【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ   作:波音四季

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レイラの過去話だけでこんなに使うとは…。いや、これでも大分削った方なんだけどね?

2章に比べたらかなり早いけど、そろそろ3章も締めに入ろうと思います。その後は色々考えてるけど、とりあえず未来からリ・イマジチルドレンがやってくる的な話でもしようかな~と考えてる。


CHAPTER23 レイジの戦い

レイラ「西見キョウヤ、前世における俺の親友で最高のパートナーだった男だ。とある企業の一人息子で、頭も良くて、顔も良くて、性格も良くて皆から好かれていた。俺とキョウヤが出会ったのは……確か小学生の頃だったかな?アイツが買おうとしてたガンプラを俺が横取りしようとしてたんだ。それから同じ学年だって知って、一緒にガンプラ作って、バトルもして、なんだかんだで仲良くなっていったんだ」

 

ハヤト「社長令息で、イケメンで、頭脳明晰」

 

晴「人生勝ち組じゃんか」

 

レイラ「だな。あらゆる面において、アイツは俺に勝っていた。そんなアイツでも、唯一ガンプラバトルだけは、俺に勝つことが出来なかった。それでもアイツは決して腐ったりすることはなかった。いつだって俺の近くで俺の力になってくれた。……だからかな、アイツは俺の復讐に気付いていたんだと思う」

 

千速「気付いてた?ならなんで止めなかったの?」

 

レイラ「さぁ、そこまでは分からない。『レイジは復讐に囚われない』って信頼されてたか、あるいは『仕方がない』と諦められていたか。結局最期まで分からなかったな。いずれにせよ、俺がカイトを倒せたのはアイツのサポートがあったからだ。2回目の選抜戦でもキョウヤは俺のサポーターを務めてくれた。対戦相手の妨害で誘拐された時も、毒を盛られた時も助けてくれたのはいつだってキョウヤだった。あの頃はとても楽しかった。どうやったら勝てるか、どんなカスタムが良いかを夜通し一緒に考えて、2度目の世界大会で優勝した時は抱き合って喜んだっけなぁ…」

 

どこか遠い目をして虚空を見つめるレイラ。ふと何かを思い出したのか、唐突に噴き出して笑い出した。

 

アルス「ど、どうしたの!?」

 

レイラ「いやぁ、世界大会で優勝した年のコミケでな、俺とキョウヤの同人誌が出てよ。それが爆売れしたってニュースを思い出して、笑っちまって」

 

美兎「なぬ!?その話詳しく!」

 

楓「詳しくせんでええわ!」

 

レイラ「詳しくも何も、俺は読んでないからよく分からん。だが、まぁ、楽しい事ばかりじゃない。同じ年、じーちゃんが亡くなった。90歳を超えてたっけな?大往生だったよ。でも……辛かった。あれは、本当に辛かった」

 

築「あぁ、分かるよ。誰だって親しい人が亡くなれば辛いよな」

 

ドーラ「お爺さんにお悔やみを」

 

レイラ「どうもありがとう。だが辛いなんて言ってられなかった。世界チャンピオンになった俺を世界中が狙ってきた。あらゆる手段で俺から王座を奪い取ろうとする連中と戦って、戦って、戦って、積もり積もった功績が認められてガンプラ連盟にも就職した。キョウヤは両親の会社を引き継ぐために勉強しながら、俺との交流も欠かさないでくれた」

 

葛葉「嫉妬する側から嫉妬される側になったわけか」

 

レイラ「だな。大変な日常だったけど、充実してた。それに千香もいたしな」

 

おかゆ「前世の奥さんだね。いつ頃結婚したの?」

 

レイラ「じーちゃんの喪が明けてちょっとしてからだな。あ、プロポーズの話はなしな」

 

りりむ「え~いいじゃん聞かせてよ~」

 

レイラ「恥ずかしいし、人に話す事じゃない。どうしても知りたければ、千香に聞くんだな」

 

