王女とあの日の約束(アナデン二次創作 完結済) 作:小麦_AE
こちらの作品は、アナザーエデンの二次創作小説です。
極力原作ゲームの世界観や設定に沿うようにしているつもりですが、作者小麦の誤解・曲解が存在する可能性があります。
また創作の都合上、個人の解釈で各キャラクターの過去や背景、未来を描写する箇所があります。
※少しでも世界観を崩したくない方、キャラクターの設定を忠実に守りたい方は読まれるのをご遠慮ください。※
※暴力やグロテスク、性的な表現は含まれておりません。※
※ネタバレについて※
※今回ネタバレに含まれる内容
※アナザーエデン断章「小さな王女の小さな大冒険」
※ベルトラン キャラクエスト
※フェルミナ キャラクエスト
今回の内容について
・断章と本編の間にこんなやり取りがあったのかな、あったらいいな、という個人的な妄想のお話です。
以上、苦手でない方のみご覧くださいませ。
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王女とあの日の約束 第4話
〜港町リンデ 宿屋外〜
フェルミナ(こんな場所までの敵襲とは考えづらい…となれば…)
ミーユ「こ、これは…」
ミグランス王「遅くなった。時間も遅くなったが…。」
ミーユ「お、お父さま!?」
ベルトラン「陛下!?」
ミグランス王「…無事であったか。途中でフェルミナからの使いに会ってな。3人がここにいると聞いたのだ。」
フェルミナ「王自らここまで来られたのですか?」
ミグランス王「急遽、セレナ海岸周辺の巡回と安全確保を行うことにしてな。」
ベルトラン「魔獣の活動が活発になっているという件でしょうか?」
ミグランス王「そうだ。もともと報告を受けて、明日に出兵の予定ではあったのだが…」
ベルトラン「今日、それも陛下自ら動かれるとは…」
ミグランス王「ミューフィルユの件があったからな。」
ミーユ「え…」
ミグランス王「伝令の者から報告を受けた時、ミューフィルユも一緒でな…その後のこやつの様子がおかしかった、と後で気付いたのだ。」
フェルミナ「お嬢様の様子が…?」
ミーユ「わたくし、おかしかったでしょうか?」
ミグランス王「心ここにあらずという様子で、柱にぶつかって謝ったりしていたが、覚えていないのか?」
ミーユ「わたくしが…?」
ミグランス王「あとは厨房で剣の素振りをしていた、と報告を受けている。」
ミーユ「厨房…で剣を?」
ベルトラン「…確かにおかしいですな。」
ミグランス王「覚えていないのも相当だがな。…とにかく、その後で昼食も摂っていないと聞いたので、部屋まで声を掛けに行ったのだ。しかしその時には城内に居ないようだ、と分かった。」
フェルミナ「それでお嬢様が外に出られたと考えられたのですね。」
ミグランス王「そうだ。今回はベルトランとフェルミナの件だ。城の外どころではなく、王都を出ている可能性があった。」
ベルトラン「それで、兵を率いて…という訳ですか。」
ミグランス王「私の知る限り、ミューフィルユは1人で王都の外に出たことは無い。あれだけ城から脱走をしていても、王都の外というのはさすがに想定外であったからな。」
ミーユ「ははは…2人が危ないかもしれないと聞いて、助けに行こうということで頭がいっぱいで…」
ミグランス王「私も、ミューフィルユの2人への気持ちは汲み取るべきであった。」
ミーユ「お父さま…」
ミグランス王「しかし、これは言っておかねばならぬ。」
ミーユ「はい。」
ミグランス王「事情があったとは言え、今回の行動は特に軽率であった。自らの危険のこともそうだが、振り回される人々のことも考えよ。」
ミーユ「はい、申し訳ございませんでした。」
ミグランス王「もう身をもって分かったとは思うが、感情的に動くことは多くのものを見落とし、より大きな失敗を招く。覚えておくがよい。」
ミーユ「はい。」
