【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ 作:波音四季
キャバリアーは色んな機体に接続できていいですね。ガンプラウォーズ的には、2機揃えば、映画でもやったリモート操作が出来たりするのかな。
さて今回は、妖精国編の最終話、優の悪夢の秘密とは?新はGWDWCに間に合うのか?
その前に本家様のEP70でちょっとだけ出ていたレイラとキジマ・シアのバトルを冒頭でお見せします。本当はこれだけ1本やりたかったけど、シアの方を上手く動かせる自信がなかった。
GWDWC本戦 第二試合
安室レイラvsキジマ・シア
ダブルオーシアクアンタに青緑色のビームを雨霰と振りまくのは、レイラのリボーンズキャノンのカスタム機だ。
レイラ「対戦相手がまさかの『シア』違いとかある?」
シアクアンタは高機動モードで死角へ回り込み、GNソードを振り下ろす。だが、リボーンズキャノンは腕だけを変形させてビームサーベルを引き抜き、GNソードを受け止める。さらにリボーンズキャノン側のキャノン砲が180度回転してシアクアンタの方を向く。
シア「っ!」
サーベルを振り払って離脱した直後、キャノン砲が発射される。あのまま残っていたら、シアクアンタの上半身は蒸発していただろう。
レイラ「ダブルオーには、コイツだ」
キャノン砲を元の位置に戻すと、リボーンズキャノンのキャノン砲が変形、さたに両腕両脚も変形し、バイザー状の頭部が格納されてスラスターがせり出す。そして、本来の頭部が現れた。
シア「リボーンズ、ガンダム…!」
両腕に装着されたGNドライヴからは、青緑色の粒子が溢れ出している。
レイラ「GNドライヴType-E安定、GNドライヴType-O安定、ツインドライヴシステム、正常に稼働。これは人類を導く機体ではない」
振り返ったのは、青・白・黄で塗装されたリボーンズガンダム。
レイラ「栄誉も賞金も必要ない。僕はただ、あの人に勝ちたい…!その為に作り出したパーフェクトνを超える機体!『リボーンズアルマガンダム』!」
『リボーンズアルマガンダム』
『リボーンズガンダム』のカスタム機。カラーリングは初代ガンダムを意識したトリコロールカラーに変更されており、ツインドライヴはエクシアとOガンダムのGNドライヴに変更されている為、この状態で行うトランザムはダブルオーに匹敵する性能となる。変形時の正式名称は『アルマキャノン』。リボーンズキャノンの時点で疎かだった後方への対策として、両腕のみの変形とキャノン砲の後方への展開が可能となっている。
当初の改造プランでは、『リバーシブルガンダム』をベースとして3形態への変形を行う機体となる予定だったが、変形先の選択肢を増やすよりも基礎スペックを上げた方が良いと判断し『リボーンズガンダム』ベースの機体となった。
当初のプランのまま進めば『スプリームリボーンズガンダム』という機体になるはずだったが、計画変更に伴って機体名を『リボーンズアルマガンダム』に変更。『
レイラ「いくよ、キジマ・シア!」
リボーンズアルマは、そのツインドライヴシステムを最大限に活用し、瞬時にトランザムを発動。エネルギーが増幅され、機体の性能はダブルオーに匹敵するまでに高まった。レイラの操縦技術も相まって、リボーンズアルマは一瞬にしてシアの目の前に迫った。一方、シアクアンタは量子化を駆使し、敵の攻撃をかわしながら反撃の機会を狙う。
観客「は、速い!」
観客「目で追うのがやっとだ!」
アルマキャノンのGNキャノンが火を吹き、強力なビームがシアクアンタに向かって放たれる。しかし、シアはその攻撃を避け、瞬時に反撃を開始。クアンタのGNソードがリボーンズアルマの装甲を斬る。
