マナカケンゴの休日   作:LeeMinwoo

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文章を構成するのってほんと難しいですよね。

今回も雑文ですが、どうぞ。


第15話 『一時帰還』

 

 

「逃しました、すみません」

 

悔しさを噛み締め、ミントリガーはカントとジールに伝える。

 

「いえ、僕も…」

 

俯きながら剣を次元収納する。

 

「彼らが傷つけられて、自分が思っていたより、沸点の限界に来てたみたいです」

 

冷静を装っていたつもりだったカント、しかしやはり仲間の傷ついた姿を見て、抑えていた感情を抑制しきれていなかった事に悔やんでいた。

 

「感情を優先していなければ、戦力をいち早く削げたのに…」

 

右手を強く握り見つめる。

 

「それは間違いだカント」

 

ジールは優しく諭す様に話し出す。

 

「それは殺傷を目的とした“兵器を所持した者”の発想だ、君は“ヒーロー”だろう、兵器ではない。そして何より」

 

左腕から離れ、羽ばたくジールを咄嗟にカントは腕を前にし乗せる。

 

「1人の人間であり“生命-いのち-ある者”だ」

 

腕に止まったジールはカントとミントリガーを交互に見る。

 

「2人とも、我々神々と君たち生命ある者の違いはなんだと思う?」

 

疑問符が浮かぶ2人に対し、構わず話を続け出す。

 

「それは“可能性”の違いだと、私は思っている」

 

「可能性…ですか」

 

「私達神々は、何かを成す時には大抵、事象により結果を作り上げる。そこには明確な終着点があり、結果が存在する」

 

ゆっくりと目を閉じ、皮肉混じりに語るジール。

 

「しかし君達生命ある者は、思考し始動、過程、その後に結果が出来。結果の先に更に新しく生み出す“大きな可能性”を秘めている。私達神々には、君たちの様な“過程”と“結果”を経た“発展型”を作り出す事がない」

 

「そんな事もないんじゃ…」

 

思わず本音が漏れてしまうミントリガー。

 

「そう言うものなんでしょうか…」

 

話している内容は理解できるものの飲み込みきれずにいるカント。

 

「もちろんそれは、決して良い事だけではない」

 

目を開き、再び2人を交互に見る。

 

「しかしその結果を生み出す可能性の広さは、君達が成せる唯一の技能と言っても良いだろう。事実、カントの鎧を作り上げた時、この可能性に気づき、キラキラした輝きを私は見た」

 

身体ごとカントへ向き直り、自らが感じた体験談を伝え紡ごうとするジールの気持ちに対し。

2人は朧げながらも、自分たちにはなかった着眼点にただただ耳を傾けるばかりだった。

 

「君達はよくやった。悔やんでも良いが、誇る事を忘れるな」

 

「「はい!」」

 

最後に激励を受け、条件反射に近く返事を返すが。

 

自分たちを励ましてくれている神様がそばにいる心強さを実感した2人だった。

 

そこへ素早く飛んでくる人物。

 

『ウルトラマントリガー』が戻ってきた。

 

ミントリガーとカントの側に降り立ったトリガーは光に包まれ、パッと散りゆく光の中からマナカ・ケンゴの姿が現れる。

 

「ミントリガー!カントさん!無事だった!」

 

駆け寄るケンゴ。

 

それにミントリガー達は近づく。

 

「ケンゴ、市民とガヲク達は?」

 

「みんな無事だよ。彼ら4人も医療班が連れて行ってくれた」

 

「ケンゴさん」

 

簡単に説明をしたケンゴにカントが声をかける。

 

「後輩を守ってくれて、ありがとうございました」

 

深々と頭を下げるカント。

 

「ケンゴくん、私からも感謝する」

 

頭を戻し、カントの腕に止まっていたジールをケンゴに向けて。

ジールはケンゴへと飛んだ。

 

咄嗟に腕を前に出すケンゴ。

 

ジールはそこに止まり、お辞儀をする。

 

「彼らを守ってくれて、ありがとう」

 

「いえ、僕は僕の出来る事をしたので」

 

優しく微笑み合う両者。

 

ジールはそのまま羽ばたき、空中でバサバサと羽根を鳴らしながら滞空する。

 

