王女とあの日の約束(アナデン二次創作 完結済) 作:小麦_AE
こちらの作品は、アナザーエデンの二次創作小説です。
極力原作ゲームの世界観や設定に沿うようにしているつもりですが、作者小麦の誤解・曲解が存在する可能性があります。
また創作の都合上、個人の解釈で各キャラクターの過去や背景、未来を描写する箇所があります。
※少しでも世界観を崩したくない方、キャラクターの設定を忠実に守りたい方は読まれるのをご遠慮ください。※
※暴力やグロテスク、性的な表現は含まれておりません。※
※ネタバレについて※
※今回ネタバレに含まれる内容
※アナザーエデン断章「小さな王女の小さな大冒険」
※ベルトラン キャラクエスト
※フェルミナ キャラクエスト
今回の内容について
・断章と本編の間にこんなやり取りがあったのかな、あったらいいな、という個人的な妄想のお話です。
・今回で完結です。
以上、苦手でない方のみご覧くださいませ。
〜港町リンデ〜
ミーユ「これが交易の船…!」
フェルミナ「この船は東方からの品々を載せてきたようですね。ちょうど荷降ろしをしています。」
ミーユ「わあ…あの鮮やかな布も、そうですか?」
フェルミナ「あれは東方の国での衣服用の布地です。衣服そのものもあると思います。」
ミーユ「鮮やかな色のもの、落ち着いた色のもの…見慣れない模様のものもありますね…」
フェルミナ「あれも東方のものですね…花の模様、でしょうか。」
ミーユ「すごい!ミグランスでは見ないものばかり…!」
フェルミナ「布の織り方から、この国とは違うのだと思います。」
ミーユ「王都でも買えるのですか?」
フェルミナ「ええ、王都の商人が仕入れたものもあるでしょう。」
ミーユ「今度見てみよう…」
フェルミナ「お城を抜け出して、ですか?」
ミーユ「い、いえ!ちゃんと許可はいただきますよ!」
フェルミナ「ふふ…そうですか。」
ミーユ「…フェルミナ、もしかして機嫌が良いのではないですか?」
フェルミナ「…そう思われますか?」
ミーユ「フェルミナが冗談を言う時は、かなり上機嫌ですよね!」
フェルミナ「…ご慧眼ですね。」
ミーユ「えへへ…フェルミナのことなら分かりますとも!あれ?あれは武器、でしょうか?」
ベルトラン「あれは東方の武器…刀ですね。細く薄くも切れ味が鋭く、作るのにも特別な技術が必要です。」
ミーユ「なるほど…」
ベルトラン「包丁のように、片刃で斬ることに特化した武器なので、扱いも我々の剣とは異なります。」
ミーユ「確かに、私たちの剣より軽そうですものね…」
ベルトラン「そうです。お、あれは東方の履き物ですな。」
ミーユ「え?あれが履き物なのですか?」
ベルトラン「確か『ゾウリ』という物だったかと…東方では屋外と室内で履くものを分けていると聞いたことがあります。」
ミーユ「そうなんですね。軽くて涼しそうですね!」
フェルミナ「王都の市場や行商人で取り扱っているので、ご覧になってみると良いでしょう。」
ミーユ「そうします!」
ベルトラン「…許可をもらった上で、でしょうな。」
ミーユ「もう!大丈夫ですから!」
ベルトラン「はっはっはっ……そろそろこの町を出発しましょうか。」
ミーユ「もうそんな時間ですか…そうですね。行きましょう!」
ベルトラン「他に何か見たいものはありますか?」
ミーユ「いえ…見たいもの、というよりあれを…」
ベルトラン「あれ…ああ。釣りをやってみたいのですか。」
ミーユ「はい。でもまた今度にします。準備も必要でしょうし。」
ベルトラン「確かに、そこまでは時間が無いかもしれませんな。」
ミーユ「ええ。次にここに来た時にします。」
ベルトラン「次?」
ミーユ「え、いや何でもないです。」
ベルトラン「…」
フェルミナ「…」
ミーユ「…さあ、行きましょうか!」
〜セレナ海岸〜
フェルミナ「そちらには砂浜がありますね。」
ベルトラン「…行きの道は魔物も魔獣も居たが、今は大丈夫そうだな。」
フェルミナ「そうですね。昨日の魔獣部隊は負傷者もいるので、隠れているのでしょう。」
ベルトラン「更に陛下が安全確保をされたばかりだからな。」
ミーユ「せっかくの機会です。今のうちに景色を見てみませんか?」
ベルトラン「いいでしょう。」
〜セレナ海岸 海辺〜
ミーユ「ここからも海が見えますね!」
ベルトラン「ここは視界が開けていて、よく見えます。」
フェルミナ「魔物も生息している場所なので、普段はただ通り過ぎるだけの場所ですが…」
ミーユ「今だけの景色…ですね。」
フェルミナ「そうかもしれません。」
ミーユ「今だけ…」
ベルトラン「どうされました?」
ミーユ「これで王都へ着いたら、2人とは本当にお別れなのですね…」
ベルトラン「昨日の姫様ではありませんが、実感が湧かないというのも今なら分かる気がします。」
ミーユ「明日からのお城での生活が想像できません…」
ベルトラン「今は不安に思われるかもしれませんが、明日、明後日が過ぎ、また時間が過ぎれば慣れるでしょう。」
ミーユ「そうでしょうか…慣れたくないです。」