レイラ「フ―――ッ……」
レイラは大きく息を吐くと、冷静に次の攻撃を準備する。彼の目は既にシアの動きを完全に捉えており、次の攻撃のタイミングを見逃さない。
互いの技術と機体の性能を最大限に引き出した二人の戦いは、熾烈を極めた。最終的に、レイラの冷静な判断と機体の性能が勝利を齎した。シアクアンタは力尽き、観客の大歓声に包まれながら第二試合は幕となった。
その頃、選手一人一人に宛がわれた控室。新の部屋で怜は落ち着きなくうろうろしていた。
コンコン
怜「どうぞ」
玲二「怜、今第二試合が終わった。新はまだか?」
怜「まだです。電話にも出ません」
玲二「優の方は?」
怜「先ほど真理愛から連絡がありました。酷くうなされているようです」
玲二「そうか…。予定通り、第四試合を前倒しで行う。最後の試合が始まるタイミングで新が到着していなければ……残念だが、失格になる」
怜「……分かりました」
玲二が出ていったのを見届けると、再び新へ電話をかける。だが、いくら待っても繋がらない。
怜「新、急げ」
親友とその妹の身を案じる怜は、ただ祈る事しか出来なかった。
話は新達がマーリンと出会った時間まで遡る。
新とソフィアはマーリンに連れられて塔への小道を歩んでいた。メリュジーヌは「呼んだらすぐ行くよ」と言って待機することにした。
新「あの、マーリンさん」
マーリン「ハハハ、私をさん付けで呼ぶ人はいないよ。気軽にマーリンと呼んでくれ」
新「じゃあ、マーリン。アンタは、『アーサー王伝説』に出てくるマーリンなのか?」
マーリン「……正解でもあり、不正解でもある」
矛盾する返答に困惑する2人。
マーリン「そもそも
ソフィア「何故そう言い切れるんですか?」
マーリン「その老人を送り込んだのが、何を隠そうこの私だからだ」
意味が分からず、キョトンとしてしまう。
マーリン「いや~、あの時は色々あって私自身が表に出ることが出来なかったからね。代わりに私の分身としてあの老人を作ったんだ」
新「ちょっと待ってくれ。アーサー王伝説は中世の頃の話だろ?だとしたら、アンタは2000歳近くってことになるじゃないか!」
マーリン「そうだよ」
新の指摘にあっけらかんとした返答をするマーリン。
マーリン「私は生まれながらにして、不老不死なんだ」
ソフィア「不老、不死…」
マーリン「うん。これには私の
ソフィアの近くにいる不老不死の種族といえば、それは神羅族以外に他ならない。
マーリン「まぁ、私の話は置いておこう。他に聞きたい事はあるかな?」
新「じゃあ……アンタはさっき俺達が来るのをずっと待ってたって言った。どういうことなんだ?」
マーリン「うむ。それは私のこの眼のお陰だ」
ソフィア「眼?魔眼ってやつですか?」
マーリン「ちょっと違う。私の眼は『千里眼』なんだ。何処に行かずともその時代の万象全てを把握し、その顛末を読み取れるのさ。それだけでなく、平行世界の現在をも見通す事が出来るんだ」
サラッと開示されたぶっ飛んだ能力に新もソフィアも開いた口が塞がらなかった。
マーリン「ここは良い所なんだが、永いこと幽閉されてるとどうしても退屈してしまうからね。こうして千里眼で人々の営みを視るんだ。君達がここへ来ることも、そうやって知ったんだよ。そして、ここへ来た理由もね」
新「それじゃあ、優を助けてくれるのか?」
マーリン「……助けることは出来る。だが、一筋縄ではいかない。新君、君の協力が必要だ」
白亜の塔へ到着した一行は、塔の最上部の物見台へと昇る。そこからは見渡す限り美しい花が咲き乱れる庭園が広がっていた。まるで夢のようで、新もソフィアも目の前に広がる色彩に目を奪われずにはいられなかった。
マーリン「美しいだろう?