枢「お子さんは?何人いたの?」

 

その質問をされた途端、レイラの顔からスッと表情が消え失せた。その場にいた全員が「地雷を踏んだ」と確信していた。

 

枢「あ…ごめん」

 

レイラ「いいよ。結論から言うと、子供はいない。俺の病気でな。世界でも数例しか確認されてない無精子症、治療法も薬もない。千香以外との性交渉はなかったから、恐らく先天的あるいは遺伝子的な問題だったんだろう。まぁ、今となってはどうでもいい事だが」

 

気まずい沈黙が流れる。

 

レイラ「千香は子供なんていなくてもいいと言ってたが、本当は欲しかったんだと思う。よその子供を見る彼女の目が忘れない。俺自身、子供が欲しかったのかと聞かれれば微妙なところだが、時々考えるんだ。もし息子か娘がいれば、一緒にガンプラ作って、バトルしてもっと楽しくなってたんじゃないかって」

 

チグサ「よその家族が妬ましかった?」

 

レイラ「そう思う事もあった。子供という自分が生きた証を遺せない自分を憎んだ。でもそれじゃダメだと分かっていた。だから俺はガンプラ教室を開いた。せめて技術だけでも後世に残そうってね……っと、話が逸れたな。まぁそんなこんなで、特に大きな事件も起きることなく平穏に暮らしていた。こんな暮らしがずっと続くと思ってたんだが…」

 

ゐぶき「何があったの?」

 

レイラ「……ある日、キョウヤのご両親が亡くなった。彼らは紛争地帯を回って難民の支援を行う団体に入っていたんだ。とある難民キャンプにいた時、非戦闘地帯であったにもかかわらず、そこで戦闘が起こった。飛んできた砲弾の爆発に巻き込まれて…というのがキョウヤから聞いた話だ」

 

ソフィア「そんなことが…」

 

レイラ「酷いのはここからだ。『そんな所にいた2人が悪い』『息子より他人を優先したバカ親』『遺産はキョウヤの総取り』親戚連中はキョウヤのいない所で言いたい放題。そんなことしていれば、嫌でもキョウヤの耳に入る。葬儀の時点でキョウヤはかなり憔悴していた」

 

サロメ「ご両親を亡くした方になんてこと」

 

リオン「反吐が出るわね」

 

レイラ「俺も千香も友人としてアイツを支えなければと思った。だが、アイツは…」

 

 

キョウヤ『2人とも忙しいだろ?僕ばかりにかまけてないで。大丈夫、大丈夫だから』

 

 

レイラ「俺はその言葉を信じた。それがいけなかった。アイツの何かを決意した瞳に気付いていたのに、信頼していたから……」

 

美兎「何があったんです?」

 

レイラ「ある日、ガンプラ連盟会長が突然辞任した。理由は大会参加者から金を貰って出場資格を融通していたから。でもそれは捏造だった。キョウヤが会長になる為にね」

 

ハヤト「何故会長に?」

 

レイラ「世界から戦争を無くす為さ」

 

楓「分からへん。なんでキョウヤが会長になると、世界から戦争が無くなるん?」

 

レイラ「キョウヤはGBS―ガンプラバトルシステム、こっち世界でいうガンプラウォーズを紛争を行う国に売り込んで、それを使って仮想空間で戦争させようとしていたんだ」

 

りりむ「?別良いんじゃない?仮想空間なら人も死なないし」

 

レイラ「本当にそう思うか?今まで遊びで使われていたGBSやガンプラが戦争の道具に成り下がるんだぞ?」

 

りりむ「あ……ごめん」

 

レイラ「すまん。厳しい言い方だった。兎に角そんなことを容認できなかった俺は、キョウヤと話をした。だが無駄だった。両親を亡くしたアイツは、戦争そのものを憎んで、戦争を無くす為の手段を選ばなくなっていた」

 

