やるとしたらステイナイトがゼロですかね。履修が大変だなあ……(諦め)
「そこにいるんだろう?出てきてもらえるか?」
「………敵意は無いみたいだな」
南の勇者。まさか俺に会いにくるなんてな。突然のことだったから身構えたが大丈夫らしい。不意打ちしないということはそうなのだろう。
「何でこんなところに?まさか俺を誘いに来たわけでも無いだろう」
「少し話をしたくなったのだ。あなたがここに居るのを知ったからな」
「それは未来予知か?それとも人伝てにか?」
「!………やはり貴方はしっているか……」
当たり前だ。俺はあの漫画の知識を持っているし、南の勇者の快進撃はこの耳まで届いている。つまり原作通り未来視ができるということだ。恐らくそういう魔法なのだろう。
俺はその魔法を諦めた。才能の領域だあれは。俺には到底できそうもない。それに未来が見えたら面白くないからね。
「知らない未来でもあったのか?大方言わなかっただけだろうよ。あんたの最後も、その妥協点も、魔王を倒す勇者も知ってる。その上で何をしに来たんだ?」
少し冷たいだろうか?しかしこの物語で一番関わるべきではない相手だ。未来が変わる可能性があるから。しかもわざわざ俺に会いに来たんだ。何かあるのだろう。
「あなたは近い内に死ぬ。魔物の手によって」
「え?」
………え?
***
いやあ~まじ?マジか。
どうやら本当に俺は死ぬらしい。彼が言うのだからそうなのだろう。しかしまあその為に来た訳でも無いだろう。
「それで。俺に何をして欲しいんだ?」
「いや、何もしなくて良い」
「は?」
何を言って………いや、ああ、成る程な。
「凄いなあんた。今のやり取りで未来を確定させたのか」
「ふむ、そこまで分かるとは。本当に何者なのだあなたは……」
何者と言われてもな。ただの人間でしかない。それ以下でも、それ以上でもない。そもそも立場に縛られていないのだから名乗れる物も無いのだ。
「何者と言われても……別に只の人間だろ」
エルフだが精神は人間だ。生き方も人間だ。ちょっと耳が長いだけ。ホモサピエンスかエルフかの違い。どちらも人間なんだよ。
「そうか…」
「それよりもさ、あんたもこれ食う?」
「これは……何だ?」
「ラーメンだよ、ラーメン」
「ラー……?いや、遠慮しておくよ」
分からないよなラーメン。美味しいから食べていけば良いのに。
「そっかぁ………。それで、次はフリーレンか?それとももう会ってきたとか?」
「いや、今から行くところだが、あなたも未来が見えているのか?」
胡乱げに見てくる彼は漫画の中の英雄とは異なり困惑気味だった。あの自信満々な英雄のこんな顔を見れたのは儲けものだ。
「…………ぶっちゃけさ、あんたなら選びとる未来を変えないだろ?なら、話しても良いよな」
「ああ、それを心配していたのか。なら大丈夫と言える。私が進む道は変わることがない」
「なら話すさ。それでも全てじゃない。概要だけ。いいか?」
「ふむ、まあ良いだろう。それで構わない」
少し不満そうだが納得してくれたらしい。
「まず俺が知ってるのは大まかな物だ。この人類と魔王の戦いがもうすぐ終わること。倒すのは勇者ヒンメル率いるパーティー。そしてそれに絶対に必要なピースがあんたとシュラハトの戦い。七崩賢三体の殺害とシュラハトとの相討ち。関係あるので知ってるのはそれぐらいだ」
「どうやってそれを?」
どうやって、か。恐らくどの未来を見ても俺は話さなかったのだろう。これを知って彼は絶望しないだろうか。……これはやはり言うべきでは無いのだろう。誰も知らなくて良い真実だ。
これだけは言えないだろう。常人ならば笑えない。俺みたいな馬鹿だけだ。人に笑い者にされるのを良しとするような馬鹿しか笑えない事実だ。俺みたいに滑稽に踊るのを生き方と定めたなら受け入れられるだろうな。
しかし彼は全力だ。その死に様を定め、世界を救うことに文字通り命を賭けている。
言える訳が無いだろう?これを見てるあんたらならどうしたんだろうな。
あんたらも俺が人付き合いが下手なのは分かってるだろう?
