【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ 作:波音四季
魔界 バスターミナル NO SIDE
『魔界発地上界行きのバスは現在事故の為運転を見合わせております。ご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください』
シオン「ハァ!?バスが出せない!?」
シオンは悪魔族の係員に向かって叫んだ。
係員「そうデス。アナウンスでも言ってたデス。事故で運転を見合わせているデス」
トワ「一体どんな事故があったっていうの?」
係員「地上界へ輸送中だった魔界豚のデモナイ
トワ「ゲッ!マジか」
クロヱ「デモナイ豚って確か、魔界の高級豚だよね?凶暴だけど、そのお肉はトンデモナイくらい美味しいって」
フィル「おにく…ジュル」
シャチの獣人なだけあってクロヱとその娘フィルは涎をすする。
係員「逃げ出した豚が道路を塞いでいるんデス。ホントに
シオン「デモナイ豚だけに?」
トワ「やかましいわ!それで、いつ頃復旧するの?」
係員「今魔界警察が頑張っているので、3時間後には再開するデス」
ターミナル待合所
トワ「3時間もここで足止めか~」
シオン「どうする?どっかで時間潰さないと」
フィル「まーま、おなかへった」
クロヱ「そうだね~。取り敢えず、ファミレス行きません?」
トワ「じゃあそうするか」
子供達を連れてファミレスへ向かおうとした所へ、赤毛に褐色肌の40~50代くらいの男性が電話しながらやってきた。
「はい、なんとか事故に巻き込まれずに済みましたよ。はい…はい…じゃあファミレスで待ってますから…はーい」
男性は椅子に腰かける。
「ふぅ~、早めのバスに乗って正解だったなぁ。ん?」
男性が視線を感じて見ると、シオンとトワがジッと男性を見ている。数秒の沈黙があり、シオンが口を開く。
シオン「スレット先生?」
スレット「……紫咲くんに…常闇くん?」
シオン「やっぱり!スレット先生だよ、トワ!魔界学校の魔法学の!」
トワ「あぁ!どっかで見た人だと思ったら!」
クロヱ「……誰?」
ターミナル内ファミレス
スレット「改めまして、魔界学校で魔法学を教えている狭間スレットです」
クロヱ「どうも」(ん?狭間?どっかで聞いたような?)
トワ「まさかこんな所で会えるとは思ってなかったよ」
スレット「それはこちらのセリフだよ。しかし…」
おいしそうにお子様ランチを頬張っているシオンの娘久遠とトワの娘クリスを見て、スレットは目頭を押さえる。
スレット「あの天災魔法少女と呼ばれた紫咲さんや、悪魔の皮を被った天使と言われた常闇さんが1児の母とは、立派になって…うぅ」
シオン「ちょ、やめてよ先生!あの時は、シオンも子供だったんだから」
クロヱ「トワ先輩、昔から天使って言われてたんですね」
トワ「こちとら生まれた時から悪魔だってのに…。先生はどこに行ってたんですか?」
スレット「魔法学の本を買いに天界と地上界にね。取り寄せようとすると時間が掛かるし、自分で調達した方が早いんだ」
スレットは紙袋から本を取り出す。最近発売されたばかりの魔法の本という事はシオンにもすぐ分かった。
シオン「先生、まだ魔法学教えてるの?もういい年でしょ?」
スレット「ハハハ、今年で47だよ。周りからは昇進しないのか?って言われてるけど、私は教壇に立って杖を振るってる方が性に合ってるからね。妻も理解してくれてるよ」
そう言ってコーヒーをすするスレットは、どこか哀愁が漂っている。
トワ「スレット先生の授業楽しかったなぁ。教科書に書いてあることだけじゃなくて、色んな魔法を教えてくれたし」
シオン「シオンも昔はやんちゃしてたけど、スレット先生の授業だけは真面目に聞いてたなぁ」
スレット「嬉しい事言ってくれるねぇ」
クロヱ「……あ」
突然クロヱが何か思いついたように声をあげた。
クロヱ「ねぇ、スレット先生って娘さんいたりする?」
スレット「え?凄いですね?初対面なのにどうして分かったんですか?」
クロヱ「やっぱりか」
シオン「さかまた?どういうこと?」
クロヱ「2人とも、先生の苗字に聞き覚えありません?」
シオンとトワは考える。スレット先生の苗字は『狭間』…確かにどこかで聞いた事がある。
………………………
シオン・トワ「「あ!スミレさん!」」
スレット「え!?どうして娘の名前を知ってるの!?」
~かくかく しかじか~
スレット「そうだったか。うちの娘がホロライトシティに」
シオン「テレビ電話で顔合わせしたのに、全然気が付かなかった」
トワ「娘さんと話してないんですか?」
スレット「娘が警察になってからはほとんどしてないよ。おそらく、私への負い目を感じているのかもしれない」