ミグランス王「それにしても、城で2人と挨拶をした時は元気そうな様子であったが、実際はそうでもなかったということか?」
ミーユ「え?」
ミグランス王「いや、あまりに動揺が大きい様子だったのでな。もともと2人のことで悩んでいたのではないか?」
ミーユ「ええ…わたくしも、せめて2人の前では暗い顔を見せないようにしようとしていたのですが…」
フェルミナ「お嬢様…」
ミーユ「…しかし2人が実際に居なくなる直前になって…何と言えばよいのでしょう…例えるならそう、心のうちの半分が欠けて、失くなってしまうような気がして…」
ミグランス王「それでも明るく見えるように振る舞っていたわけか。」
ミーユ「はい。」
フェルミナ「そうだったのですね。ご挨拶した時は、お察しできずに申し訳ありません。」
ミーユ「そんな。フェルミナが謝ることではありません!…2人からすれば、明るい顔で見送られた方が気持ちよく旅立てる、と思っていたので…」
ミグランス王「はっはっはっ!意外なものだ。」
ミーユ「お父さま!?」
ミグランス王「…いや、あのお転婆娘が、こうして人を気遣える日が来るとは…感慨深いと思ってな。」
ミーユ「もう!お父さま、お転婆は余計です!」
ベルトラン「確かに、出会った頃を思い出すと、想像できませんな。これも王の器というものやもしれませぬ。」
ミグランス王「褒め過ぎは良くないぞ。私にとっても甘やかされているようで…おや?同じ話をしていたような気がするが。」
ベルトラン「そうでしたな…姫様には聞かせられません。」
ミーユ「何のお話ですか!?」
ミグランス王「ミューフィルユに聞かせると、調子に乗ってしまうので聞かせられぬ、という話だ。はっはっはっ…。」
ミーユ「それはとても気になるのですが!」
ミグランス王「まあそれはさておき…」
ミーユ「え!」
ミグランス王「結果的に、久々の強行軍は良い訓練になった。たまにはいいものだ。」
ベルトラン「そういえば、お連れの兵が3人とはあまりに少ない気がしますが…」
ミグランス王「そうだった。最初は30人ほどは居たはずなのだが…」
ベルトラン「30人が3人に?一体どれほどの犠牲が…」
ミーユ「そ、そんな…!」
ミグランス王「いや、途中で置いてきたのだ。」
ベルトラン「お、置いてきた?」
ミグランス王「私が進むのが早すぎて、付いて来られなかったようだ。途中何ヶ所かで休憩してもらっている。…おぬしたち、すまなかったな。」
騎士「いえ!むしろ我々が付いて行けずに、申し訳ございませんでした!陛下は魔物をなぎ払いながらどんどん進まれますが、私どもはついて行くだけでもやっとで…」
ミグランス王「それでも付いてこられたおぬしら3名の体力は、日頃の努力の賜物だな。」
騎士「はっ!光栄に存じます!」
ベルトラン「なるほど。そういうわけですか…。」
ミグランス王「焦っていたのだろう。私も人のことは言えぬ。という訳で、これから兵たちを集めながら王都へ戻らねばならぬ。」
ベルトラン「これから、ですか?」
ミグランス王「着く頃には日が暮れた後だろうが、急な出陣だったゆえ、皆帰りたいであろう。」
ベルトラン「そうですか…お疲れ様でございました。」
ミグランス王「ときにベルトラン。そなたに1つ依頼をしてもよいか?」
ベルトラン「陛下が?私にできることであれば、仰せください。」
ミグランス王「…これは、ある父親からの依頼なのだが…」
ベルトラン「は…はい。」
ミグランス王「…家出をしてしまった娘を、連れ帰ってほしいのだ。」
ミーユ「あの、本人はここにいるのですが…」
ミグランス王「一緒に帰りたいのか?」
ミーユ「え?いや…その…」
ミグランス王「悲しいが、これが父というものだ。」
ミーユ「いや、そうではなくて…」
ミグランス王「…冗談だ。もう少し2人と一緒にいると良かろう。道はそなたたちと我々が通った分、多少は安全にはなっているだろうからな。」
ベルトラン「…なるほど。そういうことですか。勿論、引き受けましょう。」
