「なんですかこれ」
宿屋の部屋にて、貰った景品を全て広げる俺。
ルナリアは珍妙な品々を見て、俺への不審の目を強めた。
「貰った」
「どなたからです? あ、陛下でしょうか?」
「まあ、名もなき勇者の支援者からだな」
実際彼女はコレクターやれるくらいには富豪なわけだし、援助といえなくもないんじゃなかろうか。
「変な物ばっかりだけど、性能はピカイチだ。絶対旅が楽になる」
「なるほど。私などより、よほど合理的なパワーアップ手段を見つけてこられたようですね」
関心した様子で頷くルナリア。
ちなみに彼女の情報収集の成果は、書庫から魔物解体の指南書を発見してきたというものだ。
これはこれで間違いなく重要な成果だろう。
「俺はこれとこれを装備しようと思う」
やたら尖ったブーメラン、刃のブーメラン。
町人が被っていても違和感のないように見える、疾風のバンダナ。
前者は優れた武器だし、後者は身軽になる魔法がかかっている。どっちもいい装備だ。
原作では疾風のバンダナはステータスの1つ「性格」が変わってしまったが、この世界では流石に精神に影響を及ぼすということはないらしい。
「勇者様が剣を持たないのですね」
「まあ、それを言われるとアレなんだけど……」
美少女の前だ。俺だってかっこよく剣で戦いたい。
けど、現時点で手に入る剣って結局銅の剣なんだよ。
青銅剣を持った勇者なんてどっちみちサマにならない。
「かっこいい武器はそのうち手に入れるとして」
「かっこよさを選考基準にしないで下さい」
「ルナリアには、これらを装備してほしい」
俺は3つの装備品を提示した。
神秘のビキニ、復活の杖、ガーターベルト。
ルナリアはゴキブリを見る目で俺を見ていた。
「ふざけているのですか?」
「ふざけてない。これを着て下さい」
思わず丁寧語になった。
俺はルナリアにビキニ水着を押し付ける。
杖とか黒い靴下なんてどうでもいい。まずは水着だ。
ルナリアは俺を無視して、復活の杖を手に取った。
宝玉をはめ込まれ、見事な天使を象った彫刻が施された白い杖。
清純な雰囲気を称える美少女僧侶のルナリアにはとても似合っている。
彼女はそれを大きく振りかぶり―――
「えいっ」
「あばーっ!?」
その攻撃力を、俺で確認した。
情報収集と装備確認に費やすこと数日。
俺達は、再び旅に出ることにした。
次の目標はナジミの塔。アリアハン西の湾を回り込み、海底洞窟を抜けて湾内の小島を目指すのだ。
「危なくなったらすぐに引き返す。キメラの翼を使うのは躊躇わない。それが俺達の約束だ」
「はい。大切なことだと思います」
頷くルナリア。
表向きは出会ったばかりの頃と同じ服装だが、実は中に神秘のビキニを着ている。
更に、しなやかな細い足は黒いガーターベルト装備。
布の服と法衣を着込んでいるせいでほとんど見えないが、足首が黒いのがチラチラ気になってしまう。
「あの……ちらちら見ないで頂きたいのですが」
「めんご」
バレてた。
しょうがないじゃん。こんな清楚可憐な少女が中に色っぽい装備を2つも着込んでるとか、凄い気になる。
みなさーん。この美少女、下に如何わしいもん着てまーす。
「よ、よし。行くぞっ!」
それっぽく拳を突き上げて気合を入れる。
家を出て半月ほど。俺達は、遂に本当の旅に出発するのであった。