スレットは悲しげな顔でカップに残ったコーヒーを見つめる。
スレット「あの子は元々私と同じ魔法学の先生を目指していたんだ。しかし、妻に似たのか魔法の才能がまるでなくてね。頑張っていたんだが、魔法大学には不合格、結局地上界の大学を出て警察になった。勿論、それに関して私も不満はない。でも、あの子はその事で私が内心悲しんでるんじゃないかと思ってるのだろう」
シオン「先生…」
スレット「『子供にやりたい事をやらせてあげたい』という親はよくいる。だが、子供が
『大丈夫だ。お前には他にも出来ることがある』
私はスミレに別の道を示したつもりだったが、今にして思えば、あれでスミレの心に傷を付けてしまったのではないかと思ってしょうがない」
トワ「分かるよ、先生。トワもこの子の将来を考えて不安になる事よくあるからさ」
満腹になってトワの腕の中でうつらうつらと、舟を漕いでいるクリスの頭を撫でる。クリスに限らず、玲二の子供たちは皆半分神羅族のようなものだ。今は大丈夫だが、将来この力を制御できるのか?悪用されたりしないか?と玲二の妻たちはいつも考えている。
シオン「親になって分かるんだよなぁ、親の気持ちって」
スレット「ふふ、そうだね。…ふぅ~、元気にやってるだろうか」
「何を辛気臭い話してんだか」
声の方を見るとテーブルの傍に40代後半くらいの女性が建っている。キッチリとしたビジネススーツに身を包んでおり、サラサラの白髪がとても美しい。
スレット「ミオーネさん、来てたんですか」
ミオーネ「貴方がここで待ってるって言ったんでしょ?スレットの教え子さん達ね?初めまして、スレットの妻で株式会社
ミオーネと呼ばれた女性がうやうやしく名刺を差し出す。
クロヱ「あ、どうも」
トワ「GARMって確か、医療機器メーカーですよね」
ミオーネ「そうよ。他にも最新技術を使った義手義足、車椅子なんかも開発してるわ」
スレット「ミオーネさんは凄いんだよ?社長業の傍ら、薬剤研究の一環で魔界植物の研究も行っているんだ」
シオン「へぇー、先生の奥さんって凄い人なんだ」
ミオーネ「それよりスレット、教え子にまで愚痴をこぼすことないんじゃないの?」
スレットの隣に座るミオーネ。
スレット「そうだね。すまないね、君たち。こんな話に付き合わせてしまって」
シオン「ぜーんぜん!久しぶりに先生に会えて嬉しかったよ!」
トワ「それに先生、この前ちょっとだけスミレさんと話したんだけど、結構楽しそうだったよ?先生が心配することはないよ」
スレット「…うん、ありがとう」
ミオーネ「ところで、貴方たちはどうしてここに?」
スレット「そうだ。それを聞いてなかったね」
クロヱ「実は…」
~まるまる うまうま~
スレット「そうだったのか…。夜空さんの事は聞いていたよ。私も心配していたんだ」
トワ「そっか、メル先輩も魔法学の授業とってたんだ。ホロライトに帰ったら伝えとくよ」
ミオーネ「バスの方だけど、まだ復旧には時間が掛かりそうよ?」
クロヱ「でも、いつまでもここにいるわけにはいかないし…」
スレット「ふむ、どうだろう?ここはひとつ、ガンプラバトルをして暇潰しをしないかい?」
シオン「えぇ!?先生出来るの?」
スレット「実はスミレと会話できるようにいつも持ち歩いてるんだ。ほら!」
スレットがカバンから取り出したのは、ガンダムエアリアル(改修型)だ。だが、ゲート跡が残っていたり、スミ入れも塗装もされていないあたり初めて組んだであろうことは容易に想像できた。
『HGガンダム・エアリアル(改修型)』
グラスレー寮との決闘で損傷した『ガンダム・エアリアル』をシン・セー開発公社が改修した機体。フライトユニットを装着したことにより機動力が向上、胸部装甲も増設されたことで防御力も上昇している。頭部も改修されて従来のアナザーガンダムっぽくなったが、どことなく悪い顔になっている。
スレット「初めて組んだから出来に関してはお粗末だけど、どうかな?」
トワ「そんなことないよ!すっごく上手だよ」
シオン「じゃあシオンが相手になるよ。ところで先生はガンプラウォーズのランクってどれくらい?」
スレット「え?ランクがあるの?」
シオン「え?」
トワ「え?」
クロヱ「え?」
スレット「え?」
ミオーネが額に手を当てて大きくため息をついた。
ガンプラウォーズ モード:レーシングバトル SIDE紫咲シオン
ちょっと時間はかかったけど、スレット先生のIDを作って無事にガンプラウォーズを始めることが出来た。先生、前からガンプラウォーズをやってみたかったらしいけど、全然機会がなかったみたい。そんなだからランクがあるとかも知らないらしい。先生は初めてだから、割と簡単なレーシングバトルをEASYでやってみることにした。