フェルミナ「私も、このような別れというのは経験がありません。本来は別れというのは、こんなにも惜しいものなのですね…」
ミーユ「フェルミナ…」
フェルミナ「お嬢様?大丈夫ですか?」
ミーユ「お願いです…このままギュッとしていてください…」
フェルミナ「…はい。仰せのままに。」
ミーユ「2人には気にせず旅立ってほしいのも本当です。でも、ほ、本当はもっと一緒に居たい!ずっと一緒なら、良いのに…!」
フェルミナ「ええ…そうですね…本当に。」
ミーユ「わたくしは、ふ、2人が一緒に居てくれて良かった…一緒に居てくれたのが2人で良かった…!いつも守ってくれて、いつも見守ってくれて……」
フェルミナ「…私も仕事、という以上にお嬢様の御守役で良かったと思います。…ずっとお側に居られればと思います。」
ミーユ「フェルミナぁ…」
フェルミナ「ええ。」
ミーユ「フェルミナも、ベルトランも、ず、ずっと一緒に居て欲しい…!2人と一緒なら…」
ベルトラン「そう…ですね。」
ミーユ「いつも2人が見守ってくれていたから…わ、わたくしはここに居られるのです…ベルトランはいつも危ないところを助けてくれて…」
ベルトラン「…」
ミーユ「本当なら怒られても仕方ないことも、優しく見守ってくれて…わたくしが落ち込まないように、優しく諭してくれて…」
ベルトラン「…」
ミーユ「…ベルトラン?」
ベルトラン「……」
ミーユ「…ベルトラン?何で後ろを向いているのです?」
ベルトラン「…日差しが…そう、日差しが眩しいのです。」
ミーユ「え?でもそちらの方が眩しいのに…」
ベルトラン「…2人を日差しから覆うためです。」
ミーユ「あれ?…こっちを向いてくれません?」
ベルトラン「…嫌です。」
ミーユ「ベルトラン?」
ベルトラン「…」
ミーユ「もう、ベルトラン…素直じゃないですね。」
フェルミナ「…そうですね。」
ミーユ「フェルミナ…もう少しだけ、このままでいいですか?」
フェルミナ「はい、お好きなだけ。」
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フェルミナ「…お嬢様、落ち着きましたか?」
ミーユ「ええ、すみませんでした。もう大丈夫です。そういえばフェルミナ…」
フェルミナ「どうされました?」
ミーユ「いえ、ずっと前にフェルミナに抱きつこうとしたら、避けられてしまったことを思い出して…」
フェルミナ「あの時は……」
ミーユ「いえ、すみません…ありがとうございます。」
フェルミナ「…いいんですよ。」
ミーユ「おかげでだいぶ落ち着きました。やっぱりフェルミナはお母さまみたいな匂い、なのかもしれません。」
フェルミナ「私が、王妃の…」
ミーユ「いえ、すみません。勝手なことを…」
フェルミナ「いいえ、これでお嬢様が落ち着くなら、私もそれでいいのです。」
ミーユ「フェルミナ…ありがとう。ベルトランも、落ち着きましたか?」
ベルトラン「私は最初から落ち着いていますとも。」
ミーユ「あれれ?さっきは…」
ベルトラン「さあ、王都へ向かいましょうか。」
ミーユ「もう…素直じゃないですね。」
フェルミナ「私も…」
ミーユ「え?」
フェルミナ「確かに、眩しいですね。」
ミーユ「フェルミナ?」
フェルミナ「いえ…お気になさらず。」
ミーユ「そうですか?何かあったら言ってくださいね。」
フェルミナ(お嬢様は、やはり眩しい…でも暗闇の隅まで照らしてくれるあたたかい光、です。)
ミーユ「そういえば、ベルトラン。」
ベルトラン「はい。」
ミーユ「昨日、お城で話していた『心残り』について、聞いてもいいでしょうか…?」
ベルトラン「そうでした。話す機会を逃していましたな。」
ミーユ「その…今日わたくしがお城の屋根に登った話で思い出したのですが…あの日の約束のことでしょう?」
ベルトラン「そうです。覚えておられますか?」
ミーユ「はい。3人で旅行に行こう、という約束ですね。」
フェルミナ「覚えておられましたか。私も心残り、でした。」
ミーユ「やはりそうでしたか…。」
ベルトラン「3人で出掛けるということはありましたが、旅行というほどのものではありませんでした。」
ミーユ「そうですね…でも、今日のこの道のりは旅行とは言えないのですか?」
ベルトラン「…いいえ。今回は少しゆっくりできたとは言え、突発的なことでしたし、旅というにも計画というものもありませんでした。」
フェルミナ「お嬢様も、もっと遠くに行きたいと思うのではありませんか?」
ミーユ「確かに、あらかじめどこへ行くと決めておいて、何をするか、何も見るかを相談して、もっと遠くまで行くのが旅行なのでしょうね…」
ベルトラン「そうですね。あの山の山頂からの景色を見てみようとか、遠くの海辺で釣りをしてみよう、など前々から計画をして、楽しむものが旅行でしょうな。」
フェルミナ「なので、あの日の約束はまだ果たされていません。」
ミーユ「…では、改めて約束しませんか?」
ベルトラン「良いでしょう。」
