本日3話目の更新です。
そして夜、俺は王都町外れの館に向かった。
「ここが娼館か!」
ルイーダに教えてもらった高級娼館。その大きな建物を見上げ、俺は興奮した声を上げた。
郊外とはいえ、かなり大きい。ひょっとしたら学校の校舎1つ分くらいあるかもしれない。
そりゃそうだ、娼館は「宿」なのだ。ホテルみたいに沢山部屋があり、そこで女の子と一晩しっぽりするのだ。
「むふふふっ」
「いらっしゃいませお客様」
スキップして店に入る。
俺を迎えてくれたのは、燕尾服を着た初老の紳士だった。
「ご予約のございますか?」
「いや、初めてなんだが……」
俺が言うと、紹介状らしいコインを渡した。
「これは……なるほど。こちらへどうぞ、お客様」
紳士はニコリと微笑み、俺を店の中へと導く。
薄暗い店内には高級ホテルのバーラウンジのような作りになっていた。
いくつかのフロアがあり、それぞれにテーブルとソファが置いてある。客が座るテーブルからは、他のテーブルは見えないように仕切りが高く設置されていた。
「お客様、こちらの席でお待ち下さい」
「はい!」
小学生みたいに元気よく返事をする。
紳士は一礼し、恭しく下がった。
すぐに、ドレス姿の女性が現れる。
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ステータス外要素をサイコロで決定します。
性別(6以上で女性) 5
年齢(あまりに不自然であればやり直し) 15
容姿(かっこよさ、かわいさ) 10
頭の良さ 2
運動神経 6
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「おおおっ!」
俺は彼女を見て、思わず歓声を上げた。
高級娼館ってことで期待出来ると思ってたけど、とんでもない美少女だ!
銀の髪に海色の瞳。胸はかなり小さい……というかぺったんこだけど、華奢で可憐な少女が俺の前に立っていた。
「こんばんわ。エイダと申します」
微笑み、一礼するエイダ。
サラサラと細い髪が、形の良い耳を流れる。
猫のように釣り気味の目は、しかし相手に威圧感を与えるようなこともなくチャームポイントとして作用している。
「あの……?」
エイダが不審そうに声を上げる。
「あ、ごめん」
いかんいかん、思わず見とれてしまったぜ。俺は咳払いして気持ちを切り替えた。
「えーっと……」
しかしここからどうすればいいんだ? そ、そうだ、まずは飲み物を頼むのだ。
いや待て、アルコールは不味いんじゃないか? この世界の飲酒に関する法律はどうなってるんだ?
「お飲み物はいかがいたしましょう?」
俺が迷っていると、エイダが聞いてきた。
おお、さすが高級娼館! 客の心を察する達人だ!
「えーっと……ジュースってあるかな?」
「ございます」
エイダは小さく笑い、壁際に控えるメイドを呼び寄せた。
「葡萄ジュースをお持ちして」
メイドは頷き足早にその場を去る。しばらくすると、トレイで飲み物を運んで来た。
よし! さすが高級娼館。ちゃんとアルコール抜きのジュースを持って来たぞ!
グラスに注がれた葡萄ジュースはさながらワインのように見える。俺の体面を守ろうという気遣いだろう。
「それでは、乾杯!」
俺のグラスにエイダが軽く自分のグラスを合わせる。
チン、と澄んだ音が響いた。
……俺はグラスに口をつける。
エイダはニコニコしながらこちらを眺めている。
そうだ、俺は何をグダグダやっているんだ。せっかくここまで来たんだ、楽しまなきゃ!
「エイダさん」
俺は彼女の名を呼んだ。
「はい?」
エイダが首を傾げ、俺を見る。
ああ……可愛いなぁもう! こんな可愛い子と一晩しっぽり出来るなんて最高じゃないか!
「ち、近くに寄って座っていいかな?」
「いえ、わたくしの方がそちらにいかせていただきます」
そういってエイダは俺に寄り添う。細い腕が俺の腕に触れる。
柔らかな感触と温かな体温を感じる。
「お客様」
エイダが俺に小さな冊子を渡してくる。
「これは?」
「料金表でございます。初めての来店となると、料金も把握されていないのですよね?」
なるほど天国の沙汰も金次第というわけか。俺はメニュー表を開き、女の子としっぽりするのに必要な最低料金を確認した。
舐めるな、俺だってこの1ヶ月、沢山戦って稼いできたんだ―――!(なおルナリアとの共有資産)
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料金をサイコロで決定します。
4 4 10 G
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4410G。
どうしよう、全然足りない。
今の所持金は227G。20倍くらい足りない。
「さすがは最高級店だぜ……」
俺はメニューをパタンと閉じる。
どうしよう。ここまで来て「お金が足りないから帰ります」なんて言えない。
だが、しっぽり後に金がないなんて言ったらそれこそ大惨事。
二度と帰らぬと決意した実家への帰還が、娼館でのトラブルとか残念過ぎる。
「あの、お客様?」
「なぁ、なんだぁ?」
声が裏返った。
エイダは小首を傾げ、クスリと笑う。
「もしかして、持ち合わせが足りませんでしたか?」
「……はい」
エイダは苦笑して、「お気になさらないでください」と言った。
「若い方だとよくあるのですよ。こちらでもトラブルにする気はないので、大丈夫ですわ」
「エイダちゃん……!」
「今日は楽しくお話をしましょう? 次にいらした時こそ、わたくしと素敵な夜を過ごしましょう」
俺は感動した。
ここにヒロインはいた。
いやルナリアだってかわいい。ダブルヒロインだ。
本懐は遂げられなかったが―――俺は幸せだ。
「ありがとう。ありがとう」
俺は葡萄ジュース1杯で3時間粘り、最高のひとときを過ごした。
そして帰り際、伝票を渡される。
「ドリンク代でございます」
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ドリンク代金をサイコロで決定します。
1 0 5 G
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……ったっけぇ……
俺はこうして、1つ大人になったのだった。
ドリンク代を再現する為、実機ではおなべの蓋2つと薬草1つを購入して捨てました。
娼館で働くエイダ。この人物のステータスに主人公は気付いていません。
この子、再登場させるべきでしょうか?
まあ実機プレイを優先してるので、難しいかもしれませんが。