中二病がカッコつけてたら世界の敵になってしまった 作:刹那木ヤクモ
長らくお待たせしました。投稿に必要な最小限の文字数しか執筆できていませんが、今後も更新をしていこうと思います。拙作をよろしくお願いいたします。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんだよね。……会いたかった。」
「……ああ、久しぶりだな。」
初風 円香。俺の1個下の妹。
弓華の一件から会えていなかったが、どうやら無事に生きていたらしい。……良かった。心からそう思う。両親は小学校を卒業する頃には他界してしまっていた。そんな中、俺の心の支えになってくれていたのが円香だ。趣味は料理で、特技は弓。弓道を幼い頃からずっと続けている。しかしだからといって学力も低いわけではない。むしろ高い。そしてなにより、顔立ちがかなり整っている。それに、スタイルも良い。容姿端麗、文武両道。そんな四字熟語が似合うくらい、しっかりと育っていった彼女は、俺から離れても一人で生活していけるようになっていたようだ。……俺の庇護は、最初から要らなかったのかもしれない。ほんの少しの寂しさと、嬉しさが共存している。
「お兄ちゃんは、今まで何をしてたの? それに、隣に居る人は誰? 」
「──正義様」
ランバンが小声で訴えかけてくる。始末するつもりなのだろう。だが、それは許せない。流石に身内に手を掛けられてキレないほど俺も甘くない。俺は顔を横に振った。
「そうですか……。では、仕方ないですね。エレジー」
カチ、と音が響いたと思えば目の前にエレジーが現れる。そして俺とランバンの手を掴むと
「──
そう言い、時を止めた。
「『緊急起動。巡航モード』……飛びますよ!! 」
背面の翼と大型ブースターのみを顕現させたランバンによって、この場を離れる。流れていく景色のなか、また意識がトびそうになるのをどうにかこらえ、円香を見る。その手には、何かが握られているように見えて、しかしそれが何かまでは分からなかった。
◆◆◆◆
「──ッ!! 」
光の矢が的を射抜く。
私の身に宿った大アルカナの制御にも慣れてきた。この力があれば、また失うのを避けられるかもしれない。私は、誰よりもあの人を大切に思っている。
「
「はい、なんでしょう? 」
審判。それが私に宿った大アルカナの名。司る権能はまだ完全には分かっていないけれど、それでも世界を救える程には強力なものらしい。
「いや、ね。スティールヤードから協力要請が入った。ターゲットを始末するのを手伝って欲しいんだと」
「……はあ、なるほど。それで? 私にその話をしたのは何故ですか? 」
弓を下ろし、向き直りながらそう言う。
「君には出向という形でスティールヤードに行ってもらいたい。いいね? ――円香」
「……それは、きっと、世界の敵を討てと言う事なのでしょうね」
「そうだね。何より、耳寄りの情報がある。なんでも世界の敵は『初風』と言うらしい」
「――! 」
きっと、偶然じゃない。私がこの力に目覚めたのも、あの人が居なくなったのも。だからこそ私は――私の兄を、殺すのだ。