俺は人と話すのがある程度好きだ。でも人付き合いは下手だ。正解ってのが分からないし、人の気持ちも汲み取れない。
本当に、人ってのは難しい。世界を救うより人一人を救う方が難しい程に。
全く、俺には恋愛とかそんなものは程遠いな。青春もそのほとんどが録な物では無かったな。けどそれはそれとして楽しんだつもりだが。
話を戻そう。つまりは言えない訳だ。答えはそれだけ。この為だけに結構時間を要してしまった。
「それは言えない。てか知ってたんだろう?」
「やはりか。あなたはどれだけの未来を見てもその事に関してはどうしても答えない」
「だろうな。これは同類のどうしようもないクズにしか話せない。悪い意味で夢を手放して足掻いてる奴にしか言えない」
「成る程。確かに私はそうでは無いのだろう。しかしそんな人間がいるのか?」
「さあな。いるかもしれないしいないかもな」
「……なら質問を変えよう。あなたは何処から来たんだ?」
「異世界」
「異世界!?本当に………いや、成る程。それは初めて聞いたが、そうか。異世界からの来訪者か。……常識も色々と違うのだろうな」
「そうだな。色々違うよ。けど別にそれを聞いたところでどうにもならないだろ?打開策なんて探そうとするなよ。
俺を犠牲に何かしようってんならそれで良いが、どうにもならないんだろ?もう俺の使用法は決めたんだろ?それに従ってやる。だからそんな辛気くさい顔すんなよ」
「……あなたは、それで良いのか?」
「もしかしたら身から出た錆びかもしれないんだ。それにあんたもそうであろうとしてるじゃないか。」
この世には自己犠牲を否定しようとする者はいるだろう。生きていなきゃ意味が無いなどと宣う者もいるだろう。素晴らしい言葉だ。確かにその通りだ。そっちの世界ではな。しかし俺に言わせてみれば詭弁でしかない。
何かを犠牲にしなければ何を成すこともできない。
平和を産み出す為にはその禊が、死をもって区切りをつけなければならない。それしかないんだ。
俺だってこの世界で幾つもの死を見てきた。誰も彼も死んだ。殺された。それでも生きていたい。そんな世界だ。
自己犠牲で世界が救えるなら安いさ。自己犠牲で人を救い、平和をもたらせる。そんなの出来すぎてるさ。力があるからこそ選び取れる未来だ。躊躇してる場合じゃない。
「そうだな。そうであったな。本当にままならない物だ」
「そうだな。どうしようもないさ。あんたの話を聞いて分かったよ。録な死に方じゃないんだろうな。お互い大変だ」
変に笑みが溢れる。同類が居るからこその安心か。諦め故の嘲笑か。そりゃ分からないがそんなに悪くない物だ。彼もそう思っているのだろう。その顔は希望に溢れていた。
「ああ、私はもう行く。申し訳ないが後は頼んだ。あなたにも彼らの道を切り開いてもらうことになる」
後に来る勇者ヒンメル。そのパーティーの道を俺も切り開くことになるらしい。それはいつ頃なんだろうか。もうどうにもならないんだろうな。
「御安いご用さ。この命の使い道がそこまで上等なら嬉しいよ。あと最後に一つ」
「なんだ?」
彼は俺を利用する為にここまで来たのかもしれない。しかし彼もその道に殉じようとしている。シュラハトもまた、同じ。どちらも種族の存亡を賭けて、その上で見つけた妥協点。
例え誰が何と言おうと文句なんて言わせない。もしかしたら誰かに頼れば良いなんて、そう思う奴もいるかもしれないが。だったら誰を頼れば良いんだって話で。当たり前だ。自分にしか出来ないのだから。
「迷惑をかけたな。ありがとう」
「……ふっ。さらばだ」
何が彼を突き動かすのか。だから勇者なのか。俺には理解できない。でも一つだけ。よくある自己満足の為の自己犠牲。それとは違うんだろう。もっと崇高な何かを賭けて挑んでる。そんな気がする。
身を翻し、その姿が見えなくなっていく。彼の背中が夜に溶けていった。
***
なんかあの会話廚二病みたいだな。まぁここファンだジー世界だしいっか。
南の勇者はその後シナリオ通りに死んだ。しかし死体は残ってない。作中でフリーレンが言ったように食われたか、もしくは生き延びたのか。片腕無くなったりして戦線から離脱した可能性もある。
でも結果自体は変わらない。敵対しなくて本当に良かった。もし戦っていたらと思うと………寒気がするな。
俺も同じように何かをして死ぬことになるらしい。せめてその時までは楽しんでいよう。本当にいつになるのやら。
うん、ラーメン美味い。そう言えばあの時もラーメンだったなあ。塩と魔骨の違いはあるけど。魔骨ラーメンはここ数年で一番の成果かもな。魔法も頑張ってはいるがどうにもな。新しいのはあと五年はかかりそうだ。
あ、ハイターがまた死にそうな顔してる。酒飲み過ぎなんだよ。
「生臭坊主」
「気持ち悪い………」
酒ってそんな美味いか?俺好きじゃないんだよなあ。あ、吐いた。うわあ、気持ち悪い。フリーレンも顔をしかめてるよ。あ、ヒンメルにかかった。
「ギャアアア!」
楽しいなあ。さて、次は何処に行くんだろうな。
次の次の世界(東方は何れ絶対にやるので除外)
-
葬送のフリーレン
-
原神
-
モンハン
-
異世界おじさん
-
ワンピース
-
ブリーチ
-
呪術廻戦
-
ハンター×ハンター
-
SAO
-
このすば
-
ヒロアカ
-
鋼の錬金術士
-
新世紀エヴァンゲリオン
-
チェンソーマン
-
ポケモン