ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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本日2度めの更新です。


大人の階段

 

 

 とある日。俺は旅装束を脱ぎ、アリアハンの街を歩く。

 休日。ビバ休日。

 こうしてみると平和なもんだ。

 モンスター退治をすると金稼ぎも捗るし、貯金もけっこうたまりがち。

 もう隠居したい。魔王倒しに行かなくていいんじゃないかな。

 

「冴えない町だと思ってたが、こうしてみると人の生活圏って華やかなもんだな」

 

 大通りには屋台が並び、石畳の路地には冒険者や買い物客でごった返していた。

 せっかくの休日。ルナリアも自分のやりたいことをしているので、俺もやりたいことをする。

 

「せっかく独り立ちしたんだ、俺は自由だ。よし、ここはいっちょ風俗でも……」

 

「おい、アホ勇者」

 

「ひえっ」

 

 俺は声をかけられて飛び上がった。

 

「ル、ルイーダ?」

 

 超目付きが悪い少女、酒場の主ルイーダがそこにいた。

 

「なにやってんだ、はよ魔王を倒しに行け」

 

「あ、いや。休暇中。戦士にも休暇は必要だろ」

 

「あんたそう言って、いつまでも行動起こさないタイプだろ」

 

 俺の人生見透かしてるなコイツ……。さすが酒場の主やってるだけあるぜ。

 

「ま、それはいいとしてさ。今、風俗とか言ってなかったかい?」

 

 ルイーダは俺の隣に立ちながら言う。なんだ? また説教か? 俺はうんざりした気分になる。

 

「勇者だって男だ。風俗行って何が悪い!」

 

「童貞が男を語ってるんじゃないよ」

 

「ど、童貞ちゃうわ」

 

「えっ、マジで?」

 

 ルイーダは心底意外そうな表情で俺を見る。

 いやその顔やめろ。なんか傷つくから。

 童貞だけど。

 

「っていうかルイーダ、まさかあんた非処女じゃないだろうな」

 

 確かこいつ13歳だ。これで非処女だったら、それはそれで倫理的に問題ありだろう

やばい。俺の守備範囲外だ。

 

「はん。あんたの未使用とあたしの未使用じゃ意味が違うんさ」

 

 少女はあっけからんと白状した。

 

「あたしはまだ処女だよ。昔はともかく最近は法律的にさっぱりさ」

 

「あっそ」

 

 こいつの性事情なんて心底どうでもいいわ。

 

「とにかく風俗はダメだ」

 

「なんでだよ」

 

「あんた勇者なんだよ。勇者が地元で風俗行ったなんて知られたら、魔王討伐する前に世界中から笑われるだろ」

 

「ぐぬぬ……」

 

 ちびっ子でもさすが酒場の主。男のあしらいにもなれてるってことか。

 しかし……この調子じゃいつまでも風俗にも行けないぞ!

 

「じゃあどうしろってんだよ……」

 

 俺が尋ねると、ルイーダは顎に手をあてて考えはじめた。

 

「ま、あんたも男だしね。発散しないとそれはそれで問題か」

 

「だろ? 風俗行きたいんだよ」

 

「そういう秘密を守れる娼館ってのもある。貴族なんかが行く高級店なら、客の名前なんて絶対に漏らさない」

 

「マジか。紹介してくれ!」

 

 俺はルイーダの手を握る。彼女は心底嫌そうに俺の手を振り払った。

 

「はあ、仕方がない、紹介状を書いてやるさ。その代わり、ちゃんと魔王討伐の旅に出るって約束しな」

 

「ええぇ……」

 

 そりゃないよ。せめて風俗ぐらい使命抜きで行かせてくれよ。

 抜くだけに。

 

「わかったよ、約束するから紹介状をくれ」

 

「あいよ。ほれ、これを店の門番に見せな」

 

 そういうとルイーダは、俺の掌にコインを乗せる。これが紹介状になるらしい。

 これで娼館に行ける。やったぜー!

 

 




旅立つ前に酒場で景気付けの宴会、みたいな流れを考えていたはずなのに、なぜか娼館に行く流れになったのホント不思議。
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