「早速だが、私はコレから君の件で調査を進める。カント。」

 

滞空したままの姿勢で、カントへ向き直るジール。

 

「はい」

 

「そう長くかからないとは思うが、しばらく留守にする。出動することがあった時は気をつけるんだぞ」

 

「わかってますジール。これからラボに戻って鎧のダメージチェックをします。しばらく“転送”が出来ない事を仲間に共有して、戻ってくるまでは“プランB”で動きます」

 

普段カントこと望月神斗はジールと共に単身で現場に急行し、ジールの力で鎧を転送し瞬時に装着する様に活動している。

装着して現場に向かうこともあれば、現着した後に鎧を装着する事もあるため、臨機応変な対応が出来る1番適した方法である。

 

しかし、ジールが神斗とやむ終えず、別々に行動する事になった時や、何らかの理由で鎧の転送が不可能になった有事の代替案として。

 

プランB

所属する大学院研究室の仲間と札幌市役所職員が連携をとり、専用の大型トラック型移動基地【Kトレーラー】を用いた現場急行を主な出動方式とする。

 

移動中の装着、迅速なメンテナンスができるように、転送という手立てが取れなくなった際の穴埋めが充分に出来る。

 

「ああ。では諸君、またな」

 

そう言ってジールは空高く飛び、現れた魔法陣の様なモノに消えていった。

 

「僕もこれで失礼します。ケンゴさん!次はゆっくりお話ししましょうね!」

 

ケンゴの手を取り、両手で固く握るカント。

 

それに応えて両手で握り返す。

 

「はい!ありがとうございます!また会いましょう!」

 

「ミントリガーさん、ご助力感謝します」

 

そのままの体制でミントリガーを見つめるカント。

 

「何かあればすぐ言ってください」

 

「はい!ではお2人とも、また!」

 

一礼をし、颯爽と走り去る。

 

見送った後、ミントリガーは風を起こすとともにカジュアルスタイルへと早替わりする。

 

「え、それってそんなに早く変えられるモノなんだ」

 

「まぁな」

 

関心するケンゴに対し静かに笑いつつ、端末へ通知があった事を確認する。

 

「ケンゴ」

 

とあるメッセージの本文を確認して

 

「さっきの公園、いや、ゲートの方がいいな、一旦戻ろう」

 

「ルルイエと一緒に、宮村さんが待ってる」

 

 

⬜︎札幌ゲート入り口前⬜︎

 

 

公園広場からバイクで札幌ゲートへ向かう2人。

入口付近に、ピンク色のハイエースが停まっている。そのすぐ側には輸送班の宮村がいた。

 

「ミントリガーさん!マナカさん!」

 

大きく両手を振る宮村は。

 

「宮村さん!」

 

「お2人ともご無事で何よりです」

 

「宮村さんこそ、大丈夫でした?」

 

「はい!私もこの子も無事です!」

 

そう言ってハイエースの助手席ドアを開けてみせる宮村。

 

そこには丁寧に毛布で包まれ、チャイルドシートへリュックに収まったまま括り付けられたルルイエが鎮座していた。

 

「ありがとぉ宮村さん!」

 

キラキラと目を輝かせ、まるで花が咲いたかの如く嬉しいさを全面に出すケンゴ。

 

「大活躍だったんですよ。この子を見た子供たちが集まってきて、おかげさまで避難誘導に一役買って貰いました。質問攻めにあって大変でしたけどね」

 

頭をポリポリとかいて、大変だった事を思い返す宮村だったが。

 

「そうだったんですか?すごいねルルイエ!あとでご褒美あげるからね!」

 

旅の友が大活躍し喜びを表すケンゴは、友に激励を捧げていた。

 

「私はコレから北見へ向かいます、次の輸送指令が入ったので」

 

その言葉を聞きミントリガーが尋ねる。

 

「なら俺たちと一緒だな。指令の内容は?」

 

「北見から紋別のイベント会場までの物資搬入の応援です。現地にいる広報部の同期から輸送班と調理師の手が足りないらしくて」

 

端末を取り出して何かを確認するミントリガー。

 

「本当は私も復興支援の手伝いに行くべきなんですけど、2人の上長からの指令でもあるのと、その現場に上長もいるんで…」

 

