世界最古の魔法使い【一章完結】   作:I'mあいむ

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この時代だとまだ魔族とかしか出せないんですよねえ。適当なオリキャラを作るしかねえ!ということでリアス君が出来ました。


少年少女の願いをかけて②

「ははっ、何だよこれ」

 

凄すぎる。ただそう思った。

 

辺りに轟音が響き、砂塵が舞う。リアスの振り下ろした一撃は周りの木々を薙ぎ倒し、衝撃波で何十メートルも先まで破壊しつくされていた。

 

これが只の斬撃か?明らかに強すぎるだろう。ほんとにイカれてる。それこそ勇者レベル。アイゼンやヒンメルと比べても遜色無いじゃねえか。

呆けてる場合じゃねえ。俺も武器を取り出した。

 

「お前本当に魔法使いか?」

 

リアスに呆れられてしまった。まあ確かにそう思われるのもしかたない。俺が使うのはハンマーだったから。二メートル程ある細長い持ち手に、30センチ程の頭がついたハンマー。

 

俺はこいつを杖変わりにもするし普通に殴ったりもする。この世界の武器は基本刃がついているからなあ。俺は少々異端かもしれない。

 

《地獄の炎を放つ魔法》

 

「人間ですよ、普通の。リアスさんの方がおかしいでしょう。どうなってるんですかその身体」

 

「そんな油断してて良いのか?」

 

今度は俺の方を狙ってきたらしいが、甘いな。もうリアスが来てる。

 

「誰が油断してるって?」

 

「なっ!?」

 

「こっちもわすれるなよ!」

 

そのまま二人で攻撃を叩き込む。結構なダメージになったぞこれは。

 

「これで終わりだ」

 

「もう勝ったと思ってるのか?」

 

リアスに魔法が襲いかかる。あの攻撃生き残るとか魔族化け物すぎて笑えんわ。これは避けらねえな。しょうがない。

 

「そのまま進んで下さい。僕が守ります」

 

「ああ!」

 

防御魔法を展開し、リアスの進む道を作る。

これもまた未来の魔法だ。いや、未来の防御魔法を俺なりに再現したものだ。ソリテール程なら問題は無かったと言える。フリーレンとソリテールの戦闘時には防御魔法がもう開発されていた。

しかしツァルトの時にはまだ無いと思われる。

 

人類の叡知の結晶でもあるだろうこの魔法。解析されたらかなり痛い。

 

「なっ!何だその魔法は!?」

 

そりゃそういう反応もするわ。自分の攻撃を防げる魔法なんか人間に使えないと思ってたんだろう。少なくともこの時代だからな。

 

「驚いている場合じゃないだろ」

 

彼の斬撃がツァルトに迫る。勝てるとそう思っていた。しかし、俺の見立てはことごとく甘かった。

 

***

 

突然俺達の前に現れた魔族。魔王城が比較的に近いと言えるここら辺で出会う魔族なんて、嫌な予感しかしなかった。

 

モリタ曰く瞬間移動ができると、触れられると何処かへ飛ばされると言うことだった。そんなのありか?魔法使いってやつはそんなことまで出来るのか?そう思ったが目の前の光景が否定してくる。

 

そもそもモリタは何故そんなことを知っている?こいつが何物なのか。あの町でそれを知っている奴はいない。

 

俺はあの町の生まれだが物心ついた時にはいた。あの町で一番の変人。普段はいつも付けてるのに、仕事の時だけ仮面を外している。家が何処かも、何処から来ているのかも分からない。

何より何を頼んでも引き受け、解決してしまうのだ。人の病気、魔物の討伐依頼、こわれた家の修理。

でもそれをやってるところを誰も見たことがない。だれにも見せない。

 

謎だ。俺はこいつを信用出来ない。けどこいつは、何故か強い。その理由が今分かった。

全く強い気がしなかったこいつから放たれる一撃。そもそもこんな魔法を人間が使ってるのを見たことがない。今だって強い奴の気配が一切しない。なのに、一秒毎にその偏見が否定されていく。

 

あいつの戦い方もそうだ。まるでこちらの意志が全て分かっているかのような攻撃。場を支配しているのは間違いなくこいつだと、否応なく理解する。

魔族も俺もこいつに操られている。攻撃のタイミングも、避けるタイミングも全て読まれている。

 

やりやす過ぎる。的確な援護で相手の攻撃が阻まれる。だからこそ欲が出た。ここで倒せるとそう思ったからこそ、油断が産まれた。

いつの間にか俺の攻撃は単調になっていたんだろう。長い時間戦闘を続けたのもあったのかもしれない。

 

だから俺は、こんな所で倒れてる。

魔族の一撃を食らった。たった一度の攻撃。人生で初めてこんなに傷ついた。一瞬の隙をつかれた致命的な一撃に俺はボロボロになってしまった。今まで戦ってきた中で一番強かった。

 

俺はここで死ぬのか?

嫌だ、まだ死にたくない。死ねない。こんなところで死ねない、あいつを残して死ぬなんて出来ない。やっとなんだ!やっと仲直りできたんた!俺は……あいつともう一度話すんだ!

