マナカケンゴの休日   作:LeeMinwoo

5 / 28
きっと何人かの方は思っているでしょう。

ブレーザーが旬な今に、何故トリガーなのか

私も思ってますが、トリガー放映時からずっと考えてたモノなんです

今回も読んでくださると幸いです

そして今回は戦闘パートとなります

出来たら戦闘が始まるところのBGMを

「Higher Fighter」を脳内再生お願いします。

今回のサブタイトルは、それを元に複数形にしています。


第5話 『Higher Fighers』

 

 

謎の自称“略奪者”『ジゼル』の残した飛行型と地上型の兵器はそれぞれ2m〜5mほどの大きさをしている。

 

「面倒なモノを残してくれたもんだ…」

 

ぼやいた瞬間、まずは飛行型がトリガーとミントリガー目掛けて搭載されたバルカン砲を発砲しながらあり得ない軌道を描き飛んで来る。

 

その動きはまさにドローンかUFOの様だ。

 

攻撃を交わした2人に、5体の大型ロボが重量級に見える体躯とは打って変わって意外と滑らかな動きで見た目よりも早く近づいてくる。

 

しかしそれでも、2人からすれば速度はさほど問題ではない。

 

すぐさま飛行して上昇するトリガーとミントリガー。

 

「トリガー、あの飛んでる奴ら頼めるか?」

 

その提案を聞き身体ごと相手に向けるトリガー。

 

そしてミントリガーは続ける。

 

「紫の力で、本当のスピードを見せてやってくれ」

 

初めて紫の力を手にした時、アキトに同じ事を言われた事を思い出す。

 

なぜ彼がその言葉を

 

疑問が絶えないトリガーだったが、状況打破をしたいのは同じため、承諾する。

 

しかし、問題が発生した。

 

 

◆トリガー-インナースペース-◆

 

 

ミントリガーのリクエストに応えるため、空に適した形態へのタイプチェンジを試みるケンゴ。

 

『スカイタイプ』のキーを腰のマウントから取り出し、スイッチを押す。

 

しかし、キーが反応を示さない。

 

「え?どうして?」

 

「こうなったら」そう思い、本来の大きさである50mへと巨大化しようと試みるが

 

「どうして…できない」

 

予想だにしなかった状況に戸惑いと不安を抱くケンゴだったが。

思い返せば不審な点はあった。

 

なぜ変身しても

 

“人間サイズのまま”

 

なのか

 

無我夢中だったため、その事を他所に置いていたケンゴ。

 

疑問に思うよりも先に切迫した状況に目を向け、あった事実を忘れようとしていた。

 

 

⬛︎上空⬛︎

 

あたふたし出すトリガーを黙って見るミントリガー。

 

「ひょっとして…」

 

何か感じ取ったミントリガーが口を開く。

 

「色々出来なくなってたりする?」

 

極力優しく、穏やかな声で尋ねたミントリガーに、トリガーはハッとなる。

 

しかしすぐにその疑問に応えるため、頷いたまま俯くトリガー。

 

「…わかった」

 

ふぅと息を吐いて続けるミントリガー

 

「できる事を、できる限りで、一緒にやろう」

 

俯き気味だったトリガーは、その言葉を投げかけた主を見据えるため、顔を上げる。

 

ミントリガーはトリガー、もといケンゴへと

 

とても優しい声で、優しい笑顔で、そして力強く言う。

 

「いこう、トリガー」

 

不安はまだある

 

しかし不思議と

 

まだよくわからない目の前のヒーロー相手に

 

間違いない安心感を貰い

 

ケンゴは思った

 

今の僕は1人じゃない

 

心強い“味方”が側にいる

 

「まずは飛んでる奴らを減らすぞ、ついてきてくれ!」

 

上昇しながら銃のカートリッジを替えるミントリガーにトリガーも続く。

 

上昇する2人のヒーローを追尾するドローン。

 

制止して銃口を向け、1体のドローンを撃つミントリガー。

 

弾はドローンの中枢部を貫き、一発で撃墜。

 

それを見て自分も武器を召喚しようと右手を前に出すトリガー。

しかし、反応がない。

いつもなら何処からともなくトリガーの呼びかけに応え飛来するはずだが、気配を感じない。

 

戸惑う暇もなく、ドローンが2機トリガーへと迫り、バルカンを連射しながら強襲をかける。

 

弾幕を交わしながらトリガーも指先から放つ光弾「トリガーハンドスラッシュ」を連射して、ドローンの羽部分を器用に破壊。

バランスを崩したところをまるでサッカーのシュートを決めるがごとく蹴り飛ばし、ドローン同士をぶつけて撃墜。

 

まるで同胞が倒された事への意趣返しの様に、ミントリガーに着いていたドローンがトリガーへと向かい周りを囲む。

 