苦笑いしながら諦めの表情を作る宮村。

 

「2人って?」

 

「広報部と輸送班の上長です」

 

「なんか大変なんですね」

 

想像は容易ではないが、気苦労が少なからずあるのだろうと察するも。

どこかその苦笑いが、楽しそうにも見えたケンゴだった。

 

「なら俺たちと一緒に行こうか。そうだついでに…2人ともちょっと待っててくれ」

 

そう言ってどこかに電話をかけるミントリガー。

 

待たされた2人は顔を見合わせる。

 

「とりあえず、もうしばらくルルイエをよろしく!宮村さん!」

 

「はい!」

 

 

⬜︎北見ゲート⬜︎

 

 

ケンゴ一向は札幌から北見へとゲートへと着いた。

 

到着してルルイエのリュックを確認しているところに、市長秘書の『愛宕屋』が現れる。

 

「お待ちしてました」

 

「愛宕屋さん!お疲れ様です!」

 

「ケンゴくんこそ。ミントリガーもお疲れ様です」

 

営業スマイルではなく、優しく温かい笑顔で2人を迎える愛宕屋。

 

「失礼します!広報部預かり輸送班の宮村です!物資搬入の手伝いに来ました!」

 

ハキハキとした自己紹介に少し目を丸くするも、すぐに営業スマイルに切り替え、愛宕屋は応対した。

 

「ありがとうございます、伺っております。私は秘書をしている愛宕屋です」

 

「ミントリガー、この場の説明は預かりますので、貴方は市長へ報告をお願いします」

 

愛宕屋はミントリガーへそう告げる。

 

「わかりました。ケンゴ、一旦俺はー」

 

「ちわあああああああああっす!!!!三河屋でええええええす!!!!」

 

突然の声に皆が振り返ると、紋別側のゲートから1人の長身男性が歩いてくる。

 

辺り一面に響き渡る大きな声でその場の注目を一斉に浴びた茶髪の男性は、向けられた視線一つ一つを怖気付く素振りを一切見せず、周りを見渡す。

 

「ん?あ」

 

青年の視線は、ケンゴで止まった。

 

「あああああああああああああ!!!!!」

 

再び大音量で興奮を表す青年は、そのままケンゴに近づいていく。

 

「マナカ・ケンゴさんですよね!?」

 

「は…はい…」

 

勢いに負けてたじろぐケンゴの手を掴み、青年はキラキラした目でケンゴを見る。

 

「動画観ました!マジで本物に出会えるなんて!」

 

「お!?え!?ちょっと」

 

情けなく狼狽えるケンゴに構わず、青年は一旦1歩下がり、一礼した後自己紹介をする。

 

「はじめまして!俺!『神池 竜人-かみいけ たつひと-』って言います!」

 

親指を立て、その先を自身の胸に当てる神池竜人。

 

「ヒーローやってます!名前は『セイリュウジン』っす!お会いできて光栄っす!!」

 

セイリュウジン

北海道の清里町を中心に活躍するヒーロー。

清里町の神の子池に住む竜神の子孫『神の子りゅうちゃん』より清竜の鎧を授かり。

『きよっぴ』と言う相棒と共に壮絶な戦いの末、宿敵との戦いは終わった。

その後も持ち前の粘り強さ、フットワークの軽さを活かし。

各地のイベントへに参加し、故郷や周辺地域の活性化に力を入れ、周辺地域ならず、各地へと助っ人に出向く程、多岐に渡る活動をしている。

 

「やっべぇ!マジルルイエじゃんか!すげぇ!すげぇ!」

 

「竜人」 「神池さん」

 

興奮冷めやらぬ相手に対し、ミントリガーと愛宕屋から同時に呼ぶ。

 

「ミントリガーさんに愛宕屋さん!これ!お土産っす!」

 

「つまらっあっ!!…カタチばかりのモノですが、どうぞ」

 

そのセリフを聞き、ミントリガーは軽く噴き出す。

 

「これはこれは丁寧に、ありがとうございます」

 

そう言って愛宕屋が受け取ったのは、歴史の長い清里焼酎蒸醸造所から出ている

 

清里じゃがいも焼酎だった。

 

