旅に行きてえ!
はいという訳で謎キャラムーブの為に原作キャラと話す機会を失ったマヌケ森田です(自業自得)。
今の俺は普通に事務処理をしている。店の金銭の管理や土地代、国に提出する税金等やることはまあ有る。こんなのはバイトにやらせることでは無いんだけどなあと思いつつ処理していく。
自分で言うのも何だが俺は書類関係の仕事が得意だ。というのもこの体の頭の回りが本当に速いのだ。単純に頭の性能が上がったからこそ仕事の処理速度は常人の比じゃない。それは日本で育ったというのもあるだろうし、魔法の研究時に頭を回す必要があったというのも関係してるだろう。
しかし俺はこの仕事が嫌いだ。得意だからといってやりたくはない。俺は基本頭を使いたくないのだ。何も考えずに楽しんでいたいというのも本音ではあるから。
話を戻そう。俺は先日最重要ネームドキャラの一人、フランメと会った訳だ。今更になって変なことしないでもっと話しておけば良かったと思ったが、まあ仕方ない。関わりすぎたら色々変わってしまうかもしれないから、やはりあの行動は間違いじゃねえ。
で、フランメと会って思い出したのだ。俺が魔法を鍛えたり、近接戦闘を頑張ったのは楽しかったのもあるが、それ以上に生き残る為だ。この世界で生きるには余りに俺は弱すぎた。好きに生きるには圧倒的な強さが必要だった。
けどこんな世界だ。俺はもっと色々な物を見てみたい。フランメと出会ったことでフリーレンみたいに旅をすることを思い出した。
今はそれなりに金も貯まってきた。後少ししたら俺もどこかへふらっと行ってみようと思う。
まず目指すのはフォル盆地。フリーレンやフランメがいる可能性があるからな。数年前の拠点を出た時に一回行ってみたんだが居なかっただよな。魔力探知に引っ掛からなかったから丁度居なかったんだろう。
で、その道中で色々な地方へ寄ってみようと思う。俺が今いるのは原作で言うとどこら辺なのだろう?
以前ソリテールと出会ったのは北部高原に片足突っ込んだ所だった。俺の元々の拠点北部高原にあったという事だ。そりゃ人間が少ない訳だ。
取り敢えず今の俺は北に位置する場所にいる。北側諸国のどこかという訳だな。行くのは南。正直凄い楽しみ。俺もここまで強くなれば一人旅が出来るだろうか?
勇者一行の場合は何故か強すぎる勇者ヒンメル、生臭系最高修道士ハイター、ただの化け物ドワーフのアイゼン、千年以上生きたエルフのフリーレンという豪華メンツでの旅だった。
魔王軍に喧嘩売る訳でもないから大丈夫だとは思うが、勇者一行ぐらいの強さがおれにはあるだろうか?恐らくギリギリだ。
アイゼン程のタフネスは俺には無いし、ハイターみたいに回復系統の魔法が使える訳でもない。フリーレンとは互角か?ヒンメルは、何が強いのか分からないんだよなあいつ。戦闘描写が少ないからなあ。
俺は魔法使いとしてはある程度戦える。作中じゃあ一級魔法使いレベル、フリーレンとすら競えるだろう。しかしもっと強い奴もいるのだ。七崩賢もそうだが、魔物とかもそうだ。煌獄竜なんかはヤバいしな。こいつらは勇者一行全員でギリギリレベルだ。本当に強い。
ソリテールには勝てたがあれもまあ運だ。千年後じゃもう分からない。本気を出すなら俺は七崩賢にも勝てるだろう。相性次第では負けるかも。
しかしゼーリエは無理だ。あれは俺じゃ勝てない気がする。この世の全ての魔法を使えるらしいからね。俺のやること全部防がれる気がする。まあその上でどう戦うか、どう勝ちにいくか考えるんだが。
近接戦闘を考えるなら俺は弱い。アイゼンには遠く及ばないのでは無いだろうか。この世界の近接戦闘は流派とか技術とかより根性や筋肉だ。あとなんか、才能?
シュタルクすら俺には危うい。ドラゴンを近接で倒せるかと言われたら分からないのが俺だ。適当な魔物なら流石にいけるが。
そう考えるとフランメもよくこんな所まで来たなあと思いつつ目の前の紙束を無くしていく。俺煌獄竜とかと出くわしてたらヤバかったのかもしれないな。いつかシュタルクとかモンクのクラフトとかと手合わせしたいなあ。
***
「モリタさん、今日はちょっと頼みたいことがあって」
この世界の仕事ってのは基本ガバガバだ。そりゃ日本みたいにきっちり何でも管理される訳がない。この世界はファンタジーで貴族社会で絶対君主制だ。
だから決まった仕事以外にも臨時で色々な事に巻き込まれる。
俺の家は森の中にあるため誰にも知られていない。そうすると俺に何かを頼む時はこの宿屋を通すしかないのだ。
「どんなですか?」
俺の今の立ち位置はいたって簡単。色々できる宿屋の怪しい店員だ。何故か色々できるし、何故か店以外では仮面を被っている。性格もどことなく変。けどいろんなやってもらえる名物店員なのだ。何となくこの生活愉しいから旅するのやめようかな?
