インフィニット・ストラトス 禁断の果実   作:文房具

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第2話 セシリア・オルコット登場

ISの正式名称は『インフィニット・ストラトス』

 

日本の『篠ノ之 束』博士が開発したマルチフォーム・スーツで開発当初は宇宙空間での活動が想定されていた。

 

しかし、それらの計画は現在は停滞中。

 

さらに各国のもろもろの思惑により、軍事利用が禁止となっているので、今は競技種目・スポーツとして利用されているものだ。

 

「今日から三年間しっかり勉強しましょうね」

 

山田先生から一通りの説明をしたところで、授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。

 

「うへぇ……勘弁してくれよ」

 

休み時間になった途端、クラスの前の廊下を埋め尽くすほどの女子が現れる。

 

おそらく、他のクラス、あるいは上の学年の人たちが俺と織斑を見に来たんだろう。

 

「情けない顔をしているな葛葉」

 

戒斗が話しかけてきた。

 

「全く平気なお前はすごいよ」

 

「女など興味がないからな」

 

「あっそうですか」

 

だいだい、なんだってあの人は俺たちをIS学園になんて入れたんだ?

 

むしろ俺たちの目的のためには、時間を取られるうえに監視がやたら厳しいこの学園には入学するべきじゃなかったと思うんだけど。

 

「よう」

 

「ん?」

 

今度は織斑 一夏が話しかけてきた。

 

「初めましてだな。俺は「織斑 一夏だろ」ああ、一夏でいいよ」

 

「俺は葛葉 紘汰だ。紘汰って呼んでくれ」

 

「……駆紋 戒斗だ。好きに呼んでもらって構わない」

 

「そうか、じゃあ紘汰、戒斗。よろしくな」

 

「そうだな。この学校でたった3人の男子なんだ、仲よくしていこう」

 

と、俺と一夏はがっちりと握手する。

 

戒斗は腕を組んでそっぽを向いているが。

 

そんなことをしていると、1人の女子が近づいてきた。

 

「すこしいいか」

 

長い黒髪でポニーテールの髪型した女子だ。

 

とても気の強そうな顔をしてるな。

 

「なんの用だ、箒?」

 

あれ? 一夏の知り合いなのか?

 

「一夏と少し話がしたいんだが……その、なんだ場所を変えてもいいか?」

 

「あ、ああ。俺は別にいいけど……」

 

眉を寄せながら俺達の方を見てくる。

 

「いいって、俺達のことは気にしなくても」

 

どうせ戒斗は答えないのだろうから、俺が代わりに応えておく。

 

「悪いな。じゃあまた後でな」

 

そういって二人は教室から出て行く。

 

一夏がいなくなったので、再び戒斗と話し始める。

 

しばらくして、チャイムギリギリに2人は戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ここまでで質問のある人はいますか?」

 

ある程度授業が進んだところで、板書を止めた山田先生が、わからない人がいないかを確認してくる。

 

俺は入学前に渡された参考書のおかげで一応わかっている。

 

戒斗も一緒だったのであいつも大丈夫だろう。

 

まあ、朝から晩までの時間のほとんどをを勉強に費やして『一応』分かった程度だから、一夏が少し心配だ。

 

「せ、先生」

 

案の定、一夏がひかえめに手を挙げる。

 

少しくらいわからないのは仕方ないな。

 

今のうちに分かっていた方が身のためだろう。

 

軽く思っていた俺だが、一夏の状態はその程度の軽傷ではなかった。

 

「ほとんど全部わかりません」

 

流石の俺も、あいた口がふさがらない。

 

「ええっ!? ぜ、全部ですか!? 今の段階でわからない人はどのくらいいますか?」

 

誰も手を上げない。

 

それを見た織斑先生は、

 

「織斑、入学前に渡した参考書は読んだのか?」

 

「ええっと……あの分厚い奴ですか?」

 

「そうだ。必読と書いてあったはずだが」

 

「いや、間違えて捨てちゃいました」

 

理由を言い終えた瞬間に名簿で殴る。

 

「後で再発行する。一週間以内に覚えろ、いいな」

 

「え!? あ、いや、一週間であの厚さはちょっ」

 

「やれといった」

 

有無を言わせない鋭い眼で睨んでくる。

 

「うぐ、はい。やります」

 

あーあ、死んだな一夏。

 

しょうがない、同性のよしみで手伝ってやるか。

 

 

 

 

 

 

 

そして休み時間。

 

俺は、一夏とともに勉強している。

 

ちなみに戒斗はトイレでここにはいない。

 

「つまりだな、ここは――――」

 

一夏が分からないと言ったところを教えていると、

 

「ちょっとよろしくて」

 

「はい?」

 

突然後ろから声をかけられる。

 

思い振り向くと、縦ロールのある長い金髪に透き通った碧眼を持つお嬢様系の女子が、お腰に手を当てて立っている。

 

「まあ! なんですのそのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのだから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

めんどくさいお嬢様系女子が来たよ。

 

内心そう思いつつも決して顔には出さない。

 

「悪いな、俺君が誰だが知らないし」

 

「わたくしをしらない? セシリア・オルコットを? イギリスの代表候補生にして、入試主席のこの私を?」

 

「あのな一夏、代表候補生っていうのは、国家代表IS操縦者の候補生、つまりエリート・天才という部類におられる人だ」

 

「へぇー、なるほどな」

 

「あら、お隣の御方はずいぶんとわかってらっしゃるのね。まさにその通りですわ」

 

俺の褒め文句に気分を良くしたのか、さきほどよりかは落ち着いている。

 

そう、そのまま気分を良くして帰ってください。

 

「わたくしは優秀ですからあなた方のような人間にも優しくしてあげますわよ。わからないことがあれば、泣いて頼めば教えて差し上げてもよろしくてよ。なにせわたくしは入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから!」

 

「あれ、俺も倒したぞ教官」

 

「…………は?」

 

予想外の返答だったんだろう、オルコットさんの顔が呆けている。

 

「倒したというか、いきなり突っ込んできたのをかわしたら壁にぶつかって動かなくなって。紘汰のほうはどうだった?」

 

こっちに振らないでほしい。

 

正直に言わないと後でめんどくさいな。

 

「一応勝ったけど……」

 

「……わたくしだけと聞きましたが」

 

顔を真っ赤にしながらもまだ質問してくる。

 

「女子では、っていうオチじゃないのか?」

 

「ぞれじゃあ、本当に、あなた方も教官を倒したって言うの!?」

 

食い下がってきたよ。

 

くそっ、一夏め、面倒なことにしやがって。

 

「まぁまぁ、とりあえず落ち着いてくれ、オルコットさん」

 

「これが落ち着いていられ―――」

 

ちょうどそこでチャイムが鳴る。

 

「話の続きはあらためて、よろしいですわね!」

 

悔しそうに顔をゆがめたオルコットさんは、そう言って去っていった。

 

 

 

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