【三次創作】ホロライブ ビルドライバーズ with リ・イマジネーションズ 作:波音四季
少し前、Xでフブキちゃんが「『夜想曲』と書いて『ノクターン』」と呟いてて、流石に偶然だろうけど、ギョッとしてしまった。
ホロライト警察署 柔道場
スミレ「どりゃあああああ!!」
アクシア「うわぁ!」
スミレの背負い投げでアクシアが畳に叩きつけられる。
「一本!」
スミレ「ふぅ、次!」
ローレン「よーし、今度は俺だ」
ローレンとスミレが試合場の中央で向かい合う。
スミレ・ローレン「「お願いします!」」
審判の「始め!」の掛け声で互いの道着を掴み合うスミレとローレン。
アクシア「強いなぁ、彼女」
ベル「そりゃそうですよ。なんたって、あの両さんから直々に指南を受けたんですから。婦警さんたちじゃ相手になりませんよ」
ベルは2人の試合を見ながら、昨日のことを思い出す。
1日前 ホロライブ事務所会議室
玲二「皆さん、今日はお忙しい所集まっていただきありがとうございます」
椅子に座る玲二の横にはおかゆ、2人と向かい合うように劾、愛華、スミレ、ベル、アルベルトが座っている。スミレの前にはエリスもいる。
劾「一体どのような用件で?」
アルベルト「あまり暇ではないので手短にお願いしたいのですが」
愛華「警視!」
玲二「いいんです、駿河巡査長。無理を言って呼び出したのはこちらですから。早速本題に入りましょう。今日お話ししたいのは、ガンプラウォーズプレイヤー意識不明事件の真実についてです」
ベル「何ですって?」
スミレ「犯人が分かったんですか!?」
おかゆ「落ち着いて。今から僕らが話すことはあまりにも突拍子のない事だから、信じられないと思う。それでも最後まで聞いてほしいんだ」
十数分後
玲二とおかゆは、これまでの事を6人に説明した。玲二が神羅族である事、かつて神羅族を滅ぼしかけたЯという存在の事、Яとの戦いに敗北するとどうなるのか、玲二の妻や子供達も神羅族であることや他の神羅族の存在は伏せたが、Яに関することはほぼ全て話した。
真実を知ったスミレ、ベル、愛華はあまりにも壮大すぎて途中からポカンとしてしまっている。劾とアルベルトは表情を崩しておらず、エリスはずっと黙ったままだ。
愛華「えっと、整理させていただけます?まず、佐々木市長は本物の神羅族で、伝説の神羅族は実在していたけど、Яという謎の生命体によって滅ぼされた、と?」
玲二「そうです」
ベル「なんだろう?よく分かんない。僕は夢でも見てるのか?」
劾「佐々木市長、貴方が神羅族というのであれば、その証拠を見せてもらうことは出来るか?」
玲二「出来ます。おかゆ」
玲二に言われておかゆはタブレットを取り出すと動画を流す。それは僅かにノイズが掛かっているが、ガンダム氷牙Яによって破壊されるシスクードニーベルングとベアッガイSUNFLOWERの様子を映したリプレイだった。
アルベルト「これは!」
アルベルトがおかゆからタブレットを受け取ると食い入るように見る。
おかゆ「これは風音事件の時のリプレイです」
アルベルト「あ、ありえない!我々の持てるすべての技術を使っても除去できなかったノイズをここまで…!」
玲二「これでも完全には除去しきれませんでした。工程をお見せしましょう」
玲二は自分のスマホを取り出し、ノイズしか映っていない動画を流す。そこへ神羅の力を籠めると、徐々にノイズが消えていく。先日のアストレアType-QЯとの戦いのリプレイだ。
劾「ベル、どうやらこれは夢ではなく、現実のようだ」
ベル「……」
スミレ「そ、それならさっきのЯ?の事も本当なんですね?すぐに皆に知らせて、注意喚起とかしないと!」
エリス『スミレ、それはダメだよ』
スミレ「どうして!?こうしている間にも被害者がどんどん増えて、2週間で消えちゃうんだよ!?」
