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ゲーム中のランダム種配布により性格とステータスを決定します。
名前 アミーラ
年齢 12
職業 商人
性格 頑固者
容姿 踊り子
力 8
素早さ 4
体力 11
賢さ 9
運の良さ 7
HP 13
MP 15
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「おいエルマン。それはルール違反じゃねえのかよ」
カリーム氏が割り込んでエルマン氏に抗議した。
たぶん、ここはカリーム氏が俺に恩を着せるという約束が事前にあったのだろう。
だがそれを破ってエルマン氏は娘を俺に送り込もうとしているわけだ。
「いえいえ、彼女は劇団に就職し、既に独立した身。私とは経済的に無関係です」
「よくいうぜ、白々しい。つーか顔を見せろや、この勇者様は面食いだから醜女はお呼びじゃねえぞ」
誰が面食いだ、誰が。
美形集まっているのは結果論。俺とは勇者的に無関係です。
とはいえ俺も商人少女の素顔が気になるので、カリーム氏が彼女の顔の覆いを剥がそうとするのを注視する。
ばしっ。
「おっ」
カリーム氏が意外そうな声を漏らした。
商人少女が顔を晒すのを拒否したのだ。
「すいません、娘は極度の人見知りでして」
「おいおい、商人にしてもダンサーにしても、顔を見せなきゃやってらんない仕事だろ」
商人少女はただ黙して俺達のことを見上げている。
人見知り過ぎて、話すのも嫌らしい。
「あの、エルマンさん? 送り込むにしてももうちょっと社交性のある人いなかったんですか?」
俺はつい訊ねた。
娘だというのが真実なら、我ながらまあまあ失礼な発言である。
「ははは……実のところ、人見知りを荒治療するために劇団に丁稚に出していたのですが……」
「治ってねえじゃねえか。それどころか顔を隠す大義名分得てるぞこいつ」
カリーム氏が手が払われるのも気にせず、少女の頭をぐりぐりと撫でる。
無言でカリーム氏の太い腕をバシバシ叩き続ける少女と、それでもグリグリするカリーム氏。
ひょっとしたら子供好きなのかもしれない。
「あー。えっと、名前はアミーラちゃんでいいのか?」
アミーラちゃんは頷く。
イエス・ノーくらいは返答してくれるらしい。
「俺達これから命懸けの世界を股に掛けた旅をするわけだが、それについてはいいのか?」
再びの首肯。
そして意思疎通の終了。
どうして旅については構わないのか、それを伝える気力はないらしい。
「はあ」
カリーム氏は溜め息をついた。
「おい勇者、お前はどう思う?」
「……エルマンさん、タダ?」
俺は率直に訊いた。
不良債権を押し付けるのだ、商人がタダってことはないだろう。
「はい、タダです」
エルマン氏はにっこり笑って俺の交渉をばっさり拒否する。
「と言いますか、実際役に立つと思いますよ。口下手ですが商人としての才能は確かです。交渉から物品の買い付けまで、娘に任せれば間違いないでしょう」
「へー」
俺は改めてアミーラちゃんを見た。
彼女は自分の話題であるはずなのに、他人のことのように俯いている。
この内弁慶っぷりで交渉上手とか本当かよ……と思うが、俺としてもネゴシエーターな人材は欲しい。
「えー、それではアミーラちゃんを仲間に加えるってことで」
俺は極めて紳士的に、彼女の手を取る。
バシッと叩かれた。やっぱり駄目らしい。
代わりに? なのか、エルマン氏が手を差し出してきたので握手する。
「娘を宜しくお願いします」
「こちらこそ」
商談成立である。
いや別に商談ではないが。
「まあ契約上は間違いなく奴隷だ。お前の好きにしろや」
カリーム氏がエルマン氏に10ゴールド払いつつ俺に言う。
奴隷が10万円相当ってことはないだろうから、そのへんも事前に交渉済みだったのだろう。
「アミーラ、勇者様の言うことをちゃんと聞いて、頑張って働くんですよ」
エルマン氏が優しく諭すと、アミーラちゃんはこくりと頷いた。
本人的にやる気はあるようだ。
「よっしゃ決まったな! よしじゃあ出発の準備だ! テメー等最終確認しろ!」
カリーム氏は高く右手を掲げると、商人や冒険者達が慌ただしく動き出す。
俺達も馬車に乗り込む。のたのたと出遅れたアミーラちゃんを引っ張り上げると、やがて5台の馬車が前進を始めた。
「じゃあな勇……クソガキ! 死ぬんじゃねえぞ!」
カリーム氏が大声で呼び掛ける。俺も返事に手を大きく振った。
目指すは砂漠の国イシス。遥かに西を目指し、大砂漠を超えた先にあるオアシスの国。
こうして俺達は、様々な人の思惑を乗せて暗黒大陸へと旅立った。