ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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初めての戦い

 

 

 海の気配がする。

 妙に道の起伏が激しくなり、徐々に標高が下がっている印象がある。

 意外と海の匂いなんてものはない。風向きによるものだろうか。

 だがしかし、違うフィールドに入ったという気配があったのだ。

 

「貴方様、あそこ」

 

「ん?」

 

「魔物です」

 

 普通に報告されて、俺は一瞬遅れて慌てて剣を抜いた。

 

「ついに出たか」

 

「二人旅ですから、いよいよ狙われやすくなったということでしょう」

 

 アリアハンを発った時のような集団行動はしていない。城壁がない宿場町からの出発となる2日目からは、冒険者達は各々自分のタイミングで出発していた。

 だから、俺達は遂に二人旅をしているのだ。

 

「あれは、大鴉とスライムか」

 

 剣を抜く。銅の剣だ。

 ネットだと青銅じゃないかとか色々言われていたが、俺にはよく判らない。とにかく、銅の剣。

 最初は背中の重さに慣れなかったが、素振りをしてみると徐々に手に馴染んできていた。

 

「大鴉は空にいるな」

 

「ではスライムに集中致しましょう」

 

「おう」

 

 スライムがぴょんと飛び跳ねる。

 その跳躍の高さを見て、俺は少し驚いた。

 やっぱり人を殺しうるモンスターだ、けっこう速い。

 

「やあっ!」

 

 ポジションが近かったルナリアが、棍棒でスライムを叩く。べちゃっと、嫌な音を立ててスライムが潰れる。

 

「やったか?」

 

「まだです!」

 

 その言葉通りに、潰れたはずのスライムは素早い動きで俺に迫ってきた。

 俺の方が与し易いと思ったか、けど攻撃力はこっちが上だ!

 銅の剣を叩きつける。刃はスライムを容易に切り裂き、真っ二つにした。

 

「おおおっ、いける!」

 

「さすがです」

 

 大鴉が空から襲ってきた。奴の攻撃はルナリアをかすり、右腕を浅く抉った。

 

「痛っ……!」

 

「ル、ルナリア! ホイミ使えホイミ!」

 

「は、いっ」

 

 痛みを堪えつつ、ルナリアは自分に回復魔法を唱える。

 

「ホイミ!」

 

 光が彼女の腕を包む。

 

「大丈夫か?」

 

 腕を見ると、確かに傷口が塞がっている。

 さすが回復呪文だ。これがなかったらと思うと恐ろしいな。

 俺は高度が下がった大鴉に素早く接近し、一太刀に切り伏せる。

 大鴉の首がぽんっと飛び、敵は全滅した。

 

「よし、終わったな」

 

「はい。……あの、すいません。腰が引けて、上手く動けませんでした」

 

 ルナリアが頭を下げる。

 

「い、いや、いいよ気にするなよ」

 

 ホイミを使えと言ったのは俺だし。初めての戦闘としては上出来だ。

 俺は魔物達の死骸を見た。

 

「魔物の死体って売れるんだよな? 大鴉は食肉として、スライムはどこを売るんだ?」

 

「スライムは特殊な素材が取れるらしいんですが、私はその知識がありません……」

 

「ま、売れないなら仕方ないか。カラスは毛皮も売れるんだっけ?」

 

「はい。肉と皮が売れます」

 

 魔物の死骸を荷物入れの袋に入れる。あまり日持ちはしないだろうけど、宿場町の商店に処理は任せよう。

 再び歩き始める。

 夕方頃宿場町に到着し、精肉を扱う商店に大鴉を提示する。

 「ちゃんと血抜きしろ」と怒られた。

 首をはねていたことで血抜きは偶然出来ていたそうだが、それでも中途半端ということで安値での買取になった。

 魔物の解体も、どっかで覚える必要がありそうだ……。

 

 

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