新「何者って……俺は、飛鳥新で」
マーリン「そうじゃない。もっと詳しく言うと、君の
新「……シン・アスカ。俺は、シンの生まれ変わり」
ソフィア「新くんが、シン・アスカの?」
マーリン「そう。彼だけじゃない。来栖怜はレイ・ザ・バレル。鐘木美明はミーア・キャンベル、鷹月真理愛はルナマリア・ホーク、響大和はキラ・ヤマト、明日香蘭はアスラン・ザラ…といった様に君達の世界には、ガンダム作品の世界から生まれ変わった人物が沢山いる。便宜上、とある少年の言葉を借りて彼らを『リ・イマジネーションズ』と呼ぶとしよう。さて、本題はここからだ。君の妹は誰のリ・イマジネーションか分かるかな?」
新「マユ、マユ・アスカ」
マーリン「その通り。順を追って説明しよう。つい最近、とある場所で『神の青年』と『呪われた天使』との争いが起こった。そこで青年はさらに上位の存在へと進化を果たしたんだが、この時彼が放った波動が、君達リ・イマジネーションズに眠る魂を呼び覚ました。これによって、君の様に多くのリ・イマジネーションズが覚醒を果たした」
新は全国大会の直後に起きたハッキング事件を思い出した。あの時のブラックナイツとの戦いで、新は自分がシン・アスカの生まれ変わりである事を自覚し、覚醒を果たした。同じように優もマユ・アスカの生まれ変わりという事を自覚して、覚醒したに違いない。
マーリン「だが、彼女に厄介なことが起きた」
ソフィア「厄介なこと?」
マーリン「フラッシュバックだよ」
フラッシュバックとは、PTSDの1つで強いトラウマ体験を受けた場合に、その記憶が突然かつ鮮明に思い出されたり、夢に見たりする現象のことだ。
マーリン「優ちゃんの場合、魂にいるマユ・アスカの最期の記憶、それが夢として現れた。そう。『自分と両親が死ぬ』夢としてね」
SEED Destinyにおけるマユはオーブのオノゴロ島で両親共々爆発に巻き込まれて死亡している。生き残ったのは、彼女が落とした携帯を拾いに行ったシンだけだ。
ソフィア「待ってください。それなら、なんで『自分以外の家族が死ぬ』夢も見るんですか?それはマユちゃんの記憶ではないはずです」
マーリン「そう。今回の厄介な点はそこだ。フラッシュバックと言っても所詮は自分の記憶ではない。ただの悪夢として目が覚めれば忘れてしまう。現に他のリ・イマジネーションズには何の影響もない。だが、優ちゃんは、やってはならない事をした」
新「やってはならない事?」
マーリン「彼女はマユの夢を否定し、自分の都合の良いように書き換えたんだよ」
新「そんな事出来るのか?」
マーリン「明晰夢というものがある。夢であると自覚しながら見ている夢のことだ。自分が夢を見ていると分かった彼女は、『こんなのは嫌だ』と、自分で携帯を拾いに行く夢にしたんだ。その結果、マユは生き残った。代償として両親と兄は死んだけどね」
ソフィア「そんな…」
マーリン「問題はここからだ。マユも優ちゃんも同じ存在だ。優ちゃんの行いは、自分自身を否定することに等しい。放っておけば
新「そんなに酷い状態だったなんて…。俺、全然知らなかった」
マーリン「自分を責めてはいけないよ。さて、解決法はいくつかあるが、一番簡単なのは『どちらかを消すこと』だ。仮にマユを消した場合、悪夢は見なくなる。だが、同一の存在を消すのだから、自我崩壊は避けられない。逆に優ちゃんの意識を消した場合、当然ながらマユ自身が表面化することはない。優ちゃんはマユ・アスカの意識を宿した只の器と化すだろう」
新「そんなのどっちもダメに決まってるだろ!」
優を助けに来たのに、今より悪い状態になるなんて言語道断だ。
新「それに、魂とはいえ、マユは俺の、シンの妹なんだ。消すなんてことは出来ない!」
マーリン「うむ。私としてもこの方法は論外だ。そこで次の解決法は『彼女の夢に入り、悪夢その物を破壊する』だ」
ソフィア「そんなことして大丈夫なんですか?そもそも出来るんですか?」
マーリン「夢というものは見る人の記憶から抽出された物語の繋ぎ合わせだ。彼女の記憶に存在しない私は無理だが、新君とフェイトデスティニーなら出来る。君達を一番近くで見てきた優ちゃんの記憶に色濃く残っているからね。そして、夢その物を壊す以外にこの負のスパイラルを止める方法はない」
新「……それしかないなら、やるよ」
マーリン「よし。では、善は急げだ。そこの寝台に横なって」
いつの間にか新の背後に1人用のベッドが置かれている。
マーリン「両手を組んで、目を閉じて。彼女の夢までは私が案内しよう。でも、気を付けて。夢の中では自分というモノが曖昧になる。ドラマの様に自分が自分を見る夢を見たことがあるだろう?夢の中では自分をしっかり持つんだ。他人の夢に入り込むのは、危険だから特にね。さぁ、行こう。力を抜いて、私に身を委ねて」
新の意識が徐々に遠のいていく。視界がぼやけ、自分の手を握るソフィアの手の感覚も薄れていく。
そして、新の意識は落ちていく。
落ちていく…
落ちて……
落ち………
…………………
………………………
「走って!!」
誰かの悲鳴にも似た叫びに、言われた通り足を動かす。
遠くで爆発が聞こえる。
どうしてこうなった?
