スペシウム光線しか使えないけどウルトラ兄弟に入れるよね?   作:Sashimi4lyfe

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*ジーラの技名を「フォトン・リボルバー」から「ヴォルテック・キャノン」に変更しました。*



『雷の極み』:ジーラ

ゼルガの放ったスペシウム光線はジーラの雷光龍星弾(ヴォルテック・キャノン)を相殺することはできたが、敵本体にはダメージを与えることはできなかった。

 

「へェ。大したモンだ」

 

小ばかにしたようなジーラの口調にゼルガの神経が余計にかき回される。今まで数々の敵を葬ってきた一撃必殺のスペシウム光線が、いとも簡単に無力化されてしまったのだ。

 

「う、うるせぇ!」

 

再びスペシウム光線の構えを取るが――

 

「おっとォ」

 

いつ動いたのかゼルガには全く見えなかったが、ジーラはゼルガに急接近し、膝蹴りをゼルガの腹に直撃させる。

 

衝撃で吹っ飛ばされたゼルガの体が岩に激突し、鈍い衝突音と共に岩にのめり込む。

 

「ぐ...ハァッ...!!!」

 

さっきまで気が動転して敵の様子すらはっきりと観察できていないゼルガだったが、今やっと敵の姿をはっきりと見えることができた。

 

決して体格はよくなく、むしろ細々とした体をしており、胸には怪しげに光る『球』がバチバチと電気がスパークするような音を立てている。決して強そうには見えない彼の外見が、彼の能力を一層不気味なものにするのだった。

 

「すまんねェ。こちらとら()()()()でこの惑星に侵入する輩を始末せにゃならんのでねぇ...悪く思うなよ...」

 

再びジーラが右手をゼルガに向ける。さっきと同じように雷光龍星弾(ヴォルテック・キャノン)を放つつもりだろう。

 

ゼルガのカラータイマーはすでに点滅し、彼の体力の限界を示している。

 

(負けるのか...?オレは...?)

 

ダメだ。それだけは決して許されない。ウルトラ兄弟になるためには『敗北』の二文字はあり得ない。

 

心にそう強く言い聞かせながら再び十字を腕で組む。

 

「往生際が悪いねェ...じっとしてれば楽に死ねたのに...」

 

しかし、もう光線を撃つほどのエネルギーは残されていない。だがその時、

 

「モード...」

 

「んん?」

 

ジーラの死角からミーナの声がした。

 

「バズーカ。」

 

ひっそりと隙を伺っていたミーナの渾身の一撃はジーラに見事命中する。凄まじい爆撃を食らったジーラは吹き飛び、地面に倒れこむ。

 

『モード:バズーカ』。ミーナが開発したバレットトレーサーで唯一殺傷能力を持つ形態だ。護身用に念のため搭載した形態であるため、一発しか砲弾が搭載されていないが威力は抜群。理論上、キングジョーの装甲を一撃で貫くほどの威力があるが発射までに5秒ほどのチャージを必要とするのがデメリットだ。

 

「お...お前...」

 

「ほら、しっかりして!逃げるわよ!」

 

ミーナはゼルガの元に駆け寄ろうとしたが、ジーラはゆっくりと体を起こし、今にも立ち上がろうとしていた。

 

「チッ。モード:ライフル!」

 

バレットトレーサーをライフル形態へと変形させ、遠距離から狙撃するミーナ。

しかし、いくら撃ってもジーラはいとも簡単に片手で銃弾をはじいてしまう。

 

かちっ。かちっ。

 

とうとう銃弾も底が付き、引き金を引いても金属音がなるばかりになってしまった。

 

「おやおや、弾切れかい?じゃあ遠慮なく...」

 

ビュンとミーナに急接近し、ジーラは片手でミーナの首を締めながら軽々とミーナの身体を持ち上げる。

 

「グッ....カハッ...」

 

「まぁキミの作戦は悪くなかったけどねェ。さて、どう始末してやろうかねェ...」

 

ふとジーラが目を向けた先にはぐったりと岩にもたれかかっているゼルガの姿があった。

 

「それじゃあ...仲良く二人同時に死んでもらおうかァ」

 

まるでゴミを投げ捨てるようにミーナをぶんっとゼルガの横に放り投げると、再びジーラは右手を二人に向ける。

 

あまりに一方的な戦闘だった。いや、これは戦闘とすら呼べないだろう。ジーラはただこの二人の必死な抵抗に付き合ってやっていたに過ぎなかった。

 

みっともない。情けない。あらゆる自虐の言葉がゼルガの脳内を羅列する。ウルトラ兄弟になるとうぬぼれていた自分が馬鹿馬鹿しくなっていった。

 

「だめよ...ゼルガ...諦めちゃ...」

 

弱々しい声。ミーナの声だ。

 

「お前らしくねぇな...諦めちゃダメって何か策でもあんのかよ...」

 

「来てくれる...もうすぐ...『あの人』が...」

 

「『あの人』?誰だよ....あの人って...」

 

「アンタがやられちゃった後.....光の国に緊急援護要請を送ったのよ.....『何かあったらすぐ駆けつけるから』って....あの人は言ってた......」

 

「オイオイ......Z-24に来るまで一体何時間かかるってんだよ....まさかそんなこと充てにしてんのか.....」

 

「来る。だってあの人は.....ウルトラ兄弟の一員だもの」

 

「おしゃべりは済んだかい?じゃあ行くよォ」

 

虫の息の二人の会話を唐突にジーラが遮る。彼の右手は激しく光り、膨大なエネルギーの波動が二人にも感じられた。

 

雷光(ヴォルテック)...」

 

ジーラの右手から蓄積された電気エネルギーが放たれようとしたその時...

 

空を割き、橙色の光線が上空から降ってきた。

 

「むぅ。」

 

素早く狙いを変え右手を上空に向けると、

 

雷光龍星弾(ヴォルテック・キャノン)。」

 

二つの光線が衝突し、凄まじい時空の歪みが生じる。しかし、その橙色の光線は雷光龍星弾(ヴォルテック・キャノン)を貫き、ジーラへと炸裂した。

 

「ヌおぉ!??」

 

衝撃で地面へと倒れこむジーラの身体。なんとこの一連の流れ、わずか3秒の出来事である。

 

そして、橙色の光線が放たれた先にいたのは――

 

「来てくれたんですね....」

 

「ウルトラ兄弟の一員って....お前だったのかよ.....」

 

右手に着けたるは、誓いの印。

 

胸に秘めたるは、仲間との絆。

 

決して曇らぬ銀色の眼で時を見つめる光の戦士。

 

彼の名は――ウルトラマンメビウス。

 

 

 

 

 

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