スレット「紫咲さんのそれは、キャリバーンってやつかな?」
シオン「そうだよ。シオンがカスタムした『ガンダム・キャリバーン バイオレットメイジ』」
『HGガンダム・キャリバーン バイオレットメイジ』
『HGガンダム・キャリバーン』をシオンのパーソナルカラーの紫に塗装したガンプラ。原典の「データストームのフィードバックを軽減するフィルター機能がない」という点から、水星の魔女系列のガンダムでは高数値のパーメットスコアを出すことが出来る。唯一武器のバリアブルロッドライフルは茶色に塗装されているが、これは魔女の箒をイメージしているため。塗装以外は特に大きな改造をしておらず、素組よりちょっと性能が上がる程度。『バイオレットメイジ』はシオンのオリジナル曲『メイジ・オブ・ヴァイオレット』から。
シオン「先生はあまり前に出すぎないようにね?」
スレット「では、そうさせてもらおうか」
3・・・2・・・1・・・―START!!―
宇宙 NO SIDE
最初のBATTLE ZONEとなるエリアに到着すると、ジム・コマンド3機・ジム5機・MGジム改2機が出現する。
キャリバーンはバリアブルロッドライフルでジムとコマンドを一掃する。
シオン「よし、あとはジム改を」
だが、ジム改はエアリアルのエスカッシャンとライフルで撃破される。
シオン「やるじゃん先生!」
スレット「こう見えても、水星の魔女はちゃんと全部見たからね!」
最初は拙い操縦だったスレットだが、3つ目のBATTLE ZONEに到着する頃には、シオンより前に出て敵を倒していた。
シオン「いや、この短時間で成長しすぎでしょ!?」
スレット「自分で言うのもなんだが、昔から魔法の習得速度は凄まじかったからね!」
そして、最後のバトルゾーンは協力形式となっており、ボスに対して最もダメージを与えられた者がゴールに辿り付ける仕様になっている。ボスとなる機体はMGのジム・タービュレンスだ。
『MGジム・タービュレンス』
『ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』に登場するジム・ドミナンスの改造機。外観はミリタリーカラーのジム・ドミナンスだが、フルアーマーガンダムを彷彿させる。差し替えパーツによってガンダムストームブリンガーF.A.(フェイタル・アッシュ)になる。
キャリバーンがバリアブルロッドライフルを発射するが、シールドで弾かれる。
スレット「こういうのは懐に潜り込むのが良い」
エアリアルはビームサーベルを展開して高速で動き回りながら関節を切り裂いて動きを封じる。そしてエスカッシャンをライフルに接続し、ガンビットライフルを作り出して発射する。動きが鈍っていたタービュレンスはシールドで受けることが出来ずに爆散、戦闘終了となった。
―WINNER 狭間スレット―
バトルが終わった頃にようやくバスが復旧したため、一行は乗り場に向かった。
トワ「スレット先生、今日はありがとうございました」
スレット「お礼を言うのはこちらの方さ。色々とありがとう」
ミオーネ「皆さんはこれからどこへ?」
クロヱ「取り敢えず寒くない所、沖縄にでも行こうかなって思ってます」
スレット「そうか。よし、久しぶりに先生の新しい魔法を見せてあげよう」
シオン「え?ホントに!?」
スレットは杖を取り出して軽く振るうと、白い光の軌跡が走る。
スレット「Blessing you」
呪文を唱えると、シオン達の周りに光の粒子が降ってくる。
子供達『きれい!』
シオン「先生、これは?」
スレット「先生が作った新しい魔法さ。特に何か効果があるわけじゃないけどね」
クロヱ「え~?効果のない魔法なんて意味あるんですか?」
スレット「あるさ。ほら、綺麗だろう?」
降ってくる光の粒子は不思議と暖かく、見ていると優しい気持ちになってくる。子供たちは手に取ろうと両腕を伸ばしている。
トワ「この世に魔法で解決できない事は沢山ある。でも、意味のない魔法なんてない。先生の言葉だったね」
3人は子供達と共にバスに乗ると、外の狭間夫婦に手を振る。
シオン「さよなら先生!ほら、皆も」
子供達『ばいばーい!』
スレット「さよなら皆!君たちの往く先に祝福を!」
ミオーネ「さようなら!」
魔界発地上界行きバスは走り出した。
外伝59話に続く…
というわけで、スミレはリ・イマジネーションではなく、スレッタ・マーキュリーのリ・イマジである『スレット』とミオリネ・レンブランのリ・イマジである『ミオーネ』の間に生まれた子供でした。
次回は本家様のリ・イマジ初登場回以降、未だにこちらで活躍していないアイツがようやく登場します。