なんで走ってるんだ?
「あぁ!マユの携帯!」
「そんなのいいから!」
「イヤ!」
咄嗟に身体が動く。
斜面を滑り降りてピンクの携帯を拾い上げる。
次の瞬間世界が回る。
「」
声にならない声が口から洩れる。
目の前に広がるのは、かつて
「あ、ああ……」
これは夢だ。現実じゃない。
これは夢だ。ありえない。
これは夢だ。戻らなきゃ。
新「ッハァ!?」
気が付くと、新はいつの間にかガンプラウォーズの筐体の中にいた。すぐ傍にはマーリンがいる。
マーリン「やぁ、おかえり」
新「マーリン…、俺は…?」
マーリン「夢に呑まれかけていたんだよ。危うい所で引き戻せて良かった。それより……」
マーリンの視線の先には、海を覆いつくす艦隊とストライクダガー。後ろには祖国を守ろうと集結する戦車やM1アストレイの大軍。
マーリン「夢を破壊する方法は簡単だ。ただ暴れまくればいい。だが、一筋縄ではいかないよ。人の中、誰もが持ってる本能的な防衛機構が君を排除しにかかるだろう。掻い摘んで言うと、
新「要は全部倒せばいいわけだろ?やってやるぜ!」
フェイトデスティニーは翼を広げ、聖剣を手に大軍の中に突っ込んでいった。
寝台に横たわり、寝息を立てる新の傍に寄り添うソフィア。時刻は既にGWDWC本戦開始時刻。彼は未だに目を覚まさない。
ソフィア「新君……無事に帰ってきて」
どれくらい戦い続けたのだろう。M1にダガー、何故かいるムラサメにウィンダム、フリーダム、ジャスティス、ストライク、カラミティ、レイダー、フォビドゥン、向かってくる機体を片っ端から叩き切っているが、終わる気配は一向にない。夢の中だからか疲労感はないが、これではキリがない。
新「マーリン、あとどのくらいだ?」
マーリン「……」
新「マーリン?」
マーリンは無表情で戦いを見つめるだけで何も言わない。ここまで協力してくれたマーリンの態度が変わったことに不信感を持つ。
新「なぁ、アンタ、何か隠してないか?」
マーリン「……新君、やはり夢を破壊するのは最善ではなかったようだ」
新「ハァ!?どういうことだよ!?」
マーリン「新君、そもそも何故優ちゃんは夢を書き換えたと思う?」
新「自分が死にたくなかったからだろ?」
マーリン「いいや。
「こんなのは嫌だ」……自分が死ぬのが嫌じゃない?いや、そもそもこの夢はマユのもので優のじゃない。死ぬのは優じゃない。じゃあ何が嫌なんだ?……ちょっと待て、さっきマユの夢に呑まれかけた時、俺は家族の死体を見て絶叫しかけた。もしこれを優が見ていたとしたら…。
新「
マーリン「ご名答!優ちゃんは、自分の為でもマユの為でもない。
新「なんで言わなかったんだよ!?」
マーリン「現実世界の段階では確証が持てなかった。それに、これが最善のルートなんだ。私が望むハッピーエンドに辿り着くためには、こうするのが1番なのさ」
新「ふざけてる…。で、俺はどうすればいい?」
マーリン「後は簡単だ。彼らを死に至らしめる力に抗えばいい」
死に至らしめる力、原典ではカラミティか、フリーダムか、別の機体か分からないが、どこからか放たれたビームでシンの家族は死亡している。何をすべきか分かった新は、フェイトをオーブに向ける。それを阻止しようと、無数のMSが行く手を阻む。
新「どけぇぇぇぇぇぇッ!!俺はお兄ちゃんだぞぉぉぉぉぉッ!!」
聖剣を振るって邪魔なMSを蹴散らす。