「カタチばかりのモノ?」

 

聞き慣れないフレーズにケンゴがミントリガーに聞く。

 

「愛宕屋さんから教わった言葉なんだけど。竜人が痛く気に入ったみたいでな」

 

何か可笑しそうに話すミントリガー。

 

愛宕屋はケンゴに向けて細く説明をする。

 

「“つまるつまらない”は相手が決めることです。ですが“カタチばかりのモノ”と言っておけば、解釈は様々でしょう?そのうえこちらは“渡した”と言う“筋”を通した事になります。便利なので、ケンゴくんも使う機会があったら使ってみてください」

 

「ほえ〜」と漏らしながらなにやら納得するケンゴを他所に、竜人の元へ近づくミントリガー。

 

「それ持ってきたから三河屋なのか?」

 

「いやぁ一度言ってみたかったんですよ!」

 

屈託のない笑顔を向ける竜人にミントリガーが静かに笑う。

 

「早速だが竜人、これから搬入だよな?」

 

「え?はい、そうっすけど」

 

話しを切り替えたところに愛宕屋も合わせて話し出す。

 

「神池さんには、マナカ・ケンゴさんのアテンドを頼みたいんですよ」

 

「………おあ!?」

 

まさかの言葉に状況が飲み込めず変な声を出す竜人。

 

「ケンゴくん、申し訳ないのですが、彼の手伝いをして頂けると助かります」

 

「僕がですか??」

 

唐突な要請に驚くケンゴ。

 

「イベント会場へ物資を搬入頂くだけです。着いたらゆっくり食事をして下さい」

 

「食事?」

 

「今日のイベントはカレーを振る舞ってるんですよ!」

 

宮村が簡単に注釈を入れる。

 

「この辺でしか食べられない珍しいカレーだ。俺も終わり次第向かうから、またなケンゴ」

 

そう言い残し、振り返らず背中越しで手を振って離れるミントリガー。

 

「…マジすか?」

 

やっと理解できたのか竜人は声のボリュームを上げる。

 

「連れてっていんすか!?っしゃあああああああ!!行きましょう!ケンゴさん!」

 

「え?うん、」

 

言うや否やケンゴの両方を掴む竜人。

 

180cmを越える長身に若干気圧されるケンゴだったが、とても良い笑顔を釣られる。

 

「神池さん?ちょっと?」

 

「行きましょう!すぐ行きましょう!みんな待ってます!」

 

「みんなって誰ですか!?」

 

呼びかける愛宕屋に構わずゲートへとケンゴを引っ張っていく竜人。

 

しかしそこへ

 

「おうおうおう!!待ちなボンクラ!!」

 

愛宕屋 改め 駿菊が降臨

 

「てめぇにゃやる事ってもんがあんだろが。職務放棄なんざさせねぇぞこのすとこどっこいがぁ!!!」

 

声を荒げて竜人の肩を掴む駿菊だったが、いつもの営業スマイルに戻る。

 

「物資はあちらなので、迅速に運び出して下さいね。あ、輸送班の方は、ケンゴくんの花を持ってあげて下さい」

 

呆気に取られていた宮村にを向け、指示を伝える愛宕屋。

 

「何してやがんだ」

 

切り替わった事に安堵していたケンゴと竜人。

 

「とっとと身体動かしやがれってんでい!!!」

 

「「は!はい!!」」

 

完全に見透かされたのか。

 

条件反射に近い形で返事を返すとともの足早に動き出すのだった。

 

 

⬜︎ゲート近く⬜︎

 

「ひゃぁ…相変わらずなまらおっかねぇ〜」

 

そう言って身震いしながら物資のある部屋へと向かう竜人。

 

「僕も初めてアレを見た時は驚きました…」

 

苦笑いしながら

 

「あ!もう知ってたんすね?駿菊モードの事」

 

「はい…よくわかんない状態で怒られました」

 

「あぁ…あるあるですねぇ〜…あ!こっちっす」

 

そう言ってと部屋へとケンゴを誘導する竜人。

 

「神池さんは」

 

「やめてくださいよぉ、竜人でいいっすよ!俺もケンゴさんって呼んじゃってるし。あとタメ語でいいっす…あ…すみません…勝手に話し進めちゃいましたけど…」

 