ハヤト「戦争を無くす為にガンプラとガンプラバトルを軍事転用する。そのような事をすれば」

 

築「戦争の道具となったガンプラは敬遠され、ガンプラバトルをする連中は戦争を推進するとして軽蔑の対象となる」

 

レイラ「界隈は間違いなく衰退の一途を辿る事となる。それだけは絶対に避けねばならない。かといって、当時の俺にキョウヤを止めるだけの力はないし、頼みの綱の会長も当てにならない。そこで、俺と千香は信頼できる有志を募ってGBS破壊作戦を立てた。弟分のハヤトに、ガンプラのメンテをしてくれたジョン、GBSへのハッキングをしたのはフラ、さらに会長の妹の聖羅さんの協力で、かつての宿敵カイトも加わってくれた」

 

今までの仲間とかつての敵が一堂に会する熱い展開に全員が前のめりになって耳を傾けている。

 

レイラ「作戦はGBSのメインサーバーにアクセスし、ウイルスプログラムを撃ち込んでGBSその物を破壊する。これならガンプラバトルは出来なくなるが、戦争利用を避けることは出来る」

 

枢「でも、それだと参加した人達は」

 

レイラ「犯罪者として逮捕されるだろう。だから全員俺に脅されていたことにして罪を全部俺1人で被るつもりだったんだ。作戦決行日、俺と千香とハヤトとカイトはGBSにアクセス。それを読んでいたキョウヤは大量の量産機を配置して進路を妨害。俺達は自分が進むことだけを考えて進撃。途中でコロニーレーザーを持ち出してきたり、ビグザムやサイコガンダムなんかも出して来たな。そうして真っ先に中枢部に到着した俺は、キョウヤのと対峙した」

 

 

レイジ『やはりここにいたか。キョウヤ』

 

キョウヤ『…レイジ、今すぐ立ち去れ。そうすれば、罪には問わないでおいてやる』

 

レイジ『ふざけるな!紛争幇助の方がよっぽど重い罪だ!』

 

キョウヤ『何が紛争幇助だ!平和の為の行動だ!それがなぜ分からない!?』

 

レイジ『分かりたくもない!…キョウヤ、親友の最後の頼みだ。紛争国家へのGBS提供を止めろ』

 

キョウヤ『…答えは、NOだ!』

 

レイジ『ならば仕方ない。戦争に使われるくらいなら、俺がGBSを破壊する!』

 

キョウヤ『そうはいかない!世界平和の為に、僕がGBSを守る!』

 

 

レイラ「結果から言うと、俺は勝った。そして、メインサーバーにウイルスを撃ち込もうとした直前、会長が復帰したことでアイツの悪事が明るみになり、GBSを破壊する必要がなくなった」

 

チグサ「それでキョウヤは逮捕されたん?」

 

レイラ「されたよ。そして……裁判所に送られる最中に、事故に合って死んだ」

 

『え…』

 

レイラ「俺が現場に着いた時には、アイツは既に事切れていた。おかしいだろ。確かに俺はアイツに償ってほしいと思ってたけど、罪の対価がデカすぎるだろ…。しかもアイツ、自分がこうなったのは俺のせいだって憎みながら死んで、いや俺のせいではあるんだろうけどさぁ…やり切れねぇよ」

 

りりむ「…重すぎるよ、それ…」

 

湊「なんだろう…レイラは正しいことをしたはずなのに、全然報われてないじゃん…」

 

刀也「正義と正義がぶつかって、その果てにどちらも救われない。そんなのって…」

 

築「レイラ、お前は“勝った”って言ったけど、ほんとに勝ったのか? お前が守ろうとしたものも、壊そうとしたものも、全部消えかけてたんじゃないか?」

 

レイラ「……ああ。俺が勝ったのは、戦いでの話だ。実際は、全然勝ってなんかいなかった。俺も、キョウヤも、自分が正しいと思って突き進んで、周りを巻き込んで、最終的にアイツは死に俺も潰れかけてた。千香が支えてくれなきゃ、今の俺は自分で自分を終わらせていたかもしれない」