「アルリアさんて分かる?ほらあっちの方の家の」
「ああ、時々料理を食べに来てくれる方ですよね」
「うん、その親戚の子がどうやら熱を出しちゃったみたいでね。変わりに仕事を頼みたいってさ」
「分かりました。でも何処へ行けば良いんです?」
「あーたぶんそろそろ……」
そろそろ?
「すいませーん」
店の入り口の方から声が聞こえた。誰だ?
「ほらね?」
あんたは超能力者かよ。
「今日はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
店に来たのは随分と若い青年だった。年は二十歳もいってない。まだ年端もいかない………と言ったらあれだが、まあ高校生ぐらいの子が来た。
「俺の名前はリアス。あんたの名前はいいよ。皆この町の人間は知ってる」
しかし、よく鍛えられている。一目で分かる。彼は強い。この青髪の少年は強いね。近接系だ。戦い方は、拳ではないか。何らかの武器を使うみたいだ。見当たらないけど。まあ仕事に武器はいらないよね。
「そうでしたか。分かりました。それで今回やる仕事というのは?」
「貴族の護衛だ」
「……何ですって?」
***
とんだ厄ネタだ。クソ依頼じゃないか。貴族の護衛なんて最悪だぞ?失敗したら処刑ものだ。失敗=貴族の死だからな。女将さんも知ってて言わなかったな?俺が断るって分かってたんだろう。全くこんなの他人にやらせようとするなよ………。
「嫌なら帰ってくれて構わない。アルリアさんにもそう言われてる」
仮面してるのによく分かったな。こういうのに敏い子は人間社会で強いよ。強者には少ない部類だ。
「いえ仕事なんで。仕事ならやりますよ」
そう、これは仕事だ。受理した依頼はこなすさ。それが俺みたいなはみ出し者の信用に繋がる。やらないという概念は無い。
「そうかよ。俺は武器を取ってくる」
暫くしてリアスは武器を取って来た。得物はどうやら剣だったらしい。彼の身の丈程も有る両刃の剣。
成る程、剣を持って来た彼はさっきまでとは纏う雰囲気が違った。それは彼が今まで積み上げてきた鍛錬や戦闘によるものだろう。と同時に並々ならぬ決意を感じた。この依頼にはまだ何かあるのだろう。知る必要もないが。
お、ようやくお貴族様のご登場らしい。俺は離れてるかな。
リアスが色々話してくれているが、ああそういう。どうやら貴族の少女はリアスと知り合いらしい。いずれ恋仲にでもなるのかね。若者の青春は邪魔するべきじゃあない。
「話は終わりましたか?」
「ああ、もう出発だ」
「最初に聞いておきます。この依頼の内容と報酬。危険な可能性と経緯は?」
「内容はハイル家息女の護衛、報酬は100万までなら好きな形で払うそうだ。可能性は分からない。今回の道程は彼女を都市へ送り届けて欲しいそうだ。彼女は魔法?の才能があるらしくてな。その勉強に行くらしい」
………フランメの計画の影響だな。まあいい。報酬は好きな形か。魔法書とか武器とかでも良いと。そりゃそうだな。此処は北部高原に近い。南とは比べ物にならない程危険だ。強力な魔物もいるからな。
「分かりました。じゃあリアスさんは普通にお願いします。僕はもう行きますから」
さあ気張っていこうか!
