そだね。あとは…………コレかな」
育美は設計図を投影した。その姿を見て2人は怪訝な表情をした。
「あの……育美さんがその兵器を使うんですか? 使う必要が無いと思うんですが……」
「あるよ? 正直に言えば私の礼装……【天使】の力は出力が高いからね。ならセーフティを兼ねた汎用兵器が欲しいの。それにこのリコリス最大の特徴は私の力を込めた結晶……【
「なるほど……だからファウストローヴに酷似した構造なんですね!」
「どっちかと言えばフィーネの開発兵器【シンフォギア】かな。もっと言えばとある使用者がモデルかな」
「ならオレは育美が手掛けていないアルカ・ノイズを数体貰おう。オレも試したい事が生まれたからな!」
「あっ……ごめん。この作業が終わったら一度
ガラン…………
「嘘……だろ?」
「ごめんごめん! 大丈夫! 帰ってくるから! あと日本にいる筈の幼馴染達の様子も見ないと……」
「キャロ…………ル?」
「………………そうだな。育美は目的の為にここに来ただけだったな。まだ目的を果たしていないんだ……だから……仕方ないんだ……」
キャロルは絶望を感じていた。だが育美は即座にフォローする事で修正を図る。
「じゃあ誓うよキャロル……こっちに来て……」
「ッ!」
呼びかけられたキャロルは育美に抱きついた。
「嫌だ! 行かないで! 私を置いて行かないでぇ!」
「アハハ……キャロルはもう子供じゃないでしょ? でも……んん……」
育美は不安を訴えるキャロルの唇にキスをした。それは短くソフトなモノではなく深く長いディープキスだった。
「大丈夫……だよね? じゃあ」
「うん……」
「育美さん……いってらっしゃいです」
育美は余韻の残るキャロルとエルフナインを置いて旅立った。
「育美……待ってる……」
「キャロル? それは育美さんの……」
「ん? あぁ
キャロルは
「キャロル! そんな事をすれば!」
「育美の……温もり……くふっ……あはははははははははは!! 良い! 素晴らしい! こんなにも多幸感に包まれるのか!」
「キャロル! しっかりしてください! キャロル! キャロル! 」
狂ったように笑うキャロルだが次の瞬間意識を失った。エルフナインの言葉がぼやけて聞こえる程に。
「ここは……?」
育美のキスでオレは多幸感に包まれていた。だからここが現実世界でないのは明白だ。た
「確か
「はじめまして……かな。ここに招かれたと言う事は
「お前……何者だ? そもそもここは何処だ?」
「そうだね。伝えるべき事を伝えよう。自分の名前は
【蓮】……嘗て母なる精霊から切り離された愛憎の精霊さ。そしてここは深層世界だね。自分が貴女に力を託す為に招いた……とも言えるだろう」
「蓮……と言ったな? 何のためだ? オレが欲しいのはあの神々しいまでの輝きの力だ。お前はソレをもたらすのか?」
「その答えはNOだね。自分はあれらの力を持ち合わせていない。だが
オレの為の力……だと?
「はじめに言っておこう。これから託すのは彼女が手にしなかった力だ。恐らく彼女は制御出来ないと見切りをつけた故に深層に置いた。だが貴女は力を欲した。ならば惹かれ合うのは明白だが……
「随分オレに都合が良いな。何が目的だ?」
「目的……か。正直自分に目的は無い。ただそうだな……【あの少年】の隣に最初から立てたなら……と思う事があり【君達】に【彼等】の姿を投影したいのかもしれないね?」
「なるほどな。オレは何をするべきだ?」
「手を出したまえ」
蓮はオレの掌に4つの結晶を置いた。見た目は違うが恐らくコレも
「これは……
「あぁ。ソレは天使の対にあたる【魔王】が宿っている。そのまま取り込めばただの怪物だろうがそこは自分の【
そう告げて蓮とこの深層世界は崩壊した。
「ここは……?」
「キャロル! 良かった! 目を覚ましたんですね!」
なるほど……現実世界へ帰還したのか。
「あれ? キャロル……そのブローチは?」
「ん?」
オレの手には【色褪せたブローチ】が握りしめられていた。なるほど……どうやら夢ではなかったようだ。
「素敵な精霊からの贈り物だ。お前や育美に迷惑はかけないさ……」
「育美は……オレのモノだ。誰にも渡さない。邪魔する奴はこの【魔王】で蹴散らしてやるさ♥」
待っててくれ育美……オレも待ってるから……
「F.I.Sのナスターシャ教授ですね? 少々機密のお話があるのですが……」
育美は現在【F.I.S研究所】にて所長のナスターシャと対談をしていた。
「貴女は確か結社の……」
「はい。東洋人狼唯一の幹部です。今回貴女に【情報の共有】と【依頼】に来ました」
「穏やかでは無いのですね。人払いに防音と映像阻害……一体どれほどの話が……「これから1年以内にフィーネは顕現・撃破されます。その後ここのシンフォギア装者に宿るでしょう」……なんと。貴女は何処でその情報を?」
「並行世界の記憶です。確定ではありますが指標にはなりますので記憶を活かし貴女と対談する必要性を感じたので」
「私に求める事は?」
ナスターシャは並行世界の話やフィーネの話を追求しない。確かに事実確認の無い話であり、追求したところで煙に巻かれるのがわかった為だ。ならば下手に突いて窮地に陥るよりも自身の利益を確保する事を有意義と判断した。
「フィーネの崩御の後
「理解しました。ならば私は
「ご理解・ご協力に感謝を」
育美は
このポンコツぅ!キャロルちゃんが魔王化した事を知らん上に頭が既にG編……最早四面楚歌も時間の問題か……?
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