ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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予定調和の罠

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ステータス外要素をサイコロで決定します。

性別(6以上で女性)           2

年齢(あまりに不自然であればやり直し) 28

容姿(かっこよさ、かわいさ)       8

頭の良さ                 4

運動神経                 4

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「よくぞ来た、アリアハンの勇者よ」

 

 ゆったりとした布の服(トーガというらしい)を着た王様が、俺達に語りかける。

 ここはロマリアの王城。というより屋敷というべきかもしれない。

 ロマリアの王政は共和制に近い性格を持っているらしく、王といえど城に住んでいるわけではないようだ。

 よって、この屋敷はロマリアの現王の屋敷の応接間である。

 

「勇者オルテガの噂はわしも聞き及んでおる。惜しい男を亡くしたものだ」

 

「恐縮であります。父に代わって、必ずしや魔王を退治致しましょう」

 

「うむ。それで、今日の要件はどのようなものだ? アリアハン王からは支援の申込みが行われているが」

 

 ちなみにロマリア王はなかなかの男前だった。オッサン一歩手前の若者といったところか。

 死ねばいいのに。

 

「はい。ただ支援と言いましても、金銭的なものではなく情報や通行手形という形での支援がほしいのです。資金は自分達で準備しておりますので」

 

「ほう?」

 

 意外そうに少し目を見開くロマリア王。

 何を隠そう、俺達は金銭的に困ることはない。

 必要とあらば金目の物をバグで増やせばいいのだから。

 

「世界平和のためにも、ぜひロマリア王のお力をお借りしたい!」

 

 俺の真の仲間達が、後ろから「なに言ってんだこいつ」みたいな目を向けてくるのを感じる。

 ある意味信頼されているみたいで何よりだ。

 

「うむ。その程度であればこちらの負担も少なくて済む。だが、具体的には何が欲しいのだ?」

 

「そうですね……ああ、そういえばこの国では宿はどのように選ぶのでしょう? 幾つか見て回りましたが、防犯面などで不安がありまして」

 

「ああ、他国の人間からすればそうかもしれんな。この国では信頼出来る宿というのは、おおよそ知り合いや友人の家に世話になるものだ」

 

 王は少し考え、頷く。

 

「そういうことであれば、この屋敷を拠点とされるが良かろう。この屋敷には多くの客間がある、お主等を住まわせるくらいどうということもない」

 

「それは助かります。感謝を」

 

 よし、召使い付きの宿屋ゲットだぜ。

 王様からの承認も得て、俺は内心でガッツポーズをした。

 これで一々宿を探さずに済むし、俺達の行動の幅も広がるというもの。

 

「さて、話はそれくらいでよいか?」

 

 そう確認し、ロマリア王はパン、と手を叩いた。

 使用人がぞろぞろと部屋に入ってきて、料理を次々と運び込んだ。

 俺はすまし顔で内心喝采をあげる。そうそう、これを待っていたんだ!

 

「せっかくの勇者様ご来訪だ。さあ、今日は豪勢に行くとしよう!」

 

 

 

 

 

 

 ちょっと俺が想像していた料理とは違った。

 楽師が奏でるエキゾチックな音を背景に、見覚えのない料理を食していく。

 俺がイタリア料理に詳しくないから、ってわけではない。

 実際、あまり見ないタイプの料理が多いのだ。

 

「楽しんでもらえているかな、勇者殿」

 

「はい。やはりロマリアといえば海鮮ですね。この貝など絶品です」

 

「はっはっは。喜んでもらえるのはなによりだ。ちなみにそれはカタツムリだぞ」

 

「ごほっ」

 

 咽る俺をロマリア王は笑う。いい性格してやがる。

 どうにも、この国の料理は素材の味そのままの物が多い。

 それが悪いとは言わないが、味付けのパターンが乏しいのだ。

 素材こそ多様なので差別化は出来ているものの、似たような料理が多い。

 そういえば、イタリア料理に欠かせないトマトがない。当然ピザもない。

 

「不味くはないんだけどなぁ……」

 

 誰にも聞こえない声でつぶやく。正直、肩透かし感は否めなかった。

 まあ、寝そべって食べる謎文化とかじゃなかっただけ、良しとしよう。

 食べて吐いてを繰り返すような事態にならなくて何よりだ。

 

「ところで勇者よ、すぐに旅立つつもりか?」

 

「……そうですね。数日くらい町を見学したいと思っていますが、あまり長居はしないつもりです」

 

 本当はもっとゆっくりしたかったのだが、流石に人の家に居候状態だとゆっくりは出来ない。

 離れを間借りする程度ならともかく、こうもしっかりと勇者様として歓待されては居心地が悪い。

 

「では頼みがある、勇者アルスよ」

 

 あっ。

 これ知ってる。アレだ。ロマリアで王様の頼み事といったらアレだ。

 

「カンダタという者を知っておるか?」

 

「いえ、不勉強で申し訳ありませんが……」

 

 本当は知っているが、ゲーム知識でドヤ顔して見当違いのことを言ってしまったら赤っ恥だ。

 俺は自身の知識不足を恥じるように見えて、外国人なんだから知るわけねえだろ、みたいなアピールをこっそりとする。

 実際ここまでロマリアの雰囲気が違うと、カンダタの設定も違うかもしれない。

 

「おっ。知ってるぜ! こっちじゃ割と名の知れた悪党だろ、カンダタっていやあ」

 

 せっかく俺がロマリア王に気持ちよく語らせる舞台を用意したのに、エイダちゃんがぶち壊してしまった。

 とはいえロマリア王も笑って済ませているので、俺も気にせず聞くことにする。

 

「天下の大悪党カンダタ。村々から金品を盗み、若い女性を攫っては売り飛ばす。まったくとんでもない悪党って話だよ」

 

「人攫いか……やっぱりそういうのもあるんだな」

 

 21世紀のヤングな俺には、人攫いとか人身売買の話はちょいとヘビーだ。

 いや、地球でも治安の悪い場所だとたぶん現在進行系であったんだろうけど。

 

「まあね。アタシも聞いた話だから、詳しくは知らないけどさ」

 

 人攫いのカンダタ。ゲームにもそれっぽいイベントはあった。

 ということは、やっぱりこれはあのイベントだ。

 

「実はな、そのカンダタが最近また悪さを始めたらしいのだ」

 

「はい」

 

「あやつはこともあろうか、わしから金の冠を奪って逃げたのじゃ。もしそれを取り戻せたのなら、そなたを勇者と認めよう!」

 

 ……なるほど。

 

「頼んだぞ、アルスよ!」

 

「お任せ下さい。ロマリア王よ」

 

 俺は恭しく頭を下げた。

 っめっ、めんどっくっせぇーーーっ!

 

 

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