ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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戦争の理由 終

 

 

「というわけで、魔王軍でご入用のものはございますか? 人材からダーマ神殿まで、なんでもご用意しますよ?」

 

「あー、そういうのわからんので、担当者を紹介します。一緒に町に来てるんで」

 

「素晴らしい。是非紹介していただけますか?」

 

 ガゼルとエルマン氏がダルい会話をしばし続け、ガゼルは席を立った。

 

「俺、もう帰るわ。はあ、なんで踊り子見に来たのに仕事の話してるんだろ……」

 

「確かに……なんで真面目な話してたんだ、俺ら。すげー馬鹿なことしてた」

 

 現代の社会人は飲み会を仕事としか見ていないらしい。

 俺としてはエルマン氏の接待とはいえ、純粋に楽しむつもりだった。

 なのにこのザマだ。これが21歳の責任ということなんだろうか。あーやだやだ。

 

「我々も、そろそろお暇しましょうか」

 

「そっすね。おあいそお願いしまーす」

 

 俺達3人は、ダラダラと気だるい雰囲気で店を出た。

 夜はそれなりに更けている。街灯もない夜道だけど、空には2つの月がちょうど高く浮かんでいるのでそれなりに明るい。

 時間帯的なものなのだろうか。繁華街の割には人がいなかった。

 

「俺はエルマン氏を送ってく。じゃあな」

 

「ああ、さよなら」

 

 踵を返すガゼル。

 その背中に向けて、俺は手を向けた。

 

「ライデイン」

 

「ライデイン」

 

 俺とガゼルの手から、同時に稲妻が放たれた。

 光は中間でぶつかり合い、閃光を散らして相殺される。

 

「仕留めそこなったか」

 

「甘いわ」

 

「じゃあなー」

 

「なー」

 

「はっはっはっはっはっはっは」

 

 俺とガゼルは手を振って別れた。

 殺れるなら殺っとこうと思ったんだけど、やっぱりあいつもそう簡単に倒されてはくれないらしい。

 町中だからギガデインを使えなかったというのもある。レベル差が致命的にならなかった。

 

「いやはや、勇者様の魔法は凄まじいですな。あれが勇者専用の魔法というものですか?」

 

「ああ、はい」

 

 エルマン氏は俺の魔法に興味を持ったらしい。

 ゲーム中で雷の魔法を使えるのは勇者だけだし、単純に珍しかったのだろう。

 

「大きな音と光でしたな。あれは炎なのでしょうか?」

 

「いえいえ、あれは雷ですよ。火じゃないです」

 

「カミナリですか。炎とは違うものなのですか?」

 

「……うん?」

 

 俺は訝しんだ。

 

「雷は雷では?」

 

「すいません、カミナリという単語を知らなくて。てっきり明るいので炎かと思ったのですが」

 

 うーん?

 

「雷、ご存知ないですか? 大雨の時に空で光ったりする」

 

「ふむ、そういう現象はみたことがありませんな」

 

 あ、あれー?

 この世界、雷ないの?

 

 

 

 




いいかげん設定を固めないと展開に困るので、いろいろと考えました。
月が2つあるのはとりあえずファンタジー感を出す常套手段。
作中の2つの月はほぼ同じ大きさというイメージですけど、現実に現実の月と同サイズの衛星が2つ回ってたら物理的にはあんまり良くないそうです。
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