【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ   作:波音四季

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今回から新章本格始動…と言っても顔合わせ程度ですが。

本家様、外伝様もドンドン進んでいらっしゃるので、自分もと思った矢先に「Gディフェンサー&フライングアーマー」「水星の魔女拡張キット」が…。投稿後に組みます。


PHASE01 ガンプラ犯罪対策課

ホロライブ事務所 応接室 SIDE佐々木玲二

玲二「ようこそホロライトシティへ。私が市長を務めております、佐々木玲二です」

 

そう言って俺は目の前の2人に名刺を差し出す。太った男の方が恭しく受け取る。赤毛に白いメッシュとアホ毛の女性は緊張しているのか、表情が硬い。

 

兼士「ご丁寧にありがとうございます。私は警視庁ガンプラ犯罪対策課室長の阿部兼士(あべけんじ)と申します」

 

スミレ「わわわわ私は、お、お、同じく、ガンプラ犯罪対策課のさ、狭間(さま)スミレです!手帳手帳あわわわ!」

 

阿部兼士という名の太った男性が警察手帳を見せると、それに倣って狭間スミレという女性刑事が手帳を出そうとして取り落とす。チラっと階級を見ると阿部さんは警視、狭間さんは巡査のようだ。

 

玲二「落ち着いて、ゆっくりで大丈夫ですよ」

 

スミレ「すみません!すみません!」

 

兼士「申し訳ありません、佐々木市長。まだ日が浅いもので」

 

玲二「分かります。私にも同じような時期がありましたから。どうぞ、座ってください」

 

各々ソファーに腰かけると、タイミングよく春先がお茶を運んできてくれた。しかし、この2人、見れば見るほど阿部警視の方は『ガンダム水星の魔女』に登場した『ケナンジ・アベリー』そっくりだ。狭間巡査の方は『スレッタ・マーキュリー』の様に見えるが、どことなく『ミオリネ・レンブラン』の面影もある。2人が一息入れたのを見計らって、俺は話を始めた。

 

玲二「早速ですが、ガンプラ犯罪対策課とは何なのでしょう?藤枝コーポレーションからそういう部署が出来るというのは聞いていましたが」

 

兼士「ご存じなくても無理はありません。うちの課についてはまだ公にはなっていませんからね。昨今のガンプラによる需要の高まりから、転売に関する法令が敷かれたのはご存じかと思います」

 

玲二「『高額転売禁止法』の事ですね」

 

兼士「はい。これにより、俗に言う『転売ヤー』はほぼ駆逐されました。しかし、ガンプラウォーズが普及すると、今度はマナーの悪いバトラーが現れだしました。これだけなら、通常の警察を呼べば事足りますが、ゲームの中となるとそうはいきません。店を出禁にするにしても、オンラインで出会った相手だとそうはいかない。ガンプラウォーズはアーケードゲーム故に通報も難しい」

 

兼士さんのいう事は理解できた。単にマナーが悪いだけなら店を出禁にすればいいが、オンライン上でのみとなると店を出禁にしても別の場所で同じことをするだけだ。通報に関しても、当初はガンプラウォーズに通報システムを組み込む予定だった。しかし、地上界だけでなく天界、魔界にも普及させるとなると筐体の数は膨大だ。そこから送られてくる大量の通報を捌くだけでなく、それが正しい通報なのかを判断する必要がある。それだけの為に割ける人員はいないし、かといってAIを使おうとすれば、それなりに高性能かつ維持費も掛かる。藤枝コーポレーションの方でも通報システムは断念するほかなかった。

 

兼士「そこで、政府からの要請を受けた警視庁は、警察官の中でも優秀なガンプラバトラーやビルダーを集め、ガンプラ犯罪に対応するための専門チームを設立しました。それが我々『Gunpla Crime Prevention Division(ガンプラ犯罪対策課)』通称『GCPD』なのです」

 

玲二「なるほど、ということはお二人もバトラーなんですか?」

 

兼士「如何にも。こんな成りをしていますが、これでもダイヤ3のランクを持っています」

 

スミレ「室長は凄いんですよ!私たちの憧れです!あ、ちなみに私はプラチナ3です!」

 

ガンプラ犯罪の為のチームというだけあって、実力は申し分ないようだ。

 

玲二「ガンプラ犯罪対策課については理解できました。それで、そんな方達がなぜこの街に?」

 

兼士「実は、佐々木市長に見ていただきたい物があるんです」

 

阿部警視はアタッシュケースタイプのガンプラケースを開けた。中に入っていたのは1体のザク。しかし、お世辞にもよく出来ているとは言えない代物だ。

 

兼士「このザクは、去年の6月都内のとある組の事務所から見つかった物です。今は1体だけですが、これと同じ物が大量にありました」

 