 

ハヤト「……それでも、レイラさんが立ち止まらなかったから、今のアナタがある。私はそう思います」

 

レイラ「ありがとう。でもな、キョウヤが俺を憎んで死んでいったことだけは、一生許せない。何より、あいつが“楽しさ”を見失ってしまったことが、悔しくてしょうがない」

 

楓「あんた、どんだけキョウヤのこと好きやねん」

 

レイラ「ははっ…ほんとにな。でもそれくらい、俺にとってアイツは大事な親友だった。もう一度やり直せたらって、今でも心のどっかで思ってるんだ」

 

美兎「その想い、届いてるといいですね」

 

レイラ「届いてねぇよ。あいつの顔、すげぇ怒ってた。あんな顔、アイツが初めて俺を“親友”って言った時とは、まるで別人だった。でも、少なくとも、分かり合うことは出来たと思う」

 

先日の戦いを思い出し、拳を握り締めながら俯くレイラ。

 

レイラ「ガンプラは、間違えちゃいけない。誰かを傷つけるための道具にしちゃいけないんだ。だから、俺はこうして話す。お前らに伝える。過去の過ちが、未来の礎になるように」

 

一同、誰も口を開けない。重く、しかし真っ直ぐな想いが、全員の心に深く突き刺さっていた。

 

りりむ「キョウヤとの事は分かったけどさ、流石にその後はなんにもないよね?普通に暮らせたんだよね?」

 

レイラ「と、思うじゃん?あるんだなぁ、これが。結構ヤバかったのが」

 

ぼたん「この上まだなんかあるんか」

 

レイラ「その話をする前に、俺の前世の世界にはこの世界に無い技術が2つある。1つはワープゲート、所謂ドラ○もんで言うところの“どこで○ドア”みたいなもんだ」

 

アンジュ「非常に分かりやすい説明で助かる」

 

レイラ「もう1つは、リアルソリッドヴィジョン通称RSV。空間に特殊な粒子を散布し、それを特殊な電波で凝固させることで実体のある映像を映し出す技術だ。遊○王をイメージするといい」

 

リゼ「これまた分かりやすい説明ですね」

 

レイラ「俺が前世に生まれた年に太陽系外に生命が存在する惑星が発見された。キョウヤとの件から3年後、人類はこの惑星へ向かう為にワープゲート技術をさらに発展させ、遂に地球と惑星の近くの宇宙を繋ぐことに成功した。因みにここまで33年掛かっている」

 

築「逆にたった30年ちょいでそこまで行けるのは凄いだろ」

 

レイラ「その頃、俺達ガンプラ連盟はRSVをガンプラバトルに応用できないかと考えて実験を行っていた。ガンプラの実体映像化には成功したが、戦闘時に撃たれるビームや実弾まで実体を持ってしまった為に1度戦闘を行うだけで、周囲に甚大な被害を齎してしまう欠点が露呈した」

 

ミオ「なるほどね。ステージの修復とかのコストを考えると、採算が取れないわけだ」

 

レイラ「それだけじゃない。俺と会長を含めた連盟の上層部は、この技術が軍事利用されることを恐れたんだ」

 

連盟上層部は当初、RSVを導入することで「ガンプラバトルを次のステージに移そう」と考えていた。しかし、ビームや実弾までもが実体化するという性質は、純粋な遊びが「制御を失えば現実の破壊に直結する」という危うさを内包している。それはキョウヤの「戦争をガンプラバトルに移す」思想の延長線上にあり、連盟の思惑とは相反する。

 

レイラ「キョウヤの一件以来、『人類は進化するほど、自分の遊び道具を武器に変えてしまう』ということ嫌というほど理解した俺達は、RVS搭載型GBS筐体の量産を白紙に戻し、この技術を闇に葬ったんだ」

