【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ   作:波音四季

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バレンタイン回やる前の伏線回というか準備回です。今回も劇場版SEED FREEDOMのキャラのリ・イマジがちょっとだけ登場します。


PHASE10 備える者達

2月11日 神羅城キッチンルーム

奏「~♪」

 

奏は歌を歌いながらチョコの湯煎をしていた。何故か?というと3日後に控えたバレンタインデーの為である。もちろんこれは奏だけでなく、ホロライブの女性陣は大半がやっている。玲二の妻たちは当然玲二に、拓哉の妻たちは当然拓哉に、もちろん先輩後輩同期間でも受け渡しは行われる。しかし、奏の場合はそれらとは別に渡すべき相手がいる。来栖怜だ。当小説では、11月19日以降の怜と奏の関係についてほとんど触れてこなかったが、ちゃんと進展している。

 

拓哉「精が出るな、奏」

 

奏「拓哉さん、お疲れ様です!」

 

拓哉「お疲れ、怜君に渡す用か?」

 

奏「あ、分かります?」

 

拓哉「皆に渡す用とは気合の入れ方が違うからな。その後、怜君とはどうなんだ?11月以来、特に報告はないが?」

 

奏「ちょくちょく会ってます。この間は近接戦の特訓の為に組んだノクターンのブラッシュアップに付き合ってくれたし、怜さんのファイトプロヴィデンスとバトルもしました」

 

ノクターンというのは、奏がカスタマイズしたバンシィの事だ。ちなみにファイトプロヴィデンスは怜がカスタムしたプロヴィデンスだ。

 

 

『ユニコーンガンダム2号機バンシィ・ノクターン』

『ユニコーンガンダム2号機バンシィ・ノルン』のカスタム機。両腕にバンシィのアームドアーマーVNを装備し、格闘に全振りしている。背部にはアームドアーマーXCに加え、アームドアーマーDEを装備することでサイコフレームを増設、ステータス上昇に貢献している。『ノクターン』は『夜想曲』のことで『夜の情緒を表す叙情的な曲』を意味する。

 

『ファイトプロヴィデンスガンダム』

『プロヴィデンスガンダム』のカスタム機。元々プロヴィデンスは近接格闘機として建造された機体であり、ドラグーンは急ごしらえの装備だった。この機体は、「プロヴィデンスが予定通り格闘機として完成した」ことを前提としてさらにカスタマイズした機体である。ドラグーンと複合兵装防盾を外して、GE製ウェポンラックバインダーに計24本のビームサーベルを収納、両腕にもビームサーベルを収納できるようにして徹底的に格闘戦に特化させている。

 

 

拓哉「あぁ、アレか。俺もリプレイを見せてもらったが、凄まじい戦いだったな」

 

その時のバトルでは、序盤は奏のノクターンが押していたのだが、最終的に怜のファイトプロヴィデンスに20本のサーベルで串刺しにされて撃破されてしまった。

 

奏「軽いトレーニングのつもりだったんですけど、2人とも思いの外熱が入っちゃって。でも、おかげで格闘機には大分慣れました」

 

拓哉「熱心なのは良い事だが、あまり熱くなりすぎるなよ?それ以外は?プライベートな話もよくしてるのか?」

 

奏「はい。家族の事とか、学校とか、昔の事とか、昨日は楽しくて話過ぎちゃいました」

 

拓哉「あ~、まぁ、仲良きことは良い事だな。あまり夜更かしするなよ?」

 

奏「はーい!」

 

 

 

 

 

2月12日 風音市デパート「ロゴス」

怜と美明はデパートの中を歩いていた。

 

怜「すまんな、休みの日に付き合ってもらって」

 

美明「いいわよ。テストも終わって暇だったし。それより、真理愛先輩と優の事聞いた?」

 

怜「あぁ、新からな。もう回復したらしいが、心配だな」

 

美明「ミネルヴァのガンプラウォーズコーナーもしばらく閉鎖するみたいだし。どうなっちゃうんだろうなぁ」

 

怜「気にしても仕方ない。玲二さんが何とかしてくれるだろう」

 

そんな話をしながらアクセサリーショップに入っていく2人。何をしに来たのかというと、奏が14日に風音に来ると知った怜は、奏に何かプレゼントをしようと考えていた。しかし、どんな物を渡せばいいかよく分からなかったので、美明に助けを求めたというわけだ。

 

怜「女性はアクセサリーを送られて喜ぶのか?」

 

美明「そりゃあ、嫌な気分にはならないでしょ。イヤリングとかどう?」

 

怜は顎に指をあてて記憶を探る。

 