玲二「すべてこんな感じの出来なんですか?」

 

兼士「はい。警視庁の捜査一課が踏み込んだ際に見つけたそうなのですが、どれもこれくらいの出来だったそうです。それと、見つかったのはこれだけではありません。スミレ」

 

スミレ「はい!こちらを」

 

スミレ巡査が懐から取り出したのはマイクロチップが入った袋だった。

 

兼士「同じ事務所からこのマイクロチップも発見されました。鑑識が調べたところコンピューターへハッキングをするためのシステムが組み込まれていました」

 

俺は平静を装っていたが、内心では悪寒を抑えるのに必死だった。これはどう考えても、以前只野、大友、ゴーマンの悪党3人組が行おうとしていた事と全く同じだったからだ。*1世界を書き換え、あの3人組の存在を消した際に連中が売りさばいていた違法ガンプラも全て消滅したはずだ。それがまた蘇ったとでもいうのか?

 

兼士「この半年で捜査一課がガサ入れした事務所は4つ、うち3つから同じチップとガンプラが見つかっています。ガンプラの出来は同じですが、種類が違っていてウィンダムとデスアーミーでした。我々はこれらの証拠からガンプラウォーズメインサーバーへの大規模なDDOS攻撃が行われるのではないかと考えました」

 

玲二「……」

 

兼士「しかし、ここで疑問が生じました。筐体が読み込めるガンプラは1体のみ、一体どこで大量のガンプラをスキャンするのか?」

 

玲二「販売しようとしていたのでは?」

 

兼士「その線も調査しましたが、そのようなルートは確認されませんでした。組の連中は末端ばかりで詳しい情報は引き出せていません。ただ皆一様に同じことを言っています。『上からの命令で送られてきたガンプラを組めと言われた。チップは使うから絶対に失くすな』と」

 

玲二(あの3人みたいに販売してハッキングするのが目的じゃないなら、どうやって?)

 

兼士「我々はガンプラ流通の流れから上部組織を特定しようと試みましたが、問題が起きました。『クラッシャー』です」

 

玲二「『クラッシャー』が?」

 

スミレ「佐々木市長、一部のプレイヤーにはファンがついています。特にガンダリウムランカーとなるとかなり顕著です」

 

玲二「えぇ、そういう話は聞いた事があります」

 

スミレ「実は、3人目のガンダリウムランカー『デッドブレイカー』のファンの間で抗争が起きているんです」

 

玲二「何だって!?」

 

兼士「抗争といっても、ヤクザがするようなものではありません。『デッドブレイカー』と『クラッシャー』を同一視し、それに倣って自分たちもガンプラバトルで好き放題する連中と、2人を別人として同一視派を潰そうとしている連中との諍いです。しかし、これによって無関係なバトラーが巻き込まれてしまう事件があちこちで起こっているのです」

 

知らなかった。一部のプレイヤーにファンがついているのはよく聞く話だが、まさかそのファンが暴走し始めているとは。

 

兼士「このせいで我々GCPDも対応に追われており、思うように捜査が進まないのです。このままでは後手に回ってしまいかねないと考えた我々は、関係各所に手を回してホロライトシティにGCPDの捜査官数名を派遣することにしました。ここなら、仮にメインサーバーに異常があったとしてもすぐ対応できるし、事情を知っている者がいれば事件が起きた際に迅速に動くことが出来るでしょう」

 

玲二「それであの派出所ですか」

 

いつの間にか事務所の前に建てられていた派出所を思い出した。

 

スミレ「私が頼んだんです。私たちは余所者ですから、地域の人と仲良くなるには派出所勤務が一番良いって」

 

兼士「彼女はGCPDに来る前は葛飾区の派出所に勤務していましたので、その影響でしょう」

 

なるほどな。余所者だからと言って差別するような奴はこの島にはいないと思うが、狭間巡査の考えは中々立派なものだ。…ん?待てよ。

 

玲二「もしかして、派遣される捜査官って言うのは…」

 

スミレ「はい!警視庁ガンプラ犯罪対策課所属狭間スミレ巡査!今日からこちらでお世話になります!よろしくお願いします!」

 

今日から!?そういえば、警察署から島外から1名やってくるって話があったような?別件でバタバタしていたからしっかり見ていなかった。

 

兼士「ご安心ください。彼女は…少々ドジですが、捜査官としては優秀です。かつて勤務していた派出所の巡査長と共に行動し、署内における検挙率はトップ3に入るほどでした。GCPDがなければ、警部も夢ではないと言われる程の人材です」

 

スミレ「室長~!ドジは余計ですよぉ!」

 

 

 

 