 

リオン「でも、それだけで終わらなかった?」

 

レイラ「あぁ。国連にジャミフトという軍事将校がいた。そいつは惑星への先遣隊に志願していたが、弾かれていた。現地の資源の独占を目論んでいたらしい。そこでジャミフトは、私兵と予め先遣隊に潜り込ませていたスパイを使って輸送艦をジャック。さらに、ガンプラ連盟が廃棄する予定だったRVS搭載型GBS筐体の試作型数十台を強引に接収。輸送船に積み込んでワープゲートで惑星に向かってしまったんだ」

 

チグサ「む、無茶苦茶だ…」

 

楓「それ、どっかで止められへんかったの?」

 

レイラ「止められなかったからこうなったんだ。俺なんか銃撃戦に巻き込まれたんだぞ」

 

レイン「じゅ!?た、大変だったんだね…」

 

レイラ「大変なんて言葉じゃ全然足りないよ。事情を知った俺達はすぐに動かなければならなかった。もし連中が惑星に攻撃を仕掛けて、現地の人々が被害を被れば?もし、向こうにこちらへの対抗手段を持ち合わせていたら?もし…ジャックされた先遣隊が負けて、報復行動に出られたら?」

 

レイラの疑問の答えを想像しただけで背筋が凍り、嫌な汗が流れていく。

 

レイラ「あの時の千香とのやり取りは、今でもはっきり思い出せる」

 

 

千香『レイくん!キョウくんの時とは違うのよ!?これは私達がどうこう出来る問題じゃないわ!』

 

レイジ『千香、俺がやらなきゃダメなんだ。俺は今まで沢山の“取り返しがつかない”ことをしてきた。カイトへの復讐も、キョウヤの事も、止めようと思えば止められたはずだった。俺はもう、過ちを繰り返したくない。それに…』

 

千香『それに?』

 

レイジ『ガンプラを殺戮の道具にしたくないんだ』

 

千香『……分かった。でも約束して。必ず帰って来るって』

 

レイジ『あぁ!約束だ!』

 

 

レイラ「俺とカイトとハヤトの3人は、残っていたRVS搭載型GBS筐体を急ピッチで小型のスペースシップに改造してもらい、ワープゲートを使って惑星へ向かった。輸送船が大気圏に入る前に俺達は辛うじて間に合い、RVSで自分のガンプラを実体映像化させた。当然向こうも黙っていない。同じようにガンプラを実体映像化させて襲ってきた。だが、連中は軍人であってガンプラバトラーじゃない。俺達3人にあっという間に制圧され、後続の国連軍がブリッジを制圧してジャミフトは逮捕された」

 

咲「……ねぇ、な~んか嫌な予感するんやけど?」

 

唯華「奇遇やな。アタシもや」

 

レイラ「お察しの通り、ブリッジが制圧されたタイミングでワープゲートが異常を起こした。恐らく、数十光年の距離を想定以上に長い時間繋ぎ過ぎたせいだろう。輸送船を転身させる時間はなく、かといって国連軍のスペースシップに全員を乗せることは出来ない。国連軍はジャミフトだけを乗せて早々に帰還した。あぁそうだ。連中は首謀者だけ逮捕して奴の部下たちを見捨てたんだ」

 

美兎「なんてこと…」

 

リゼ「でも、その時はそうする以外なかったんでしょう?なら、私達に彼らの決断を責める権利はありませんよ」

 

レイラ「そうだ。誰だって、見知らぬ星に取り残されたくはない。それはカイトもハヤトも同じだった」

 

 

カイト『レイジ!輸送船は諦めろ!』

 

レイジ『……』

 

ハヤト『レイ兄さん!千香さんと約束したんでしょ!だったら帰らなきゃ!』

 

レイジ『……』

 

『だ、誰か!助けて!』

 

『嫌だ!こんな所に置き去りにしないでくれ!』

 