ミグランス王「うむ。明日にでもゆっくり帰って来られれば良い。あと、できれば護衛はそなたと、もう1人居ると安心できるのだが…」
フェルミナ「私も同行するつもりでした。問題ございません。」
ミグランス王「そうか、ありがたい。頼んだぞ。」
ミーユ「先ほどから目の前にして話されると、複雑な気分です…」
ミグランス王「はっはっはっ。家出の公認など、これきりと思うがいい。…とは言ってもまた抜け出すのだろうが…血は争えぬな…」
ミーユ「お父さま?」
ミグランス王「先代の王も…いや、この話はやめておこう。」
ミーユ「さっきの話といい、気になります!」
ミグランス王「では、早く帰ってくるとよい。」
ミーユ「ずるいです!…でもお父さまがそう言われる時は、話してくれないのですよね…知っていますとも。」
ミグランス王「これぞ腹芸というもの…政治が分かってきたようだな!」
ミーユ「…相手を騙すような政治なら、分かりたくありません!」
ミグランス王「言うようになった…しかし、清い部分だけしか見えない内は国は治められん。」
ミーユ「むう…」
ベルトラン「陛下、お言葉ではございますが…私は、姫様が理想とされる治世を見てみたいと思います。」
フェルミナ「私も、お嬢様の作る世を支えたいと思います。」
ミーユ「2人とも…」
ミグランス王「何と、既に支持する者たちが居るか。ふむ、それでは人を騙すような非道の王はここには要らぬな。退場するとしよう。」
ベルトラン「陛下!?そういう意味では申しておりません!」
ミグランス王「はっはっはっ…冗談だ。ミューフィルユ、明日まで2人と一緒にゆっくりすると良い。」
ミーユ「はい、ありがとうございます。お父さまもお気を付けて。」
ミグランス王「うむ。では、ベルトラン、フェルミナ。ミューフィルユを頼んだぞ。」
ベルトラン「はっ。」
フェルミナ「はい。」
〜港町リンデ 宿屋〜
ミーユ「まさかお父さまが直接来られるとは…」
フェルミナ「それだけ心配されていたということですね。」
ミーユ「何だか申し訳ないような、恥ずかしいような、複雑な気持ちです…」
ベルトラン「さて、今日のところは休みましょうか。私は下に居りますので、何かあれば呼んでください。」
ミーユ「うーん…ちょっと狭いですが、ここで3人一緒に休んでもいいのですよ?」
ベルトラン「な、何を言われますか…!」
フェルミナ「私も構いませんよ?」
ベルトラン「フェルミナまで…からかうのはやめてくれ!全く…」
ミーユ「仕方ないですね…フェルミナと、ベルトランのあれやこれやの話でもして夜更かししようと思います。」
ベルトラン「私のあれやこれや、とは…いや、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。」
ミーユ「残念ですね。」
フェルミナ「そうですね。」
ベルトラン「その手には乗りませんぞ。…姫様、おやすみなさいませ。フェルミナ、頼んだ。」
ミーユ「おやすみなさい。」
フェルミナ「はい、おやすみなさい。」
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ベルトラン(2人はまだ盛り上がってるのか…まあいい、明日は急いでいるわけではない………今日は長い1日だった…)
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王女とあの日の約束 第5話へ
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最後までまでお読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は、原作ゲームであるアナザーエデンの製作・運営に携わる全ての方々への敬意と感謝の上で書いております。
また、個人の趣味で楽しむ範囲の二次創作であり、商用での利用は一切考慮、予定しておりません。
小麦