旋回しながらトリガーへとバルカンを連射。

 

三方向からの弾幕を下降して交わし、両手から光の刃「トリガースライサー」を撃ち出し1機撃破する。

 

残った2機のドローンはトリガー目掛けて突進を仕掛ける。

 

そこに大きく響く発砲音。

 

ミントリガーが1機撃墜する。

 

すかさずトリガーはもう1機に向けて両手を十字に交差し「マルチ・スペシウム光線」を放つ。

 

2機目撃墜。

 

ざっと17機あったドローンは、残り11機。

 

「トリガー!」

 

呼ばれたトリガーはミントリガーを見る。

 

「これを使ってくれ」

 

ホルスターに一旦愛銃を仕舞い込み、腰の辺りから羽根のような形状で2振りの双剣

『鳥牙-とりが-』

を取り出し、持ち手の端を合わせて繋げる事により、一振りの双刃剣にし、トリガーへ飛ばす。

 

それを受け取るトリガー。

 

「少し違和感を感じるかもだが、きっとトリガーなら扱えるはずだ」

 

銃を構え直すミントリガー。

 

トリガーの専用武器である

『サークルアームズ』

マルチ、パワー、スカイの3形態に変わって戦うトリガーに合わせて、同じく3つの形態に変形できる神器がある。

時に形態に合わせて変形し、時に戦況に応じて武器だけを変形機構を駆使して戦うのが、トリガーの戦法である。

 

ミントリガーは見えていた。

 

彼はトリガーがそれを召喚しようとして失敗している姿を。

 

幸い、自分が持っている切り札の中でも、最もトリガーに扱いやすいであろう武器を預ける。

 

普段使っているサークルアームズの「スカイアロー」に近い。

馴染みのある形状と長さ、違いがあるとすれば、羽根のように軽く、振り回しやすい。

 

「俺のもう一つの相棒、預けるよ」

 

そこにはミントリガーからの、間違いない心遣いが込められていた。

 

それを感じるトリガー。

 

「援護する、飛んでる奴らは俺に任せて、おまえは下のデカイのを頼む!」

 

下方より向かってくるドローンを一発一発丁寧に狙いを定めて引き金を引き、順調に数を減らすミントリガー。

 

おかげで視界が開けた事により、最短距離で地上の敵が見えたトリガー。

 

およそ5mに近い体躯のロボット、その中でも先頭にいるロボットが、戦闘前にケンゴが座っていたテーブルを踏み潰し。

その先のキッチンカーに迫っていた。

 

ルルイエと店主の顔が脳裏に浮かび急降下するトリガー。

 

それを阻むようトリガーへ向かってくるドローンを撃墜するミントリガー。

 

阻みきれなかったモノは、鳥牙を装備したトリガーの一振りに一閃され爆散する。

 

キッチンカーとロボットの距離は1mまで近づいたところ、トリガーはロボットの前方に出した腕部目掛けて刃を振り下ろす。

 

「デアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

辺り一面に広がる、トリガーの雄叫び。

 

斬られた腕は、綺麗な断面を見せて、地面へと重々しい音を鳴らす。

 

トリガーはロボットに渾身の蹴りを叩き込み、後方に続くロボットへとぶつける。

 

そのまま距離を詰めて

 

斬り下ろし

斬り上げ

突き

横薙ぎの往復と

まさに猛攻。

 

軽量かつ斬れ味の鋭い武器のおかげで、スカイタイプ時までとはいかないものの、素早い蓮撃後。

その場で一回転の後、もう一度蹴りを喰らわせる。

 

斬りつけられたロボットはその蹴りの一撃がとどめとなり、バラバラに四散。

 

ほんの一瞬後ろを振り向き、店主がいない事を確認して安心するトリガー。

 

周囲にリュックもない。

 

避難させてくれたのだと安堵するトリガーは、キッチンカーを背にして守る様に敵へと向き合う。

 

1番手前のロボットに狙いを定め斬り付けに行く。

 

が、突然ロボットは痙攣するかの様にガタガタし出すと、上半身を高速回転して両隣のロボットへと見事にクリーンヒット。

 

そして急に止まったかと思いきや爆散。

 

瞬時にシールドを張り、爆風を抑え込むトリガー。

 

先程の猛攻と、トリガー自身も予想をしていなかった程、思ったよりも敵側の被害は甚大だった様子。

 

瞬く間にロボットは残り1機となるが、次々と倒されていく同胞を気にする素振りも見せずトリガーへと腕を伸ばし、ガシッと掴む。

 

両腕を拘束され身動きが取れないトリガー。

 

そのまま持ち上げられ、叩きつけられそうになった直後。

 

白い何かがきりもみしながらロボットに突っ込み、頭部らしき部位から中枢部を貫く。

 

トリガーの目の前には

 

膝立ちの状態で屈んでいる

 