『刑務所でも収容所でも行くからよぉ!助けてくれよぉ!』

 

レイジ『くっ!』

 

カイト『レイジ!?νガンダムで船を動かす気か!?』

 

レイジ『こいつ等を見捨てたら、俺は一生後悔する!そんなの嫌だ!』

 

ハヤト『レイ兄さん、なら僕も!』

 

カイト『ダメだハヤト!もう時間がない!悪いが先に戻るぞ!』

 

ハヤト『カイトさん!?でも…!』

 

レイジ『ハヤト!先に行け!必ず戻る!大丈夫だ!νガンダムは、伊達じゃない!』

 

ハヤト『兄さん……ぐ、ごめんなさい!』

 

レイジ『そうだ。それでいい。千香……ごめん』

 

 

レイラ「そしてワープゲートは閉じ、俺達は惑星の衛星軌道上に取り残されてしまったんだ」

 

りりむ「そ、それからどーなったの?」

 

アルス「永遠に帰れなかったってオチじゃないよね?」

 

レイラ「そこは安心してほしい。取り残された俺は輸送船に乗り込んで、同じく見捨てられたジャミフトの部下達と話をした。その結果、惑星に降りる事にしたんだ。勿論危険な賭けではあったが、ワープゲートが再度繋がって救助が来るまでどれくらいかかるか分からなかったし、食料も水も空気だって十分になかったからな」

 

ラプラス「そりゃ飢え死にか、窒息か、大気圏突入かって聞かれれば、誰だって生き残る可能性がある方に行くよな」

 

レイラ「俺達は輸送船のオートパイロットを起動して大気圏へ突入。なんとか成功したが、正規のクルーがいないせいでオートパイロットも途中から正常に作動しなくなって、俺達は地表に不時着。その時の衝撃で意識を失い、目を覚ました時は病院だった」

 

舞元「ということは、現地の人に救助されたわけか」

 

レイラ「そうだ。彼らはの惑星はR78Xと呼ばれており、地球人と外見の違いは全くなく、文明のレベルも前世の地球より少し遅れてるくらいの違いしかなった。おっと、もう1つ、ガンダムという作品が存在しなかったっていう点も違うな。俺達は世界政府のお偉いさん達に事情を説明し、迎えが来るまで保護してもらうことになった。勿論タダでなんて言わない。代わりに大破した輸送船を提供して宇宙開発の技術発展に貢献したし、GBSやガンプラの技術も提供した。すると、今までガンダムのような娯楽がなかったR78Xでは、爆発的に大ヒット。アニメを見たいという声もあったが、そういうのは持ってこなかったし、現地で再現することも出来なかった。すると、地球にあるガンダム作品を拝む為に宇宙開発技術がものすごい勢いで進んでいった。そして、俺達がR78Xに来た8年後、遂に地球とタイムラグなしで通信できるようになった。次の年には再びワープゲートが繋がり、俺達は全員無事に地球に帰還することが出来たんだ」

 

こより「ちょちょちょっと待った!地球で30年以上掛かった技術をたった9年で完成させたの!?」

 

レイラ「元々技術力は高い星だったからな。ただ彼らには目標がなかった。だから積極的に技術を発展させようという気がなかったんだ。俺達が来るまで世界規模の戦争とかもなかったみたいだしな」

 

叶「争いがなかったから発展しなかったか。争いが文明を発展させた地球とは真逆だね」

 

葛葉「皮肉なもんだな」

 

レイラ「正直、これらの技術を提供する時は、ヤバいことになるんじゃないかってヒヤヒヤだった。異文明による文明の汚染は、ある種の侵略行為だからな。だからこそ、俺がこれまでに培ってきた立ち回りを最大限に活かした。できれば同じ事は、もう二度としたくないね」

 

ひまわり「それで、奥さんたちとは再会出来たん?」

 

レイラ「あぁ、新設されていた宇宙港で、カイト、ハヤト、桑戸会長といった昔からの仲間達、そして勿論千香も待っていてくれた」

 

