中二病がカッコつけてたら世界の敵になってしまった   作:刹那木ヤクモ

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レイ・ブラドル・ドラニス 様。星9評価ありがとうございます。

長らくお待たせしました。投稿に必要な最小限の文字数しか執筆できていませんが、今後も更新をしていこうと思います。拙作をよろしくお願いいたします。


第11話

「お兄ちゃん、お兄ちゃんだよね。……会いたかった。」

 

「……ああ、久しぶりだな。」

 

初風 円香。俺の1個下の妹。

弓華の一件から会えていなかったが、どうやら無事に生きていたらしい。……良かった。心からそう思う。両親は小学校を卒業する頃には他界してしまっていた。そんな中、俺の心の支えになってくれていたのが円香だ。趣味は料理で、特技は弓。弓道を幼い頃からずっと続けている。しかしだからといって学力も低いわけではない。むしろ高い。そしてなにより、顔立ちがかなり整っている。それに、スタイルも良い。容姿端麗、文武両道。そんな四字熟語が似合うくらい、しっかりと育っていった彼女は、俺から離れても一人で生活していけるようになっていたようだ。……俺の庇護は、最初から要らなかったのかもしれない。ほんの少しの寂しさと、嬉しさが共存している。

 

「お兄ちゃんは、今まで何をしてたの? それに、隣に居る人は誰? 」

 

「──正義様」

 

ランバンが小声で訴えかけてくる。始末するつもりなのだろう。だが、それは許せない。流石に身内に手を掛けられてキレないほど俺も甘くない。俺は顔を横に振った。

 

「そうですか……。では、仕方ないですね。エレジー」

 

カチ、と音が響いたと思えば目の前にエレジーが現れる。そして俺とランバンの手を掴むと

 

「──(タワー)、再起動」

 

そう言い、時を止めた。

 

「『緊急起動。巡航モード』……飛びますよ!! 」

 

背面の翼と大型ブースターのみを顕現させたランバンによって、この場を離れる。流れていく景色のなか、また意識がトびそうになるのをどうにかこらえ、円香を見る。その手には、何かが握られているように見えて、しかしそれが何かまでは分からなかった。

 

◆◆◆◆

 

「──ッ!! 」

 

光の矢が的を射抜く。

 

私の身に宿った大アルカナの制御にも慣れてきた。この力があれば、また失うのを避けられるかもしれない。私は、誰よりもあの人を大切に思っている。

 

審判(ジャッジメント)、少し良いかい? 」

 

「はい、なんでしょう? 」

 

審判。それが私に宿った大アルカナの名。司る権能はまだ完全には分かっていないけれど、それでも世界を救える程には強力なものらしい。

 

「いや、ね。スティールヤードから協力要請が入った。ターゲットを始末するのを手伝って欲しいんだと」

 

「……はあ、なるほど。それで? 私にその話をしたのは何故ですか? 」

 

弓を下ろし、向き直りながらそう言う。

 

「君には出向という形でスティールヤードに行ってもらいたい。いいね? ――円香」

 

「……それは、きっと、世界の敵を討てと言う事なのでしょうね」

 

「そうだね。何より、耳寄りの情報がある。なんでも世界の敵は『初風』と言うらしい」

 

「――! 」

 

きっと、偶然じゃない。私がこの力に目覚めたのも、あの人が居なくなったのも。だからこそ私は――私の兄を、殺すのだ。

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