死の攻撃がアスカ一家に迫る前にフェイトがその間に滑り込む。
マーリン「そうだ、それでいい。受け取りたまえ、ボクからのプレゼントだ」
マーリンが自身の胸から持ち手が
フェイトデスティニーの手の中に光り輝く14本目の聖剣が納まる。
マーリン「さぁ、その名を叫ぶんだ。
フェイトデスティニーは聖剣を構え、大きく振り上げる。
新「
振り下ろされた聖剣から放たれた光の奔流が死の攻撃とぶつかり合う。そして、全てが真っ白な光に包まれた。
何もない真っ白な空間。彼が振り返ると、赤い瞳の少女が立っている。
そして、世界は再び光に包まれた。
ホテル『ユニバーサル・センチュリー』 優の部屋
優が目を開くと、リオナ、ぽぷら、美明、真理愛が自分を見ている。
優「お姉ちゃん…?」
リオナ「優ちゃん?」
優「……おはよう」
優はニコッと笑ってみせる。その表情で、優はもう悪夢に苦しむことはないことを全員が察した。
ぽぷら「っ!うん!おはよう!」
リオナ「おはよう、優ちゃん!」
ぽぷらとリオナは優しく優を抱きしめる。
美明「新、やったのね」
真理愛「良かった、本当に良かった!」
真理愛と美明は、新が優を救ったと感じ、この場にいない彼に想いを馳せた。
新「……っ!」
ソフィア「新くん!」
新「夢……マーリン!」
マーリン「ここにいるよ。いや~、よく頑張ったね、新君」
新「アンタ、全部分かってて黙ってたな!」
マーリン「夢の中でも言ったけど、私はハッピーエンドが好きなんだ。君達兄妹の行く末が幸せである為に最善のルートを取ったに過ぎないよ」
新「アンタがどういう奴かよ~く分かったよ。それより、優はもう大丈夫なんだな?」
マーリン「うん。千里眼で優ちゃんを見てみたところ、すっかり元気になったようだ」
新「良かった~!よし!すぐホロライトシティに戻ろう!」
ソフィア「新くん、これ……」
新にスマホの画面を見せる。そこで新は、日付がGWDWC本戦の日であること、時間的にまもなく第四試合が始まることに気が付いた。
新「そ、そんなに経ってたのかよ…。これじゃあ、間に合わない」
出発前に怜が玲二に頼んで、第三試合をずらしてもらうとは言っていたが、この時間ではもうそういう話ではない。新は、力なくベッドに腰かけて項垂れた。
マーリン「新君、諦めてはいけないよ。君はここに来るまで、常に最良の選択をしてきた。そして、それに見合うものを手に入れているはずだよ」
新「マーリン?」
マーリン「さぁ、呼ぶんだ。彼女の名を」
その瞬間、新の頭の中に1人の少女の名前が浮かんだ。
新「メリュウウウウウウ!!!」
ズドオオオオオオオオン!!!
直後、塔の外に何かが墜落する音がした。3人が外に出ると、そこにいるのはメリュジーヌが姿を変えた黒鋼の竜。
メリュジーヌ《お待たせ、新!さぁ乗って!》
新「あぁ!マーリン、ありがとう!本当にありがとう!」
マーリン「礼には及ばないさ。そうだ。代わりと言っては何だが、佐々木玲二に渡したい物があるから気が向いたら会いに来るよう伝えてくれ。彼くらいの人物なら、モルガンも変な要求を吹っ掛けたりしないだろう」
新「分かった!伝えておく!行こう、ソフィア!」
ソフィア「うん!」
マーリンへの別れを済ませると、2人はメリュジーヌの背に飛び乗る。
メリュジーヌ《最速で行く!しっかり掴まって!》
ソフィアは新を抱きしめるように手を回し、新はメリュジーヌの外皮をしっかりと掴む。
ドン!!!
