それぞれの道は延びて行き、やがて運命は廻りだす   作:タク-F

2 / 21
2人が抱える苦悩……それは誰にも打ち明けられない重りとなって……


苦悩の日々

 育美がクリスと親交を深めたのは偶然ではあった。しかし自身が転生者である事を理解した時から描く未来への壮絶な道のりに頭を抱えていた。

 

「ヤバぁい……確か原作のシンフォギアは全ての運命や黒幕・関係者の気まぐれ込みでギリギリトゥルーエンドする世界だよぉ……でも下手に介入すると想定してないイレギュラーが発生する事がアプリ版(XDU)で確定してるから頭が痛いよおぉ……」

 

「??? なにしてんだ育美? ぼーっとしたり頭を抱えたりしておかしいぞ?」

 

「あはは……お父さんから教えられてるお勉強を思い出して頭を抱えただけだよ? でも難しいもんね……音楽って……」

 

「だよなぁ……パパもママもそういう事は厳しいもんなぁ……」

 

 誤魔化す育美と誤魔化された事に気付かないクリスの認識には致命的なズレが生じているが、原作知識によるアドバンテージを失えない育美はこの状況を切り抜けたと思える事に内心で安堵する。そして避けては通れない質問をすることにした。

 

「ねぇクリス……そろそろだよね? おじさん達が……いや、()()()()()()()()()()()()()()のは。お父さんから聞いたよ? 本当に凄いよね……私なんてそこまでの行動は出来ないし考える事もきっと……だからさ……約束しない? ()()()()()()()()()()()()()()って。そしたらさ……絶対に生きていてられるよね?」

 

「育美……わかったよ。約束だ。いつ……何日なのか……何ヵ月なのか……はたまた何年かかるかも分からないけど……あたしは生きてこの街に帰って来る。もちろん……パパやママと一緒にな!」

 

 そして育美はクリスに手作りのペンダントを手渡した。

 

「コレは?」

 

「お守りだよ? クリス……失くさないでよね? そのお守りには()()()()()()()()()()()()()()()から。危ない場所に行くクリスには必要でしょ? でも帰って来たらそのお守りを返してよね? だってそしたらクリスは使わなくなるでしょ?」

 

「おいおい……そしたらあたしは死ねないしこのお守りは失くせないじゃねぇか……」

 

「当たり前だよ! 死んだりなんかしたら呪ってやるから!」

 

「いやお前が呪うのかよ!」

 

 他愛もない会話をしているこの時間がもっと長く……永遠と思えるほどに続けば良いと2人は思っていた。これが響覚醒の日(分岐点)へと至る事を知るのは10年後の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響の覚醒(はじまり)の日は今からおよそ10年後……記憶に間違いがないなら天羽々斬の起動(フィーネの再誕)が秘密裏に起こっている筈……あまり時間はないかもね。だとすればまず見つけるべき場所はアメリカにあるとされるF.I.Sの研究所。……次は錬金術師の総本山で、それとチフォージュ・シャトーの所在地は調べないと…………あぁもぅ! やることが……やることが多い! 

 

 育美は半ば発狂しながらも来る日へ向けて備え始めた。そして同時に覚悟を決めた……死亡装者0計画を……

 

「あっ……あれ? そういえば天羽々斬の起動ってそろそろだったよね…………? だったよね!?」

 

 育美は忘れていた。フィーネの再誕(天羽々斬の初起動)のは響覚醒の12年前……つまり既に再誕は果たされているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜優斗side〜〜

 

「ッ…………はっ!」

 

 ノイズを斬り伏せ刃を納めると周囲を見渡しひとまずの安堵をした。

 

「片付いた……か。ならひとまずは安心だが、この状況があと10年……いや、ツヴァイウィングのライブ(ネフシュタンの鎧起動実験)がある事を考えたら8年か。その時俺は……」

 

 優斗はノイズを殲滅しながら悩んでいた。運命の始まりと言えるライブ……その時己はどうしたいのかを。

 

「世界に介入すればイレギュラーが発生する。良いイレギュラーが皆無とは言えないかもしれないが予想を上回る事態を引き起こす可能性の方がまず高い。だが……それで良いのか? 救える命をむざむざ見捨てる……俺に出来るのか……? いや、やらなければならない。戦姫絶唱シンフォギア(原作)の世界ですら全てが奇跡と偶然、そして敵勢力の慢心・仲間割れ・無理解故の決別を経て存続した。余計な火種を増やすのは……」

 

〜〜♪ 〜♪ 〜〜♪ 〜〜

 

「っと時間か。そろそろ帰るか……」

 

 設定したアラームを解除すると優斗は自室へと転移した。

 

 

 

 

 

 

「優斗〜〜ちょっと手伝って〜〜」

 

「あ〜今から行くから〜〜!」

 

 自室へと戻ってすぐに聞こえたのは母による呼び出しの声だった。すぐに剣を収納するとすぐに部屋を飛び出した。しかし俺は気付いていた。母は仕事をしており結婚後も旧姓を使用していた。住民票の記載には結婚後の姓を使用しているので問題は無い。しかしある日を堺に気配に違和感を覚えた

 

「優斗〜〜!」

 

「今向かってる最中だから待ってよ母さん!」

 

 母の旧姓は[櫻井]……考古学者にして研究者の肩書を持つ世紀の天才櫻井 了子……再誕したフィーネの表の姿だ。

 

「俺はそもそもフィーネを……母を斬る事が出来るのか?」

 

 その呟きに答えが返る事は無い。なぜならばその答えは自分で決めるべき事なのだから……

 

〜〜優斗sideout〜〜

 

 

 

 




 ●結城 育美 天羽々斬の初起動を[原作の10年前]と勘違いして2年間油断してたアホの娘

 ●神風 優斗 母親が原作が1期ラスボスと知りながらもイレギュラー排除を決めた。

 ●優斗の父親 写真館を経営する某[通りすがりの仮面ライダー]のライダー以外の要素を持つ父親。基本的に優斗の意思に基づく[己の信念に基づく行動]には不干渉を決めている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。