怜「奏さんはイヤリングを付けてない」

 

美明「じゃあ、ネックレス?」

 

怜「う~ん、なんか違う」

 

美明「…指輪?」

 

怜「それはしかるべき時に」

 

美明「あーもう!何しに来たのよ一体!?」

 

 

 

10分後

アクセサリーショップを出た2人は、カフェで軽食を取っていた。

 

美明「ねぇ?ホントにそれでいいの?」

 

怜「あぁ、大丈夫だ」

 

怜は購入したものが入っている紙袋をチラッと見る。

 

美明「まぁ、プレゼントは気持ちが大事って言うし、怜が良いなら良いけど」

 

美明はココアに口を付けながら、目の前に座る同級生を観察する。

 

美明(う~ん……イマイチ分からないわねぇ。なんで奏さんは怜に惹かれてんのかしら?確かに顔は良いし、無愛想に見えて結構優しいし、自分の将来についてちゃんと考えてるし…あれ?ひょっとして怜って、良い男なのでは?色んな意味で)

 

怜「ところで、14日にチョコは作って持ってくるのか?」

 

美明「え?うん、部活の皆に渡すつもりだけど?」

 

怜「俺はいらないから」

 

美明「へ?いや、本命じゃないんだけど?」

 

怜「お前以外からも貰わないつもりだ」

 

怜は結構モテる。小学生の頃から精悍な顔立ちをしており、女子人気は高かった。中学生になるとバレンタインデーには嫌という程チョコを貰っていたくらいだ。一部の女性教師も紛れていたという噂もある。風音高校には中学の頃からの女子もいるので、間違いなくチョコを渡しに来るだろう。

 

美明「14日に来るってだけで、まだチョコが貰えるとは確定してないじゃない。学校でも貰っとけばいいのに」

 

怜「いや、それだと奏さんに申し訳ない。0.1%でも可能性があるなら、他の女子からチョコは貰わない」

 

美明「……アンタってさ、奏さんのどこが好きなの?」

 

怜「まず、歌だな。俺はあの人の歌が好きだ」

 

美明「それ、あたしにも言ったわよね?」

 

怜「歌だけじゃないぞ?笑顔が可愛いし、笑い声も好きだ。努力家で、真っ直ぐで、優しくて、食事はいつも美味しそうに食べるし、話は面白いし、一緒にいて楽しいし、それから「分かった!もういいから!」…なんだ、自分から聞いておいて」

 

美明(奏さんは怜のこういうところに惹かれたのかな?…アイツもあたしにこういう事思ってるのかな?)

 

美明は冷めたココアに口を付け、この場にいない友人のことを思い出した。

 

 

 

同時刻 プラモショップ「ブルーコスモ」 SIDE天琉仁斗

バイト先であり、行きつけの店でもある「ブルーコスモ」に入ると、すぐにカウンターに向かう。

 

仁斗「恵村店長、新いますか?」

 

充「ん?新君ならブースにいますよ」

 

仁斗「どうも」

 

ガンプラ制作ブースに向かうと、いた。新だ。

 

仁斗「新?」

 

新「はい?あぁ、先輩」

 

仁斗「優さんから聞きましたよ。ここにいるって」

 

新「えぇ、こいつを作っていたんです」

 

新が見せたのはRGのデスティニーガンダムだ。しかし、カラーリングが変更されており、その姿は劇場版SEED FREEDOMに登場したデスティニーガンダムSpecⅡのようだ。

 

新「誰がどうやったか知らないけど、俺の妹と仲間にあんなことしやがった!大切なガンプラまでバラバラにして!絶対に許さない!見つけたら、コイツで叩っ斬ってやるんです!」

 

仁斗「新、気持ちは分かります。でも、そんな気持ちでガンプラを作っちゃダメですよ」

 

新「…分かってます。でも!」

 

仁斗「今、玲二さん達が調査してくれているんですから。そっちは任せましょう。兎に角、あまり優さんに心配かけないでくださいね?」

 

新「…はい」

 

僕は少し離れた席に座ると、机に肘を乗せて考える。

 

仁斗(壊された2人のガンプラを見せてもらったけど、あれは人為的なものではない。まるで、打撃や斬撃で破壊されたようだった。それに意識不明になった2人、もし、僕の仮説が正しかったとしたら、これはとんでもない事だ。玲二さんに伝えるべきか?…いや、ダメだ。とても取り合ってもらえないだろう。『ガンプラバトルでガンプラがダメージを受けると、使用者にもダメージを与える』なんて漫画みたいなことあり得るわけがない!)