音を置き去りにして、メリュジーヌは飛び上がる。マーリンが、白亜の塔が、
分厚い雲の層を通り抜けると、下は海。そして、見慣れた島国。
新「メリュ!場所分かるか?」
メリュジーヌ《任せて。実はたまにホロライトシティの近くを飛ぶんだ。あの島でしょう?》
新「そうだ!時間がない!会場に直接降りてくれ!」
メリュジーヌ《分かった》
自由落下と羽ばたきで竜はさらに加速する。黄金色の眼光で見据えるのは、新を送り届けるべき場所。
同時刻 ホロライトシティGWDWC会場
第四試合の開始時刻となった。玲二は怜を見るが、ただ首を横に振るだけだ。
玲二「そうか…。已むを得んな」
マイクを手にすると、ステージの上に立つ。
玲二「え~、皆さん、運営責任者の佐々木玲二です。第四試合開始時刻となりましたが、カミキ・セカイの対戦相手である飛鳥新が到着しておりません」
会場にどよめきが走る。玲二は通用口をチラッと見るが、開きそうな気配はない。
玲二「え~、サポーターの来栖怜及び他のスタッフとも協議を重ねた結果……誠に遺憾ではありますが……現時刻を持って、飛鳥新選手を……失か―ズドオオオオオオオオン!!!―なんだぁ!?」
玲二が新の失格を宣言しようとした瞬間、ドームの天井をぶち破ってステージ前に何かが落ちて来た。
「グルルルルルゥゥゥ………ッ!」
玲二「なっ!?ドラゴン!?」
セカイ「スッゲー!見ろユウマ!本物のドラゴンだぜ!」
ユウマ「話には聞いていたが、本当にいたのか…」
怜「悠長な事言って場合じゃない!すぐに避難を!」
玲二(何故急にドラゴンが?野生のドラゴンなんてこの島にはいないはず)
アキ「玲二君下がって!」
ぼたん「ここはあたし等が」
ココ「おうおうおう!!うちの島に乗り込んでくるたぁ良い度胸してんじゃ「待って!ストップストップ!」ん?」
ドラゴンの背中ら少年が降りてきて、竜を守るように両手を広げる。
新「メリュは敵じゃない!彼女を傷つけないで!」
玲二「……新?」
新「遅れてごめんなさい!!飛鳥新!只今到着しましたアアアアアッ!!!」
突然のドラゴンにパニックになりかけた観客達だったが、新が到着したと知って大歓声を上げた。
ぼたん「おいおい、登場が派手すぎんだろ」
アキ「天井壊しちゃったし」
新「ホントごめんなさい!一生かかっても弁償します!」
玲二「弁償は一旦置いておくとして、新、遅刻だぞ」
新「もしかして、間に合いませんでした?」
玲二「……俺は、まだ『失か』としか言ってない。つまり、お前はまだ選手のままだ」
新「ありがとうございます!」
怜「新、遅いぞ!」
新「怜!優は?」
怜「さっき連絡があった。いい笑顔で目を覚ましたそうだ」
新「良かった~!」
ソフィア「新くん!」
新は、竜の背中から飛び降りたソフィアを抱き留めると、少しだけ見つめ合う。
新「行ってくる」
ソフィア「うん」
竜もメタリックブルーの鎧を纏った少女―メリュジーヌへと姿を変える。
新「メリュ、此処までありがとう!」
メリュジーヌ「どういたしまして。さぁ、ここからはあなたのステージだよ。大丈夫。あなたは私に、最強の騎士に勝ったんだ。絶対に誰にも負けない。私が保証する」
そう言って、メリュジーヌは新の手の甲にキスをした。
「あの子誰だ?」
「どっかの国の騎士か?」
大半の観客はメリュジーヌを見て不思議そうな顔だが
「おい!あの御方は!」
「間違いない!ランスロット様だ!」
妖精族の観客は流石に知っているらしく。別の意味で歓声を上げている。
エリー「あばばばばばば!?!?!?よよよ妖精騎士ランスロットしゃまああああああ!?!?!?」