 

千香『レイ…くん』

 

レイジ『言っただろ?必ず帰るって』

 

千香『えぇ…えぇ!おかえりなさい、レイくん!』

 

レイジ『ただいま、千香』

 

 

ひまわり「うお~!ええ話や~!」

 

レイラ「その後は、俺は親善大使に任命された。R78Xで出来たララって友達と一緒に2つの星の架け橋となったんだ。ちょっとした諍いが起きたりもしたけど、平和だったよ」

 

築「そのララって人は、ガンプラバトルは強かったのか?」

 

レイラ「俺が教えたんだから当然さ。因みに彼が使っていた機体がこれだ」

 

手近に置かれたいたガンプラを手に取る。ジークアクスに登場する赤いガンダムを緑色に塗装したガンプラだ。

 

『緑のガンダム』

『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』に登場する『赤いガンダム』を全身グリーンで塗装し、ビットを6基に増設した機体。カラーリングと武装も相まってエルメスを彷彿とさせる仕上がりとなっている。

 

レイラ「俺の前世最後の星間大会。俺の『パーフェクトνガンダム』とララの『緑のガンダム』の戦いは引き分けに終わった。その後、俺は身体を悪くしてずっと寝たきり。最期は千香に看取られながら……ってのが俺の前世の話。ま、年寄りの思い出話が参考になってくれたのなら、話した甲斐があったってことだ」

 

枢「最後に1つだけ聞いていい?奥さん事は、今どう思ってる?」

 

レイラ「勿論俺は今でも、彼女を愛してる。だがそれはそれとして、この世界でも自分の幸せを見つけようと思ってる。約束したからな」

 

―~♪―(着信音: Say!ファンファーレ!)

 

レイラ「失礼、もしもし?……ハァイ!千枝ちゃん♡」

 

『!?』

 

突然の♡付きの声で全員に衝撃が走る。

 

レイラ「忘れてない忘れてない!今行くところだって~♡うん…そうそう!ちょっと宿題が長引いちゃっただけだよ~♡……それは、千枝ちゃんがチャーミングだから♡……うん、じゃあ後で、ホロプラでね?は~い―ピッ―というわけで」

 

一瞬で子供の姿に戻ると、ガンプラの入ったケースをベルトに装着してドアへ向かう。

 

レイラ「僕はこれからデートなので」

 

枢「で、デートって」

 

アルス「いまの、だれ?」

 

レイラ「同級生ですよ。秋音(あきね)千枝っていう可愛い子!それでは皆さん、これにて御免!」

 

ルンルン♪と出ていくレイラを( ゚д゚)という表情で見送るメンバー達。

 

千速「ま、まぁ、小学生なら年相応に好きな子が出来たりもするよね」

 

チグサ「小学生名の見た目だけで、中身は100歳超えてるんじゃけど?」

 

楓「これはロリコンになるんかいな?」

 

美兎「確かにそういう作品はよくあるけど…う~む」

 

咲「剣持的にはどうなん?」

 

刀也「なんで僕に聞くんだよ!?」

 

アルス「僕も魔法で子供になればワンチャンレイラと…」

 

枢「枢もいっそのこと、本当に小学生になっちゃおうかな?」




というわけで、レイラの前世の話でした。もっと細かい話もあるんだけど、いつかオムニバスで出すかも?

○秋音千枝
「チェーン・アギ」のリ・イマジ。ホロライト小学校に通うレイラの同級生。レイラ曰く「かなりチャーミング」とのこと。


NEXT CHAPTER
高校生最後の夏を満喫する新達

海で遊んでいる最中、謎の黒いガンプラが現れる

同じ頃異変を感じた玲二達が現場に向かうと

そこでは新達が味方機に攻撃を仕掛けていた

次回『CHAPTER24 オーバーインパクト』
「そして世界には、裏切りの狂気が蔓延する」
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