ミーユ「いつか3人で、どこかずっとずっと遠くへ旅をしましょう。森のずっと向こう、今日見た海のずっと向こう、ずっと遠くへ。」
ベルトラン「はい。どこへでもお守りします。」
フェルミナ「ええ。お嬢様の仰せのままに。」
ミーユ「でも、そんなに遠くまで行けるかは、分かりませんね。」
ベルトラン「姫様の立場上、難しいですが…でもいつかは行けるようになると信じましょう。」
フェルミナ「そうですね。いつかは、行けると思います。」
ミーユ「…それまでに、わたくしは1人で身を守れるようになるまで、鍛えておきます。お父さまに許可を貰えれば良いですが、貰えなければそれはそれで…」
ベルトラン「おっと、その先は聞かなかったことにしましょう。」
ミーユ「あはは…正式に認められるように善処します。」
フェルミナ「今から、楽しみにしておきますね。」
ミーユ「はい!わたくしも楽しみにします!」
ベルトラン「ちなみに、姫様は行きたい場所はあるのですか?」
ミーユ「はい。まずお城から見えた山の向こう…海の向こうの東方の国…あとはこの大陸の端…いえ、別の大陸の端から端まで…」
フェルミナ「ふふ…そんなに一度の旅行では周りきれませんよ?」
ミーユ「では、何度でも行きましょう!満足するまで!」
ベルトラン「旅というより、大冒険になりそうですな…」
ミーユ「そう、冒険でもいいですよ!しましょう、大冒険!」
フェルミナ「承知しました。お嬢様の仰せのままに。」
ベルトラン「今度こそ、約束ですな。」
ベルトラン(いつか、そんな旅ができるまで、俺も俺の出来ることをする。その先にある大切なものを守るために。)
フェルミナ(これからはこの国を…お嬢様を陰から支えましょう。いつかそんな陰も必要なくなる日のために。)
ミーユ(もっと多くのことを実際に歩いて見聞きして、知って、自分で考えて動けるように…まずは己を鍛えましょう。いつか、2人と平和な世界を旅することができるように。)
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王女とあの日の約束(6)完
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王女とあの日の約束について
当初は前後編のつもりでしたが、書いているうちに前中後編、4話…と長くなっていき、全6話+1話という形になりました。
通常の小説と同じ形式なら、1話10,000字くらいにしても読めるかと思います。
しかし今回は原作ゲームのテキストの会話形式での文章なので、書き易さと同時に状況を説明できない難しさがありました。
また、この形式だと長いと単調になり読む方が疲れてしまうこと、書く方も修正が大変なので、分けて書くことにしました。
本当はゲーム本編断章の話数6話に構成も合わせるつもりでしたが、そこまでは上手く構成できず、こだわらずに書きたいように書いてみました。
ミーユは断章から本編、特に外史での成長ぶりの途中経過を書いてみたかったのですが、保護者3名ともミーユには甘いので、もっとお転婆になってもおかしくない気がしています。でもこの関係が好きなので後悔はありません。
陛下はどう書いても人間が出来すぎてしまいましたが、理想の父親像を見ている気がして、書くのは楽しかったです。ミーユが王家を厭わず、自国の歴史を好きになる愛国心溢れる子に育ったのは、父親に尊敬の念があると考え、こうなりました。
フェルミナはもう少し掘り下げても良かったのですが、特にミーユに対してはあまり自身のことを語らないので、抑えています。
でもミーユに対しての尊敬と愛情の中間のような感情が見え隠れするようには書いたつもりです。
ベルトランは、図らずも今回の話の語り手というか、主人公視点に近い書き方になりました。真面目で堅いというイメージはそのままに、でも熱いところは熱い、と実際主人公の位置でも良い人物だと思っています。
今回は書きたいことをやりたいように書いてみました。
しかし、何度も修正を入れ、その修正の度に前後の話の整合性をとるために更に修正…と繰り返しています。
経験の無さ故のものだとは思いますが、本当に小説や漫画を連載している方に対して、改めて尊敬を感じるようになりました。
ここまでご覧いただいた方は、私の趣味の世界にお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回の関連作品や、全く別の形式、別の話は今後も書いてみるつもりなので、もしご興味があれば読んでいただければ幸いです。
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最後までまでお読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は、原作ゲームであるアナザーエデンの製作・運営に携わる全ての方々への敬意と感謝の上で書いております。
また、個人の趣味で楽しむ範囲の二次創作であり、商用での利用は一切考慮、予定しておりません。
小麦