***
「フゥっ!やっぱキツいねぇ!」
リアス達の道中。その半径一キロ程にいる魔物の全てを俺は殲滅していた。しかし北部高原近くの魔物。そう一筋縄にはいかない。勿論ソリテールなんかよりは弱い。何ならゾルトラークで一発な野郎もいる。しかし数が数なのだ。竜種なんかも多いから一苦労だ。
「死ねクソガキ……!………これで終わりか」
流石に多いな。ここ数日はこんな労働が続いている。日ももうすぐ落ちる。彼らももう夜営の準備に入るだろうし、俺も合流するか。
日中、というか明朝から日暮れまでの彼らが行動する時間は魔物や魔族を倒して露払いしている。ここまで戦闘を行えば魔力も馬鹿にならない。明日中に着けなかったら何かあった時はヤバいかもな。
「モリタさんお疲れ様です」
「ああお疲れっす」
戻ると護衛の方々が夜営していた。俺ら以外にも雇っていたらしく、騎士っぽい人や傭兵の方なんかがちらほら見て取れる。
「モリタっていつも何をしてるんだ?道中魔物と出くわさないから何かはしてるんだろうが」
「てきとうに魔物を狩ってるだけです。特別なことは特に何も」
「ここらの魔物相手に一人で彷徨く方がおかしいだろ……」
そうかもしれない。実際俺が百年も生きれない体だったら無理だったな。人間の身体のままだったら近接も魔法も全く出来なかっただろう。
「そらまあ長く生きてればね。色々あるんすよ」
「あんたそのなりで俺らより歳上なのか?」
「伊達に何千年も活きてませんよ。あ、これ秘密にしといて下さいね」
適当に喋ってたら口が滑っちまった。まあいいか。所詮一度限りの関係だ。どうとでもなるだろ。
「胡散臭い野郎だなあんた…」
「本人にそれ言う!?」
***
誰もが寝静まる丑三つ時。こんな時間に動いてるのは心にやましいことがある奴だけだ。例えばそう彼のような。
「ようやく職務も終わりですか?」
「起きてたのかよ……」
リアスが貴族の居る夜営地から出てきた所だった。大人達が真剣にやってる中同年代の女の子と話すのは後ろ暗いんだろうな。若いってのは良いね。俺にこんな青春は無かったけど。
俺はこの時間はいつも見張りをしているからな。気付いてしまうわけだ。つまり最近はほぼ不眠不休な訳だけどな。食事の時間にだけが心の拠り所である。
「ふふっ、若者の青春にあれこれは言いません。ただしっかり寝て欲しいだけです」
「それはあんたもだろ。あんたいつ寝てるんだ。日中はいつも何処かで戦闘音が響いてる。あれはあんたのだろ?それに夜になったらまた居なくなってる。本当に人間か?」
「耳が良いんですね。結構距離を取っていたんですけど」
「今回はすまなかった。迷惑をかけてばかりだ」
こりゃ驚いた。謝罪とかするように見えなかったが、案外義理固いのか。
「いやいや僕は万が一を起こしたくないだけですから。もう後悔を見たくないだけです」
「?そうか」
あんたみたいな人の後悔を俺はみたくないんだよ。ただそれだけなんだ。
「ええ、リアスさんも頑張って下さいね。メンタルケアは重要ですからw」
「ちっ、そうかよ」
ガサッ
「リアスさん、構えて下さい」
「分かってる」
そう言った時にはもう剣が抜かれていた。
ヤバい、俺の魔力探知を抜けてきやがった。これは……強いぞ。
「何かあったら皆を起こして逃げて下さい。守り切れないかもしれない」
「へえ、それが分かるのか」
「なっ!魔族……!」
出て来たのは片角の魔族。こいつは見たことがある。よく記憶に残っているさ。印象に残るほど強かった。
「まあ分かった所でだけどな」
「本当にそうか?」
《破滅の光を放つ魔法》
「ちっ!これを防ぐのか」
リアスの前に移動した俺と、いつの間にかリアスの前に来ていた魔族。俺はそのまま魔法を放ったが、奴にその魔法が届くことはなかった。
「もう目の前まで……!」
「リアスさん、こいつに身体を触れられないで下さい」
「おいおい魔法までバレてるのかよ。やりにくいな」
こいつは初見殺しが強すぎる。だから防げた。だから覚えていた。しかしどうするか。こいつは殺す訳にはいかない。物語上こいつは必要だ。
残影のツァルト。
七崩賢奇跡のグラオザームの配下であり、使う魔法は空間転移魔法。その名の通り触れた相手を転移させたり、自分が瞬間移動したりする魔法。それで空高くに飛ばされたら非常に厄介だ。高所からの落下を対応出来る人間の魔法使いはこの時代にはいない。
他の奴らを飛ばされたら対処がキツくなる。未来でフリーレンとの戦闘もあるから無駄な知識は与えたくない。制限が多すぎるな。どうすればいい?
そうだ、リアスがいる。彼の強さの程は分からない。けど彼は強い。それだけは分かってるんだ。
しかし、こんな子どもを巻き込んで良いのか?俺一人で対処するべきではないのか?
「モリタ、この際お前の素性はどうでも良い。やるぞ」
!……情けないな。彼は、もう覚悟を決めていた。そうだ、この依頼を受けた時点で覚悟なんてとっくに決めていたんだ。その覚悟が無駄では無かったと証明せねばならない。
そうであって欲しいから。少年少女の抗いは無駄では無かったと思いたいから。
「リアスさん、腹を括って下さい。死闘になります」
「……ああ、任せろ!」
戦いとは無情だ。こんな子どもにまで殺し合いをさせてくる。弱肉強食だからこそ戦わねばならない。生き残らねばならない。
負けられない一戦が幕を開けた。
会って欲しいキャラとかいたらお願いします。