エリス『そんな事分かってるよ。なぜ玲二さんが僕らにしか話さなかったか、その理由を考えてごらんよ?』
スミレ「え?」
エリス『玲二さんはガンプラウォーズの運営者でもあるんだ。メンテナンスとかなんとか言って理由を付けて稼働を止めることだってできる。それが出来ない理由があるんだよね?』
玲二「そうだ。Яはどうやら無差別に破壊することを目的にしているようなんだ。今はガンプラウォーズの中だけで済んでいるが、もし止めてしまえばЯの行動範囲が現実に移る可能性がある」
劾「ゲームの中ですらこれほどの被害を出す連中だ。そうなればどうなるかは、火を見るよりも明らかだな」
愛華「それにこの事を公表するとしたら、玲二さんが神羅族という事も公表しなければならなくなるでしょう。それは望ましい事ではありません」
エリス『分かったかい?君の言う事も正しいよ?でもね、正しさだけじゃダメなんだよ』
スミレは納得いかないという顔だが、仲間たちの言う事も理解できるので反論はしない。
玲二「貴方方にこの話をしたのは、貴方方の事を信用しているから、そして、これからの戦いに必要だと思ったからです。しかし、先ほども伝えた通りこの戦いには危険が伴います。参加できないというのであれば言ってください。俺が記憶を消したうえで、退出してもらいま「私は参加させてもらいます」け、警視!?」
玲二が言い終えるのを待たずにアルベルトが発言する。
アルベルト「この世界の危機ですからね。私の力が必要となるなら喜んで協力しましょう」
エリス『本音は?』
アルベルト「私の知的好奇心を満たしたいからだ」
愛華「こういう人でしたね…」
劾「俺も参加させてもらう。他にGCPDでこの事を知っているのは?」
玲二「今のところここにいるメンバーと、阿部警視だけです」
劾「了解した」
ベル「え~っと、僕は考える時間を…」
スミレ「私、参加します!」
ベル「ええ!?」
エリス『スミレが参加するなら、僕も参加するしかないね』
愛華「スミレの上司として、私も参加させていただきます」
ベル「姉さんまで!もう!僕も参加します!」
玲二「皆、ありがとう。さて、そうと決まればこれからの事を決めようと思う」
アルベルト「佐々木市長、私からよろしいでしょうか?」
アルベルトがグイっと身を乗り出す。
玲二「え、えぇ、どうぞ」
アルベルト「これは私の推測ですが、そのЯなる生命体はガンプラウォーズのシステムの中でコロニーを形成していると思われます」
玲二「それは俺も考えました。しかし、ガンプラウォーズのシステムは膨大です。すべてのプログラムを調べるには時間も人も足りない。それに仮に調べたとしても、奴らが巣を移してしまっては意味がない」
アルベルト「そこで私に考えがあります。こちらから調べられないなら奴らに巣のある場所まで案内してもらうのです」
玲二「どうやって?」
アルベルト「先ほどのリプレイと市長のお話を聞く限り、Яは倒しても完全に消滅するわけではなく残り香のようなものが短時間だけ残留するのだと考えられます。その残留物に追跡用のプログラムを打ち込めば、奴らの巣を特定することが出来ると思われます」
おかゆ「そんなことが出来るんですか!?」
アルベルト「理論上は可能です。以前GCPDメインサーバーダイレクトハッキング対策訓練の際に私がプログラミングした追跡プログラムがあるのであれを改良します。ただし、その間にЯが攻撃を仕掛けてこない保証はないので改良前のプログラムを移植した武器を作成します」
玲二「お願いします、ライン警視」
アルベルト「それともう1つ。こちらは上手くいくかどうかは不明ですが、Яの再生能力を封じ込めることが出来るかもしれません」
玲二「っ!本当に?」