ミントリガーの姿があった

 

すっと立ち上がるミントリガー。

 

「よっ、トリガー、無事か?」

 

そこでトリガーは気がついた。

 

ロボットの身体を貫いたのは

 

ミントリガー自身だったのだと

 

動力が落ちたのか、ロボットはそのままトリガーを掴んだ腕を降ろし。

地面に降り立ったトリガーは、ゆるんだ拘束から外れて自由となった。

 

辺りを見渡すトリガー。

 

「空の奴らは倒したよ、おまえのおかげで…トリガー?」

 

道路には、半壊した車や道路の瓦礫、街路樹の残骸、爆発による火災や煙。

 

戦場の跡と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。

 

ひどい、さっきまで平和な日常だった光景が、こんなにも簡単に壊されるなんて

 

そう思ったトリガーは、静かに、そしてゆっくりと拳を握りしめる。

 

「大丈夫だ」

 

何も言っていないのに、トリガーの思いに返す言葉。

 

「みんなここからまた立ち上がる、俺たちは挫けない、生きている限り」

 

握り拳をつくり、トリガーの胸に優しく当てるミントリガー。

 

「“生きる”と言う“戦い”を諦めない、それがこの世界にいる“イノチあるモノ”の意思だ」

 

これは、彼自身の答えじゃない。

彼は彼自身が生きる世界そのものと共に、自分に「大丈夫」と答えてくれている。

 

トリガー、もといケンゴは

 

その言葉に胸が熱くなった。

 

そんな中後ろからざわつきが聞こえてくる。

 

モールの入り口付近から、勢いよく見覚えのある格好の男性がリュックを持って走ってくる。

勢いはあるが、それでも可能な限り丁寧に持って。

 

ケンゴが預けたルルイエを持って、涙と汗を流しながら、店主はトリガーの元へと駆け寄る。

 

それに続く様に防護服を纏った人物が3名、息を切らしながら追いかけてくる。

 

「すみません!!!!」

 

店主の声は良く響き、辺り一面の凄惨な光景をまるで吹き飛ばすかの様だった。

 

「すみません…頼まれた通り預かってました!!お返しします!!!貴方の大切な花は、私達がしっかり守りました!!!」

 

ゆっくりと、差し出されたリュック。

 

トリガーは、そのリュックに手を伸ばそうとしていたが。

 

しかし、すぐにその手は止まる。

 

なぜなら今はトリガー

 

マナカケンゴではない

 

そうだ、なぜこの店主は、自分にルルイエを渡すんだ?

 

「受け取っていいんだ」

 

またもや、頭の中の疑問を覗かれたのかの様に、トリガーに語りかけるミントリガー。

 

「受け取って、いいんだ、みんな知ってる」

 

優しく背中を触り、ミントリガーは、トリガーの耳元で囁く。

 

「大丈夫だ、マナカケンゴ」

 

驚くトリガーを尻目に、店主がトリガーに向けて、更に大きな声で

 

「ありがとうございました!!!!」

 

また良く通る声だった。

 

気がつくと、モールの入り口にはたくさんの人々が、トリガーを見て目を輝かせている。

中には黄色い悲鳴の歓喜も届く程。

 

「店を守ってくださり……」

 

そのセリフを聞いてハッとするトリガー。

 

「本当に…本当に!!!」

 

リュックをトリガーに差し出したままの大勢で、深々と一礼をする店主。

 

「ありがとうございましたあああああああああああ!!!!!!!」

 

一瞬の静寂。

 

そして、やがて辺りは

 

拍手喝采で溢れ返る

 

ここまで、近くに、ましてや同じ目線で、声援や賛辞を受け取った覚えがないトリガーは

 

戸惑うばかりだった。

 

「ほら、手を振ってやってくれ」

 

言われて、未だ状況が理解できないが、ゆっくり手をあげて、ゆっくりと手を振った。

 

大歓声が上がる

 

思い思いの言葉が飛び交う

 

ありがとう

 

たすかった

 

大好き

 

かっこいい

 

すごい

 

素敵

 

やっぱりヒーローだ

 

そんな声を聞きながら

 

皆のたくさんの笑顔が広がっていく

 

ケンゴは、込み上げてくる何かを抑える

 

しかしそこへ

 

観衆の誰かが大きく

 

「せーーーのっ!」

 

と言った途端

 

ケンゴはあまりの事に、言葉を失うのだった

 

『スマイル!スマイル!』

 

大観衆は

 

全員揃って

 

トリガーに向けその言葉を投げる。

 

驚き、固まってしまったトリガーへ、ミントリガーが彼の肩にポンと手を置く。

 

「本当にありがとう。改めて、ようこそ北見へ」




読んでくださってありがとうございました。

ここからしばらく、日常パートになります。

楽しみにしていただき、楽しんで頂けると幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。