 

仁斗「とはいえ、そうとしか考えられない事が起きているのも事実。何か確かめる方法はないのか?」

 

八方ふさがりな状況に僕は頭を抱えるしかなかった。

 

 

 

 

 

2月13日 警視庁GCPD解析室

黒髪にインナーカラーが青の女性が金髪の男性にコーヒーを差し出す。

 

「お疲れ様です、ライン警視。その後どうですか?」

 

アルベルト・H(ハイ)・ライン警視、GCPDの要請を受けて現在科捜研から出向中の優秀な研究者だ。外国人っぽい名前だが、れっきとした日本人だ。

 

アルベルト「芳しくないな。いくら処理してもノイズが全く消えない。このようなことは科学的にも魔法学的にも呪術学的にも説明がつかない!」

 

数日前、風音市のゲームセンターで事件が起きた。ガンプラウォーズをプレイしていた女子高生と女子小学生が意識不明の重体に陥った。それだけでなく、彼女らがゲームで使用していたガンプラがバラバラにされていたのだ。筐体内には監視カメラはなく、中で何が起きていたかは分からない。そこでアルベルトはリプレイを見れば何か分かるのではと思い、確認してみたのだが、始めから終わりまでノイズが掛かっており、何も見えなかった。

 

アルベルト「ありとあらゆるノイズ処理を試したというのに何も変わらない。密閉空間であそこまでガンプラをバラバラにすることなど使用者以外には不可能。被害者がやったのでないとしたら本当にガンプラがバトルしてバラバラにされたと考えないと説明がつかない!」

 

「そんな事が…」

 

アルベルト「もちろんあり得ないよ二浦(ふたうら)巡査。だがこれはまるで我々の人智が及ばない何かが働いたとしか思えない!全くこのところおかしな事が多すぎる!見つかったマイクロチップの解析だって全然進んでないというのに、GCPDが向かった現場に突然CPU機体が現れるバグにも頭が痛い!」

 

「バグは、藤枝コーポの方で対処するとのことです。風音の事件もホロライトシティで対処するそうです」

 

アルベルト「ホロライトか。向こうには優秀な研究者がいると聞く。ぜひとも一度お目にかかりたいものだ」

 

「あまり根を詰めすぎないでくださいね?」

 

そう言って二浦ナナカ巡査は解析室を出る。

 

ナナカ「ハァ…スミレは大丈夫かな?」

 

ホロライトシティに向かった同期を思い出して少し不安になった。

 

 

 

総監室

九条恭平警視総監はGCPDから提出された資料に目を通していた。

 

恭平「プレイヤーは意識不明の重体、使用していたガンプラはバラバラ、ふん、まさに神の所業だな」

 

資料を机に放ると、部屋の窓から外を見る。

 

恭平「だが、もしこれをやった奴を俺の制御下に置ければ…ふむ、使えるな。GCPDにはこちらを優先させよう。クラッシャーはいい陽動だったが、もう役に立たんからな」

 

 

 

警視庁のすぐそばに路駐しているワゴン車の中

運転席と助手席には業者に扮したシェリンとルイスがいる。後部座席ではアメリアがヘッドホンを付けて機械のダイヤルを操作している。

 

シェリン「どうです?」

 

アメリア「ダメね。何も聞こえない。ちゃんと仕掛けたの?盗聴器」

 

ルイス「間違いないですよ。夜のうちに忍び込んで、コンセントの中に仕掛けたんですから」

 

GCPDへ引き抜かれた3人に副室長の真筆頼人から「警視総監を探ってほしい」という依頼がきた為、このような事をしているのだ。

 

シェリン「仕掛け損ねたか、盗聴器が壊れてるかのどちらかですかね?」

 

ルイス「はぁ?どちらもあり得ませんから」

 

アメリア「シッ!何か聞こえる」

 

・・・・・・・・・・・・

 

アメリアはダイヤルを回して音量を上げていく。

 

ルイス「ほら、壊れてなかったでしょう?」

 

・・・と・・・・・・・れ

 

シェリン「アメリアさん?聞こえましたか?」

 

・・・と・ロ・・・に・れ

 

アメリア「待って、もうちょっと」

 

さ・・と・ロラ・・に・れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっさとホロライトに帰れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリア「っ!シェリン!車出して!早く!」

 

路駐していたワゴン車は大急ぎで走り出した。

 

 

 

総監室

九条総監は警視庁の前の道路を走るワゴン車を見ながらほくそ笑んだ。

 

恭平「ふっ、こんな盗聴器でコソコソと。まぁいいさ、警告はした。次は、ない!」

 

恭平は盗聴器を握りつぶした。

 




次回は本当に2月14日です。
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