アルベルト「以前こちらで起きた『シャイニーガールズ事件』は記憶に新しいと思います。ホロライトに来る少し前にその事件に関わっていた違法改造屋が逮捕されました。我々解析班は奴の持っているプログラムを解析し、対チート用のプログラムをいくつか開発しました。無論その中に再生チートへの対抗プログラムも存在します。Яが神羅殺しの力を持っていたとしても、ガンプラウォーズの中にいる以上は電子の存在に相違ありません。ならば!毒には毒を、プログラムにはプログラムを持って対抗するべきでしょう!」
玲二は一息にまくし立てるアルベルトの話を聞き終えると、感嘆の唸り声をあげた。アルベルトはクセが強いが、優秀な人物というのはあらかじめ聞いていた。しかし、これは想像以上だった。
玲二(伝えるメンバーにライン警視を加えたのは正解だったな。『アルバート・ハイライン』のリ・イマジネーションならもしかしたらと思ったが、頼りになるなんてレベルじゃない。この戦いには間違いなくこの人の力が必要だ)
劾「それで市長、俺達はどうすればいい?」
玲二「他の皆はЯ襲撃に備えてほしい。ガンプラは持ってきてるか?」
玲二の言葉にアルベルト以外の4人は自身のガンプラを机の上に置く。玲二は手をかざして自身の神羅の力をガンプラに流し込む。
愛華「これは?」
アルベルト「ほう、興味深い…!」
玲二「この4体に俺の神羅の力を籠めました。これでЯの核を破壊できるようになったはずです」
ベル「今ので、ですか?」
玲二「あぁ。とはいえ、俺が組んだ物と比べると対Яのスペックはやや落ちる。これらの機体をベースにこっちでも対Я用の機体を用意しておきます。それまではこれを使ってください」
というのが、昨日の話だ。
ベル(人間相手にも解決してない問題が沢山あるって言うのに、未知の生命体まで出てくるなんて……僕らに出来るのかな?)
スミレ「どりゃあああああ!!」
ローレン「ぐわあああ!!」
スミレの投げで場外に放り出されるローレン。
スミレ「これで9人!次は?」
ローレン「くっそ~!五里山!出番だ!」
五里山「任せてください!」
五里山と呼ばれた巨漢のゴリラの獣人が試合場の中央に進み出る。
「始め!」の合図でスミレは五里山を投げ飛ばそうとするが、重すぎでビクともしない。それどころか、逆に抑え込まれてしまう。
五里山「このまま抑え込む!」
スミレ「ぐぐぐぐぐ」
五里山の同僚たちが声援を送る。だが、程なくして五里山がぐったりしてしまった。
ローレン「な、なんだ?何が起きた?」
ベル「あれは…スミレさんが抑え込まれたまま五里山さんを締め落としたんだ」
スミレは見事、10人抜きを達成した。
劾「ベル!スミレ!いるか?」
スミレ「チーフ?」
劾「緊急招集だ!派出所に集合!10分以内!」
ベル・スミレ「「はい!」」
10分後 ホロライブ事務所前派出所兼GCPDホロライト支部
玲二「全員揃ったか」
ベル「市長?この招集は一体?」
玲二「本土のゲームセンターからЯと思われる機体データが観測された。皆にはそれへの対処にあたってほしい」
劾「了解した。市長は?」
玲二「俺はこっちで待機する。これを持って行ってくれ。ライン警視から預かってきた。昨日言っていた再生阻害プログラム入りのビームライフルとビームサーベルだ。ただし実証実験はしていない。ぶっつけ本番だ」
ライフルとサーベル2本が入った小さなケースを4人に渡す。
ベル「これがあれば百人力ですよ!急いでいきましょう!」
劾「待て、スミレ、お前は残れ」
スミレ「な、なんでですか!?」
劾「お前はホロライトに残って銃後を守ってもらいたい。昨日、お前たちが戻った後、市長と話し合って決めたことだ。事情を知るGCPDメンバーが全員出た状態で、ホロライトを攻撃されたら対処が間に合わないかもしれないからな」
昨日、玲二と劾はアルベルトからЯが陽動作戦を使う可能性を指摘されこういった措置を取る事になったのだ。
スミレ「でもなんで私なんですか?だったらベルさんや駿河巡査長でも・・・」
劾「お前が適任だと俺が判断したからだ。それ以外の理由が必要か?」
