カンダタ
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ステータス外要素をサイコロで決定します。
性別(6以上で女性) 4
年齢(あまりに不自然であればやり直し) 31
容姿(かっこよさ、かわいさ) 8
頭の良さ 3
運動神経 3
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「おめえが、うちの冒険者を景気よく殺してくれた大馬鹿野郎かよ」
苛立った様子の男前な男性。
酒場に呼び出された冒険者ギルドの職員は、なんとカンダタと名乗った。
彼は人さらいどころか、秩序を守る側の人間らしい。
「バカだが気のいい連中だったんだがな。よくもまあ、気持ちよーく殺してくれた」
「すいません……」
俺には謝ることしかできない。
カンダタはまず、俺をぶん殴った。
部屋の反対まで吹き飛ばされる。頬が熱い。
「これだって法的には理不尽な暴力だが、甘んじて受け入れろや。個人的な感情については、これで済ませておいてやる。間違えは誰にだってある」
まったくこれで済ませられそうにない声色で彼は言った。
「お前……勇者アルスだな?」
「そうだ。勇者アルスだ」
「やっちまったなぁ、勇者」
「やっちまった勇者アルスだ」
「反省してんのか」
「すいません……」
「……勇者を捕まえたり罰したりするのは、こっちとしても体面が悪い。俺らだって冒険者数十人のために世界を敵に回すわけにもいかない。判るな」
「はい」
これはある意味、俺の勝利だ。
王様家業を頑張ったり外交を頑張ったりして、勇者の価値を高めた努力の結果だ。
時に風評は法律を捻じ曲げる。法治国家で生まれ育った身としてはクソくらえな話だけど、そういうことはある。
王様としても勇者としても、数十人を殺してしまった罪を誤魔化せる力を得ていた。
勝利だ。勝利だけど……
「泣くなよ……」
「はい」
俺は、本当に後悔していた。
「あー、話、続けるぞ。体面が悪い上に、そもそも魔王軍とやりあってる現状では世界全体の流れとして不利益でしかない。それはわかるな?」
「わかる」
「調子狂うぜ……とにかく、俺としては刑罰以外で対価が欲しい。わかるな?」
「わかる」
「本当にわかってるのか……? ちゃんと考えて返事をしているか? 好きなスープの具はなんだ?」
「わかめ」
もう一発殴られた。
ちゃんと答えたのにひどい。
「とにかく、勇者様にクソデカイ借りを作れたんだ。せっかくだし最大級の対価を請求したい」
俺は頷いた。
さあ、ばっちこい。
カンダタの要求してきた対価、それは国外に逃亡した凶悪犯罪者の抹殺だった。
「勇者稼業もいよいよ暗殺者じみてきたな」
俺は自嘲した。魔族より人間と戦っていることのほうが多い気がする。
村の宿屋にて、俺はパーティーの仲間たちを集合させてのミーティングを開く。
「勇者パーティーを解散しようと思う」
「はあ」
「えーっ!? 嫌ですよっ! 私は勇者様についていきます!」
俺の言葉にルナリアは呆れたようにため息を吐き、ソニアは真っ向から反対した。
「私は勇者様と結婚するためについてきたんですっ! 勇者様が正義でも悪でも関係ありません!」
「お、おう」
正直ソニアがどうして俺を好いてくれているかはよくわからない。ぶっちゃけ思春期特有の一過性のアレだと思う。
だから俺は、別にソニアに手を出そうって気になれない。はしかみたいなものだ。
対して、ルナリアの反応といえば。
「それで、次はどこに行くのでしょうか?」
「正義とか悪とか関係なく、ついてくる気満々過ぎる……」
そもそも離別するって想定がないらしい。
距離感が夫婦なんよこの子。それも老夫婦とかの。
そして、最後のアミーラちゃんはといえば。
「……これは?」
アミーラちゃんは無言で借用書を差し出してきた。
俺が殺してしまった冒険者の遺族に賠償金を支払ったのはアミーラちゃんだ。俺が右往左往している間にさっさと手続きしていた。
もちろんタダではない。ちゃんと俺に請求する気まんまんだ。
そして、借用書の下にはもう一枚の紙が。
『辞表』
アミーラちゃんはペコリと頭を下げた。
さすが商人、リスクマネジメントがシビアだ。
これはこれで信頼感が凄い。
アミーラちゃん、離脱決定。
燃え盛る町。吹き荒ぶ熱風。
グプタ青年は、バハラタの町が炎で赤く染まるのを呆然と見ていた。
「どうして、どうしてこんな……!」
町のあちこちから黒い煙がたちのぼり、空へと消えていく。
悲鳴が、建物が崩壊する音が、町中から聞こえてくる。
人々を捕らえる集団。見るからに野蛮そうな連中だった。
「お、お願い、殺さないで……も、もうすぐ彼と結婚するんです、見逃してください……!」
「ククク、お前の命なんて興味ねえよ!」
泣き叫び懇願する女性の前で、男は女性の隣にいた男性に剣を振り上げる。
「イヤああああああ!!」
女性の絶叫が響き渡る。無情にも剣は振り下ろされ、男性の手枷が砕かれた。
「ほれ、立て。故郷まで送ってやる」
「あ、ありがとうございます!」
男性は喜色を浮かべて立ち上がり、野蛮そうな一味の中に逃げ込んだ。
「待って! どうして、私を愛してるって言ったのに……!?」
「誘拐して無理やり結婚を強制する女に惚れるかよ、バーカ!」
追い縋らんとする女性に、野蛮な男はそっと立ち塞がって制止する。
「この町じゃそれでいいのかもしれねえけどよ、世間じゃ愛ってのは双方同意の元で育むもんなんだぜ」
「うるさいっ! この、野蛮人……!」
睨みつける女性に、男は肩を竦めた。
一連の会話を見ていたグプタは、隣に立つ男、勇者に失望の目を向ける。
「どうして、どうして……勇者様……」
「いや、どうしてって言われても」
俺は攫われた人間を助け出す救助隊をボコボコにしてしまった。
なので北へ向かう前に、町に残された拉致被害者と捕縛された救助隊を奪還する為にバハラタに来ていたのだ。
まあ、自分でやったことのケツ拭いだ。
「奴隷がないと、奴隷がいないと僕たちの生活は成り立たないというのに……!」
「それはどうなんだ、さすがに」
奴隷を奪われるっていうのは、彼らにとってこういうことらしい。
日本人でいえば、日頃から活用している便利な自動車を盗まれる、くらいの感覚なのだろうか。
財産を奪われたならば、そりゃあ憤るだろうけどさ。
「環境に悪かろうが一度手に入れた自動車を手放すのは難しい、ってことなんかな」
俺はグプタの肩を叩く。
「お互い色々あるんだろうけど、がんば」
「……はい……」
これからこの町は色々と周辺から圧力を受けることににあるだろうけど、それにもめげず、彼には真っ当に嫁探しに頑張ってほしい所存です。