口に手を当てて申し訳なさそうにする竜人の仕草が何か面白かった様で、少し笑ってしまうケンゴ。

 

「いいよ。じゃあ折角だし、竜人くんって呼ぶ事にするね!」

 

満面の笑顔を向ける竜人

 

「おすおす!ケンゴくん!」

 

そうやって開け放たれた倉庫の様な空間に辿り着き。

 

ケンゴが目にしたのは、野菜と流氷カレーと書かれた段ボール箱だった。

 

「箱が…ひぃふぅみぃ…」

 

「おし!」

 

袖を軽く捲り、手首についたブレスレットを握り軽く手首を回した。

 

「清龍…」

 

腰に当てて力を溜める。

 

「開っ…闢っ!」

 

高々とブレスレットのついた腕を頭上に掲げる。

 

青、金色、緑色の光が螺旋状に竜人を包み込んだ後瞬い光が広がり、そこへ姿を現したのは。

 

大きくまるで龍の様に猛々しい角と青く大きな丸い眼をした、金と緑の鎧を纏ったヒーロー。

 

セイリュウジンだった。

 

「それが、竜人くんの変身した姿?」

 

「おう!これが俺!セイリュウジン!」

 

ケンゴの目の前で腕をグルンと一回転させて親指を自分に向けてポーズをとるセイリュウジン。

 

「綺麗な眼をしてるんだね…」

 

感想が漏れ出るケンゴ。

 

「マジ!?なんか…そう言われると照れんね」

 

激しく後頭部をかきながら嬉しそうに右往左往するセイリュウジン。

 

「僕も変身して手伝うよ」

 

ケンゴはホルスターからGUTSスパークレンスを引き抜く。

 

「え?マジ!?生変身!?ちょっと待って!動画撮ってもいいっす!?」

 

キーを腰のマウントから外し、ボタンを押す。

 

〈 Ultraman Trigger -Multi Type- 〉

 

「あれ!?どこしまったっけ!?」

 

スパークレンスのグリップへと運び、挿入。

 

〈 Boot Up “Zeperion” 〉

 

スパークレンスを展開する。

 

「ここじゃない!あっれ!?」

 

「未来を築く、希望の光」

 

ケンゴはスパークレンスを頭の上に掲げ、いつもより控えめに叫ぶ。

 

「ちょっと待って!!もっかい!!もっかい最初から!!」

 

「ウルトラマンットリガー!」

 

強く光を発するケンゴ。

 

ケンゴは光に包まれ、光は徐々に収縮する。

 

「ウオオオオオオオオオオオオまじトリガアアアアアアアアアア!!!!」

 

空想特撮だったはずで見知った姿のヒーロー、それが目の前で現実的に変わった姿を目にしたセイリュウジン。

 

またも興奮を抑える事が出来ていない。

 

「動画とかどうでもいいや!えっと…すんません!触ってもいっすか!?」

 

確認するも相手の有無は聞かずに容赦なくあちこちに触れる。

 

「あの!ケン…トリガー…?…」

 

何やら迷っているセイリュウジンに対して首を傾げるトリガー。

 

「ケントリガー?」

 

「!?」

 

聞き慣れないどころか初めて呼ばれたおそらく自分の事を指しているのであろう名前に二度見するほど驚くトリガー。

 

「あ、いや、ごめんごめん!変身したなら変身した時の名前で呼ぶべきだよな!ごめん!」

 

そう言って両手を顔の前に合わせ、ペコペコとお辞儀をする。

 

「なんか語呂良かったもんでつい!」

 

顔を指でぽりぽりとかくセイリュウジンだったが、目的は忘れておらず、すぐにトリガーの正面に向き直る。

 

「んじゃトリガー!一緒に頑張ろうぜ!」

 

腰に両手をあててトリガーを見つめる。

 

が、反応が返ってこない。

 

「あれ?ひょっとして喋れない?」

 

鋭く察したセイリュウジン。

 

それに対し、口の前にバツを作って、しゃべれないアピールをするトリガー。

 

「なんかよくわかんないっすけど、了解っ!」




読んでくださってありがとうございます。

もうしばらくは日常パートに入りますので、お付き合い頂けると幸いです。
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