 

しかし俺の身体は応えない。何処かが折れている。クソっ!まだだ。身体に鞭を打って立ち上がる。しかし、思うように動けない。俺はただその戦いを見ることしか出来なかった。

 

瞬間移動を繰り返し攻撃を繰り返す魔族と、それを避け、防御し、反撃を繰り返すモリタ。

 

徐々に、微かにモリタが押されている。けど決定的な攻撃に至れない。これじゃあ終わりが見えない。そう思っていた時だった。

 

「埒があかない。これで死んでもらうぞ!」

 

そう言って魔族はいなくなった。逃げたのか、と思ったがそうじゃない。少し離れた所にいた。しかしその時には手遅れだった。

 

辺りが真っ暗になった。明けかけている日の光が無くなり闇に包まれる。

 

「なっ!?これは……嘘だろ」

 

理由は明白だった。上を向けば地面があった。地面とも言える程の巨大な岩が落ちて来ていたのだ。そうか、何でも転移させられるなら地面も転移させられるのか。

 

これは……無理だな。

 

「ははっ、何だよ…最初から遊ばれてたのか」

 

言い様の無い感情がこみ上げてくる。何も出来なかった。手も足も出せてやいなかったんだ。

 

「諦めますか?」

 

「モリタ……そりゃそうだろ。こんなのさ、どうしようもないだろうが」

 

「抗ってみませんか?まだやり残しことがあるんじゃないですか?成し遂げたいことはありませんか?」

 

「そりゃ無くはないが……」

 

「醜く、意地汚く、往生際が悪く。その先に何があるかは分かりません。絶望に終わるか、希望を手にするか。でも、抗ってみなきゃ分からない。人間に諦めてる時間なんて無いんです。死ぬか生きるか、今際の際まで抗い続ける。それも悪くありませんよ?」

 

この期に及んで何を言っているんだこいつは。ああ、けど、そうだな。そうだった。まだ終わってない。俺はまだ生きている。あの勝ち誇った顔をしてる魔族に一撃ぐらい入れてやる。

 

「ああ、そうだな。俺はまだ生きているんだからな」

 

***

 

吹っ切れたような顔をして走り去っていくリアス。その顔はかの勇者と重なって見えた。

 

「さてと、俺もやりますかね」

 

ここまでされたらもう、やるしかない。原作でもそうだった。ツァルトはフリーレン達をこうやって仕留めようとした。こうならないように隙を与えず戦ったんだがなあ。

奇しくも同じ展開になってしまったな。

 

手加減したせいで何度も攻撃を食らってしまった。身体はとっくに悲鳴をあげている。何処が折れて、何処が折れてないのか。そんなのは分からなくて良い。重要なのは戦う意志が有るか無いか。それ以外は気合いで何とかなるさ。

 

魔力の出力を上げる。抑えていた魔力を解放し、魔法のイメージを練り上げる。高出力の魔力反応で辺りが震え、放つ魔法の強大さを証明していく。

太古の魔族でさえ震え上がらす、只ひたすらに夢想し続けた破滅の結晶。

 

「格の違いを見せてやる若僧」

 

 

《全てを悉く破壊する魔法》

 

 

ただのビーム砲。どんな魔法も、威力と速さを突き詰めるならばこうなってしまう。回避不能の絶対照射。魔力消費が激しく、威力が高すぎて下手に撃てないこの魔法はただのロマン砲だ。

 

隕石のように降ってくる山のような岩が轟音と共に破壊される。打ち放った光は消え、まるで世界に穴が開いたかのように、そこだけ雲が無くなっていた。

 

これでもう後戻りは出来ない。しかし対処方法は元々あったんだ。単純だ。紛れもなく単純で、でも難しい行為。

そもそも自身の覚悟が足りないと言われたらそこまでなのだが……。

 

視線の先には魔族とリアスが戦っている。岩が破壊されたのが相当堪えたのか、魔族には先程までのキレが無くなっていた。

 

「うおおお!!」

 

最後の最後まで諦めない。だからこそ彼の一撃はツァルトに届いた。致命の一撃。死闘の末に繰り出された凶刃が奴の命に手をかける。

 

醜く抗う人間は時に救われるのかもしれない。まあそんな上手くいくのは少数だけど、それでもやってみれば良い。それもまた人間としてあるべき姿だと俺は思う。

 

《移動する魔法》

 

いち速く移動し、逃げる隙を与えない。リアスが稼いでくれた時間。退却を選ぶか逡巡するこの一瞬。この隙がどうしても欲しかったんだ。触れなければこの魔法は使えないから。

 

《気絶させる魔法》

 

「なっ、クソっ!卑怯……モノ……」

 

「卑怯だからこそ生き残れるんだ。どんな手段を取っても生きる。お前はそれに負けた。それでこそ弱肉強食だろ?」

 

確かに卑怯かもしれない。彼ら魔族にしてみれば魔力を制限することは卑怯。正々堂々としていない、魔法を扱う者として一番のタブーだろう。

けど、卑怯なんて言ってられない。生き死にの世界にそんな物はない。どちらが上回ったか、それだけしか残らない。

 

「まさか………本当に生き残れるなんてな」

 

随分と呆けた顔をしている。まあ、あんなのを使えばな。

 

「抗ってみるのも悪くないでしょう?」

 

「ああ、そうみたいだ」

 

安堵したような、呆れたような笑みが、なんとなくこの戦いの終わりを知らせた。

 

俺は彼らの青春を、誰かの日常を、少年少女の願いを守れたんだろうか。

 

こんな自分でも出来たのだと、そう思いたい限りだ。




戦闘描写キッツ。何も書けないです。

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