スミレ「でも・・・」
劾「とにかく、お前はここで待機だ。1時間で片付けるが、それまでに戻らなければ、市長その時は頼みます」
3人は玲二からЯの情報を受け取ると、テレポート装置を使って本土に向かった。
スミレ「……」
玲二「巡査、大丈夫か?」
スミレ「私、そんなに頼りないですか?」
エリス『そういう訳じゃないさ。劾は君の事を1番信頼しているよ。そうでなきゃ君1人に任せたりしないよ』
玲二「エリスの言う通りだ」
そこへアルベルトが入ってきた。
アルベルト「おや?もう行ってしまったか。追跡プログラムを入れたハンドガンを持ってきたというのに」
玲二「警視、少し遅かったですね。テレポート装置は3人分しか持ってきてないんです」
アルベルト「構いませんよ。狭間巡査、丁度いいからコイツのテストをしよう。エアリアルトリガーは使えるか?」
スミレ「あ、はい」
ガンプラウォーズ
スミレ「…ハァ。私何やってるんだろう?人を助けるために警察になったのに、こんなんじゃ…」
アルベルト『狭間巡査、今回の敵はロイガセイバーだ。まず奴に追跡プログラムを撃ち込んでくれ。そしたらこちらで位置が割り出せるか試してみる』
スミレ「はい。ふぅ…狭間スミレ、エアリアルトリガー、行きます!」
一方、筐体の外側では
玲二「このプログラムをセイバーに撃って意味があるんですか?」
アルベルト「あります。ロイガセイバーもガンプラウォーズ内のプログラムの1つ。その位置を割り出せることが出来るなら、Яの位置も割り出せるはずです」
2人はそのまま追跡プログラムから情報が来るのを待つ。だが、5分待っても一向に送られてこない。
アルベルト「おかしいな?狭間巡査くらいの人物が手こずるとも思えんが」
玲二「……警視、プレイ中の映像を流せますか?」
アルベルト「お待ちを…」
アルベルトはPCを操作してプレイ中の映像を出す。
―ザーッ―
そこにはノイズしか映っていなかった。
玲二「やられた!襲撃だ!」
アルベルト「まさかこのタイミングで!?」
玲二「巡査の援護に向かう!本土の3人にも連絡を!」
玲二はシンラガンダムをセットするとIDを挿入し、スミレの向かったステージを選択する。
―ERROR―
玲二「エラー?なぜだ?介入は出来るはずじゃ?警視!どうなってる!?」
アルベルト「分析中です。……おそらく狭間巡査の筐体へ繋がる電脳回路がЯによって封鎖されているのだと思われます!」
玲二「封鎖だと!?奴らそんなことまで!」
アルベルト「これまでの戦いから乱入者が厄介であることを学んだのでしょう。しかし、想定より学習速度が速い。これほどのラーニング能力では作ったプログラムもすぐに役に立たなくなるかもしれない」
玲二「その話は後だ!何か方法はないのか!?」
アルベルト「以前にも似たようなチートがありました。その時は電脳回路にゲートを作成して通過するとういう方法を使いましたが今回は使えません」
玲二「どうして?」
アルベルト「このゲートを通過できるのはGCPDの権限を持つガンプラのみ、いわばGCPDのメンバーでなければ通過できないのです。本土のメンバーからの連絡は無し、おそらくそれどころではないのでしょう」
玲二「警視は?」
アルベルト「私は解析班です。自分のガンプラは持っていません」
玲二「クソ!どうすれば…」
「あの~」
声のした方を見ると、るりがいた。
るり「スミレさんはいらっしゃいますか?ちょっとお話が」
玲二「……警視、彼女は?」
アルベルト「もう検索してます。…ありました!彼女なら行けます!」
玲二「栞葉!」
るり「は、はい!?」
玲二「力を貸してくれ!スミレがピンチなんだ!」
Яと対峙するスミレ。高速機動に翻弄され、格闘攻撃による猛攻に次第に追い詰められていく。果たして、彼女はЯを倒すことが出来るのか?
次回、Take me higher