神羅城で観戦していたエリー・コニファーに至っては、ファンだったらしくひっくり返ってしまったので、娘のメアリーに介抱されていた。
新はステージに上がり、セカイと対峙する。
セカイ「必ず来るって信じてたぜ!」
新「ありがとう!いい勝負にしようぜ!」
セカイ「おう!」
GWDWC本戦第四試合の火蓋が切って落とされた
―GAME START―
第四試合終了後
セカイに勝利した新は、怜とともに控室に向かっていた。すると、通路の向こう側から走ってくる一団がいる。
優「お兄ちゃん!」
新「優!」
飛び込んできた優を優しく抱き留める。
新「もう大丈夫なんだな?」
優「うん!ありがとう、お兄ちゃん。大好き!」
新「俺もだ」
怜、真理愛、新の彼女達も嬉しそうに兄妹を見守る。
そこへ、ソフィアがやってきた。
ソフィア「新くん」
新「分かってる。皆、言わなきゃいけないことがあるんだ」
ぽぷら「『ソフィアさんを新しい彼女にしても良いか?』でしょ?」
新「え?な、なんで分かって?」
美明「そりゃあ、あんな風に抱き合ってたらね?」
ゆうひ「妖精国で何かあったんだな~って思うよね」
リオナ「なんなら、出発前の時点でそんな気はしてたし、妖精国で1人か2人くらいは連れてくるかもって、皆で話してたんだ」
新「えぇ!?」
ぽぷら「誤解しないで?新君が節操なしって言ってるわけじゃないよ?妖精国にも、新君の一生懸命さに惹かれる子がいるだろうなって思ったの」
美明「だから、皆で決めたのよ。新がどんな子を連れてきても受け入れようって」
テラ「アラタが好きなら、テラたちのともだち。だからソフィアもともだち」
ソフィア「ほ、本当に良いんですか?」
ゆうひ「皆が良いって言ってるんだから大丈夫だよ」
ソフィア「あ、ありがとうございます!」
優「やったー!お姉ちゃんが増えた!」
内心冷や汗ダラダラだった新だが、何事もなく収まってホッとする。
メリュジーヌ「新」
新「メリュ!」
メリュジーヌ「見事なバトルだったね。異世界のバトラー相手にも怯むことなく向かっていくその姿、やはり私の見込んだ通りだ」
新「ありがとう。最強の妖精騎士にそう言って貰えて光栄だ」
メリュジーヌ「他人行儀は止して。私たちはもう
『……ん?』
聞き捨てならない言葉が聞こえた気がして、全員が首をかしげる。
新「なぁ、今、
メリュジーヌ「言ったけど?あぁ、そうか。陛下に邪魔されたからまだ途中だったね。では改めて、飛鳥新、私メリュジーヌは、あなたに
『ええええええええええええッ!?!?!?』
~幕章「GWDWC準決勝 そらvs新」に続く~
ご都合主義全開のむちゃくちゃな理屈はいつもの事なので、ツッコミは野暮ってことでここは一つ。これでもない頭をフル回転させて考えた結果なので、おかしい所があっても生暖かい目で読んでください。と、あからさまな予防線を張っておく。
本当なら新vsセカイもやりたかったが、そんな余力なかった…。ごめん。
本編最後に書いたように、準決勝のそらvs新戦は幕章で行います。しばらくはそっち優先となるので、本編の更新はしばらくお待ちください。
NEXT CHAPTER
ALVISを現状における最大の脅威と認識した玲二は
佐々木ファミリー、神代家、ガンダリウム、G.C.P.D.による連合チームを結成
ALVISを一網打尽にする作戦を立案する
一方ALVISは神羅ガンプラを手に入れるべく、神との接触を図っていた
次回『CHAPTER18 ALVIS撃滅作戦』
「総力を以って、ALVISを撃滅せよ!!」