1時間後

玲二「というわけで、今日からうちの事務所前の派出所に勤務することになった狭間スミレ巡査だ」

 

スミレ「警視庁ガンプラ犯罪対策課通称GCPD所属狭間スミレ巡査です!よろしくお願いします!」

 

狭間巡査を残して阿部警視が去った後、俺は狭間巡査を皆に紹介することにした。これから頻繁に顔を合わせることになるだろうし、何より巡査の活動にも理解を示してもらう必要がある。因みにここにいないメンバーもテレビ電話で顔合わせに参加してもらっている。

 

ホロメン『よろしくお願いします!!』

 

スミレ「ひゃ~!テレビや動画で見た人たちが~!よよよよろしくお願いしましゅうう!」

 

おかゆ「あはは、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ?」

 

はあと「そうよ!私たちのことは呼び捨てでいいから、仲良くしましょう?」

 

スミレ「ひ~!私なんかが皆さんを呼び捨て何て恐れ多いですぅ~!」

 

ラプ「へぇ~お前スミレっていうのか。吾輩の友達にも同じ名前の奴がいるぞ」

 

スミレ「えぇ!?そうなんですか!?じゃ、じゃあ私、改名しないと!」

 

ミオ『いや、何でそんな発想になる!?』

 

ロボ子『そうだよ?ご両親から貰った名前なんでしょ?大事にしないと』

 

スミレ「あわわ!ごめんなさい!すこしおちおち落ち着かないと!」

 

玲二「あ~狭間巡査、そろそろ敬礼をやめてもいいのでは?」

 

スミレ「え?あ~!通りで腕が痛いと思ったら!ありがとうございます!」

 

ぼたん『あっはっはっはっ!面白い人が来たね!今度そっちに帰ったら、お話ししようね』

 

スミレ「はい!」

 

シオン『ところでさ、ガンプラ犯罪対策課?って何するとこなの?』

 

スミレ「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました!ガンプラ犯罪対策課とは(阿部警視の説明と同じなので割愛)それが我々『Gunpla Crime Prevention Division(ガンプラ犯罪対策課)』通称『GCPD』なのです!」

 

みこ「ほぇ~」

 

すいせい『みこち、今の分かった?』

 

みこ「……分かった!」

 

すいせい『これ分かってないな』

 

フブキ『要するに、ガンプラで悪い事しようとする人やガンプラウォーズでマナーの悪い人を捕まえるのがスミレさん達のお仕事ってわけですね』

 

スミレ「その通り!」

 

狭間巡査がエッヘンと胸を張る。その時、どこからともなく声が聞こえてきた。

 

『スミレ、そろそろ僕の事も紹介してくれないかな?』

 

スミレ「あ!ごめんエリス!今出すね」

 

狭間巡査は腰の2つガンプラケースの内1つからSDEXガンダムエアリアルを取り出す。

 

スミレ「皆さん、紹介します!私の相棒、エリスです!」

 

エリス『皆さん、初めまして。僕の名前はエリス。スミレのバディで、自立型人工知能です』

 

声に合わせてぺこりとお辞儀をするSDEXのエアリアル。その場にいた全員がポカンとした数秒後

 

『ガンプラがしゃべったあああああああ!?!?!?』

 

 

 

 

 

その頃フェリー NO SIDE

兼士は離れていくホロライトシティをフェリーのデッキから眺めていた。

 

兼士「スミレ、頑張れよ。エリスも頼んだぞ」

 

―ピリリリ ピリリリ―

 

兼士のスマホが鳴る。

 

兼士「俺だ、どうした?」

 

『室長!捜一がガサ入れした事務所からまたブツが見つかったそうです!』

 

兼士「またか…。で、どのくらい見つかったんだ?」

 

『数量は他の3件とほぼ同じです!ガンプラですが、今度はリーオーでした!』

 

兼士「リーオーか…やはり種類にも規則性がないな。すぐに戻る。引き続き調査を進めろ」

 

『お任せください!』

 

兼士「それから陽彩(ひいろ)、もっと声を落とせ。音量最低でも周りに聞こえそうだ」

 

陽彩『申し訳ありません!気を付け―ピッ―

 

気を付ける気のない声量に、兼士は最後まで聞かずに電話を切った。

 

兼士(分からん…敵の目的は一体なんだ?)

 

見えない敵の不可解な行動に一抹の不安を覚えつつ、兼士は船内に戻った。

 

*1
本家ホロライブビルドライバーズ第143~145話参照




次回はガンプラバトルなんですが、早速本筋から逸れてサイドストーリーとなります。具体的には、前章最終話の裏でレイラが何をしていたかの話となります。ついでにオムニバスに登場したあの機体たちも…
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